テトリス中毒




仕事がデジタル化してから撮影の後の仕事時間が爆発的に増えた。
長い期間にわたってまとまった仕事を複数すると撮影という行為で100%燃え尽きてしまう。
しかし、そうは言っていられない。
その燃え尽きた身体を引きずってパソコンと対峙し、自らの頬に平手打ちを放って何千枚もの写真を一枚一枚眺め、涙を流しながら出来るだけ多くの写真を排除したあと、残りの写真の中から悩みに悩み抜いて必要な写真を選ばなければならない。
仕事に前半戦と後半戦があるなら撮影が前半戦で画像処理が後半戦だ。
僕は前半戦は好きだが後半戦は苦手なタイプ。
僕にとって後半戦は孤独との戦い、我慢大会、神経衰弱だ。
朝起きてから夜ベッドに倒れ込む直前までまでパソコンとにらめっこ。
ジャンクなスナックが恋しくなり、普段は一日2杯までと制限しているコーヒーも3倍は軽くいく。
煙草をやめたのがせめてもの救いだ。
もし今も煙草を吸っていたら、間違いなく一日3箱コースだろう。

もう半年以上経つと思うが、僕は「あること」をしなければこの孤独な作業に打ち込めない人間になってしまった。
その「あること」とは、、、テトリスだ。






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そう、あの色とりどりの何種類かの形のブロックが画面の上から下へと落ち、ブロックの形をきっちり合わせ隙間を埋めていくゲームだ。
どうして今ごろになってテトリスなのか僕には分からない。
深く考えずにゲームをパソコンにダウンロードしたのが運のつきだ。
僕は基本的に反コンピュータゲーム、反テレビゲーム派で子供たちにもゲームをするとシッポがはえてくるからヤメた方がいい、と教え込んでいるくらいだ。
しかし、そんな僕も今や孤独で苦手な画像処理作業に入る前、どうしてもテトリスで頭をウォーミングアップしなければ前に進めないのだ。
そのテトリス、最近はだんだんとエスカレートしてきているのを自分でも認識している。
デスクトップにテトリスを置こうものならすぐに誘惑の悪魔が現れるのでいくつかのフォルダーを開かなければゲームを始められないようにしているのだが、それでもそのいくつかのフォルダーをせっせ、せっせと開いてしまう。
朝のテトリスに加え、食事を済まし再びパソコンに向かう前にテトリス、何本かの電話をし画像を見る前にテトリス、メールを数本出した後にテトリス、5時間おきにテトリス、3時間おきにテトリス、、、と症状が悪化してきた。
貴重な時間をゲームに捧げるだけでも後ろめたいのだが、ゲームのスコアの善し悪しが精神的足かせとなり、仕事の内容にも反映するようになってきた。
スコアがいい日は頭の回転も速く、画像選びに迷いがない。
コントラストやホワイトバランスの選択も一発で決まる。
しかしテトリスのスコアが悪い日は画像処理にかかる前から自分の判断に自信が持てない。
マジェンタを増やすべきなのか黄色をもっとのせるべきなのかといった判断がいつまでたっても出来ず、カーテンの隙間から漏れる光のせいにしてみたり、パソコンの画面にうっすらとついたホコリに怒りを感じ何度も拭き取ったりしてみる。
なので700枚近い画像を処理しなくていけない日だというのに3、4枚の画像を処理するのに1時間くらいイライラしながら格闘するなんてこともざらだ。
そして、そのイライラが募るとまたテトリスに逃避し、あっという間に30、40分が過ぎ、そのあと自己嫌悪に苛まれる。
テトリスの影響はパソコンから離れたときですら出てきている。
恐ろしい話だが外で人と会って話をしている時、話の内容がつまらなかったり、疲れがたまって集中力を欠きはじめると話をしている人の顔の前をあのテトリスのピンクやグリーンのブロックが次から次へと落下するのだ。
話し相手を前に僕の心は完全にその場を離れ、ひたすらテトリスのブロックを眼で追いかけてしまう。
僕の顔を見ている人は僕の眼球が上から下へ行ったり来たりしているのがわかるだろう。

そんなある日、僕はインターネットであるニュースを見た。
イギリスのオックスフォード大学の研究結果だ。
な、なんとテトリスはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の影響を減らすのに役立つ可能性があると彼らは報告したのだ。
この研究の目的はトラウマによるフラッシュバックの影響を弱めるための実験だったそうだ。
その結果、テトリスをした人たちはトラウマの記憶が蘇るフラッシュバックがテトリスをしなかった人たちより弱かったらしい。


なんだ、そうだったのか!
僕はテトリスでストレスを解消しようとしていたんだ!
確かに撮影をした後はフラッシュバックのオンパレードだ。
「ああぁ、どうしてあのシーンを逃してしまったんだろう、、、」
「う、うぅ、、、この時フラッシュを使ってしまったけどスゴくいい自然光が射していたじゃないか、、、」
「どうしてあの時もっと気の効いた言葉をかけられなかったんだろう、、、そうすればもっといい雰囲気を作れたのに、、、」
撮影を終るたびにこういった後悔と反省の大波、小波が僕の心に押し寄せる。
これをトラウマと言わずになんと言おうか!
そうか、僕はただ自己防衛本能に従っていたんだ。
よぉ〜し、今日も自己ベスト更新目指してがんばろ!
オーイェ〜!
皆さんもテトリスいかが?




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ゆりかもめ線の特等席に何人もの子供たちが座りたがっていたが一緒にいた下町のイケメンburgさんに眼つけてもらったおかげで僕たちは難なく陣取ることが出来た。(ひどい大人)

しかし、何度目を擦っても目の前に繰り広げられる光景が僕にはテトリスのブロックにしか見えない。






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相原さんの素晴らしいお話のときですら僕の心の中は「あぁ〜っ、相原さんがテトリスのブロックに挟まれるぅ〜」だった。






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by somashiona | 2009-04-07 13:00 | デジタル

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