ラザニア世界選手権、タスマニア、ホバート地区予選









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虹の向こうサンディーベイへ向かう車の中、僕と子供たちは無言だった。
お互い口には出さないが、心の中は今日行われるラザニア世界選手権、タスマニア、ホバート地区予選(僕たちが勝手にそう呼んでいるだけです)のことで一杯だったからだ。

会場はスコット宅。
ホバートに2件の寿司ショップ、1件の寿司ケータリング会社、そして以前紹介したカフェ、Next Doorを持つ、食にかなりのこだわりを持つ男だ。

審査員には和食の匠であるMr.ケン氏と第二子出産予定を3週間後に控えるその妻カナ、そして九州からわざわざこの選手権のために駆けつけたグルメの女王カナの母を招いた。
この日、ラザニアを食する子供たちにも投票権はある。
子供たちの意見は時としてグルメな大人たちよりもストレートで残酷だ。


スコット・チーム VS マナブ・チームのバトル。


実を言うと、マナブ・チームがラザニアを作るのは今日で2度目。
1度目が大失敗だっただけに、今日の選手権をソーマはかなり心配していた。
ダディのマナブは選手権の3日前、ラザニア・クイーンのギャビー宅を訪れ、彼女のレシピを内密に教えてもらったので、心に余裕がある。
実力を十分に発揮できるよう、ナイフは勿論、ラザニア専用の陶器、フライパン、鍋、まな板にいたるまで、自分たちが知り尽くした道具をスコット宅に持ち込んだ。

ラザニアは基本的にとてもシンプルな料理だ。
トマトソースとホワイトソース、そしてラザニア用のパスタがあればそれでOK。
なので勝負を左右するのはどんなトマトソースを作るか、どれだけのレイヤー(パスタの層)にするかなど、力の入れどころが絞られることになる。










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スコット・チームが素早くトマト・ソースを仕上げる。
スコットのパートナーであるMs.トモコは料理の達人、ソーマにプレッシャーがかかる。
スコット・チームに今回のラザニアの名前を尋ねると、彼は自信たっぷりにこう応えた、な、なんと「ワラビー・ラザニア」。
マズイっ、これはマズい、九州から招いたグルメ女王、カナの母を意識した作戦だ。
ワラビーの肉を食べたことがある日本人など、いったいどれだけいるだろうか?
ワラビーというのはカンガルーをひと回り小さくしたような動物で、タスマニアにはそれはもういたるところにいる。
肉屋さんは勿論、スーパーの肉売り場でも時々買うとが出来る。
トマトソースとの相性がいいことで有名だ。
それに比べ、マナブ・チームはごく普通のビーフ・ミンス。
ホールトマトの缶、トマト・ピューレを使うところはスコット・チームも僕たちも同じだが、彼らはそれにチリ・ソースを加え僕たちのトマトソースに差をつける。














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スコットが僕たちのラザニアの名前を聞く。
「ベジタブル・ラザニア」とソーマは少し小声で応える。
トマトソースにはガーリック、オニオン、キャロット、バジル、イタリアンハーブが入り、それとは別のレイヤーにズッキーニ、ほうれん草、ブロッコリーの野菜レイヤーを加えるのだ。
まあ、言ってみれば、、、極めてシンプルなんです、はい。










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ホワイトソースはお互いに時間を節約するために大きな鍋に共同で使えるよう大量に作ることにした。
こんなにバターを入れてしまっていいのだろうか、と思える量のバターにカットしたチェダーチーズをたっぷり入れる。次の日からかなり真剣にエクササイズしないと怖くなるカロリーだ。










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僕は写真を撮ることに忙しいので、ほとんどの作業はソーマにお任せ。
Ms.トモコはラザニア作りの手伝いをしつつ、合間にガーリックブレッド作りもする。










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途中、スコット・チームのメンバーである娘さんたちもソーマの手伝いをしてくれる。やさしいなぁ。










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僕たちのラザニアは5レイヤー(5層)になった。
最後のレイヤーの上にホワイトソースをかけ、その上にパルメザンチーズをふりかける。










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オーブンの管理はこの家の主であるスコットに任せた。
し、しかし、オーブンから出てきた僕たちのラザニアを見て絶句、真っ黒焦げ、、、。
「いやぁ〜、ごめん、ごめん、マナブたちのラザニアをオーブンの一番上に入れていたのを忘れてたよ!」とスコット。
うぎゃ〜、嘘だ〜、忘れていたなんて、絶対陰謀だ、罠だ〜、わざとに決まってる〜、と騒ぎ立てるマナブ・チーム。










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そんな声を聞き、笑いながら皿に盛り付けするスコット。
ソーマは終始真剣そのもの。











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さっそくみんなで試食会、緊張の瞬間だ。
ジャッジをくだす子供たちだって真剣。
そして、スコットの娘スィアがお皿から顔を上げ、僕の顔を見てニコリと笑う、「いいたくないけど、これはマナブ・チームの勝ちね」そしてスコットも「うん、たしかに美味い、ベジタブルがとても利いている」。
もちろん、ワラビー・ラザニアも絶品で僕的には甲乙つけ難いが、ウィナー(勝者)になったソーマはご機嫌。
一つのお皿の上に2種類のラザニア、サラダ、ガーリックブレッド、もうお腹ははち切れんばかりでした。
ご馳走さま!










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by somashiona | 2010-10-17 21:43 | ソーマとシオナ

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