怒ったり、笑ったり




霧雨降る林の中を散歩していると、雨足が強くなって来た。
僕のカッパに当たる大粒の雨の、あのパラパラというプラスティック製の尖った音が周辺の音をかき消す。
ランニングーシューズから染込んでくる雨水が不快に思いはじめた頃、屋根のある建物を発見したので、雨宿りをしようと思った。

建物に近づくにつれ、雨宿りの気分が失せていく。
静かな林の中で、もの言わずひっそりと佇む建物は落書きで覆いつくされていたからだ。
まるで輪姦され、山の中に置き去りにされた女性を見るような気持ちになった。
僕は街の中に溢れる落書きに強い不快感を持っている。
大切に手入れされた古い建物の塀や壁にスプレーで書き付けられた文字や絵を見ると、たとえそれがレベルの高い絵であっても、この家の持ち主が感じるであろう気持ちに心から同情し、そして沸々と怒りが沸き起こる。
何か大切なこと、綺麗なことを考えたいと思っている時、自分がいる公共の施設や乗り物にあの独特の落書きが溢れていると、思考はネガティブな方へ向かってしまう。








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雨宿りはやめにして、歩き続けた。
ランニングーシューズの中がじゃぶじゃぶしてきたので、泥が入ろうが、水たまりがあろうが、もう構わず歩き続けた。

林を抜けて住宅街を歩いていると黄色い車の後ろ姿が目に入った。
もの凄く古いタイプのトヨタだ。








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僕は黄色い車を見るとパブロフの犬のようにカメラを向ける習性がある。
写真は被写体が自分の目に入り、「あ、いい!」と思った時、それがどんなポジションであれ、まわりがどうであれ、その第一印象をまずは一枚撮っておくべきだと僕は思っている。
一枚撮ってからベストな構図や瞬間を詰めていけばいい。
特に人を撮る場合、「あ、いい!」と思った瞬間が後にも先にもベストな瞬間で、それを撮らなかったばかりに後々後悔する経験を過去に何度もした。(今も)
雨に濡れる古いトヨタを自分の写真にしようと一歩立ち位置を変えた途端、僕は笑ってしまった。
車は半分しかなく、自転車を止めるチェーンで電信柱につなぎ止められていた。








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散歩をしながら、どうでもいいようなことに怒ったり、笑ったり、平和な雨の一日だった。
















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by somashiona | 2009-08-20 09:43 | デジタル

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