Don't give up (あきらめないで)




数ヶ月前、締切りが迫る提出物を目の前に、何度も髪の毛を掻きむしったり、頭を叩いたりするのだが、どうしても言いたいことがまとまらず、僕は爆発寸前だった。
頭の回転と反比例し、時間だけはまるで普段の3倍の速さで進むようだった。
もう、睡眠時間は諦めるしかない(この年齢になると一度の徹夜で、回復に1週間を要する)、腹を決めて30分休憩しよう、と腹をくくり、普段はあまり聞かないiTunesのラジオストリームから適当に局を選んだ。
プリンス、ブルース・スプリングスティーン、ロキシーミュージック、ZZトップ、ジョージ・マイケル、カルチャークラブ、、、どうやら80年代のロックをかける局を選んだようだ。
あまりに懐かしくて、思わず提出物のことは忘れ、まさに青春まっただ中(青春という言葉はもう死語か?)だった当時に思いを馳せた。
そして突然、馴染みの深いイントロが流れた。
イントロを聞いただけで胸が締め付けられ、男性のヴォーカルがはじまると鳥肌がたった。
ピーター・ガブリエルとケイト・ブッシュの「Don't give up」だ。

彼が歌う


このプライド高き国で”強くなれ”と育てられた
僕らは皆強くあることを期待された
戦って、勝つことを教え込まれた
失敗するなど夢にも思わなかった
もう戦う気力はなくなり、夢も希望も消え失せた
顔を変え、名前も変えたけれど、誰も負け犬の相手などしない



するとケイト・ブッシュがそれに応える


あきらめないで 友だちがいるじゃない
あきらめないで まだ力尽きていないわ
あきらめないで きっとあなたはまだやれるから



人生のどん底に落ちヘロヘロになった男の愚痴を、恋人が必死に慰めるという設定の歌なのだが、この曲を聞いているうちに、涙がこぼれそうになった。

この曲が入っているピーター・ガブリエルの「So」というアルバム。
当時、確か22、23歳だった僕は、何度も何度も繰り返し聴いた。
どうしょうもなく辛い問題を抱えていた時期で、ケイト・ブッシュが”Don't give up”(あきらめないで)と優しく語りかけてくれるその声に、僕は本当に癒され、なんとか持ち堪えることが出来た。
心理学で言うところの過去のトラウマのように、久しぶりにこの曲を聞いただけで胸が絞めつけられ、目頭が熱くなったのだが、当時どんな問題を抱えていたのか思い出そうとしても、どういう訳かまったく思い出せない。
恐らく、当時は問題を解決するための方法をあの手この手で必死に考え、考えられる行動はすべてやりつくしたりしたのだろうが、時を経てみると、問題の具体的内容や結果についての記憶は跡形もなくなり、その時に受けた心の痛みだけが、まるで肌の上についた微かな傷跡のように残っているという事実に、僕は驚いてしまった。
でも、このことは、裏を返せば、たとえ今、人生最大のピンチ、どん底、全てを失う、というような現実的問題に直面し、いっそう死んでしまいたいような気分だったとしても、心の痛みを最小限に収めるような努力や考え方をしていれば、時間の経過と共に人は立ち上がれるということなのだろう。
その時に必要な言葉は結局”Don't give up”(あきらめるな)という、シンプルなものなのかもしれない。

原発の再稼働、生きるために大切なものを失いすぎた日本人が本当の意味での”豊かで人間らしい暮らし”を見つめ直す最高のチャンスをあまりにも簡単に放棄してしまったのでは。
世界が注目するエネルギー問題の大ピンチに立たされた日本が、これからの先進諸国のお手本になる違う次元の豊かさ、消費ということについてのまったく新しい発想を提案し、実現する国になれたかもしれないのに。
日本人には”もったいない”の思想があり、良い意味でも悪い意味でも比較的簡単に一つの考えに向かって皆が一丸となって進む国民性がある。
何がなんでも”今原発を止めろ”という話ではない。
今回の再稼働への決断の理由を見る限り、3年後には原発を中心としたエネルギーの生活に完全に戻り、5年後にはあの事故のことなど多くの人がすっかり忘れてしまっているだろう。


お父さんが家族を集めてこう言う、「みんな聞いてくれ。ここ数年続いた不景気のせいで夏のボーナスが出ないことになり、給料も3年間は30%減ってしまうことが決まった。隆、悪いが来年計画している卒業旅行は取りやめてくれ。充、私立大学進学の件だが、正直言って今の家計では無理だ。違う進路をもう一度お父さんと一緒に話しあおう。明子、お前の携帯電話、しばらく解約してくれないか?それと、母さん、これからは夕食を一品だけ減らしてみたらどうだろうか?みんな、こんなことになって本当にすまないと思っている。どうすればこの状況が今より良くなるか、みんなで話しあおう。もしかすると収入源そのもの、すなわち転職も視野に入れて、お父さんも考える必要があるかもしれない。それと、細かいことを言うようだが、これからは電気、ガス、水道、電話代、そういったものも今までより気をつけて暮らして欲しいと思う。協力してくれるな、みんな」

いや、こんな簡単な話しでないのはわかっているが、、、。
それでもやっぱり、”Don't give up”と言いたい。
私が動けば、世界も動く。
私が変われば、世界が変わる。











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by somashiona | 2012-06-20 21:46 | デジタル

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