お気に入りの一枚#1



写真をやる中でどんな写真を目指すのか、その具体的目標を持つことは大切だと思う。
最初はお気に入りの写真家を見つけ、その作風に近づこうと努力するだろうが、最終的に向かうのはやはり自分が何を本当に欲しているかという一番分りやすそうで実は最も難しいターゲットだろう。
その目標を見つけるヒントはどこにあるのだろう?
寝ている間に写真の女神が枕元に現れ、額縁に入ったまだ見ぬ一枚を見せてくれるだろうか?
自分の目指す写真を見つけるヒントは、自分のとった写真の中にあると思う。
誰の写真だろうと、写真には撮影者がもともと持っている美の核心、嗜好、心の住処が宿っていると思う。
子供の頃、なぜだか分からないけれど好きな玩具、好きな場所、友達、好きな文房具があったはず。
僕は子供の頃、家の近所にあった孵化場(フカジョウ)で一人時間を過ごすのが好きだった。
そこはほとんど人が来ることなく、藤の蔦で出来たトンネル、無数の大きな樹、池、秘密の隠れ家になるようなロケーションで溢れている札幌の中の隠れたオアシスだった。
大切な友達と大きな樹の下にタイムカプセルを埋めたこともあるし、女の子からはじめて手編みのマフラーをプレゼントされたのもその孵化場だった。
なぜその場所が好きだったのか、子供だったから一度も考えたことはない。
磁石のように惹きつけられ、どうしょうもなく心やすらぐ場所なのだ。
2008年に札幌へ帰ったとき、同じやすらぎを求め何十年ぶりに孵化場を訪れたが、そこは跡形もなくなり、代わりに無愛想で大きなマンションが立っていた。
ああ、僕のタイムカプセル、、、。

極々たまに、自分の写真の中にあの孵化場で味わった感覚に近いものにめぐり逢う時がある。
それは撮るときに分かるし、撮ったものをあとで見るともっと明確にわかる。
ただ分からないのはその感覚の正体と、その感覚が湧き上がる理由だ。
もう子供ではないし、写真で何かを表現しようと思っている人間なのだから、その写真に自分の心が引き寄せられる理由を探らなくてはならない。
「なんとなく」では何時まで経っても同じものは撮れない。
僕にとって写真は楽しくもあるが、同時に苦行でもあるのはその何かを求めるからだ。

今日の一枚は僕のお気に入りだ。
曇り空のほとんど人のいないビーチ。
草むらの向こうで男の子が二人遊んでいるのを見たとき、孵化場の感覚が寒気を感じたときのように身体の中を走った。
全体の色、男の子のポジョションとグリーンの服、ボールの位置、前景の草の配分、空気感、求めるものがそこにあった。
シャッターを切った瞬間も手応えがあった。
こういう写真は人々から支持されるかどうかを考えてはいけない。
ウケる写真を100枚撮るより、自分の分身のような一枚を手に入れる喜びの方が遥かに大きい。
写真は道だ。












f0137354_1954051.jpg


























人気ブログランキング」参戦中。
本気でポチッとしてねー!
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ


家の中でアグブーツを履いて、タイツを履いて、ダウンジャケットを着て、ヒーターを26度にして、それでも手がかじかむ7月のタスマニア。皆様のポチッで温めて。



う〜ん、私にはこの写真が何なのか分からない、、、と思った人もポチッとよろしく!









このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!












by somashiona | 2012-07-03 19:12

<< previous page << ひょっこり出てきた写真 | Bokeh? Me? >> next page >>