下灘の港で遠慮がちに




Fさんは僕に鯛を食べさせてあげると言った。
愛媛県はマダイの漁獲量日本一を誇る。
新鮮な魚を求めて下灘にある漁港に僕たちは向かった。
訪れた小さな漁港は活気づいていた。


その土地の顔を見たければ第一次産業に携わる人たちに会うといい。
オフィスで働く人たちの顔はどの街も似たり寄ったりだ。
本当は彼らとたくさん話をしたかったが、この時は遠慮した。
第一次産業に携わる人が働いている時、彼らへのアプローチは普段の撮影以上に僕は気を使う。
一般的に彼らはその土地やコミュニティーに対する帰属意識が強い。
カメラを持った明らかによそ者の僕が彼らに近寄る時、彼らにとってそれが冷やかしに映るときもある。
カメラを持って人に近寄るとき、自分がその人たちの目にどう映っているのか、その人たちの立場で考えるのはとても大切だ。
彼らの視線からそのウェルカム度や嫌悪度を敏感に察知しなければならない。
アサイメントを抱えてそういう人たちを撮るときは僕の方も任務を遂行しなければいけないという120%真剣なオーラを放っているのでそれが彼らにもすぐに伝わり受け入れられやすいが、プライベートな時間にカメラを持って彼らに近寄るときは話が少し違う。
「なぜ撮るのか?」その理由が明確でないときは、自分と相手の間にごまかしてもごまかしきれない壁が出来る。
写真を撮るということは、その人を使うことだ。
正しく使わないと自分には罪悪感が残り、相手には不信感が募る。
人を撮る人は皆、多かれ少なかれこのことに気がついているはずだ。
コミュニケーションをとる時間が十分にないと思ったときは遠慮がちに傍観し、時折シャッターを切るくらいにとどめる。


遠慮がちに撮った写真はやはりどこか遠慮がち。
それでも、この港で働く人たちの美しさのせめて10%くらいは皆さんに伝わるといい。
黄色い漁船団が印象的なこの港とともに。












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by somashiona | 2008-11-01 08:41 | デジタル

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