画家の仕事場


以前「遠くへ行きたい病」にかかり、タスマニア北部へ車を走らせた話をしたが、その旅で一人の画家と出会った。
夕食時に彼女と出会い、アートや映画の話題であれやこれやと話に花が咲き、よかったら翌日アトリエに来ないか、ということでその晩は別れた。



何かを創造する人間、しかも「ちょっと趣味で」を通り越し、人生をかけてそれに取り組んでいる人間と会うと、すぐに意気投合する。
創造方法が絵の具だろうが、カメラだろうが、文章だろうが、つまるところ同じ、本物を吐き出そうとする人間のもがき苦しみには多くの共通点がある。
そして、そのもがき苦しみはそういう事を目指している人間じゃなければ決して理解出来ない。
写真を撮る人間と話をしていてもカメラやレンズ、現像方法やフォトショップのテクニックが中心になってしまう人は、写真を楽しんではいるが、本当に何かを表現しよう、自分の内部にあるものを吐き出そうという作業にもがき苦しむことを知らないのだと思う。
そして殆どの場合、写真にそれが現れている。
小説や絵画の世界で使っているパソコンやソフトウェア、もしくは絵の具やブラシの種類のことがあまり話題にならないのに、写真の世界では写真の内容より道具のことが多く話題に上がるのは、やはり写真を見る、または持つということが本当の意味で多くの人に深く浸透していないからだろう。
カメラ機材を語る雑誌は多かれど、写真や写真家を語る雑誌は少ない。



アーティストは一旦仕事をはじめると、誰にも邪魔されたくない。
彼女が仕事を始める前の早朝にアトリエを訪れることにした。
田舎町にアトリエを持ち、そこで創作活動をする大物アーティストや作家がタスマニアには多い。
昨年、ハリーポッターのJ・K・ローリングがタスマニアの田舎に広大な土地を購入したというニュースも流れた。
日の出とともに彼女から教えてもらったアトリエの周辺を写真に収め、たぶんもう起きているだろうという時間に訪問した。
創作中はアトリエで寝泊まりしているという彼女、案の定起きたばかりで、朝のコーヒーの為のお湯を沸かしていることろだった。
アトリエの中は冷蔵庫のように冷えていた。
あちらこちらに散らばっている絵を見て僕はピンと来た。
彼女の絵、どこかで見たことがある、と。
数年前、ホバートのギャラリーで開かれていた個展で見た絵の印象と同じだ。
その話をすると、やはりそれは彼女の個展だった。
人生、いろんなところで繋がっているものだ。
アトリエの中は絵の具の匂いが漂い、足元を一匹の猫が行ったり来たりする。
彼女のプライバシーを感じさせるものは一枚だけ飾ってある息子さんの写真くらいなもの。
アーティストの仕事場にお邪魔するのが僕はとても好きだ。
そこにはとても神聖な雰囲気が漂う。
綺麗に整頓されていようが雑然としていようが、そこはアーティストが最も集中でき、イマジネーションを掻き立てることが出来るコロシアムだ。
一緒にコーヒーを飲み、彼女が朝食を終える頃、僕はアトリエから去ることにした。
ほとんどのアーティストは毎日決まった時間に仕事をはじめる習慣があるのだから。
彼女と別れた後、自分の中で沸々と創造意欲が湧くのを感じた。
旅は自分をリセットしてくれる。










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過去に更新した画家のアトリエはこちら

完璧なる雲を求めて#1ーーー画家、フィリップ・ウルフハーゲン

完璧なる雲を求めて#2 ーーー 画家、フィリップ・ウルフハーゲン

完璧なる雲を求めて 最終回 ーーー 画家、フィリップ・ウルフハーゲン













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by somashiona | 2012-01-14 08:21 | 人・ストーリー

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