カテゴリ:写真家( 22 )

色で遊ぶ



ストリートフォトを撮っている時、僕が狙う被写体は人物だけではない。
写真の入ったフォルダを見ると塀や柵、電信柱、空などの写真が多いのに自分でも驚く。
シャッターを切るときは、もちろん何か思うところ、感じるところがあるからそうするのだが、人物じゃない被写体にレンズを向けるときは色に引きつけられることが多い。
色と遊ぶわけだが、これは「So what?」(で、なんなの?)写真になる恐れが多い。

色と遊んでいるのに「So what?」じゃない写真ってどういうものだろう、、、?


こういった写真を撮るきっかけとなった写真集が2冊ある。

一冊目は「ベルリン天使の詩」「パリ・テキサス」を撮った映画監督ヴィム・ヴェンダースの写真集だ。
もともと彼の映画の大ファンだったが、ニューオーリンズを旅していた時に写真ギャラリーでこの写真集を見つけた時は胸がときめいた。
当時モノクロ一筋だった僕にとってこういったカラー写真が放つ匂いはとても新鮮で惹きつけられた。










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もう一冊はメキシコ旅行中に見つけた写真集だ。
この写真集の写真家のことは全く知らない。
当時、メキシコを旅行するにあたってカメラ一台とフィルムはたしか30本までという決まりがあった。
フィルムはさすがにたくさん隠し持っていったが、カメラはニコンFM2と暗いF値のズームレンズに50mmの単レンズ一本だ。
結果的に90%以上の写真を50mmレンズで撮ったはずだ。
このレンズ縛りがあった旅行で僕は自分の写真の殻を破ることが出来た。
というか、写真の殻を破ったと感じたはじめての経験だった。
この旅行の最初の段階でこの写真集を見つけたことはこの旅の写真に強く影響した。
いいか悪いかは別として、「こんな写真が撮りたい」という指標を持って写真が撮れたからだ。










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もし運良く自分の写真の指標となる写真家や写真集を見つけたら、まずはその作品や作風をとことんコピーすることをオススメする。
「優れた芸術家は真似、偉大な芸術家は盗む」ー パブロ・ピカソ

自分の写真のスタイルは自分の哲学に正直に撮っているうちに、自ずと生まれるのだと思う。










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これらの写真集を見つけてからもう20年近く経つ。ああ、あまり進化していない自分が悲しい、、、。



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by somashiona | 2014-12-21 13:46 | 写真家

Finding Vivian Maier (ヴィヴィアン・マイヤーを探して)




先日、写真に関する素晴らしいドキュメンタリー映画を観た。
Finding Vivian Maier (ヴィヴィアン・マイヤーを探して)だ。
タスマニアの映画館では今公開中だが、日本で公開されているかどうかはわからない。
YouTubeで日本語の予告を探したが見当たらなかったところをみると、まだ未公開かもしれない。



若き青年がサイドビジネスで書いている歴史史書にそえる古い写真を手に入れるために主にリサイクル品などを扱うローカルのオークションに出かけた。
そこでダンボール一箱分の写真の露光済みネガフィルムを購入した。
スキャナーで写真をパソコンに取り込み、ざっと目を通したが彼の目的に叶いそうな写真が無かったのだが、それらの写真に彼は魅了された。
数ヶ月間、ネガの箱を部屋の隅へ放っておいたのだが、ウェブ上で写真を公開すると瞬く間に大反響を巻き起こした。
このネガの入った箱のなかから撮影者がヴィヴィアン・マイヤーという名も無きアマチュアの写真家だということが分かったが、彼女を突き止めようとしてすぐに彼女がつい先日亡くなったことを知った。
彼はvivianmaier.comというサイトを立ち上げ、彼女の写真をどう扱うべきか人々に問うた。
サイトはどんどんアクセス数を伸ばし、彼女の写真の評価は世界中で高まっていった。
彼はヴィヴィアン・マイヤーに代わり写真展を各地で開くのだが、それらは全て大盛況。
出版した写真集はアメリカで2012年、2013年と売り上げランキング1位に輝いた。



ヴィヴィアン・マイヤーの写真は1950年だいから1990年代にかけてのシカゴのストリートフォトとナニー(住み込みの家政婦、乳母)として働いた家族やその子供たちのスナップが中心だ。
ローライフレックスという6x6フォーマットの2眼レフカメラで10万枚以上にのぼる写真を残したが彼女はそれらの写真を誰にも見せなかった。
生涯独身を貫き、人との付き合いを極力避けていた彼女は謎に包まれた人物だった。
彼女の写真を見つけた青年がヴィヴィアン・マイヤーという女性の生涯を明らかにしていくという展開でこのドキュメンタリー映画は進んでいく。



さて、この映画、写真を撮る身の僕にとって考えさせられることの多い作品だった。
特に2つの点を僕は深く考えた。

1つ目。
内なる世界(自分に向けて)に向けて撮った写真は潔く、媚びず、純粋だということ。
彼女の写真はアマチュアの域をはるかに超えた素晴らしい作品だ。
あれだけの写真を撮っていれば自分でも撮った写真に十分な手応えを感じていたはず。
実際、母に宛てた手紙の中で彼女は自分はいい写真を撮っている、と言っている。
もしそうなら、次に起こる欲求は他者にそれを見せることだろう。
なぜ彼女はそうしなかったのか?
まるで日記を書くように、彼女は最後まで自分のためにシャッターを切ったのだろうか?
職業的な写真を撮る僕としては、他者の目や評価を気にせず、あくまでも自分の欲求や本能や、生理に従って撮る写真の強さにただただ打たれるばかりだった。


2つ目。
ストリートフォトの重要性と現代における肖像権の行き過ぎた被害妄想。
彼女が切り取ったシカゴのストリートフォトに世界中の人々が感動した。
殆どの写真が至近距離から被写体の許可無く撮った作品だ。
ストリートフォトを撮るものなら当たり前にわかることだが、どんなに魅力的な被写体もカメラの存在に気がついた瞬間、すべての魔法はとけてしまう。
魅力的だと思った被写体も声をかけた瞬間、ただのスナップショットに成り下がる。
世界中の人たちがヴィヴィアン・マイヤーのストリートフォトを見て感動したのは、それらが演出ゼロ、被写体の自意識ゼロの自然な一瞬だからだ。
これそこが時代を切り取ることであり、記録としての写真の真価を発揮するところだ。
昨今、こういったストリートフォトを撮るのが本当に難しくなった。
公衆を歩く人にレンズを向けると、それはほとんど犯罪者だ。
写真を撮ったのがバレたらとにかく逃げなさい、という人さえいる。
オートバイの出す音を全て騒音だと感じる人。
ヌード写真はすべてポルノだという人。
ストリートフォトは肖像権の侵害だという人。
こんな声に従っていたら、僕たちはものを自分の頭で判断する能力を失うし、なによりも未来の人たちに僕たち本当の生き様を残せなくなってしまう。
多くの人たち、特に写真や映像に関わる人は過敏な肖像権の問題と戦ってほしいものだ。


久しぶりに語りが熱くなって、長文になってしまいました。





























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最近の写真でストリートフォトを探したが、悲しいかな僕自身ほとんど撮っていない。
ストリートフォトには色々な撮り方があるが、この写真はこの空間に誰かが通るのを待ってシャッターを切ったもの。
絞りをF8にして、ピントは人が通るだろう場所に固定する。
後はそこにイメージに合う人が来た時に一瞬カメラを構え、シャッターを切るだけ。





















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ストリートフォトを撮っていて撮られた人や警察から苦情が来た場合、逃げてはいけないと思う。なぜその写真を撮る必要があるのかしっかりと説明し、それでも被写体が(警察ではない)不快に思うなら本人の前で写真を削除すべきだろう。ストリートフォトを撮るにはそれなりの気構えがいる。



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by somashiona | 2014-11-18 20:47 | 写真家

気になるフォトグラファー Evgenia Arbugaeva




前回のブログで書いたオスカー・バルナック・アワード受賞者たちの作品を見ていて、特に印象的だったのは2013年度の最優秀を受賞したEvgenia Arbugaeva(読み方が分からないのだが、たぶんイブジェニアさんというのだろう)の写真だった。
北シベリアの北極海岸にある小さな町をドキュメントしたポートフォリオだ。
かつて軍隊と科学基地として重要だったその小さな町はソビエト連邦の崩壊とともに廃れた。
しかしそこで今なお暮らす人たちは高い失業率、低生活水準、寒さ、剥奪、そして孤独と日々戦っている。
そんな町や人々の姿を追うイブジェニアの眼差しは常に温かく、彼女が撮る写真たちはまるで夢の中に出てくるおとぎ話のようだ。
こんな写真を見事に撮り、若干28歳でオスカー・バルナック・アワードの最優秀賞をとったのだから、今後彼女は世界でも指折りのフォトグラファーになるに違いない。
シベリア生まれのイブジェニアは現在フリーのフォトグラファーとしてロシアとニューヨークを中心に活動しているらしい。





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All photos by Evgenia Arbugaeva





イブジェニアさんのウェブサイトは「ここで」











Leica Oskar Barnack Award 2013 - Finalists' Portfolios


















今回の僕の写真はシベリアほど寒くはないが、それでもかなり冷え込むタスマニアの朝の風景だ。
プロジェクトの撮影地に向かう車の中から撮った写真たち。
本来なら車から降りてしっかりと撮るべきなのだが、目的地に向かう移動中の朝には、残念ながらそんな余裕はないのだ。










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写真を愛するものは他の写真家が撮った素晴らしい写真にジェラシーを感じながらも、その写真家の仕事をもっと多くの人に見てもらいたいと、必死に宣伝をしてしまう不思議な人種なのだ。



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by somashiona | 2014-11-01 20:28 | 写真家

写真家、10,000人の目標に焦点を合わせる




写真家、10,000人の目標に焦点を合わせる


一年間で一万人のタスマニア在住者のポートレイトを撮るというホバートの写真家がたてた目標は狙い通りに進んでいる。

日本出身のアーティスト、マナブコンドウは膨大な数のポートレイトをタスマニア中で撮り続けている。
プロジェクトを始めてから一ヶ月間、ショッピングセンター、老人ホーム、大学、マーケットなどですでに彼は1746人の顔を撮った。

「一万人を達成するには1日平均27.4人を撮らなければならないのですが、これはちょっと不可能に近いことだと思っていました。でも僕はこの現実に圧倒され続けています」とコンドウ氏は言う。
「こんなことが出来ている理由の一つは、タスマニアの地域社会がとてもいい形で僕の後ろ盾になってっくれているからなんです」

コンドウ氏いわく、前回のマーキュリーのプロジェクト紹介記事の後、50人以上の人々から力を貸したいという内容のメールが届いた。
ビジネスマンであるロバート・ロックフェラー氏は彼の所有する全てのショッピングセンター内での撮影を許可しただけでなく、彼のために大きなプロジェクトの垂れ幕まで作った。
コンドウ氏はまた老人ホームにも招待された。

「老人たちの写真を撮り、会話をするのはとても楽しい経験でした」

ホバート市も彼のプロジェクトに参加している。
コンドウ氏を2度、サラマンカ・マーケットに招待しているのだ。

コンドウ氏はプロジェクトの成果である作品を最終的に公共の場で披露したいと思っている。
しかも、今まで誰も見たことがないようなかたちで。

「ホバートの夜、無数の顔をビルや壁、もうそこらじゅう至る所に投影させたいんです」と彼は言った。

彼はまた撮影した写真を編集し蓄積保存したいと思っている。

「これらの写真は将来とても貴重なタスマニアのアーカイブとして残るでしょう。50年後、いや、100年後に人々は、かつてタスマニアに存在していた10,000人の顔を見ることができるのです」




ーーーーー ザ・マーキュリー 2013年7月25日(木)版より ーーーーー










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タスマニア10,000人プロジェクト、順調に進んでおります。
これは先月の後半に新聞で紹介された記事です。
道を歩いていても「何人までいった?」と知らない人から声をかけられるようになりました。
サラマンカ・マーケットでの撮影では、毎回知らない誰かからコーヒーの差し入れがあります。
たくさんの人たちに声をかけていますが、嫌な思いをしたことは、まだ一度もありません。
現時点での撮影人数は2906人です。
一日の最高撮影人数記録は374人でした。
全員にプロジェクトの説明をし、写真をどうやって見せたいのか夢を語り、写真ボックスに入ってもらってからは最高の一瞬に集中し、ボックスから出てもらった後は撮った写真を見せ、握手をしたり、肩を叩き、お礼を言います。
プロジェクトを始めてからまだ2ヶ月たっていませんが、毎日素晴らしい出会いであふれています。
写真で人々に喜んでもらうんだ、と言いながら、実は僕が一番喜んでいます。
明日はとても大切なプレゼンテーションと、このプロジェクトのマネージャー候補の人たちの面接があります。
毎日アドレナリンが出まくっていて、頭痛の頻度も減っています。
朝起きてから寝る瞬間まで息つく間もありませんが、考えてみると、フォトグラファーとして一番理想としていた状態にどっぷりと浸かっているのだから、文句をいうのは筋違いというものです。
2900人の人たちに夢を叶えると約束をしているのだから、最終的な結果を考えるとかなり怖くなりますが、今はただ、この瞬間瞬間を一所懸命やるだけです。

この記事のインタビューと撮影はマーキュリーの本社で行われました。
インタビューの後、新聞社のスタジオに連れて行かれ、腕利きフォトグラファーのサムからどんな写真を撮りたいのかという説明を受けます。
カメラで自分撮りをしている場面をライブビューに出し、それを撮りたいというのがサムのアイディアでした。
簡単にできると僕もサムも思ったのですが、実際やってみるとなかなかうまく行かず、この一枚のためにたぶん100枚近く彼はシャッターを切りました。
僕も写真を撮る人間なので、「大丈夫だ、いい写真が撮れた」と思えるまで撮影を終わらすことができないサムの気持ちが良くわかり、お互いにああでもない、こうでもないと言いながらやっている姿が面白いと、数年前に他のプロジェクトで僕のことを紹介してくれた新聞社の女性記者がiPhoneで僕たちの姿を撮ってくれました。











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by somashiona | 2013-08-08 21:19 | 写真家

プロジェクト 老人ホームでの撮影



















タスマニア10,000プロジェクト、老人ホームでの撮影風景です。
ビデオ撮影および編集は以前僕のブログに登場したブラックメタルのスコット青年。
www.scottbradshawphoto.com
いい仕事してくれました。






















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by somashiona | 2013-07-29 20:58 | 写真家

タスマニア10,000人プロジェクト


























HDクオリティにして、画面を拡大して鑑賞することをおすすめします。












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by somashiona | 2013-07-28 20:11 | 写真家

男一人、カメラを手にタスマニア10,000人の顔を撮る




皆さん、大変ご無沙汰しております。
多くの方にご心配をかけているようで申し訳ありません。
僕は元気なのですが、超多忙な毎日で、ブログに回す自由な時間が全くありません。
多忙な理由は6月の半ばにタスマニアの新聞2ページの見開きで紹介された記事が語ってくれているので、僕のブログに載せます。

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男一人、カメラを手にタスマニア10,000人の顔を撮る


写真家のコンドウマナブさんは1年間で一万人のタスマニア在住者を撮影するという野望を自分に課した。
日本出身のこのアーティストは年齢やバックグランドを問わず、ここタスマニアで生きる人たちの膨大な数のポートレイトを撮ろうというのだ。

「僕の友人たちがタスマニアを訪れると、誰しもその美しい自然に胸を打たれるけれど、ここに住む人たちの顔にもなにか特別な気持ちを抱くんです」とコンドウさんは言う。
「日本人の目にはタスマニアの人たちの顔がとにかく自然で、とてもリラックスしているように見えるんです。いつも笑顔を絶やさず、ハローと声をかけてくる。(今回はタスマニアに来た難民たちの写真展に招待されましたが)タスマニアに住む人たちの顔はとにかく何かを語りかけてくれるのです。難民たちだけではありません。ここに住むすべての人たちです」

コンドウさんは札幌出身で10年前にオーストラリアへ渡って来ました。
彼は20年以上、写真を撮り続けています。
オーストラリアでは新聞社や通信社の仕事をしました。
ジ・オーストラリアン、ジ・エイジ、AAPなどの仕事です。
コンドウさんは最近日本に帰国し小規模の写真のプロジェクトを行いました。
そして、そのプロジェクトが今回のタスマニア一万人プロジェクトのきっかけになったのです。

「撮影に入る前に、被写体になってくれる方々が持っているストーリーをじっくりと聞きました」と彼は言う。
「話を聞けば聞くほど、この人たちと出会い、写真を撮るのはまるで運命だったかのように感じるのです」
「札幌で100人の人たちを撮り、僕は本当に感動してしまいました。皆が一所懸命僕の撮影に協力してくれます」
「彼らは皆、とてもポジティブな人たちです。だって、ネガティブな人は自ら進んで写真を撮られようとはしませんから」
「100人からポジティブなエネルギーを貰い、僕は最高に心地よい気持ちになりました」
「そして思ったのです、これを同じようなことをタスマニアでやってみてはどうだろうと(いつやるか、今でしょ)」

コンドウさんはすでにこのタスマニア10,000人プロジェクトの初期段階に入っています。このプロジェクトには地域社会の参加が不可欠だと考えています。

「一年間で100人なら自分一人の力で成し遂げれます。たぶん1000人でも可能でしょう。でも10,000ともなれば話は別です。必ず人々の助けが必要になります」と彼は言う。
「僕は被写体になってくれた人たち全員に幸せを感じてもらいたいのです。なにかとてもいい事をしたような気持ちになってもらいたいのです」

一万人のポートレイトはとてつもない数に思われるが、人々がお互いに助け合えば可能だと彼は言う。コンドウさんは楽観的です。

「一年間に存在した一万人の顔写真はとても貴重な記録です。写真はただのアートではないのです。写真はドキュメントであり記録なのです。これはタスマニアの貴重な記録になります」

コンドウさんは昨夜のムーナ・アートセンターで行われた「タスマニア難民ウィーク展」のオープニングでこのプロジェクトを開始した。
6月の27日まで行われているこの展示会はマイグラントリソースセンターとグレノーキー市の主催だ。
テーマはタスマニアに難民として移住してきた彼らの長い旅と今ここタスマニアこそが彼らの家であるということをよく考えることだ。

「外国に定住するための様々な活動はとても困難なものになり得る」とリソースセンターの最高責任者であるセドリック・ナーメンさんは言う。

展示会では難民として南タスマニアに定住する人たちの生活と経験が写真で展示されている。

「人道的理由によりここタスマニアにやってきた人たちの顔をマナブのプロジェクトの写真に加えるのはとても意義のあることだと思うのです」とマーネンさんは言った。


ザ・マーキュリー 2013年6月15日 (土)

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この記事が掲載されて以来、僕はジェットスターに乗ったような毎日です。
そうなることは覚悟していましたが、実際になってみるとやはり大変です。
記事掲載の翌日には50を超えるボランティアや僕のプロジェクトに関わりたいという申し出のメールが届きました。
メールや電話は今でも毎日届きます。
ホバート市、タスマニア大学、アートタスマニア、政治家、不動産王、アムネスティ・インターナショナル、そして数えきれないほどの個人個人から温かい手が差し伸べられ、多くの撮影のチャンスを与えられています。

この新聞記事にあるように、6月14日に難民ウィーク展でプロジェクトの撮影を始めてから今日に至るまで、なんと、1858人のポートレイトを撮りました。
まだ一ヶ月とちょっとです。
個人的にはもうダントツのポートレイト撮影最高新記録です。
でも、これがこれから一年続くのです。
このプロジェクトについては語りたいことが山ほどあります。
でも、今日はこの辺で。
チャンスがあれば続報をお知らせします。

あ、そうだ、プロジェクトの名前はTasmania 10,000 People Project (タスマニア1万人プロジェクト)。

全くブログを更新していなかったにもかかわらず、ポチッとし続けてくれた方、感謝しています。
コメントの返事もしないまま、申し訳ありません。
何かとても意義ある作品が時間と手間をかけて生まれる予感がしています。
温かく見守ってください。

マナブ













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by somashiona | 2013-07-24 20:34 | 写真家

コダクローム、最後の一本







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イーストマン・コダック社は世界で最初にカラーリバーサルフィルムを製造した会社だ。
その顔ともいえるコダクロームの製造の打ち切りが2009年6月22日に発表されたことを知り、胸を痛めたフォトグラファーが世界中にどれだけいたことだろう。
僕は東京で働いていたときFUJIFILMのRDPll(プロビア)とコダックのEPJ 320Tというタングステンフィルムを毎月平均300本使っていたが、やはりコダクローム64の黄色い箱には特別の思い入れがある。
ロサンゼルスの学校の先生もコダクロームの魅力について耳が痛くなるほど語っていたし、憧れのフォトグラファーがナショナルジオグラフィックのために撮った写真もほとんどの場合、コダクロームだった。
一般的なリバーサルフィルムのE6現像にたいしてコダクロームのK14現像は値段が高く、いつもたっぷりと待たされた。
それでも厚紙でしっかりマウントされたコダクロームの撮影済み写真をライトテーブルの上においてルーペで見ると、そのシャープネスや渋い発色に「う〜ん、やっぱりコダクロームは違う、、、」と唸ったものだ。

そんなコダクロームの工場で生産された最後の一本を使うことを許された写真家のドキュメンタリーを最近偶然見つけた。
ナショナルジオグラフィックのドキュメンタリーで、その主役となるフォトグラファーは写真界のモナリザと呼ばれるアフガニスタンの少女のポートレイトを撮ったスティーブ・マッカリーだ。
とても貴重な映像で、とても面白いドキュメンタリーなので日本ではもうとっくの昔に字幕か吹き替え付きで放映されているのかもしれないが、フィルム写真ファンもデジタルしか知らない世代の人にも大変興味深いないようだと思うのでぜひ観てほしい。






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ざっくりと、非常にざっくりとしたなんちゃって日本語訳を書いてみたのでこれを読んでから映像を見ると、大体話の内容がわかると思う。






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工場で生産されたコダクローム、最後の一本の撮影をアサイメントとして与えられたスティーブ。
しかし一体、最後の一本で彼は何を撮るのか?
伝説的なフィルムであるコダクロームの最終章、チャンスはたったの36枚だ。

75年間、プロ、アマを問わず、多くの人たちがコダクロームと熱く戯れた。
その豊かで高い色再現性と信じられないほどの耐久年数。
コダクロームが捧げてきた多くの素晴らしいことも、とうとう幕引きの時となった。
2009年、コダックはこのフィルムの生産中止を発表したのだ。
とうとうデジタルがフィムルに取って代わってしまった。
これといったイベントもファンファーレもなく、その歴史に幕を閉じようとしていたが、一人の男がコダクロームに何かを捧げる機会を与えられ、その仕事に同意のサインをした。
最後のコダクロームが欲しい、と彼はコダックにお願いした。

スティーブ・マッカリーの自己紹介
カレッジで写真を学び、新聞社で2年働いた後、数百本のコダクロームを持ちインドへと旅立った。
フリーランスのキャリアのはじまりだった。
ナショナルジオグラフィックのアサイメントを受けるようになり、以後数えられないほどの記事をカバーした。
僕のベストショットはたぶん、ほとんどコダクロームで撮影されたものだと思う。
コダクロームで撮られた写真のアーカイブが数えられないほどある。

コダクロームの説明。

コダクローム、最後の一本をカメラに入れるスティーブ。 

「カメラの中にコダクロームを入れるという行為を何千回、何万回も繰り返してきたよ。
それはもう、ほとんど生まれつき備わった習性のようにね。でも、これが最後だと思うと、何かたまらなく不思議な気持ちになる」

「今までこのコダクロームで数えられないほどのアサイメントをこなしてきたが、今回のアサイメントは、自分の為に、自分の気持ちに対して、写真が何かを語りかけてくれるようなものにしたいんだよ」

これは限られた写真家にしか与えられない贅沢なチャレンジだ。
このアサイメントには6週間しか時間がない。すぐに次の仕事が待ち受けているからだ。
どこで何を撮ろうとすべては彼次第。

「僕にとって写真の楽しみというのは、家のドアから外に飛び出して、てくてくと歩き、よく観察して、何かを発見すること」

まずは自分の住むニューヨークの街のご近所からはじめる。
デジタルカメラでスナップしながらポテンシャルのある写真を探す。
もし気に入った被写体があれば、それを今度はコダクロームで撮るのだ。

ワシントンスクエアパーク
チャイナタウン
コダクロームで撮るべき被写体を探しまくるが、納得のいくものが見つからない。
結局彼が住むニューヨークの何気ないスナップを撮るという案をリセットし、ニューヨークを象徴するような被写体を選ぶべきだという結論に達した。


ブルックリンブリッジに行ったがベストなポジションは閉鎖され、そこ以外だと写真として成り立たない。
タイムススクエアーへ行ったが、どう考えてもポストカードのような写真にしかなりそうもない。
ニューヨーク、グランドセントラル駅なら間違いないだろう。
コダクローム、最後の一本の限られた36コマを使う価値があるだろう。
結局、散々苦労した挙句、ニューヨークで撮った写真はここグランドセントラル駅で撮った一枚だけだった。
コダクローム最後の一本、残りは35コマだ。 


やがてニューヨークは雨模様となり、彼の望むようなストリートフォトを撮れる見込みがなくなってきた。
カフェで熱いコーヒーを飲み、体を温めてから、案を練り直す。

「ニューヨークに住む不特定多数の人々を狙うより、この街のアイコニック的な人物、例えば、ウッディ・アレン、アル・パチーノ、あるいはロバート・デ・ニーロなどのポートレイトがいいだろう」

ロバート・デ・ニーロがその案を承諾した。
デジタルカメラでテストシュートをする。
「これって、本当にコダクロームの最後の一本?本当に最後の一本なんだね?」とロバート・デ・ニーロも少し興奮気味。
ここで彼は36枚のうちの3枚を使う。

この後、スティーブは残りのフレームを埋める写真をポートレイトにすることに決めた。
そして、彼の写真の原点であるインドへ向かった。
「インドの大きな魅力の一つは色だ」とスティーブ。
ムンバイのスラム街へ。
デジタルカメラでポテンシャルのある被写体を探し、露出、構図、すべてを決めてから撮影する。
基本的に一人につき一枚の写真。
通常のポートレイトは、刻々と変化する表情を捉えるため何度もシャッターを切るが、この最後の一本はそんな訳にはいかない。
少しの手ぶれも許されないので三脚を使い、石の如く、不動の状態で取る。
ムンバイといえば、ボリウッド(インドのハリウッド)、ドル箱の映画産業の街。
「ニューヨークでロバート・デ・ニーロを撮ったのだから、ムンバイを象徴する人物として、やはりここではボリウッドスターを撮るべきだろう」

ムンバイでインドのアイコン的な俳優、女優を次々に撮っていくスティーブ。
「コダクロームは写真家に高い技術を要求するフィルムだ。露出、手ぶれ、シャープネス、表現力、すべてにおいて慎重にチャレンジしなければならない」
ここでスティーブは9枚の写真を撮る。

その後はムンバイから北へ、インドとパキスタンの国境付近、ラージャスターンへ飛ぶ。

「昔ながらの生活が営まれてきたこの地域も、文明の波に押され、近年、刻々と変化している。
失われていく人々の生活の記録。それは消え行くコダクロームに捧げるにはうってつけの被写体だ」


(この辺から疲れてきたのでほとんどの訳をすっ飛ばします。ごめん)


灼熱のインドで出来うる限りの撮影を終えた後、数カットだけをコダクロームに残し、スティーブはアメリカ、カンザス州にあるドウェインズ・フォト社へと飛んだ。
ここはコダクロームの現像を引き受けた最後の現像所だ。
6週間、約3万キロを旅しスティーブは最後のコダクローム、36枚の写真を撮り終えた。
そして、その最後の一本が今現像されようとしている。
コダクロームの現像には約40分かかる。
その間、スティーブは落ち着かない様子で仕上がりを待つ。
デジタルカメラ世代の人には、この気持、わからないだろう。
コダクローム現像の最後のステップはマウントだ。
フィルムのカット一コマ一コマを厚紙でマウントする作業だが、ここで紙詰まりを起こす。
なにせ、古い機械なので、何事にも時間がかかる。
とうとうコダクローム、最後の一本の現像が仕上がった。
ライトテーブルの上にマウントされた36枚の写真を乗せ、ルーペを使って一枚一枚丹念に露光された写真を見る。
「今決めたことなんだけど、デジタル写真はもうやめて、これからはコダクロームに戻ることにするよ」と半ば本気の冗談をいうスティーブ。
「一枚は自分の写真を撮っておきたかったんだよ」というセルフポートレイト。
ニューヨークを象徴するイエローキャブはコダクロームと同じ明るい黄色。
よく見ると、コダクローム64プロの記号、PKR-36とナンバープレートが変えてある。
「僕が見たもの、学んだことが写真に表れるんだ」とさらりと言う彼の言葉はずっしりと響く。

(最後は訳じゃなく、主観が入った説明になってしまった、、、あー、疲れた)






ナショナルジオグラフィック:コダクローム、最後の一本





コダクローム、最後の一本で撮れれた貴重な作品たちはスティーブ・マッカリーのウェブサイトで




ポール・サイモンも歌ってます 「僕のコダクローム」





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そうだよなぁ、昔はああやって、一枚一枚を大切に撮ったよなぁ、、、(しみじみ)。



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by somashiona | 2013-06-05 14:44 | 写真家

アンドレ・ケルテス




最近、このブログで写真家の話をしていない。
好きな写真家というのは、ある意味自分の進むべき道へ光を当ててくれる存在で、自分が信じる良い写真についての揺るぎないお手本だ。
僕の場合、好きな写真家は圧倒的に古い時代の人達が多い。
写真家が大判カメラから小型のカメラ(ライカ)を使って作品を作り始めた時代の写真が好きだ。
おそらく、大判カメラ特有のしっかりとした構図と小型カメラ特有の偶然性を引き寄せる力が混ざり合った写真だからだと思う。
古い時代の写真家の話をすると「昔はよかった」的な話をする年寄りのようで気がひける。
今だって素晴らしい写真家はたくさんいるのに、彼らのことを取り上げず、古い写真家にこだわるのは、自分の感覚が古いと認めているようで、気がひけるのだ。
でも、やはり、いいものはいいし、自分が求める写真も古き良き時代の写真にあるのは認めざるをえない。


今日はハンガリー、プタペスト生まれの写真家アンドレ・ケルテス(1894 - 1985)の話をしたい。
彼の写真を見るたび「ああ、なんて写真してるんだろう」と思う。
彼はスナップショットの名手だが、風景も人間も建物もドキュメンタリーもファッションもなんでも撮るオールラウンドのフォトグラファーだっとも言える。
彼が撮った写真の構図、イメージは多くの写真家の脳裏に焼き付き、あらゆる媒体で再生産されているので、似たような構図やイメージを写真や絵を皆さんも多く見ていることだろう。












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僕が彼の写真に惹かれるのは先にも少し触れた完璧な構図と写真ならではの偶然性、そしてそこに詩が流れている点だ。

まずはこの写真を見て欲しい。












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彼はある通りへ行くたび数枚写真を撮った。
美しい線、コンクリートの造形美、何もかもが彼の好みだが、何かが足りない。
ここに鳩がいればいいのに、と彼は想い続け、実際に鳩が飛んで来るのを待ったが、鳩さんたちもそう簡単には彼の願いを叶えてくれない。
そして、ある日、鳩が飛んできた。
一瞬の出来事だ。
ライカのシャッターを一枚だけ切った。
どんぴしゃり。
インタビューのかなで「アタナは辛抱強い人間か?」と聞かれ、「もちろん、そうでなければならない。この写真を撮るのに30年もかかったんだから」と笑いながら答えている。
彼の写真は写真を撮ることの態度について、多くを教えてくれる。



次の写真は彼がはじめてライカを手に入れた年に撮られた写真だ。












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彼はカメラを持って街中を歩くのが大好きな人間。
ある日、とある駅で降り、いつものようにスナップ写真を撮る。
どこを撮っても平凡な絵ばかりで、どうもしっくり来ないが一箇所だけ彼の心の何かを捉えた場所があり、後日、またここへ戻ってきた。
そして再び同じ場所でとった写真は彼の代表作の一枚になった。












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この写真について、多くの人が多くの意見を持っている。
高架橋の上を右から左へと偶然に走り去る蒸気機関車、場違いな場所で場違いなほどいい身なりの紳士がなにやら新聞紙に包まれた大きなものを運びだそうとしている。
その奥には子供を含め9人の人間がレイヤーをなしている。
説明しがたい奇妙さ、絶妙な構図、どこを切り取っても物語が生まれるが、どこを切り取ってもその物語がどこへ向かうのか分からない。
それ故に、多くの人の心を惹きつけ、脳裏に焼きつく写真なのだ。



彼は日常の何気ない風景をアートに変えてしまう。
そこには一瞬で計算してしまう絶妙な構図の作品もあれば、何度も繰り返し撮り続ける中でじっくりとものにしていく一枚もある。












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どれをとっても彼の作品には静寂と気品と詩がある。
彼をあつかったドキュメンタリーフィルムの最後で彼はこう語っている。

「我々の眼というのは単に被写体を映し出す装置に過ぎない。何を選び写しだすのかを決めるのは眼ではなく、我々の内側にあるものだ」


僕の一番のお気に入りの写真はたぶんこれだと思う。












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by somashiona | 2012-09-25 15:44 | 写真家

スティルライフ



昔、札幌で活躍するベテランのスタジオフォトグラファーに写真上達の秘訣を聞くと「それは風景写真を撮ることだ」という答えが返ってきた。
当時、僕はロスアンゼルスで毎日写真漬け、しかも頭の中はポートレイトとドキュメンタリーしかなかったので、「はいはい、年配のフォトグラファーは何かと言うと風景なんだから」とあまり敬意を払ってそのアドバイスを聞かなかった。
ただ、彼の言った言葉は僕の頭から長い間離れずにいた。
「風景写真を撮るということは太陽の光を観察すること。硬い光、柔い光、角度、色温度、そういった秒単位で変化する様々な光を見極めること。写真は光と影。それを学ぶなら、風景写真を撮るのが一番だ」この言葉はいつまでも頭の中に残った。

今なら、彼の言葉に強く頷ける。
僕はいわゆる風景写真家ではないが、ポートレイトやドキュメンタリーじゃなけりゃ、という縛りから解放されたあと、自然の光から学ぶ機会が増えた。
カメラが進化したこともひとつの理由だが、最近はスピードライトやストロボなどの人工的な光を使わずにできるだけ場明かりを使って写真を撮るよう心がけている。

風景写真同様、スティルライフ(静物写真)を撮ることも写真上達の秘訣だろう。
いい写真を撮る人は、この分野でもやはり唸らせる写真を撮る人が多い。
時間のあるとき、キッチンにある果物や野菜、皿やフォークなどをかき集め、テーブルの上でああでもない、こうでもないと格闘してみることがある。












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これらの作品が僕の撮った写真ならどんなにいいだろうと思うが、3枚とも1900年代に活躍したアメリカの写真家、エドワード・ウェストンの写真だ。
僕にとってスティルライフといえばエドワード・ウェストン。
1930年代にアンセル・アダムスやイモージン・カニンガムらと「グループf64」という団体を結成した人物としても有名な写真家だ。
f64というのは大判カメラ最小の絞り値、最大の被写界深度で被写体を究極的にシャープに映し出し、その造形美を追求するという彼らの精神がストレートに伝わる。
ウェストンのオリジナルプリントをはじめてみた時、モノクロ写真がこれほどまで美しくなり得るのかと、心の底から驚き、感動した。
まるで被写体が印画紙の中から浮き上がり、手にとってその感触を味わっているかのようにプリントを鑑賞することができる。
彼らは暗室の中で焼きこみや覆い焼きのテクニックを使い、とことんプリントを詰めていく。
完璧なネガを作るアンセル・アダムスでさえ、その行為抜きでプリントを作ることはなかったらしい。
この作業、いま僕たちがパソコンの中でフォトショップなどのソフトを使って行うマニピュレーション(画像処理)と同じといえばたしかにそうなのだが、出てくるものの重さがこんなにも違うのはどうしてなのだろう?
被写体が例えピーマンであろうがキャベツであろうが洗面器であったとしても、今のフォトショップで出てくる写真と圧倒的に違うのは、やはり彼らの被写体を観察する眼なのではないかと思う。












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というわけで、僕もタスマニアのウェストンになりきり、バナナを心の目で見てみるが、出来上がったものは、、、。












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シオナの感覚とさほど変わらない自分の感性に悲しくなる一日であった。
























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by somashiona | 2012-07-11 15:16 | 写真家

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