愛されてばかりいると












無機質な立体駐車場の中に車を停め、ドアをロックしたあと、ふと隣に駐車している車に目がいった。
灰色の空間に場違いなペイントが施されている車を見落とすほうが難しいだろう。
赤いハートのマークに女性の写真、表立った風俗産業とは縁のないタスマニアではほとんどお見かけしないタイプの営業車だ。
何のお店なのだろう、とこの派手な車の周りを僕は注意深く眺めてみた。










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でも、そこにある情報は「キャシー マイ スイートハート」「キャシー・テイラー」「キャシー」「キャシー」「キャシー マイ スイートハート」「コブラ」「キャシー マイ スイートハート」「キャシー マイ スイートハート」そんな文字の羅列ばかりだ。
やっと飲み込めた、これはただ単に、キャシーちゃんが大好きな男性が、ただ個人的に塗装を施した車であり、営業車でもなんでもないのだ。










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この車からはこの男がどれほどキャシーちゃんを愛しているのか、痛いほど伝わる。
というか、伝わりすぎちゃって、どう反応していいのか困ってしまうだけでなく、愛の伝え方についてついつい、様々なことを考えてしまう。










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これほどまでに愛されているキャシーちゃんがとるべき道は二つに一つだろう。
とことんこの男の愛に応えようとするか、もしくは、とことん逃げるかだ。
逃げるなら、本気で、できるだけ遠くまで逃げるべきだろう。
住んでいる家を出て、携帯電話も解約し、家族や親しい友人にもしばらくは自分の居場所を教えるべきでない。
エリザベスやバーバラみたいな少し地味めの名前に変えて生きた方が安全かもしれない。
とことん愛されてしまったら、その代償も高くつく。
すこしでもセクシーに見えるよう努力したせいかもしれないが、それは決して悪いことではない。
もしこれが、キャシーちゃんが望んでいない一方的な愛だったのなら、僕はキャシーちゃんに同情してしまう。










けれども、一方で、僕はこの男に憧れてしまう。
たまらなく好きだという思いを、人目も気にせず、こんなにおおっぴらに表現できる人生っていったいどんな感じなのだろう。
これが出来る人の人生は他のあらゆるシーンで自由なはずだ。
片側3車線の中央で信号待ちをしているとき、周りの車のドライバーたちの視線がキャシーの笑顔に吸い寄せられているのを感じて、この男はさぞかし満足気に鼻歌を歌いながらハンドルを叩いてリズムをとっていることだろう。
ひょっとすると彼のネクタイやトランクスもこのキャシー&♡がプリントされているかもしれない。
誰が何を言おうと気にせず、自分の好きな世界で生きていける男、僕は愛されるキャシーより、愛するこの男に憧れてしまう。













キャシーちゃんには僕の好きな井上陽水の「愛されてばかりいると」を贈りたい。

♫愛されてばかりいると 星になるよ ゆきすぎてばかりいると 空にゆくよ♬

こんな歌詞が思い浮かぶ井上陽水というひとは、ほんとうに凄い人だと思う。































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by somashiona | 2011-02-28 22:54 | デジタル

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