漆黒の犬







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晴天のある日、海の見える坂道をふうふうと息を切らせながら歩いていると、バッタリと馬のように大きな真っ黒の犬と出会した。
地面を見ながら歩いていたので、犬の存在にはまったく気がつかず、僕が顔を上げたとき、ほんの2メートルほど先に彼は(彼女は)キリッと立っていた。
僕は凍りついたが、犬の目には僕の存在などまったく入っていない様子。
太陽が真上から照りつける誰もいない通りに僕と犬しかいないのに、彼は(彼女は)僕とまったく目をあわせようとしない。
もしこの犬が唸り声をあげたら、覚悟をキメようと思ったが、その前に一枚撮っておくことにした。
フォトグラファーだからファインダーから現実の世界を覗いているときに限っては比較的強気な人でいられる。
犬も動かず、僕も一歩も動けずにいると、飼い主らしき真っ白なラルフローレンのポロシャツをきた太ったおじさんが真っ赤な犬のリードを手のひらにくるくると巻いて豪華な家の門から出てきた。
太ったおじさんの目にも僕の姿は見えないらしく、凍り付いている僕を完全に無視して、ピィーと犬に向かって口笛を鳴らし、通りを歩いて行った。
ビールっ腹のおじさんと美しき肉体を持った漆黒の犬。

この日、僕は透明人間だったのかもしれない。





















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by somashiona | 2012-09-04 21:25 |

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