砂の城



先日、子供たちのいない久しぶりの休みだった。
昨年の12月から忙しさにかまけてほとんどエクササイズをしていない。
シャワーを浴びる前にバスルームの鏡に写った自分の体を眺める。
筋肉の落ちた細い肩、ブリーフにかぶさる脇腹の贅肉、46歳のゆるい身体がそこにある。
その場ですぐに腕立て伏せをする。
バスルームの冷たいタイルに顎が当たるまで身体を沈め、そしてまた持ち上げ。
25回くらいから腕が震え始め、30回でうめき声を上げて断念する。
そしてすぐに立ち上がり、もう一度鏡を見る。
心持ちお腹を引っ込めてみるが、46歳のゆるい体に変化はない。
プロレスラーたちの写真を撮る時、撮影前に彼らは同じことをやったものだ。
僕と違って彼らの身体は40、50回ほど腕立て伏せをすると目に見えて筋肉が盛り上がる。
体重計に乗ってみると苦労して8kg落とした体重が3kg増えている。
シャワーを浴びた後、アディダスのジャージを着て近所の山の中へ向かった。










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ウォーキングは30分を超えたくらいから徐々に瞑想の世界へ入っていく。
1時間を超えた頃になると今度は空想の世界に入る。
昨年の終わりくらいから僕はよく自分の人生について考えることが多い。
少し軌道修正すべきではないかと考えはじめている。
今まで自分は一所懸命に砂の城を作っていたのではないかという気が最近している。
大きくて高い城を作ろうと毎日毎日身の回りの穴を掘り、必死に砂をかき集めては手の平でパンパンと砂を叩き見た目のよい形を整えようとしていたのではないかという気がしてならない。
大きな砂の城は崩れやすく、おまけに城の周りは深い穴だらけ。










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利潤を追求してやまない企業活動を距離を置いてみていると同じことをしているのが手に取るようにわかる。
どんなに城を大きくしても結局は波や風に押し流されてまた元通りの砂浜になるのに、人々は駆り立てられ、せっせと穴を掘る。
穴を掘っている間、大切な事をたくさん見逃してしまう。
地球規模の環境問題もそうだ。
今地球は穴だらけ。
もし100年を僕たちの1年分として生きている人がいたら(100年で1歳、1000年で10歳)今を生きる僕たちの行為に対してどんな風に思うのだろう。
「おいおい君たち、君たちは覚えていないだろうけど、僕が20歳の頃のタスマニアはね、もっと木が生い茂っていて、きれいな水がそこらじゅうに流れていたんだよ。そんなに急いで全部を切り倒しちゃったら君たちの子供や孫たちの時代にはなんにも残っていないよ」みたいなことを100年で1歳の人に言われるとかなり説得力があると思う。










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僕は昔から年上の人たちから「どうして君はそんなに生き急ぐのか?」とよく聞かれる。
病気になって「自分はいつか本当に死んでしまうんだ」と知った時から、僕はなんだかいつも急いでいる。
なのに、自分のことは棚にあげておいて、いつも急いでいて落ち着かない人は好きではない。
電話しようと思うとき「邪魔するといけないからかけるのヤメといたほうがいいかなぁ」と考えてしまう人、二人きりでお茶していても心ここにあらずの人、そういう人と一緒にいると居心地が悪くなってしまうのだが「ひょっとするとまさに自分がそういう人なのでは?」と最近真剣に思うようになってきた。
これはいけない。
人生の終りに近づいている老人たちは僕たちの世代の生き方をどう見ているのだろうか?
「あんた、そこのお若いの、船から降りて歩いてみんかね。ほらきれいな魚たちが泳いでいるじゃろ。あんたにも見えるじゃろ」そんなふうに言うのだろうか?










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結局、僕たちは、何歳になっても、宝の山で暮らしていながら何が欲しいのか分からずただつっ立っている子供なのだろうか?
もっとものごとが見える人間になりたいものだ。
もっと離れたところから自分を眺め、落ち着き、焦らず、毎日をしっかりと噛みしめて生きていける人間になりたいものだ。










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by somashiona | 2011-02-18 23:01 | デジタル

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