人の心の中に土足で入らないで〜!









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オーストラリアとアメリカでの経験を合わせると僕の海外生活はもう10年になる。
外国でのライフスタイルにすっかり慣れたか?、と聞かれると少し答えに詰まる。
自国の文化や慣習は大切な事だが、それが心にあるがために居心地の悪さを感じることが海外生活では多々あるのだ。
その代表的なもののひとつに「靴」問題がある。

僕は家の中では靴を脱いで生活するスタイルをとっている。(日本式)
オーストラリア人でも家の中では靴を脱いで生活する人がいるが、たぶん80%以上の家庭は家の中で靴を履いている気がする。(根拠なし)
雨の日や犬の糞を踏んだ靴で家の中を歩きまわり、時にはそのままベッドの上に転がり込み本を読んでいる人見ると、僕は背中がざわざわする。
しかし、人の家のことを僕がとやかく言う筋合いはない。
問題は僕の家の中でこの靴に対する僕の希望をどこまで押し通して良いのかということなのだ。

親しい人が遊びに来ると、その人が玄関で靴を脱ごうとするアクションを起こすのを心のなかで期待する。
家の中で靴を脱ぐ習慣のない人は、家に入る前に靴を脱ぐという観念がまったくないので、僕が玄関のドアを開けるとなんの躊躇もなくそのまま靴で入ってくる。
日本の文化に興味があったり、日本人の友達がいる人、そして僕のライフスタイルを知っている人はそこで何も言わず靴を脱ぐか、もしくは靴を脱いだほうがいいかと聞いてくれる。
聞かれると、そうしてくれると嬉しい、と素直に答える。
はじめて僕の家に来る友人で靴を脱ぐと僕に不快な思いをさせるに違いない、と申し訳なさそうに何度も謝る人がいる。
はじめのうちはその理由が僕にはわからなかったのだが、人様の家で靴を脱ぐ習慣のない人は靴下の匂いを異常なほど気にするのだと、あとで知った。
こういう人たちにとって、他人様に靴下を見せるのは、自分の下着姿を見せるようなものなのかもしれない。
そうなると、靴を脱がせてしまった自分の配慮の無さを、僕は後悔することになる。
実際、他人様の家で靴を脱ぐのは失礼なことだと考える文化の国が沢山ある。
そういう人たちが人様の家で靴を脱ぐとき、土足で家の中に入られることに対する僕の不快感と同じような不快感をその人達は感じるのかもしれない。








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アメリカで9・11のテロが起きたあと、イスラム教徒に対する嫌がらせや脅迫があとを絶たなかった。
それを危惧したブッシュ大統領がモスクを訪れた彼らに謝罪した。(もちろんポーズで)
このとき、モスクに入るブッシュが自分の靴を脱いだことをマスコミは強調した。
イスラム教では靴を脱いでモスクに入るのが当たり前の習慣だが、アメリカ人にとって大統領がわざわざ靴を脱いだということはブッシュ大統領のイスラム教徒に対する最大のリスペクトだと(大統領の思惑通り)感じたかもしれない。

水道、電器修理、大工さん、大きな家電製品の配達人などが玄関のドアをノックするとき靴を脱いでくれとは言えない。
彼らは大抵、体が大きな見た目がワイルドな男たちで、ごつい仕事用の編上げのワークブーツを履いている。
荷物や仕事の道具を家の中に入れたい出したりするたびにブーツを脱いだり、履いたりさせると、きっとそのうち不機嫌になり、僕にいちゃもんをつけ襲いかかってくるような気がするのだ。
そんな気持ちになるのは、実はある映画のせいだ。

「フェイク」という映画を観たことがあるだろうか?
ドニー・ブラスコという偽名を使うFBIの覆面捜査官(ジョニー・デップ)が巨大なマフィアのファミリーを壊滅させるべくマフィアの一味としてファミリーとの絆を深めていく。
ある日、アル・パチーノ率いるファミリーのメンバーと日本食レストランを訪れる。
お座敷に通され、メンバーたちは靴を脱ぐが、ジョニー・デップはそれを拒む。
「俺様に靴を脱げだなんてそんな間抜けな話が聞けるか」みたいなことを言い(かなり昔に観た映画なのでセリフは覚えていない)、機嫌を悪くするが、黒い蝶ネクタイをした日本人のスタッフは「これが私たちのマナーなのだから、従ってもらわなければ困る」と一歩も引かない。
実はジョニー・デップのブーツの中には隠しマイクが入っていたのだ。
ジョニー・デップは自分の焦りと混乱を怒りに置き換え、どうにかこの場を切り抜けようとする。
ジョニー・デップの態度に同調したファミリーのメンバーはこの日本人スタッフを店のトイレに連れ込み、血みどろになるまで袋叩きにする。
この映画、このシーンだけがやけに鮮明に頭に焼き付いている。
この映画を観て以来、体の大きな人に靴を脱いでくださいと言うことに恐怖を感じてしまうのだ。(小心者)

長くオーストラリアに住む日本人でも自分の家の中には絶対に土足であがらせない人たちが意外と多い。
自分の家の中は自分の流儀に従ってもらうという気持ちは分からないでもない。
「人の心に土足で入ってくるような奴」というフレーズがあるが、土砂降りの日に自分の家のカーペットの上をワーキングブーツを履いた男たちが歩きまわるのを見ていると、まさにそんな気持ちになってしまうものだ。
家の中で靴を履かないオーストラリア人が訪問者を迎え入れるとき、靴を脱いで欲しいと頼むシーンを僕は一度も見たことがない。
僕が靴を脱ごうとすると、「脱がなくてもいいよ」とすらいうが、僕は「靴を脱いだほうが快適だから」と答える。
しかし、正直な話、他人の家にお邪魔するときは靴のまま入れたほうが快適だ。
土足で家の中に入られるのは嫌なくせして、人の家に入るときは土足の方が快適だといつの間に感じるようになったのだろう。
海外生活が長くなると自分にとって都合の良い部分だけを取り入れ、面倒なことはそれが自国の文化であっても切り捨てる、そんな我がままな人間になっていくのである。








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写真はテキストと全く関係なし。
週末の子供たち。
「服は濡らさないから」だなんて絶対信用しないぞ!


















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by somashiona | 2010-07-19 21:04 | ソーマとシオナ

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