いつかじっくり撮りたい、お遍路さん








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年老いた一人の女性が蒸し暑い夏の上り坂を腰を曲げ、歩行器を押しながらゆっくりと歩いて来る。
辛そうだが息づかいは聞こえない。
僕の前を通り過ぎた時、一瞬だがお線香の匂いが漂った。
僕は幻でも見ている気分でゆっくりと動くおばあさんの足取りをしばらく眺めていた。






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おばあさんの姿が見えなくなるのと入れ違いで一人の若い男性が同じ坂を降りて来た。
力強い足取りとこの日の暑さをまったく感じさせない涼しげな表情。
地面をつく杖の音がまるで神楽の拍子のように一定のリズムで聞こえてくる。
彼は先ほどのおばあさんと違い、あっという間に僕の前を通り過ぎたが、あのおばあさんと同じ線香の匂いを僕は嗅ぎ取った。






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一瞬生暖かい風が吹き、竹林のざわめきと共にその匂いはどこかへかき消されてしまった。
今嗅いだ青年の線香の匂いが本物だったのか、僕の想像の産物なのか、確信が持てなくなる。






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何が人々を信仰へ向かわせるのだろう。
心の安らぎを求める行為は、この一瞬にしてかき消される線香の匂いを嗅ぐようなものなのだろうか。






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お寺を取り巻く美しい環境に白い衣装をまとったお遍路さん、こんな素敵な絵を撮り逃す訳にはいかない、とお遍路さんを見る前までは思っていたが、無心に歩く彼らの姿を見てその考えはすぐにどこかへ飛んでいった。
これは通りすがりで撮るわけにはいかない被写体だ、と感じた。
八十八カ所巡りやお遍路さんのことをもっと知ってから撮るべきだと思った。
今回はスケッチ程度にとどめておこう。
いつの日かじっくりと時間をかけて撮るべき被写体に出会い、僕はとても嬉しかった。








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by somashiona | 2008-11-15 09:52 | デジタル

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