海へ続く道 Vol.2







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友人宅にお呼ばれし、美味しい手作りの夕食を御馳走になったあと、海の話になった。
僕が足のつかないところで泳ぐのが怖いという話をすると、友人は驚いた顔で僕を見て「僕は足のつく海が怖いんだよ」と彼は言った。
話を聞けば、彼は西オーストラリアのブルームという小さな海の街で7年間真珠の養殖の仕事をしていたという。
ブルームは1880年代から和歌山県を中心に多くの日本人が潜水夫として出稼ぎに行き、厳しい労働環境の中、潜水病や水難事故、またはサイクロンなどで多くの命が散っていった場所として日本人にも縁がある。
僕の友人もブルーム時代はダイバーとして一日平均8時間、海の中で過ごしていたそうだ。
海の中、特に浅瀬や砂の中にはありとあらゆる危険な魚介類がいるらしい。
オーストラリアの水辺で危険な動物といえばクロコダイルやサメが、もう少し頭をひねればウミヘビや巨大なエイなどが頭に浮かぶが、実際に被害が多いのはコーンシェル(イモガイ)、ブルーリングオクトパス(ヒョウモンダコ)、ボックスジェリーフィッシュなどのクラゲ類が圧倒的に多いという。
彼もハンマーシャークに背中を頭突かれたり(身体が半分に割れてしまうかと思うくらい痛いらしい)コーンシェルを踏んでしまい足が腫れてしまったりと、細かいことはいろいろあったようだが、極めつけはイルカンジ(Irukanji)という強烈なクラゲを誤って口の中に入れた時だという。
刺された場所(口の中)の痛みはそれほどなく、体中が焼けただれてしまうような強烈な痛みと呼吸困難に襲われるのだ。
溺れかけているところを仲間のダイバーに発見され、引き上げられた船の甲板では白目を向いて失神状態だったらしい。
すぐに救急病院に運び込まれ、その後、1週間病院のベッドでのたれ苦しんだそうだ。
実際、イルカンジに刺され、命を落とす人が何人かいるが、それはかなり苦しい死に方に違いない。
そんな経験の持ち主の彼だからこそ、海に入ったときは浅瀬と足元に最大の注意を払うべきという教訓があるのだろう。
彼曰く、足のつかない海では水泳が特に上手い必要はないという。
如何に長く浮いていられるか、そこが重要らしい。
「一度ね、ボートが転覆してしまって、仲間たちと12時間泳いで砂浜にたどり着いたことがあるんだ。アボリジニの奴でカナヅチの男が一人そのボートに乗っていたんだ。ボートの中にあった発泡スチロールの破片を彼はラッコのように抱きしめ、足をバタバタさせながら、12時間オロオロと泣くんだ。僕と仲間たちは血や涙、それと小便の匂いをサメは嗅ぎつけるから、泣くな、漏らすな、と彼を叱り続けるんだ。でも実際、あの時は僕も駄目かもしれないと思ったよ。あんなに長く泳ぎ続けたのも、生まれて初めてだった」と彼は笑った。


ダイバー時代、彼は同じ悪夢を何度も繰り返し見たという。
気がつくと、見渡すかぎり薄暗く青い海の中で、彼は一人浮かんでいる。
恐ろしいほど静かで、魚の一匹も周りにいない。
上を見上げると、微かな太陽の光が水中に差し込んでいるのが分かる。
背中に酸素ボンベを背負ってはいるのだが、なぜだかマウスピースが見つからない。
呼吸がだんだんと苦しくなる。
彼が浮かんでいるのは水深10メートル地点だ。
もし一気に浮上すれば、潜水病で死に至る可能性があることを、彼はよく知っている。
彼はどこかにあるはずのマウスピースを必死に探す。
必死に探せば探すほど、呼吸はどんどん苦しくなる。
そして「もう限界だ!」と思ったとき、ベッドの上で汗だくになって目を覚ます。
目を覚ましたとき、自分が息を止めていることに彼は気がつき、そのあとすぐに大きく息を吸い込む。
寝ている間に息を止めることが習慣のようになり、ダイバー時代、彼は睡眠障害で苦しんでいたそうだ。

「真夏の太陽がギラギラと照りつける日でもね、深い海の中っていうのは、とても暗くて、寒いんだよ」と彼が言ったとき、普段は陽気な彼の、人には見せない一面を垣間見た気がした。























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by somashiona | 2012-02-22 16:27 |

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