シャイな「ガイジン」さん




結婚していた女性がオーストラリア人だったせいか、日本に住んでいた時、外国人の友人が割と多かった。
いわゆる「ガイジンさん」だ。
日本に住んだ事のある外国人は皆、この「ガイジンさん」という言葉にとても敏感だ。
面白いと捉える人もいれば、悪い印象を持つ人もいる。
海外生活をしていて思う事はこの「ガイジンさん」というニュアンスで僕を見たり、扱ったりする人がここにはほとんどいないという事だ。
海外生活と言っても僕はアメリカ合衆国とオーストラリアしか経験がないのであまり多くを語れないが、とにかくこれらの国ではこの「ガイジンさん」に当てはまる言葉がないように思う。
もちろんForeignerやAlienという言葉はあるのだが、これは日本人のいう「ガイジン」とは少しニュアンスが違う。
日本でいう「ガイジンさん」は「あの人は私たちとは違う人」という響きに僕には聞こえてならないし、「ガイジン」さんはなおさらそれを肌で感じるようだ。
まあ、オーストラリアもアメリカ合衆国も隣近所はこの「ガイジンさん」たちの集まり。
「人は皆、私と違う」というのが人を見るときの出発点だ。
話を日本にいた時に戻す。
そんな「ガイジンさん」たち、日本人の僕からすると、一見アメリカ人もオーストラリア人もイギリス人もみな同じように見えるのだが、それでもステレオタイプ的お国柄というのがあるのだとだんだん分かるようになってきた。
ベースボールキャップをかぶって片手にペプシを持ち、スニーカーを履いてマシンガンのようにしゃべりまくるイギリス男児はそうそういないし、午後のひとときに紅茶にクッキーを浸しながら本を読んでいるアメリカ男児もあまり見かけない。
それぞれの国の人たちはそれぞれの国の人たちの特徴を真似てよくからかい合ったりしていたが、そんな中でもオージーの男たちはいつでも人気があった。
僕が日本にいたときのオージー男児のイメージはこうだ。
冬でもショートパンツ。
スニーカーよりサンダルを好む。
髪型はいつもショート。
片手にはいつもビール。
両手にはいつも日本人女性。
いつでもジョークを言って、周りの人たちを笑わせている。
笑うときは豪快、飲むときも豪快、食べるときも豪快、騒ぐときも豪快、だからオーストラリアを豪州という。(これはウソ)
でもお金使いは慎重。






ここに住み始め、そんなオーストラリア男児のイメージが少し変わった。
変わったといっても少しだが。
一番の発見は、彼らは意外とシャイだということ。
そしてなんと言ったらいいか上手く言葉が見つからないが、とても素朴だ。
いつも誠実さを内に秘めている。
自分の能力をひけらかす事を恥じる、そう、謙虚なのだ。
イメージ的には高倉健のガイジンヴァージョンみたいな人。(どんな人?)
女性に向かって上手く気持ちを伝えられない時「不器用ですから、、、」といってうつむきがちに頭を掻くような人。
そんな人がこちらには多い気がする。






僕の友人ピーターはその代表選手だ。
彼とビーチに行くと僕はよく驚かされる。
海を見つめながら話をしてると、突然彼は立ち上がり、「よし泳ぐぞ」と言うのだ。
「泳ぐって、、、海水パンツもってないし、タオルもないし、、、それよりなにより寒いでしょ、、、僕はイヤ、絶対にイヤ、、、。」
そうこうしているうちに彼はさっさと洋服を脱ぎ始める。
サーファーでもある彼は海を見ると自分を止められなくなるらしい。

「さあ、マナブ、ガッツを見せろ。カモォ〜ン!」
海では泳ぎたくないが、僕の目はもう完全に泳いでいる。
気を取り直しピーターを見つめ、僕はニヤリと笑う。
そしておもむろにレンズを彼に向けるのだ。






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「お、おぉ〜、ダメ、ダメ、撮らないで!撮っちゃいやぁ〜」
彼の手は身体の要所、要所を隠そうと必死。






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「う、は、は、はぁ〜、パパラッチだもんねぇ〜!」
カシャ、カシャ、カシャ。
追いかける僕。
「いやぁ〜、いやぁ〜、ダメ、ダメ、恥ずかちぃ〜、顔はダメぇ〜、ダメだってぇ〜!」
逃げるピーター。







ロスアンゼルスから帰国した僕。
仕事をしはじめたが、最初はなかなか日本人の社会に馴染めなかった。
皆と違う言動を繰り返す僕を周囲の人たちは「ガイジン」と呼び始めた。
こんなこてこての日本人顔の僕、どこがいったい「ガイジン」なのさ!
と文句を言うと「あのね、君のガイジンって漢字で書くと害人、勘違いしないでねぇ〜」と言われ、返す言葉がなかった。








I'm so sorry Peter,,, I just couldn't help it.







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by somashiona | 2008-05-13 16:41 | デジタル

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