クレイドルマウンテンさん、どこを撮ったらいいの?




今日もクレイドルマウンテン付近の写真だ。


161,000ヘクタールの公園面積を持つクレイドルマウンテン – レイクセントクレア ナショナルパークは公園内のどこへ行っても美しい。
しかし、この圧倒的な自然美というものを写真で表現しようと思うと、僕の場合、どうしても陳腐なものになってしまう。
原因は分かっている。
目の前に広がるパノラミックな景色を目にしたとき、湿った空気としぃ〜んと言う音さえ聞こえてきそうな一面苔むした木々に囲まれた時、見たものをそのまま全て写そうとするからダメなのだ。
自分のおかれた状況の、感動した風景の、自然の荘厳さの、具体的にどの部分に自分が感動しているのか、何に心が震えたのか、的を絞れないから失敗するのだ。

よく「見たままを、感じたままを写真にしました」という言葉を聞くが、それをすんなり写真で表現できる人はかなりの技能と経験がある人だと思う。
マニュアル車を運転していていちいちギアの番号を見てギアチェンジしていたら埒が明かないだろうし、120km/hでコーナーに突っ込む時、どのギアに落としてどんなラインで抜けるのか腕組みして考えている時間などないはず。写真も目の前にある状況(コーナー)の、自分にとって一番のポイントを適切な絞り(ブレーキング)とシャッタスピード(ギア)、そして構図(ライン)を決め、表現できるのが理想だ。(ちょっと無理のある理論展開か、、、?)

フルコンタクトの組み手(戦い)をしている場合、無駄な蹴りや突きを出しても相手は沈まない。
急所を狙わないとダメなのだ。(まだ展開に無理がある、、、)

今書いている僕の文章もいい例だ。
言いたいことを言い当てられるワンフレーズが出てこないのだ。
ツボを突く。
これは写真だけではなく、文章も、会話も、仕事の段取りも、もしかすると人生そのものに影響する僕の弱点なのかもしれない。
(話しがどんどん外れてきた)


タスマニアの伝説的写真家ピーター・ドンブロンスキーの写真はクローズアップにその才能をうかがえる。
砂浜を歩くとそこには無数の貝殻、海藻、流木、等々が複雑にからみ合ってそこらじゅうに散らばっている。彼はその中から抽象画さながらの自然の造形美を発見し4×5の大判カメラで切り取る。それがまた何とも美しい。
もし僕が同じ場所を歩いていたのなら、誓って言うが何も気がつかずその造形美を踏んづけ、それでもカメラを持って周りをきょろきょろ眺めながら歩いていただろう。
彼は的を絞れるのだ。

相原さんの撮影に同行したしたときも同じ驚きがあった。
ウェスターン・オーストラリアのブルームという町の海岸でのことだ。
真っ青な海に真っ赤な岩がゴツゴツとそこらじゅうに転がる海岸。
フルメタルジャケットというキューブリック映画に出てきそうな、とんでもない数のカメラ、レンズ、三脚でフル装備した僕たち。
さて、この風景を相原さんはどう切り取るのだろうかと、僕はもっぱら相原さんを観察していた。
相原さんはそこに着いたとたん迷うことなく、ある地点を目指し真っ直ぐ歩いてゆく。まるでそこらじゅうに転がっている真っ赤な岩の中に一つだけ真っ白な岩を見つけたかのように、真っ直ぐ何かを目指して歩く。そしてクローズアップの写真撮影が始まる。
もしかするとその岩だけが、真っ昼間だというのに、スポットライトで照らされていたのを相原さんには見えていたのかもしれない。
撮影が一段落してから、写したいものを予め見つけておいたのかと相原さんに聞くと、違うと答える。
じゃあ、どうしてこんな全部が同じ形と色の岩の中から一つだけフォトジェニックなものを見つけられるのか?と負けずに聞くと、「被写体が僕を呼ぶんだよね」と言ってニッコリ笑う。
石と話しができる人にこれ以上何を聞いても敵う訳がない。
さすが自然を切り取る達人!
これを「写心」というのか!
僕は残念ながら今まで一度も被写体に呼ばれて写真を撮ったことがない。
クレイドルマウンテンさん、いったい僕は、どこを撮ったらいいの?
いや、甘えてはいけない。
修行だ、修行。

今、相原さんもクレイドルマウンテンの様子を撮れたてのほやほやでタスマニアからブログにアップしている。
南半球のこの小さな島の、国立公園内の様子を日本人の男二人がほぼ同時にブログにアップしているだなんて、世界は急速に小さくなった、まったくスゴい時代だよなぁ、と変なところでツボにはまっているアナログな僕だ。






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by somashiona | 2007-09-05 18:36 | デジタル

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