フォトジェニックな丘
前回のピーターの話しの続きだ。
といっても今日の主役はこのフォトジェニックな丘。
この丘を歩いている間、僕は本当に気が触れたかのように叫んでいた。
どうしてなのかはわからないが、僕にはここが叫びの地に思えた。
ピーターはピーターで叫ぶ僕に呆れた笑いを浮かべながら、自分の楽しみに熱中している。
彼の写真を撮ろうと思ってここに来たが、この素晴らしい被写体を前に、僕はしばらくの間ピーターのことなどすっかり忘れ、自分の写真に熱中していた。
このプレーンな丘の上に僕の琴線に触れるシンプルな被写体がゴロゴロしていた。
もしかすると被写体ではなく、この丘で味わう何ともいえない爽快感が僕の感覚を鋭利にしたのかもしれない。
どちらにしても僕は興奮状態だった。
これでもし欲情でもすれば「丘マニア」から「丘フェチ」に改名しなければならない。
まあ、どちらに転んでもこの時の僕は「ハッスル・マニア」状態だった。
だが、撮影中は冷静沈着に「丘の上のアンセル」(アンセル・アダムス)になりきることにした。(巨匠の名を語りごめんなさい。言ってみたかっただけです。もうしません)
どれくらいそうやって時間を過ごしていたのか覚えていないが、ふとピーターの姿が見えないことに気がついた。
右を見ても左を見ても、ジャンプしても叫んでも、彼の姿は見当たらない。
この見晴らしの丘はいつくかの丘陵で成り立っている。
でも隣の丘まではかなりの距離がある。
困ったなぁ、、、と思っていたとき携帯が鳴った。
「マナブ〜、どこにいるぅ〜?」
「どこって、わかんないよぉ〜、ピーター。どこもここも見た目は一緒じゃぁん」
「よし、これからラジコン飛行機を飛ばすからよぉ〜く空を見てろよぉー!」
すると遥か遠くの丘の上に、米粒ほどの大きさの黄色い飛行機が飛んでいるのが見えた。
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by somashiona | 2007-06-17 00:36 | デジタル