眺めのいい部屋





たしか大学生だった頃「眺めのいい部屋」という映画を観た。
しっとりしたとてもいい映画だった。
ストーリーや役者さんたちのことなど、詳しいことはあまり覚えていないが、鮮明に頭の中に残り続けたのはこのタイトル「眺めのいい部屋」だった。
何の変哲もないシンプルなものだけどこの「眺めのいい部屋」という言葉の響きが与えてくれる余韻みたいなものが僕はたまらなく好きなのだ。


タスマニアに住む7年の間、僕はホバートで5カ所の違う建物に住んだ。
東京のように窓を開けたら隣の家の壁に手が届く、みたいなことはないが、眺めのいい部屋に住んだことは一度もなかった。
今住む5カ所めのこのフラットにたどり着いて、僕はとうとう眺めのいい部屋を手に入れた。
このことにこだわってフラットを探していたわけではないが、実際に眺めのいい部屋に住むと心が穏やかになることを知った。
朝起きるとリヴィングルームにたくさんの光が差し込み、海が見え、山が見える。
気持ちのいい一日のはじまりだ。
雨が降っても綺麗だし、虹が出ようものなら日常の嫌なことも忘れてしまう。


しかし、最近これはオーストラリア政府の陰謀ではないか、と思いはじめている。
実は僕のベッドルーム、カーテンを開くといつでもオーストラリアの国旗がさわやかな風を受けてはためいている。
毎日、毎日、朝カーテンを開けるとまず最初に眼に飛び込んでくるのがオーストラリアの国旗なのだ。
僕はPR(パーマネントレジデンシー:永住権)をもってこの地で生きているが、オーストラリアのシチズンシップ(市民権、国籍)をとる気はない。
もしこれをとってしまうと日本国籍を失うからだ。
(多くの国では2重国籍を認めている。例えばイギリスで生まれ、オーストラリアに住む多くの人は両方の国籍を持っている。海外に住む者にとって国籍に縛られるのはとても不自由なことなのだ)


最近、目の前ではためくこの国旗を見ているとき、右手のこぶしを左胸の前においていることにふと気がつくことがある。
そして、時には心の中で「アドバンス・オーストラリア・フェア」や「ワルチング・マチルダ」を口づさんでいる時さえある。


日本では日の丸の問題がまだくすぶっているが、もし朝、僕のベッドルームのカーテンを開けると日の丸がはためいていたら、僕はきっと今よりも背筋を伸ばし、日本男児として今日一日を一所懸命生きようと思うかもしれない。


国旗の力、恐るべし。

















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本家本元オーストラリア国家。
君が代を歌えない人はかわりにこれを英語で歌って友達を唸らせよう!














国歌ではないのに、国歌以上の人気を誇り、子供から大人までこの歌をうたう時は目を輝かせ、穏やかな顔になってしまう一曲。
オージーのガールフレンドをモノにしたけりゃ、この曲を彼女の前で英語で歌おう!















オーストラリアに住んで以来このカンタス(英語圏の人間の前でこう発音してはいけません)航空のテレビコマーシャルを超える美しいCMを見たことがない。
このCMを見ると自分が住むこのオーストラリアの土地を誇りに思い、感極まって涙ぐんでしまう。
(大袈裟じゃなくて)





















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by somashiona | 2009-09-18 11:02 | デジタル

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