子供たちのいない週末はラウール岬へ




今週末は子供たちの面倒を見ない週だ。
自分だけの時間が使える自由な週末、貴重な週末。

この週末は純粋に遊ぶ事に決めた。
写真の事はしばし忘れて、、、。

このタスマニアにはパーマネントヴィザ(永住権)を持っている日本人男性が少ない。
オージー女性との間に子供がいる日本男児となれば、もう完全に片手で足りる。
この日はそんな希少価値のある?日本人男性の友人と共に、久々のブッシュウォーキングへ出かけることにした。
目指すはタスマニアの南端ポートアーサー付近にあるラウール岬。
休みなしで歩けば往復6時間のコースだ。
朝、おにぎりを作ってから、7時にホバートを出発した。
青空だが少しひんやりとした空気のブッシュウォーキング日和だった。

彼とは以前一度だけ一緒にブッシュウォーキングへ行ったことがある。
とても楽しい思い出で、こんなに楽しいのなら毎月やろう、と固い約束をしておきながら、この日は3年ぶり、2度目のブッシュウォーキングだった。
子供がいる日本人男性同士、話すことは山ほどある。
普段、オージーたちと会話をしても決して埋まらない種類の心の溝をこういう機会にたっぷりと埋めておくのだ。
日本の社会を離れ、ここで生きていこうと決めた日本男児に降り掛かる多くの困難は、やはり同じ立場の人間でなくては分かりあえない。
日本人にしか分からないような冗談で笑うことによって、普段の張りつめた緊張が少しほぐれるのだ。

写真のことはしばし忘れて、と言いつつも、カメラなしで自然の中に入るだなんて言語道断。
友人が希望していた写真の撮り方講座の一日講師になりつつも、本気モードで撮影しないよう注意しながら歩みを進めた。
本気モードに入ると友人に申し訳ないことになってしまうからだ。
写真を撮るあなたなら、何の話しをしているのか分かるだろう。




最初は高い木々の間を縫って僕たちは歩いた。




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最近、木の写真を撮るとすぐにナチュレア・スタイルになってしまう。
シャッターを切る瞬間、「じゃ、ナチュレアさんで」と呟くのだ。
いかん、いかん、影響され過ぎだ。





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乾燥したユーカリの森を過ぎると、次第に周りが苔むしてくる。
たぶん沢か渓谷を歩いているのだろう。
湿った空気が汗だくの身体に心地よい。
ファーンツリー(シダ類)と苔の組み合わせを見ると、やはり無視できない。





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森を抜け周りの植物の背丈が低くなった途端、強風に身体を煽られた。
潮の匂いがする。





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そして突然視界が開けると、思わず「おぉ〜」っと叫び声を上げてしまった。
目の前に絶景が広がる。
吸い寄せられるように前を進むと思わず足がすくんでしまった。
岸壁、絶壁だ。
強風で涙が流れる目をしっかり見開き、風にあおられるバックパックをしっかりと担がないと崖の下に引きずれ落とされそうだ。




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ここからラウール岬のテーブル(台地)が見える。
目指すはあの先端だ。


おしゃべりを楽しみつつ、歩みを進めているうちに先ほど見下ろしたラウール岬のテーブルにたどり着いた。




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ここから後ろを振り返ると、先ほど写真を撮った山が見える。

何度も崖の縁に出た。




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日本ならこれらの崖の縁に、間違いなく柵を立てるだろう。
一歩間違えると、簡単にあの世だ。
しかし、ここは自己責任の国。
こんな自然の中に柵などこしらえようものなら、皆本気で反対するに違いない。

テーブルの先に見えた大きな池(小さな湖)にたどり着いた。
もうすぐ折り返し地点に違いない。




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水に沈む木の枝をフレームに収めると、すぐに歩きはじめた。




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気をつけて歩かないと、足下に咲く小さな、小さな花を踏みつぶしてしまう。




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やっと岬の先端にたどり着くと、先ほどから抜きつ、抜かれつつしていた地元のお年寄り3人組がランチタイムを終えて、居眠りしていた。




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こんな絶景を前にランチだなんてゴージャスには違いないが、彼らの足下から50cm先は20メートル以上もある絶壁だ。




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彼らの間にお邪魔させてもらって眼下を見た。




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真っ青な海に渦巻く波模様を見ているうちに、頭がクラクラしてきた。





朝作ったおにぎりを食べ(こんなときはサンドウィッチよりもやはりおにぎりなのだ)、チョコレート、ビスケットで糖分を補給し、上手いコーヒーが飲みたいなぁ、という思いを胸にしまい、再び僕たちは歩き出した。

帰り道は上り坂が多く、体力のない僕はぜいぜい吐息を切らし、膝は笑い出したが友人はヘッチャラだ。
こういう時、いつも自分の体力のなさを情けなく思う。
これでもし僕が煙草をやめていず、マウンテンバイクに乗っていなかったのならブッシュウォーキングなどきっと楽しめなかったのだろう。
身体の弱い僕にとってタスマニアに住んでいるというこの現実は、きっと神様が導いてくれた長生きへの道なのだろう。
もし大学卒業後、あのままサラリーマンを続けていたら、、、と考えると本気でぞっとする。
会社のノルマ、人間関係、昇級、付き合い、満員電車、ローン、お金、お金、お金、、、僕にはムリ。
もう日本へ戻れない。

結局、僕たちは8時間歩いた。
今日は全身筋肉痛でひぃ〜、ひぃ〜言っているが、それでも心身ともに心地良い日曜日だ。

さあ、これから少しマウンテンバイクに乗るとしよう。
それにしても、、、うっ、ううぅ〜、身体が痛い、、、。










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by somashiona | 2007-10-14 15:43 | デジタル

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