鳥たちがいる秋の色 #2





四季の中で一番好きなのは、間違いなく秋。
子供の頃からそれは変わらない。

春は空想にふけりすぎる。
夏は何をするにも背伸びをし過ぎ。
冬はいつまでも家に閉じこもっていたい。
秋だけが等身大の自分でいられる。

オレンジや茶色が好きなのも、きっとそれらの色に秋のイメージを感じるからなのかもしれない。
もし一日を四季のように捉えるとしたら、朝は春、昼は夏、そして夕方から夜にかけてが秋で、夜遅くから寝るまでが冬、、、いやこれには少し無理がある。

一日の中では朝、しかも4時とか、5時、少なくても6時前までの早朝が一番好きな時間。
この時間にきちんと起きられれば、朝から自分を褒めてあげられるし、頭は冴えていて、身体にもまだエネルギーがたっぷりあるので、何をやるにしてもとても効率がいい。

秋の朝早い時間、自分だけの為に静かに使う。
僕には至福のときだ。
もしブロックリーエステイトに住んでいたら、その至福の時間にはニワトリたちの鳴き声が必ず聞こえていることだろう。















































































































































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# by somashiona | 2012-05-18 15:26 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

鳥たちがいる秋の色 #1


日本なら、鈴虫の声が聞こえたり、空を舞うトンボを見ると、「ああ、もう秋だなぁ」としんみり思うが、ここタスマニアに住んでいると虫の声で季節を感じる日本人の繊細な感覚など忘れてしまう。
サマータイムが終わり、朝晩にヒーターのスイッチをオンにする頃になると、「くそっ、もう秋だ」と思う。
満喫しきれなかった夏に、未練タラタラだ。


ブロックリーエステイトでの撮影はニワトリやターキーたちの気配を常に視線の端や背後に感じながら行った。
おかげで、僕にとっての今年の秋のイメージは、少なくてもヒーターのスイッチなどではなく、ニワトリやターキーと共にある。


「ブロックリーエステイトの秋の色を撮ってほしい」という依頼だったが、指定された日程は秋の色を写し込むには少し遅すぎた。
3日間続いた暴風雨が秋の色をすっかり消し去ってしまったらしい。
どうしたものか、、、と最初はストーリーをはじめる手がかりが掴めず、三脚を肩に担いで黙々と歩いていたが、それでも、絨毯のように地面に広がる落ち葉や枯れた小枝を踏みしめるときの乾いた音が、僕の想像をゆっくりと膨らます手伝いをしてくれた。


秋というのは、静かに待ってさえいれば、必ず向かうから何かがやって来る季節だ。


















































































































































つづく (To be continued)


























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# by somashiona | 2012-05-17 17:27 | 仕事 | Trackback | Comments(2)

ちょっと遅めの贅沢昼食編



カメラを抱え、ホテルのまわりをウロウロしていると、またキッチンからいい匂いが漂ってきた。
食欲は写欲に勝るのか?
いい匂いを一度でも嗅いでしまうと、撮影の集中力はもう続かない。
パトロール中の番犬が餌の準備をしている飼い主の姿を見つけたときのように、僕は撮影のことを忘れ、しっぽを振ってキッチンへと向かう。


























































































湧いたお湯の蒸気がうっすらと漂うキッチンにはレモンの香りが広がっていた。
ちょうどチャシーがカボチャのジャムとグリーントマトのジャムを作っているところだった。
庭でとれたグリーントマト。味はちょうどピーマンとトマトを足して2で割ったようで複雑だが、これがジャムになるとそれはそれは、素晴らしいらしい。
料理好きなら誰でも、自分にとってバイブルとなるような料理の本を1、2冊は持っていることだろう。
僕はオーストラリアに移住する直前に買った集英社「クッキング基本大百科」という分厚い本を繰り返し繰り返し使っている。まあ、クックパッドのお世話になることも多いが。
チャシーにとっての一冊は「KITCHEN GARDEN COMPANION」という本らしい。
料理だけでなく、土の掘り起こし方から、野菜やハーブの育て方まで事細かに解説してあり、なおかつ写真が素晴らしい。
日本とオーストラリアでは料理の本のコンセプトがまったく違う。(一般的に)
日本の料理の本は野菜の切り方からフライパンの上でどうやって小麦粉を炒めるかということまで、しっかりと写真が掲載され、実用書に徹底しているところがいい。こういう心使いは実に助かる。

























オーストラリアで売れる料理の本はどちらかと言えばオシャレな写真集だ。
きれいなガーデン、登場する素敵な人たち、雰囲気たっぷりのキッチンとアンティークな調理器具。写真のクオリティが高く、料理に興味がない人でもページをめくるだけで楽しめそうだ。
なので、誕生日やクリスマスのプレゼントとしても料理の本は人気が高い。
確かに、チャシーのキッチンに居ると、目にするものすべてがフォトジェニックに見える。
料理の写真から徐々に写真にハマる人も多いが、その気持もよくわかる。
あいにく僕にはそのセンスがないので、そっち方面のフォトグラファーにはなれないが。













































































ふとダイニングテーブルの方へ目をやると、ジュリアンとスコットの二人がモバイルフォンを見つめ、難しい顔をしている。
二人ともバリバリの経営者なので、ちょっとした時間を利用してスタッフから送られる報告書や、仕入の状況などの確認をインターネットを利用して行うのだ。
タスマニアだけでなく、オーストラリアの農場などではインターネットがとても重要な役割を占めている。
ひとつ、ひとつの農場が半端な広さでない分、インターネットを利用したサービスに頼らざるをえない状況が出てくるのだ。
子供たちが学校の授業を家に居ながらインターネットで受けたり、医者の診察や、時には難しい手術を都会にいる先生がインターネットを通して指示を出し行われることもある。
日本のようにどこでも携帯電話が使えるような国でないので、インターネットの回線が行き届かないところは衛星で回線をつなく。
とにかく、国策としてそういう事を進めているので、パソコンに強い農家のおじさんやおばさんも多い。
一見無縁に見えるが、ジュリアンのホテル経営もインターネットなしでは語れない。
パソコンはもちろんだが、スマートフォンが登場してから随分仕事がしやすくなったようだ。
自分たちの生き方が頭にしっかりと描けていれば、何処に住むかはもはや問題でない時代のようだ。






































ジュリアンがキッチンへ戻り、チャシーの手伝いをしはじめると、窓の外に綺麗な光が差し込んでいることに気づき、僕はカメラを抱え、慌ててそとに飛び出した。



















































再びキッチンへ戻るとパンプキンジャム(カボチャのジャム)は用意してあった空き瓶に詰められ、スイートポテト(サツマイモ)の料理も完成間近だった。
すでに出来上がっているサラダはロースとパンプキン、日本人の名前に似たネーミングのイタリアンチーズを焼いた物(そのときは絶対に忘れられない名前だと思ったが、忘れた)、カラメルを絡めたクルミ、そして、昼間にガーデンからチャシーが採ってきたレタスが混ぜ合わさった絶妙な一品。
そして昨夜のマグロ、スイートポテトにMojoというコリアンダーのソースをかけた一品。
ちょっと遅めの美味しい昼食を堪能した後、名残り惜しみながらホテルを後にし、ホバートへ向かった。




















































































































番外編へとつづく (To be continued)













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# by somashiona | 2012-05-16 19:25 | 仕事 | Trackback | Comments(1)

みんなで散歩&カヌー編



朝、おいしい朝食で胃袋も心も満たされた後は、みんなで散歩。
散歩と言えども、ジュリアンとチャシーはホテルを管理する仕事や、僕たちにゲストにまたしても美味しいお昼ごはんを食べさせるため、やることが色々とあるので、どちらかといえば彼らの日々の仕事を見学するついでの散歩のようなものだ。
さっそく鳥たちに餌をあげるチャシーとジュリアン。
鳥たちは餌をもらえるのを知っていると見え、二人が歩いて来ると我を先にと追いかけてくる。
餌にありつき、鳥たちがケンカをしながら黙々と食べているとき、遠くの方から切羽詰った声で「コ、コ、コケッ、コケコッコー」と泣きながら猛烈な勢いで餌の方へ走ってくる一羽を発見。
群れから外れ、一人自分の世界に浸っていたせいでジュリアンたちに気付くのが遅れたニワトリだった。
鳥の世界でも、やっぱりこういう奴がいるものだ。
こういうのを見ると、鳥といえども何故か他人ごととは思えない。
同じ電波を出し合う仲間意識が芽生えてしまいそうだ。






































黄色の古いフィアットが敷地内に一台止まっている。
聞けば、チャシーが運転免許を取得するため彼らの広い敷地内で運転の練習をしているという。
ここでやりたい放題に運転し、技術を身につければ、将来はラリーカーの選手も夢ではないだろう。






































チャシーの料理へのこだわりは出来るだけローカルのプロダクトを食材にすること。
まさに地産地消だ。
タスマニアの人たちが彼女の料理を食べると、「えっ、いつも食べているこの食材が、スペイン料理になるとこんなふうになっちゃうの!?」と驚く。
肉や卵、野菜をはじめ、自分たちの土地で飼育や栽培できるものをできるだけ増やし、それを使って新鮮素材の料理を作る。
去年、僕が彼女からもらった乾燥させたオレガノは、どこのお店で売っているものよりも香り高かった。
各種のハーブや野菜の畑を見せてくれた。
今日の昼ごはんには今彼女が土から採ったばかりのレタスが登場するだろう。
































































彼らの土地の中には大きな川が流れている。
僕たちはその川に向かって歩いた。
タスマニアの川らしい、手付かずのワイルドな川だ。
黄色いカヌーが川べりに一艇置いてあった。
彼らに先にお手本を見せてもらい、次に僕と友人のカップルがカヌーを漕いだ。
万が一に備え、カメラは持ち込まなかったが、すぐに後悔した。
カヌーから見る景色の素晴らしいことといったら、、、。
川の中にはカモノハシが住んでいるらしく、鳴き声と、彼らが水中から上げる泡を時々確認することができる。
でも、用心深い彼らの姿を見ることはなかった。
カモノハシは綺麗な水にしか住まない有袋類だ。













































































一度ホテルに戻り、それぞれがくつろぎの時を楽しむ。
とはいえ、僕はやはり仕事をしなくちゃという気持ちを抑えることが出来ず、ついついカメラを持ってホテル周辺をウロウロしてしまう。
ウェブサイトの素材として使えそうなものでもないかと、まるでフランスで土の中のトリュフを探す犬のように、鼻をくんくんさせながら、せわしなくホテル周辺をうろついてしまう。
(優雅な場所で優雅になれないのは貧乏性?)
すると年代物のゲートボールのセットのようなものを発見。
こんなかっこええ場所でゲートボールはないよなぁ、、、と独りごちてみたが、僕が発見したのはアンティークのクロッケーのセットで、もともと英国の紳士淑女が楽しんだクロッケーこそ、ゲートボールの元祖なのだ。
日本のおじいちゃん、おばあちゃん、かっこええ!
































































外ではジュリアンがキッチンの生ごみの一部を鳥たちに与え、残りはコンポースト(日本語なら堆肥か?)行きだ。
タスマニアでは生ごみをコンポーストにする人が多い。
特にガーデニングが好きな人は、生ごみにミミズや植物の葉などを混ぜ、こだわりのコンポーストをする人が多いようだ。


庭では相変わらずニワトリが走りまわり、ブロックリーエステイトの時間はゆるかやに過ぎていく。
































































つづく(To be continued)












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やはりランキングは更新回数と比例するのか、、、ああ、辛すぎる、、、。皆さんのポチッでやる気になります。



私もあの出遅れたニワトリに何故か共感してしまう、と思った人はポチッとよろしく!









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# by somashiona | 2012-05-15 19:32 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

シンプルだけど、たまらない朝食編


大人の時間は夜中の12時くらいでお開きになり、ジュリアンたちが用意してくれた部屋の、大きなベッドにもぐりこんだ瞬間に、僕は眠りに落ちた。
アンティークな雰囲気に包まれたあんなゴージャスな部屋に泊まる機会などそうそうないのだから、もっと楽しんでから眠りにつきたかったのだが、、、。
翌日は6時に起床。
部屋の中は冷え切っていて、ベッドの中の身体はぬくぬくだが、鼻や頬は冷たい。
窓の外は真っ暗で、ニワトリやターキーたち以外、まだ誰も起きている様子はない。
本当は真っ白でフカフカな羽毛のブランケットに包まれて、もう少しぬくぬくしていたかったのだが、仕事でここに来ているということを忘れてはいけない。
魚釣りと写真撮影は朝早ければ早いほどチャンスが多い。
日が昇る時と沈むときはフォトグラファーにとってマジックタイムだ。
ベッドでぬくぬくしていてこの時間を逃すようではフォトグラファーとは言えない。
美女が温かい足を絡めてきて「ねえ、ダーリン、、、」と言っても、それを振り切る勇気を持たなければいけない。
それでこそ、真のフォトグラファーだ、諸君!
そんな強い意志で、三脚を肩に担ぎ、ギンギンに冷え切った外気を切って、前の日に目星をつけておいた場所に行き、じぃ〜とお日様を待ったが、結局、期待していた光はこれっぽっちも来なかった。号泣、、、。
前日同様、あたりに広がるのは灰色で、それでいてギリギリ雨が降らない、掴みに欠ける光。
女性に「まったくあの人ったら、煮え切らないのよねぇ」と男だったら言われるタイプの光。
しかし、どんな人にでも光るところがあるように、光にだってその光でなければ表せない被写体があるはず。
相手が期待していたタイプの人でなかったのなら、必死で良い面を探すしかない。
まあ、こじつけだが、、、。


朝露で靴やズボンの裾をビショビショにしながら写真を撮っていると、いい匂いがホテルから漂ってきた。
お腹も「ぐ、ぐぅ〜」と音をたてはじめたので、朝の撮影はひとまず終えることにした。



キッチンに入ると、チャシーがオムレツを作っているところだった。
スピニッチ(ほうれん草)がタップリと入ったオムレツ。
ジュリアンが「コーヒー?」と僕に向かって言うと、首の骨が折れそうなくらい僕は頭を縦に振った。
何はさておき、朝、僕が心から欲するものは美味しいコーヒーだ。
これ抜きに、幸せな一日ははじまらない。決して大袈裟ではなく。
見るからに新鮮そうなベーコンがカリカリに焼かれるのを待っていた。
ベーコンをちょうどいい加減で焼くのは意外と難しいと思う。
チャシーはオーブンで焼いていた。なるほど、その手があったか、、、。
彼らのニワトリが産んだ新鮮な卵で作ったオムレツはほうれん草と塩、コショウだけなのに、たまらなく美味しい。
僕も普段いろんなタイプのオムレツを作るが、どうしてもこうはいかない。
まあ、それがプロと素人の差なのだろうが、、、。
カリカリベーコン、スモークサーモン、オムレツ、自家製のパン、自家製の数種類のジャム、美味しいコーヒーとタスマニア産のアップルジュース、シンプルだけどたまらなく美味しい。
美味しいもので胃が満たされた皆は、朝から超ご機嫌だった。































































































































つづく (To be continued)














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美女が足を絡めて「ねえ、ダーリン、、、」って言ったら絶対にベッドでぬくぬくしているだろー!、と思った人はポチッとよろしく!









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# by somashiona | 2012-05-14 18:25 | 仕事 | Trackback | Comments(3)

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