スケッチでアートな気分 #3





スケッチブックを膝に鉛筆を持ち、目の前の対象物をじっと見つめていると本当にクリエイティブな気持ちが沸き起こる。
写真をはじめた当時、写真は僕にとって純粋なアートだった。
絵や版画、小説や詩などと同じラインの上で写真というものを考えていた。
写真とは僕にとってTri-xやTMax、ネオパンプレストやデルタといったようなモノクロフィルムをつかうアートであって、それが最終的に完成される場所は家の中の暗い片隅、もしくはバスルームを使った簡易暗室だった。
写真が仕事になると、写真とはプロビアやコダックのタングステンフィルムなどカラーのポジフィルムを大量に使う消費する行為へと変わり、撮影済みのフィルムを日本発色や堀内カラーさんに預け、何時間か待った後、ポジのスリープをライトテーブルの上に並べ、ルーペを使って一枚一枚隅々まで確認し選ぶ作業へと変わった。
同じ写真でもモノクロの創り上げる作業とは大きく異なる。
暗室作業で仕上げたモノクロプリントが仕事の成果としてメディアに載る機会はごくごく限られ、僕にとってカラー写真は仕事、モノクロは個人的作品という概念が頭の中にできてしまった。
アーティスティックな気分になったとき、撮りたくなるのはやはりモノクロ写真。
デジタルのツルツルピカピカした綺麗過ぎる写真じゃなくて、フィルムチックな暗室作業の手触りを感じる写真がいい。
「じゃあ、フィルムでやれよ」と突っ込まれると、もじもじと足元に視線を落とし、何も言えなくなるのだが、僕は今のところフィルムに戻るつもりはないので、デジタルで自分の感性に合うモノクロを作っていきたいのだ。
前にも話したと思うが、最近僕はカラー写真にフォトショップなどで手を加えることを避ける傾向にある。
被写体や撮った写真を何に使うかにもよるが、目で見た感覚に近づける範囲の修正で十分だと思っている。
しかし、それがモノクロとなるとメチャクチャ手を入れたくなる。
そう、暗室作業で培った血が騒ぐのだ。
なんといっても、モノクロというだけですでに現実とは違う色の世界に入っているのだから、そこはとことんイマジネーションを膨らます作業をすべきだろう。
カラーでスナップを撮る感覚とモノクロでシャッターをきる感覚はまったく違う。
自分を違うモードに変えないとモノクロの眼に、モノクロの心になれない。
レンズを向ける対象も自ずと変わる。
鉛筆片手にスケッチをする感覚とモノクロ写真を撮る感覚は限り無く近い。

アートな気分でモノクロ写真を撮ろうとするたびに、子供たちからクレームが入る。

「ダディー、写真じゃなくて、今日はスケッチだって言ったじゃないー!!」
「ダディー、そんな草むら撮って何が面白いのー?全然理解出来ないよー!!」

何を言われても僕の耳には入らない。

アンリ・カルティエ=ブレッソンも言っている。

「写真は短刀のひと刺し 絵画は瞑想だ」


















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by somashiona | 2011-01-25 15:32 | デジタル

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