オシッコ漏らしそぉ〜!




以前、どんな撮影でも僕は緊張すると書いた。
芸能人、スポーツ選手、政治家を撮るのも、村のおばあちゃん、子供たち、警察官、囚人などを撮るのも仕事とあれば気持ちは一緒だ。
しかし、被写体が英国の女王ともなれば話しは少し違うかもしれない。

先日、アメリカの写真家アニー・リーボビッツがクイーン・エリザベスを撮影する様子を収めたドキュメンタリーの一部を観た。
見ている僕の方が緊張でパンツを濡らしそうになった。

アニー・リーボビッツといえばアメリカを代表するポートレイトの写真家だ。
伝説的ポートレイトを世に送り出している。
彼女が撮ったRolling Stone誌のジョンとヨーコ、Vanity Fair誌のデミー・ムーアは誰しも一度くらい目にしているはずだ。




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クイーンのアメリカ訪問に先立って、イギリス皇室はアニー・リーボビッツにエリザベス女王のオフィシャルポートレイトを依頼した。
BBCが制作したドキュメンタリーはアニーが撮影の10日前、ロケハンをするため皇室を訪問した場面からはじまる。
皇室の広報担当の女性がロケーションの提案をするがアニーはそれを断りしたたかに自分の目でイメージに合う場所を探す。
広報担当者の提案する場所で撮影をすれば今まで幾度となく撮られ、描かれたイメージと同じになるに決まっているからだろう。
アニーはクイーンが野外で馬と一緒のポートレイトを提案したが、皇室側からしてみると写真撮影ごときで女王様を野外に連れ出し馬の横に立たせるなど問題外だ。あっさりと却下された。
ロケハンをしている時、アニーは窓から差し込む自然光にこだわっていた。
自然光を使い、シンプルな写真を撮りたい、と彼女は言っていた。

いよいよ撮影本番。
この撮影のための準備に3週間をかけ、11人のアシスタントと一人娘を連れて撮影に臨んだ。

ちなみに仕事場に幼い子供を連れて行くということが僕には信じられない。
僕なら集中できない。
だが、エリザベス女王にあえるチャンスなど人生の中でどれくらいあるだろうか?その機会を子供にも分け与えたい気持ちは十分理解できる。
もう一つ信じられないことは、アニーがスニーカーを履いていたところだ。
さすがアメリカン。
オージーならサンダル履きか?

与えられた撮影時間はたったの30分。
しかし、正装の着付けが長引き、クイーンは15分遅れで姿を現した。
僕ならこの時点で体中に震えがきている。
僕の持っているカメラやレンズには手ぶれ防止機能が付いてないが、あったとしてもきっと役に立たないだろう。
仕上がった写真は世界中に配信されることになる。
世界中のあらゆる職種の人がこの写真を見て、ああでもない、こうでもないと評価を下すのだ。
でも、アニーは三脚を使わず、レンズフードすらつけていない。
キャノンのカメラにな、なんとズームレンズ。
24−70L/f 2.8らしい。

時間が押しているにも関わらず、アニーはいくつか違ったパターンの撮影のセッティングを用意していた。

撮影が始まる。

そこでアニーはクイーンに対して驚くべき提案をした。
クイーンの頭の上に乗っているティアラ(王冠型の髪飾り)を外してはどうかと。
「あなたは着飾らない方が素敵だと思うのですが」と言ったのだ。
「えっ、着飾らない方が素敵って、、、一体どういうことよ」クイーンは明らかに目を剥いた。
この時点で僕なら完全にお漏らしだ。

実はこの撮影に向かう途中、クイーンはなぜかご機嫌斜めで、早足で歩きながら「もう衣装替えはしませんからねっ!ご覧の通り十分でしょう!ありがと、まったく、、、」みたいな言葉を口にしていた。
このアニーに対するクイーンの態度が実はドキュメンタリー放映後かなり問題になったらしい。BBCはそういう編集をしたことを皇室に謝罪した。

衣装担当の女性からティアラを外す案はあっさり却下されたが、それでもティアラ付きを撮った後で、最後の方でティアラ抜きも撮りましょう、とアニーは食い下がっていた。

撮影後アニーから送られた写真を後方担当者がどのメディアにどれを使うのか選択しているシーンがある。
インタヴュアーが「クイーンはこの写真が気に入りましたか?」と聞く。
後方担当者は「多くの人が女王様を描き、お撮りになっていますので、その作品に対して女王が個人的な感想を述べることはありません」と答えている。


このドキュメンタリーの一部から学ぶべきところがたくさんある。
いいものを観た。
皆さんも是非見て欲しい。
「Annie and Elizabeth, Minute-by-Minute」





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このドキュメンタリーは『STROBIST』というブログで見つけた。
STROBISTはクリップオンフラッシュをいかに使いこなすか、ということをテーマにしたブログだ。
クリップオンフラッシュとはカメラの上につけるストロボのことだ。
日本ではあれをストロボというが、英語圏ではフラッシュもしくはスピードライトという言い方をする。
仕事でストロボを使うというと、いやいやそんな広い場所も時間もないからヤメてくれ、と言われることがある。皆が頭に描くのはスタジオなどでライトスタンドに立てて使うあの大きなライティング機材だからだ。
近年フラッシュの性能が驚くほど向上している。
このフラッシュを上手く使いこなせればあの大きなライティング機材など持ち歩く必要がない。
こちらではプロフェッショナルなフォトグラファーの多くがこういうサイトから何かしらのテクニックを得ようと日夜努力している。
このサイトの情報はどちらかといえばハイアマ向きだと思うが、それでも時々目からウロコが落ちるような情報がある。
STROBISTのモットーは「少ない機材で、知恵を絞って、より良い光りを」だ。
まったくその通り。


あ、今日の写真?
このテキストに合う写真はないなぁ、、、。
関係ないけどソーマの写真にしよぉ〜っと!






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by somashiona | 2007-12-26 10:56 | デジタル

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