ボートな人たち #1


北欧出身の彼女に結婚のなれそめを聞いた。


30代半ばの彼女、あこがれのタスマニアにたどり着く。
3ヶ月、彼女が使える一人旅の時間だ。
タスマニア中をくまなく廻りたいと思った彼女は中古車を購入することに決めた。新聞に手頃な値段の車が個人売買で出ていたので、さっそく指定先の住所へと出かけた。
そこは街のガソリンスタンド。
レジのお姉さんに新聞の広告を見てここへ来たことを伝えると、ガレージにいる整備士に会うようにと言われた。
オイルの匂いが漂うガレージの中から白のつなぎを着た40代後半の男が手にスパナを持って表れた。
この頃、彼女の英語力はまだ今のように堪能ではなかったので、しどろもどろで車を探していると彼に伝えたのだが、車のことなど彼女にはもうどうでもよく、ただただ彼の甘い瞳を見続けていたらしい。


彼女たちの仲は急速に発展し、彼女の親や兄弟に彼を引き合わせるため、二人は彼女の国へ行った。
彼女の親兄弟は成人に近い息子を持つこの男と自分の娘が果たして幸せになれるのか半信半疑だった。
しかしご両親が二人の結婚を承諾する決め手になったのは、彼が自分の趣味の話を幸せそうにした時だったらしい。
彼女の父親は彼の仕事について尋ねた。
彼はガソリンスタンドで整備士をやっていると答えた。
父親は少し眉間にしわを寄せ、生活には余裕があるのかね、と聞いた。
彼は自分が家を持っていること、お金持ちではないが生活に十分なお金はあること、週末は必ず休みで、たいていは自分のヨットで過ごすと答えた。
父親は驚いてこう聞いた「なにっ、ヨットを持っておるのか?オーストラリアでは整備士というのはそんなに儲かる商売なのか?」
彼は笑いながら言った「いえいえお父さん、整備士はそんなに儲かる商売じゃないですが、ヨットなら車を買うくらいの値段で手に入りますから」。






f0137354_147141.jpg







ホバートの街に入ると最初に目にするのがヨットハーバーだ。






f0137354_1481459.jpg







日本でヨットといえば、加山雄三か石原裕次郎くらいしか手にすることは出来ないと信じていた僕にとって、普通の人たちがボートやヨットを楽しんでいるホバートに僕はカルチャーショックを受けた。






f0137354_149939.jpg







実際ヨットの値段はそれほど高くない。
タスマニアには大小さまざまなヨットクラブがたくさんあって、大人やお年寄りは勿論、多くの子供たちがこのクラブに所属し、船や海と幼い頃から親しんでいる。






f0137354_14101850.jpg







f0137354_14103595.jpg








少年たちにとってヨットを持つ者は憧れ。
魅力的なボートやヨットの持ち主を見つけるともう質問攻めだ。






f0137354_14115180.jpg







サイズこそ大きくないが、世界でも有数の深さを誇るホバートの港ではシーカヤックから世界最大級の豪華客船までさまざまな船を見ることが出来る。






f0137354_14124714.jpg







大昔の船のレプリカは船舶ファンにとってたまらない。






f0137354_14133372.jpg







これは僕の勝手な想像だが、イギリスからの移民で成り立ったこのオーストラリアにおいて、船というものは未来を切り開くシンボル、夢を具現化するものなのではないか。
大航海時代(15世紀中〜17世紀中)、人々は新しい大陸発見のニュースに心躍らせただろう。
そこへ行けば今の苦しい生活からおさらば出来ると思ったかもしれない。
彼らにとって船がもたらすイマジネーションは強烈だったに違いない。


そして、僕のような日本人にとって船のもたらすイメージは警戒心、恐怖なのかもしれない。
黒船が日本にやってきた時、日本人はさぞかし驚いただろう。
いや、多くの侍たちは「そんなもの、わしらの刀で蹴散らしてやるわい」と言っていたらしい。
日本人の危機に対する認識は今もその頃とあまり変わっていないのでは。


おっと、話がそれた。






f0137354_14142837.jpg







*コメントの返事、もう少し待ってねぇ〜!






ranking bannerああ、タイタニックの船首でいい男に支えられ両手を広げたい、と思った人はポチッとよろしく!







このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!
ranking banner

by somashiona | 2008-04-24 14:23 | デジタル

<< previous page << ボートな人たち #2 | 子供たちはたくましい >> next page >>