The TED Prize 2011 winner

オージーのフォトグラファーから絶対に見なさい、とおすすめ動画のアドレスが送られてきた。
数時間前に見てみて、あまりにも感動したので、皆さんにもぜひ見て欲しい。

前にも一度ブログで書いたが、何年か前から自分の写真の表現方法はフレームに入れて、壁に飾るタイプではないと考え続けている。
もっと多くの人が体験できるような写真の見せ方ができないものだろうか、と考えている。
この動画を見て、やられた!と思った。
写真には写真にしか出来ないことが、まだまだたくさんあると思った。

かなり雑で強引な訳だが、動画の中の話を全て日本語に訳してみたので参考にして欲しい。











2011 TED Prize Winner : JR



























ジェーアール、彼の28ミリプロジェクトについてのインタヴュー

こんにちは ジェーアール

やあ、こんにちは

ちゃんと聞こえるかい?

なんとかね

オーケー、君は今大きなプロジェクトを進めている最中だよね
その「28ミリプロジェクト」っていうのがどうやってはじまったのか、聞かせてくれるかな?

2004年、パリの郊外にあるClichy Montfermeilってところに行ったんだ。そこに住む移民たちを写した大きな写真をのりで貼り付けるためにね

その一年後の2005年、そこから暴動がはじまって、その暴動で最初に燃やされた車が僕が貼りつけたあの写真の前だったんだ。そんなカタチで僕のアートが突然にメディアで注目をあびることになったんだよ

それから、2006年に僕はカメラに28ミリをつけてまたあのパリの郊外へ出向いたんだ、彼らと信頼関係を築いた上で写真を撮るためにね

そこで移民たちにパリの人たちが彼らに抱いているイメージを少し大袈裟に演じてもらって、そのポートレイトを撮ったんだ

それから、僕はそれらの写真をパリの東部や、パリでブルジョア的人達が住むエリアに貼り付けはじめた

それからは次第に、メディアでよく見かけるけど自分の生活とは無縁の移民たちが、僕たちの家を訪れて、ドアをノックするような身近な人たちに感じ始めるようになったのさ だって、彼らの顔が写っている写真には名前、年齢、そして住所さえのっているんだもの

移民たちの暴動が報じられた同じメディアを見ていると、毎日、毎日中東の紛争が報じられているんだ

それで、友人のマルコと、そこでいったい何が起きているのか、自分たちの目で確認しに行こうじゃないか、という話になった

僕たちが持つフランスのパスポートではイスラエルとパレスチナの両方へ実に簡単に行けて、そうこうしているうちに、僕たちこそ、イスラエルとパレスチナに住む人達を写真に収めて、その人達の顔を両国の壁にのりで貼り付けるべき人間なんだっていう気に気がついたんだ

イスラエル人だけとか、パレスチナ人だけではこのプロジェクトは決して成し得なかった

イスラエル人の教師を撮れば、パレスチナ人の教師も撮り、タクシーの運転手、学生たちも同じように撮影した

イスラエル人には彼らがメディアで目にするパレスチナ人のイメージを、パレスチナ人にはその逆をそれぞれ表現してもらい、僕たちは一人ひとりを写真に収めた

それから僕たちはその写真を相手の国の壁に貼り付けたんだ。許可もなくね

正直言って、僕たちは誘拐されたり、警察に捕まったり、国外退去という事態に追い込まれるんじゃないかと思ったけど、結局しっかりと日焼けまでして家に帰って来れた

ラマラ(パレスチナ自治政府の事実上の首都)に住む男がイスラエル人の顔の写真を彼の家や表のドアに貼り付けるなんて、ちょっと想像できないでしょ?だって、毎日彼はどうしてそんなことを受け入れたのかたくさんの人に説明せざるを得なくなるだろうし

本当のヒーローって、どこか特別のところじゃなくて、彼らはすぐそこの通りの、意外にもあなたの身の回りにいるもんなんです

中東では美術館などというものが自分たちの周りにまったく無い人達の前に自分の作品が晒されていることに気がついた

シエラレオネ、リベリア、スーダン、もしくはケニアだったかもしれないけど、アフリカでプロジェクトをはじめようとしたとき、街の通りを男達が牛耳っていて、それが僕には問題になるだろうってことが分った

だって、へたすれば彼らが僕の作品展のキュレーターになることだってあり得るんだから

それで、僕は被写体として女性を選ぶことにした。なぜって、女性はその社会の状態そのものを表しているでしょう

僕は通りでそんなポートレイトの被写体になるべく人たちに出会いたかった

僕はそんな日常のヒーローになり得るたくさんの女性たちを探しはじめた。そして写真に撮り、彼らの住む街に貼り付け、被写体のそれぞれの物語を解き放った

僕は被写体が持つ彼らが知らない別の一面を彼ら自身に見せたかったんだ

それから僕は他の国へ行き、同じような方法で被写体を見つけ、彼女たちを引き立たせた

ケニアでは写真の素材をビニールシートにして屋根に貼り付けてみた。そうすることによって彼らの家を雨から守れるから

僕のプロジェクトが行われた様々な場所で、人々はそれぞれの興味や関心を発見したようだ

ケニアやブラジルのような国での人々との出会いや経験はとても強烈で、またこの国に戻ってきて、この人達と繋がり続けたいという気持ちにさせられた

また戻ってきてプロジェクトを継続させたいと思わせる国はもっとたくさんある、なぜって、このプロジェクトが立てた波の余波がプロジェクトを終えた後でもまだ寄せ続けているのがわかるから

僕が貼りつけた写真って、時間が経てばやがて朽ちていく紙切れだけど、でもそのイメージはいつだってみんなの記憶に残っているんだ

世界を変えようっていうわけじゃなくて、ただブラジルやカンボジアのスラム街に住む人達の笑顔を見るとき、なんだか、自分の目標が達成できたような気分になるんだよ












ここでJRさんのスピーチが見れます。
JRのTED Prize wish:アートを通して世界をひっくり返す










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by somashiona | 2011-05-12 21:34 | 写真家

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