撮影は写真家の仕事のほんの一部分



先月、タスマニアを訪れていた相原さんにDVDディスクを一枚渡した。
怪しい内容のDVDではなく、2007年から2008年の相原さんのタスマニアでの活動をまとめた写真だ。

日本に帰ってこのディスクをみた相原さんから電話があり「感動した」と感想をもらった。
僕も写真を選びながら改めて相原さんの仕事ぶりに感動した。

今日お見せするのは2007年5月に写真展の打ち合わせと撮影をかねてタスマニアを訪れた相原さんと3日間を共にした時のもの。

皆さんが普段見る素晴らしい相原作品の数々、きっと大自然の中で黙々と写真を撮るクールな写真家の姿を想像するだろう。






f0137354_7101561.jpg







確かにその想像は間違っていないが実際の現場の様子はもっとリアルだ。






まだ真っ暗な早朝にベッドを抜け出し寒い野外に出る。
撮影ポイントはもう決めてあるので現場の車で行けるところまで真っ暗な山道を眠い目を凝らしながら運転する。






f0137354_71156100.jpg







真っ暗な空はあっという間に白み、厳かに撮影が始まる。






f0137354_7155845.jpg







ここクレイドルマウンテン、朝の寒さは半端じゃない。
シャッターを切るタフな相原さんの顔が寒さで歪む。






f0137354_7173588.jpg







朝食抜きで活動をはじめるのでやがてお腹がすくが、そんな時には大好物のブロニーフィルムを食べる。






f0137354_7183597.jpg







下山し、やっとまともな食事にありつけると思いきや、ここでも相原さんの写欲はおさまらない。






f0137354_7233672.jpg







お腹が落ち着くと写真展の準備のためギャラリーのキュレーターやスタッフと打ち合わせがはじまる。
もちろん全て英語だ。
昔、ブラジルのグレーシー柔術のヒクソンやホイスにインタヴューをしていて彼らにこう質問したことがある。
「ところで、あなたたちは皆どうしてそんなに英語が上手いの?」
「だってね、自分の実力で世界に挑もうとするのなら、英語力は身につけなくてはいけない最低限のことでしょう」と彼らが答えたのを思い出す。






f0137354_7245639.jpg







自分で図面もかき、納得のいくまでギャラリーのスタッフと写真展の準備を進める。






f0137354_726380.jpg







打ち合わせが一段落すると地元のスーパーで食料の買い出し。
その姿はもうすでによその国から来た人ではない。
完全に地元の風景に馴染んでいる。






f0137354_7273892.jpg







ホテルの部屋に戻ると携帯電話2台を手に、オーストラリアと日本のクライアントとの連絡を欠かさない。
女性へのラブコールはこのときしていなかったと記憶する、、、。
相原さんは基本的に非常にマメな人だ。






f0137354_7293161.jpg







ホテルのフロントでもシェフやレセプションのフタッフと話が弾む。
相原さんのオーストラリア写真が上辺だけのものではないのはここで暮らす人たちとの交流が根っこにあるからだ。






f0137354_7304059.jpg







そしてまた、森の中を進む。






f0137354_7313384.jpg







樹々に囲まれる相原さんはまるで樹々の一部だ。
相原さんにとってそれらの被写体は友人のようなものなのかもしれない。






f0137354_7325398.jpg







クレイドルマウンテンの天候は数分ごとに変わる。
酷い雨でびしょ濡れになりながらも集中力は維持し続ける。






f0137354_7342893.jpg







ここで撮影をしているとすぐに吸血ヒルが体中に張りつく。
相原さん、実はこういうものにとても弱い。
撮影中に突然飛び上がり、必死でジェケットを叩く相原さんを見て大笑いしたことがある。ヒルだと思って叩いていたのはジェケットから飛び出た黒いヒモだった。






f0137354_7352083.jpg







しかし、撮影中に笑うだなんて普段はなかなかない。
悪いタイミングで話しかけると怖い目で見つめられる。
この目を僕は「人殺しの目」と呼んでいる。(失礼)






f0137354_73724.jpg







そんな時は黙って距離を置き、相原さんを見つめることにする。






f0137354_7381882.jpg







一日の撮影が終わり、美味しいタスマニアのビールをオーダーし






f0137354_7395224.jpg







ホテルの部屋で落ち着く時間は「さっきのあの怖い顔はどこへ行ったのですか?」と聞きたくなるような人懐っこい笑顔。
相原さんファンは皆これにやられてしまう。






f0137354_7415331.jpg







グルメの相原さんも撮影中は粗食。
缶詰のサディーンやスモークサーモンで充分幸せ。






f0137354_743286.jpg







お腹がいっぱいになるとベッドに転がり込み、僕が話しかけている途中で眠りに落ちる。






f0137354_7435863.jpg







相原さんのこういう活動を見ているとよく身体がもつものだ、といつも感心する。
好きだ、というだけではここまで頑張れない。
写真がどんなに好きでも、それを形にするために乗り越えなくてはいけないハードルの多さに、人はくじけてしまう。
写真家にとって撮影という作業は仕事の中のほんの一部分にしか過ぎない。
やはり、そこには選ばれし者が何かしらの使命に突き動かされて全力を尽くしているという宿命のようなものを感じる。







日曜特番「相原正明物語」終わり













ranking banner人殺しの目と天使の微笑み、うぅ〜ん写真家ってセクシ〜、と思った人はポチッとよろしく!







このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!
ranking banner

by somashiona | 2008-12-21 07:59 | 人・ストーリー

<< previous page << メッセージを送る | 才能って必要か? >> next page >>