校歌を思い出した







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清らかな流れ みどりの島に
明るく 明るく すこやかにのびよう



古い校舎を写真に収めているとき、僕が通っていた小学校の校歌を思わず口ずさんでしまった。
小学校から高校にかけて6回も学校が変わっている僕が唯一記憶している校歌だ。
校歌は覚えているけれど、校舎に関しては何も覚えていない。
おぼろげに記憶にあるのは校舎の玄関の前にあった小さな金魚のための小さな人口の池だけだ。
その池にアリを落として金魚がそれを食べるのを飽きることなく眺めていた。(残酷?)
この校歌の学校に僕が通っていた時、一学年にたしか5クラスの教室があったはず。そして一教室には生徒が40名いた。
40名×5クラス×6学年=1200名、なんだかすごい環境だ。
僕の子供たちの学校は1クラスに生徒が20人もいなかった気がする。



愛媛のFさんの案内で四国にある古い学校を訪れた。
この学校のとても素敵な校長先生のご好意で校舎の中を見ることが出来た。


人類の文明は便利なものを目指して進化し続ける。
そういう意味では新しいものはたいがい古いものより勝っている。
僕はアンティーク志向じゃないし、ましてやレトロ主義でもない。
あまり好きではないが携帯電話やパソコンのない生活はもはや考えられないし、カメラもデジタルの恩恵を充分受けている。


古い校舎には不便なこともたくさんあるに違いない。
でも、時が刻み込まれた古い物質が人間の五感に与える刺激や記憶の襞に残すイメージは新しいものそれより遥かに深く、長く持続するような気がする。
こんな素敵な校舎で学校時代を過ごした子供たちはとても幸せだと思う。






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数の単位を覚えたての子が「いぃ〜ち、じゅ〜、ひゃ〜く」とぶつぶつ呟きながら階段を上がる姿が目に浮かぶ。






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遅刻してしまった日。静かな廊下を教室に向かって一人歩くときに聞こえた「ぎぃ〜っ、ぎしっ」と床の鳴る音は忘れがたいだろう。






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先生の話も上の空でぼんやり自分が座る木の机の表面を眺める。
卒業した生徒たちが残したいたずら書きを見つけたかもしれない。
「山下先輩、大好きです♡」






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入道雲が浮かぶ真夏のグランドで友達とドッジボールをした後に水飲み場で飲んだあの水は、どんな飲み物よりも美味しい。スポーツ刈りの頭を蛇口の下に持っていき目をつぶる。頭から首筋に流れ落ちる水の音と蝉の泣く声が聞こえただろう。






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畳の図書室で江戸川乱歩を夢中で読んでいる時、ふと視線を本から外し上に向けると、額縁に入った歴代の校長先生たちと目が合いしばらく見つめ合ってしまった文学少女もいるだろう。






オーストラリアでは古い建築物の外部や美しい部分だけを上手く残し、超近代的な設備を整えた建物にしてしまうケースが多い。
もちろんそういう建築方法はお金がかかるだろうが、全てを壊してしまえばこの時点で歴史は消えてしまう。
この美しさ、あらゆる方法で出来るだけ長く保ち続けて欲しいと思う。



明るく、明るく、すこやかにのびよう


はたして僕は、あの学校で健やかにのびたのだろうか?
うん、きっとのびた。






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by somashiona | 2008-10-30 20:57 | デジタル

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