ロールシャッハテスト的風景写真
ノック、ノック「こんにちは、ドクター・ディック。お元気ですか?」
「もちろん。私はいつだって元気そのものだよ。君を診るのは確か3週間ぶりだね。どうだい、その後気分は良くなったかい?」
「前よりもだいぶん積極的に外へ出るようになりましたが、でも、でも、まだ怖いんです」
「確か相手が男性だと普通に会話はできるといっていたね」
「ええ、男性ならほぼ普通の精神状態で会話が成り立ちます。でも、、、」
「女性だと上手くいかないんだね」
「は、はい、、、」
「まあ、焦ることは無いさ。誰にだって一度は二度、あることだよ。今日は君に簡単なテストを受けてもらいたいんだ」
「えっ、テストというと、、、計算問題とか作文とか、、、」
「なぁに、そんな堅苦しいもんじゃないよ。いいかい。これから私が一枚の写真を君に見せるから、その写真をじっくり見て、君が何を連想するのか、私に話して欲しいんだ。準備はいいかね?」
「はい、先生。いつでもどうぞ」
「さあどうだい?君はこの写真を見て何を思う?遠慮しなくてもいいんだ。正直に頭に浮かぶイメージを話してごらん、、、お、おい、マナブさん、どうしたんだ?震えがひどい。汗も噴き出しているじゃないか!落ち着きなさい!落ち着くんだ!」
「せ、先生、、、灰色の雲の中から光るものが降りて来る!あっ、中から何か出てきた。あ、あれは、化け物だぁ。地球外生命体だぁ!エイリアンが真っ黒なよだれを垂らして僕に近づいて来る!先生、怖いよ、怖いよ、助けてぇ〜」
「マ、マナブさん、しっかりしなさい!ナース、ナース、アンジェラ!すぐに拘束服を持ってルームAに来てくれ!」
こういう風景を前にすると僕はいつもロールシャッハテストのインクのシミを思い浮かべてしまう。
そして頭の中で勝手なストーリーがどんどん展開し、相変わらずレベルの低い自分の人格にうんざりする。
これが僕のロールシャッハテスト的風景写真の楽しみ方だ。
The Southwest, Melaleuca, Tasmania
Cygnet, Tasmania
ロールシャッハテストとは投影法による人格検査の代表的なもの。左右対称なしみが何に見えるかという反応をもとに被験者の人格を理解しようとする検査。
スイスの精神科医ロールシャッハが創案した。Yahoo!辞書より
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by somashiona | 2007-05-03 22:52 | デジタル