アイスクリーム夢遊病




もう直ったはずだから白状するが、僕はしばらくのあいだ、奇妙な現象に悩んでいた。
毎晩(早朝)、午前2:30a.m.から3:30a.m.のあいだに決まって目が覚めるのだ。
それも、きちんとベッドで寝たはずなのにソファで目覚める。
そして気がつく、手にはファミリーサイズのアイスクリームの容器とスプーンを握りしめ、すでにかなりの量を食べてしまったことに。
ああ、またやってしまった、、、と強烈な自己嫌悪に陥った後、それでもさらに3口ほどアイスクリームを食べ、ベッドに戻るのだ。
冷蔵庫からアイスクリームを出した記憶は見事にない。
僕はこの現象をアイスクリーム夢遊病と命名した。

僕は大の甘党だ。
朝起きて一番最初にやることはコップ一杯の水を飲んだ後、チョコレートなどの甘いものを摂取(食べる)すること。
冷蔵庫にはいつもアイスクリームやチョコレートが入っている。
これは頭痛薬を切らすわけにはいかないくらい、僕には重要なことだ。
このアイスクリーム夢遊病の期間僕は2日に1ℓの容器ひとつのペースでアイスクリームをたいらげていた。
さすがに身の危険を感じたが、それ以上に精神の危険を感じた。
なにが僕を無意識の行動へと突き動かしているのか、その理由を考えた。
思い当たる理由はいつものようにストレスくらい。
この奇行を止める簡単な方法、それはアイスクリームが冷蔵庫に入っていない状態をつくること。
精神の危機を感じた一番の理由はスーパーに行くたび、買うべきではないと分かっているのにアイスクリームを買ってしまう点だ。
オーストラリアのスーパーではアイスクリームのセクションがチョコレートやチーズのセクションのように日本の数倍のスペースがある。
オーストラリア人は大人も子供もアイスクリームが大好きだ。
たくさんの種類のアイスクリームが入っているスーパーの巨大な冷凍庫の大きくて少し曇ったガラスドアの前でしばらく立ちつくす。
頭の上には漫画に出てくるような小さく黒いマナブちゃん悪魔と白いマナブちゃん天使が言い争いをする。

天使「こら、マナブ、またアイスクリームを買おうってんじゃないだろうな!そんなこと続けていたら病気になっちゃうってことぐらい、分かってるでしょ!君には自制心ってものがないのか!」

悪魔「ねえマナブ、考えても見てご覧よ。君の身体はね、無意識にアイスクリームを求めているんだ。これは理性を越えて君の身体が出している信号なんだよ。身体の声にはちゃんと耳を傾けて、素直に従うべきだと思うな」

葛藤のあまり額にはうっすらと汗がにじみ、頭がフラフラする。

結局、僕は悪魔君のもっともらしい理論に納得し(納得した振りをして)、アイスクリームを買うのだ。
いつものように、バニラを。

この数ヶ月続いたこのアイスクリーム夢遊病から開放されたのは簡単なきっかけだった。
取材で3週間近く家を空けている期間、アイスクリームを求めて夜中に起きることはなかった。
ホテルでの毎日、朝早い起床、長時間の撮影、知らない土地での運転、夜中に起きるパワーなど少しも残っていなかった。

取材が一段落し、自分の家でのいつもの生活に戻っても、しばらくアイスクリームを買わずに我慢することができた。(えらい、えらい)


今、僕の冷蔵庫には、やはりいつものようにアイスクリームが入っている。
タスマニアで作られているアイスクリーム、VALHALLA(バルハラ)のバニラ1ℓサイズだ。
色々なブランドを試したが、味といい、値段といい、このVALHALLA(バルハラ)に勝るものはない。
もう、さすがに毎日アイスクリームを食べはしないが、子供たちが泊まる土曜の夕食のあとのデザートとして、もしくは日曜の朝のホットケーキと一緒に子供たちと食べる。
本当はまだ毎日でも食べたいのだけど、週末のご褒美としてとっておくことにした。
(えらい、えらい)













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テキストとは関係ないが友人宅のトイレで見つけた年代物の看護婦さんのポートレイト。
モデルになった看護婦さんも写真を撮ったフォトグラファーもこの写真が時を越えて男3人の住む家のトイレに飾られるとは思わなかったろう。
トイレに行くたびこの看護婦さんに見つめられながらおしっこやうんちをするのはさぞかし癒されるにちがいない。
いや、彼らがそう言った訳ではないけれど。












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僕の冷蔵庫に収まる愛しのバルハラとキャドベリー。(参考までに)












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by somashiona | 2009-12-19 09:09 | デジタル

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