<   2007年 12月 ( 9 )   > この月の画像一覧

Thanks a lot and have a very good new year!




このブログは今年3月17日にスタートした。
もし3ヶ月続いたら、自分を褒めようと思っていた。
なんと予想を裏切ってまだ続いている。

分かったような口ぶりで、写真や人々について勝手なことを言っているが、本当は世の中について語れるだけの見識や経験もないし、写真道というとても奥深い宗教に関しては、まだ入り口でうろちょろしているだけだ。
それでもこれをヤメられないのはブログが快感だからに違いない。
南半球のこんな田舎に暮らしながら、何かを発信できるのはスゴいことだ。
そして、僕にとってもっとスゴいことは、このブログを楽しみにしてくれている人がいることだ。
自分を褒める気持ちより、いつも見てくれている人たちに「ありがとう」と言いたい思いのほうが遥かに上回ってしまった。
写真はどう建前を言おうが誰かに見られる、見せることを前提とする行為だと思う。
自分だけの、秘密の、秘密の、でもやっぱり、誰かに見せちゃいたい日記なのだと思う。
見てくれる人が多ければ多いほど、嬉しいのだ。


巷ではこのブログにコメントをくれる人たちは、かなり濃い人たちだという噂があるようだ。
僕の妹などは怖くてコメントできないと言っている。
しかし、もしあなたが週に一度の割合でこのブログを見ているならば、すでに濃いメンバーの一員だ。
来年こそComing outするチャンス、怖がらず、安心してコメントして欲しい。
差別を恐れちゃいけない。
僕はブログの世界では社交性のない男だが、それでもコメントはとても嬉しい。(自分勝手)
どうしてもコメントできない人は、こっそりポチッとしてほしい。
なにも透明な水にインクを一滴落としてしまったような気持ちになる必要はない。



クリスマスプレゼントに母がDVD『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』と『戦場のフォトグラファー ジェームズ・ナクトウェイの世界』を送ってくれた。
どちらとも以前から観たくて、観たくてたまらなかったものだ。
影響されやすい僕に対して、ナクトウェイを観た後に戦場に行こうなどと思わないように、と妹は念を押した。
戦場はやはり僕のようなチキンハートをもった男には無理だが、写真を撮る決意と姿勢みたいなものを、このDVDから学んだ。
ブレッソンのドキュメンタリーは、たぶん写真に骨の髄までつかっていない人にとってはピンと来ない作品なのでは、という気がした。しかし僕にとっては彼が話す言葉、彼を追いかける人が彼とその作品を語る言葉、それらの全てがほとんど聖書の言葉に等しかった。
(写真はハマると、技術とは関係のない事に対して、目からウロコが落ちるようになる)
それらの言葉はまた後々僕のブログで引用させてもらうが、今日はその中から一つ。

写真家フェルディナンド・シアナが語る。
「ブレッソンの言葉だ。“偉大な写真家を目指すなんてバカだ” “自分が生きるからこそ写真が生まれるんだ” “写真のために生きるなんて!” “写真が自分の人生を満たすんだ”」



写真に出会ったおかげで多くの人に出会い、また同時に多くの事を切り捨ててきた。
これ抜きの人生など、もう僕には考えられない。
しかし、そう、大切なことは“自分が生きるからこそ写真が生まれるんだ”という事なのかもしれない。
いい写真を撮るためにも、いい人生を送ろうと思う、、、じゃなくて、いい人生を送っているからこそ撮れる写真を撮ろうと思う。(ふぅ〜っ、まだ整理できてない)

皆さん今年はどうもありがとう。
2008年もいい年でありますように!
そして写真を愛する皆さんの作品が、ナショナルジオグラフィックの表紙を飾る日が来ますように!
カシャ、カシャ!










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写真はテキストと関係ないが、Tasmania, Woodbridgeの夜明け。
子供たちが僕の友人と桟橋で釣りをしている間、僕は寒いからパチ、パチ、カシャ、カシャ!








昨日も仕事、今日も、明日も、あさっても、仕事、仕事で、あと2週間は超多忙。
コメントの返事、遅れちゃいます。ごめんなさぁ〜い!








しょうがないなぁ〜、来年もタンザニア、、、じゃなくてタスマニアのブログを見てやるかぁ〜、
と思った人はポチッとカシャ、カシャ!ranking banner








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by somashiona | 2007-12-31 17:34 | デジタル

オシッコ漏らしそぉ〜!




以前、どんな撮影でも僕は緊張すると書いた。
芸能人、スポーツ選手、政治家を撮るのも、村のおばあちゃん、子供たち、警察官、囚人などを撮るのも仕事とあれば気持ちは一緒だ。
しかし、被写体が英国の女王ともなれば話しは少し違うかもしれない。

先日、アメリカの写真家アニー・リーボビッツがクイーン・エリザベスを撮影する様子を収めたドキュメンタリーの一部を観た。
見ている僕の方が緊張でパンツを濡らしそうになった。

アニー・リーボビッツといえばアメリカを代表するポートレイトの写真家だ。
伝説的ポートレイトを世に送り出している。
彼女が撮ったRolling Stone誌のジョンとヨーコ、Vanity Fair誌のデミー・ムーアは誰しも一度くらい目にしているはずだ。




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クイーンのアメリカ訪問に先立って、イギリス皇室はアニー・リーボビッツにエリザベス女王のオフィシャルポートレイトを依頼した。
BBCが制作したドキュメンタリーはアニーが撮影の10日前、ロケハンをするため皇室を訪問した場面からはじまる。
皇室の広報担当の女性がロケーションの提案をするがアニーはそれを断りしたたかに自分の目でイメージに合う場所を探す。
広報担当者の提案する場所で撮影をすれば今まで幾度となく撮られ、描かれたイメージと同じになるに決まっているからだろう。
アニーはクイーンが野外で馬と一緒のポートレイトを提案したが、皇室側からしてみると写真撮影ごときで女王様を野外に連れ出し馬の横に立たせるなど問題外だ。あっさりと却下された。
ロケハンをしている時、アニーは窓から差し込む自然光にこだわっていた。
自然光を使い、シンプルな写真を撮りたい、と彼女は言っていた。

いよいよ撮影本番。
この撮影のための準備に3週間をかけ、11人のアシスタントと一人娘を連れて撮影に臨んだ。

ちなみに仕事場に幼い子供を連れて行くということが僕には信じられない。
僕なら集中できない。
だが、エリザベス女王にあえるチャンスなど人生の中でどれくらいあるだろうか?その機会を子供にも分け与えたい気持ちは十分理解できる。
もう一つ信じられないことは、アニーがスニーカーを履いていたところだ。
さすがアメリカン。
オージーならサンダル履きか?

与えられた撮影時間はたったの30分。
しかし、正装の着付けが長引き、クイーンは15分遅れで姿を現した。
僕ならこの時点で体中に震えがきている。
僕の持っているカメラやレンズには手ぶれ防止機能が付いてないが、あったとしてもきっと役に立たないだろう。
仕上がった写真は世界中に配信されることになる。
世界中のあらゆる職種の人がこの写真を見て、ああでもない、こうでもないと評価を下すのだ。
でも、アニーは三脚を使わず、レンズフードすらつけていない。
キャノンのカメラにな、なんとズームレンズ。
24−70L/f 2.8らしい。

時間が押しているにも関わらず、アニーはいくつか違ったパターンの撮影のセッティングを用意していた。

撮影が始まる。

そこでアニーはクイーンに対して驚くべき提案をした。
クイーンの頭の上に乗っているティアラ(王冠型の髪飾り)を外してはどうかと。
「あなたは着飾らない方が素敵だと思うのですが」と言ったのだ。
「えっ、着飾らない方が素敵って、、、一体どういうことよ」クイーンは明らかに目を剥いた。
この時点で僕なら完全にお漏らしだ。

実はこの撮影に向かう途中、クイーンはなぜかご機嫌斜めで、早足で歩きながら「もう衣装替えはしませんからねっ!ご覧の通り十分でしょう!ありがと、まったく、、、」みたいな言葉を口にしていた。
このアニーに対するクイーンの態度が実はドキュメンタリー放映後かなり問題になったらしい。BBCはそういう編集をしたことを皇室に謝罪した。

衣装担当の女性からティアラを外す案はあっさり却下されたが、それでもティアラ付きを撮った後で、最後の方でティアラ抜きも撮りましょう、とアニーは食い下がっていた。

撮影後アニーから送られた写真を後方担当者がどのメディアにどれを使うのか選択しているシーンがある。
インタヴュアーが「クイーンはこの写真が気に入りましたか?」と聞く。
後方担当者は「多くの人が女王様を描き、お撮りになっていますので、その作品に対して女王が個人的な感想を述べることはありません」と答えている。


このドキュメンタリーの一部から学ぶべきところがたくさんある。
いいものを観た。
皆さんも是非見て欲しい。
「Annie and Elizabeth, Minute-by-Minute」





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このドキュメンタリーは『STROBIST』というブログで見つけた。
STROBISTはクリップオンフラッシュをいかに使いこなすか、ということをテーマにしたブログだ。
クリップオンフラッシュとはカメラの上につけるストロボのことだ。
日本ではあれをストロボというが、英語圏ではフラッシュもしくはスピードライトという言い方をする。
仕事でストロボを使うというと、いやいやそんな広い場所も時間もないからヤメてくれ、と言われることがある。皆が頭に描くのはスタジオなどでライトスタンドに立てて使うあの大きなライティング機材だからだ。
近年フラッシュの性能が驚くほど向上している。
このフラッシュを上手く使いこなせればあの大きなライティング機材など持ち歩く必要がない。
こちらではプロフェッショナルなフォトグラファーの多くがこういうサイトから何かしらのテクニックを得ようと日夜努力している。
このサイトの情報はどちらかといえばハイアマ向きだと思うが、それでも時々目からウロコが落ちるような情報がある。
STROBISTのモットーは「少ない機材で、知恵を絞って、より良い光りを」だ。
まったくその通り。


あ、今日の写真?
このテキストに合う写真はないなぁ、、、。
関係ないけどソーマの写真にしよぉ〜っと!






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by somashiona | 2007-12-26 10:56 | デジタル

Haikei s.mama-san, Ogenkidesuka?




拝啓 s.mamaさん、お元気ですか?

先日、車を走らせているとガードレールの下の谷間にピンクの絨毯が見えました。
きっと花だろうな、と思いながらその日は通り過ぎました。


数日後、真っ青な空の下、S字カーブの続くその道を再び通りました。
ガードレールの下はやはりピンクの絨毯です。
野に咲く花か、、、と思うと同時にs.mamaさんのことが頭によぎりました。
僕にとって野に咲く花はs.mamaさんなのです。
その道には車を駐車するスペースがなかったので、しばらく下まで車を走らせ、路肩に車を止めた後、ピンクの絨毯が見える谷間までポケットに入っていたコンデジと共にてくてくと歩きました。

汚れたガードレールを越えて足を滑らせながらその谷間を下るにつれ、僕はなんだか嬉しい気分になってきました。
かなり交通量の多いこの道の下、こんな綺麗な花の世界があっただなんて、驚きです。
いったい何台の車がこの世界に気づき、わざわざここまで降りてきたでしょうか?
きっとそんなにたくさんはいないはずです。
これはまさしく、秘密の花園だ、と思った僕はもうニコニコです。
ミーティングの時間が迫っていることをしばし忘れて、僕はぱちぱちと写真を撮りました。
いい写真が撮れるかどうかだなんて、ここでは問題外です。
大切なことはニコニコかどうかです。
写真を撮りながら僕はs.mamaさんのことを考えました。
s.mamaさんはきっとこんな気持ちでいつも写真を撮っているのだろうな、と思えば思うほどニコニコがとまりません。
結局、撮った写真はs.mamaさんの純粋で透き通った作品とはほど遠いのですが、これがぼくの性格なので仕方ないのです。

とにかく今日は、この時の僕の気持ちを伝えたくて、s.mamaさんにお便りをしました。
知らない人が読むとラブレターだと思うかもしれません。(汗)
夫や子供のある年上の女性にこんな手紙を書く無礼をお許しください。
う、ひ、ひ。


s.mamaさんの住む僕の故郷はどんどん寒さが厳しくなっているでしょう。
お身体を大切に楽しい毎日をお送りください。

今日はクリスマス・イブです。
メリークリスマス、s.mamaさん。



Keigu








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by somashiona | 2007-12-24 15:36 | デジタル

策士策に溺れる




肩に受話器を挟み友達と会話しながら視線はテレビのソープオペラに注ぎ、手元では今晩の夕食で食べるラザニアのパスタ生地を重ねつつ、アイスクリームをカーペットに落とす子供をしかる。

女性は一度にたくさんのことをするのが得意で、男性は苦手だと言われている。
御多分にもれず、僕も大の苦手派だ。

しかし写真の仕事は予想以上にこういう能力が要求される。
そのせいもあるからなのか、僕は撮影の度に呆れるほど緊張する。
少しでもリラックスして撮影に臨みたいが故、事前に出来うる限りの準備をする。
備えあれば憂いなしだ。


雑誌や新聞の仕事はスピードが命だ。
ライト、レフ版、ハレ切り、スレーブ、etc、、、時間をかけてきちんと撮れば100%に近いものが出来ると分かっていてもクライアント、被写体、時間、そして予算がそれを許さない場合が多い。
なので最小限で最大限の効果が出る努力をする。
デザイナーもメイクも、そしてアシスタントすらもつけることが出来ない場合は一人ですべてをこなす。
お笑い芸人の役柄と、町医者のように、大丈夫私に任せておけば的態度をとる頼れる人の役も演じなければいけない。

被写体との関係を築き、彼らをリラックスさせるためもぺちゃくちゃとおしゃべりをする。
右の脳で笑いをとるためのネタを考えながら左の脳では昨夜考えておいたライティングのポジションを思い出し、光りの比率を設定して、メーターで露出を計る。
カメラのISO、ファイル、ホワイトバランス、コンパクトフラッシュ等全てがきちんと設定されているかチェックしつつ、被写体の話しに相づちを打ち、なおかつ髪型の乱れは?洋服のボタンのかけ間違いはないか?鼻くそ、目やには付いていないか?などをなにげに観察する。

5ページの予定だから扉は縦位置でタイトルが入るスペースを空けて、横位置の写真で違うパターンのものが最低でも6点は用意して、アップが4点、引きが4点、人物の顔が入らないイメージ的な写真が2点、そして最後は今回のストーリーを象徴する縦位置の写真が、、、あれっ、せっかくライトをセットしたのに雲が出てきたぞ、、、あらら、さっきよりすでに3stopも暗くなっている、、、。

自分で言うのもなんだが、僕のような鈍臭くて不器用な人間がよく今まで大きな失敗もなくやってこれたものだと感心してしまう。



しかし、この事前の策が現場で出来うる最高の仕事を阻害する要因になることもあるのだ。

風で飛ばされそうになるレフ版をブームに取り付けている時、目の前にある真っ白なビルディングが巨大なレフ版になり最高の光りをこちらに注いでくれていることに気がつかない。

アンバー系の色味を出すためにストロボにフィルターをかけている時、最高の西日が僕の肩越しに射していることに気がつかない。

撮影の現場がビルのネオンだらけで汚いとガッカリしているとき、レンズのピントを意図的にぼかしてもう一度ファインダーからそのネオンを見てみるとモネの絵のような色とりどりの綺麗な背景になることに気がつかない。

こういった例を挙げるときりがないのだが、要するに策に溺れてしまうのだ。

自然体で現場に臨み、状況をよく観察し、事前の策に固執せず、臨機応変に対応する。
まだ自分では出来ていないが、これが僕の理想とする撮影心得だ。

余談だが、上手く撮れた写真を振り返る時、考えず、感じて撮ったものが多い。
僕は普段から多くの人の色々なタイプの写真を穴が空く程よく見ているほうだと思う。
いい写真に巡り会うと、なぜその写真がいいのか、かなり真剣に考える。
そういう時間の積み重ねが、頭の中のデータベースに蓄積されて、本番で自分のフィルターを通して応用編として使われることになる。
しかしそれは、無意識にだ。
とっている最中に頭の中のデータファイルを検索していると、目の前のイメージはさっさとなくなってしまう。
水泳の選手はフォームにとことんこだわるだろうし、F1ドライバーも全てのコーナーのイメージトレーニングをイヤというほどするだろうが、実際のレースでそれを考えている余裕はないはずだ。

『燃えよドラゴン』で若い修行僧に向かいブルース・リーが言っている。
「Feel it!」
現場では五感を研ぎ澄まし、感じたい。
そのためにはやはり、レンズが自分の目のように、カメラが自分の手足のように考える前に動いていないといけないのだと思う。

みなさん、毎日カメラに触れていますか?
いつも持ち歩いていますよって?
甘い、甘い、今日からカメラを抱いてベッドに入りましょう。
寝る前にベッドの中ですることのある人は、カメラ君のレンズにキャップをして、ファインダーを黒い布で覆いましょうね。












写真はテキストとまったく関係ないのだが、
タスマニア、グレノーキーで行なわれたオーストラリア・ナショナル・マウンテンバイク・シリーズより。

しばらくマウンテンバイクに乗っていない。
乗りたくて、乗りたくて仕方ないのだけど、今は乗れない。(涙)
なので、写真で自分をなぐさめることにした。










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by somashiona | 2007-12-21 11:53 | デジタル

ウィークエンド・フォトグラファーな週末




子供たちとキャンプをした翌週末は自分だけの時間を持つことが出来た。
最近ハードな毎日なので、とにかくゆっくり休みたかった。
自分だけの時間をゆっくりと過ごそうとする時、最初に頭に浮かぶことは、本を読むことだ。
僕は決して本の虫ではないが、それでも本を読む時間が好きだ。

さて、問題はどこで本を読むかだ。
僕のフラットは暗い、汚い、危険、3K(古い表現)フラットなので、できればもっと気持ちのよい所へいきたい。
そうだ、テントの中でゴロゴロしながら本を読もう!
と言う訳で、ホバートから車で30分、さらにフェリーに乗って30分のブルーニーアイランドへ行くことに決めた。
僕のこの島が好きだ。
色々理由はあるのだが、なんといってもホバートから近いというのがいい。

土曜の朝、少し遅めに起きてエスプレッソをちびちび飲みながら、おもむろにキャンプの準備をしはじめる。
一人のキャンプとはいえ、食料を準備しているうちに荷物が増える。
人のあまりいない所にテントを張りたいので、ウェスターン・オーストラリアで相原さんに貰った20リッターのポリタンクに水を注ぐ。
水道設備のないキャンプ場は比較的人が少ないからだ。
水のない所でキャンプをすると、人が一日にどれほどの水を使うのかを知り、驚いてしまう。







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フェリーのデッキで遠くを見つめる熟年夫婦らしきカップルを見て、なぜだか少し切なくなった。






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このカップルのもっといい絵を撮ろうと忍び足で近寄ろうとしたそのとき、僕の携帯が鳴った。










「マナブ、今何やってる?」ピーターだ。
「今僕はフェリーのデッキにいるよ。今日はテントで寝るんだ」
「ひょっとして、ブルーニーかい?」
「うん、ひょっとするとブルーニーだよ」
「マナブの邪魔をする気はないんだけど、今僕はブルーニーのビーチで寝転がっているんだ。一緒にキャンプだね、今夜は」










ブルーニーアイランドに着いて、ピーターとガールフレンドのモーラッグ、そしてモーラッグのお姉さんと子供たちがテントを張っているキャンプ場に僕もテントを張り、そのあと、本とカメラを小脇に抱えビーチに出かけた。






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ほとんど人気のないビーチの草むらからアザラシのように寝転がっている二人を発見した。
完全に爆睡している。
やれやれと思いながら二人の横に僕も寝転がり、本を開いた3分後には、僕も深い眠りに落ちていた。










目が覚めると二人がニヤニヤ笑いながら僕の顔を覗き込んでいる。
「マナブ、頭をスッキリさせたいだろ?泳ぐよ!」ピーターはやる気満々だ。
「イヤだよ、ウェットスーツ持ってきていないし、風もあるから水に入ったら凍えちゃうよ」
まったく無駄な抵抗だった。
足を水につけただけで、脳天に冷たさが突き抜けるような感覚を覚える。
思い切って水の中に飛び込み、3分ほど必死に泳ぐ。
するとその後はたまらなく気持がよくなる。
結局、嫌がっていた僕が最後まで一人、波と遊んでいた。










この週末、基本的に写真はお休みしようと心に決めていた。
しかし、皆と一緒の楽しい夕食の最中、オレンジの綺麗な光りが差し込むのを見て「Excuse me」という言葉が口から出てしまった。
「ちょっと数枚撮りに行ってくる」と言って、僕は一人、カメラを持って出かけた。






これといったいいロケーションを探す間もなく、砂利道の道路脇に車を止めた。
オレンジからパープル、そして夜の色へと刻々と姿を変える自然の美しさに、相変わらず見とれつつ、僕は静かにシャッターを切り続けた。
いつもあれこれと悩み多き僕も、この時ばかりは目の前のドラマチックな風景に心も頭も真っ直ぐ向いている。
全ての物事に対してこんな姿勢で向き合えたらどんなにいいだろう。






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最近、風景写真を撮っている時の僕の態度が変わったような気がする。
撮った写真の善し悪しに関わらず、自然と向き合いながら、シャッター音を聞いているその状況そのものに、幸せを感じるようになってきた。
まるでソファーに横たわり、クラシック音楽でも聞いているような精神状態だ。
こんな話しをA原さんに聞かれたら怒られそうだが、幸せなときは幸せだとはっきり言うことにしている。
年に3回くらいだが、、、。
とはいっても、これが仕事の撮影だとすると話しはまったく違うし、仕事ではなくてもストリートのスナップや人物撮影だとすると、やはり戦闘モードになってしまう。
きっとまだ風景写真というものに対する姿勢が甘いのだろう。

撮った結果を楽しむのではなく、撮る過程を楽しむ。
完全にウィークエンド・フォトグラファーな週末だ。






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結局、本はあまり読めなかったが、昼寝はたっぷりと堪能した。






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(わかんないよなぁ、、、)








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by somashiona | 2007-12-19 18:45 | デジタル

Excuse my French!(下品な言葉使いで失礼!)




海外に住んでいると英語が話せるようになっていいですね、とよく日本の人に言われる。
断言するがそんな夢のような話しはこの世に存在しない。
おっと、忘れちゃいけない、これは30代を過ぎてからの海外生活の話しだ。
とにかく、カチコチに固まった脳みそは新しい言語を受け付けないらしい。
知ってる単語の数は大学受験前の方が今よりよっぽど多い気がする。
子供のように耳から入った言葉を訳も分からず使っているうちに自分のモノになるという自然なかたちの語学習得はもう出来ないのだ。

しかし、下品な言葉に関しては例外だ。
こっちの人々は下品な言葉をよく使う。
僕の身の回りにいる人々がたまたま下品なのかなと思っていた時期もあったが、ロイター通信の仕事を初めてした時、オーストラリア中のトップメディアと一週間を共に過ごし、自分の考えが間違っていることに気がついた。
テレビカメラがまわっていない時に彼らが使う言葉、僕は耳を疑ってしまった。
インテリほど下品な言葉を使うのだ。

こっちの人はとにかくFuck! Shit! Oh my god! Damn! Bastard! Bitch!,,,
などと挙げるときりがないような下品な言葉を日常の会話で連発する。
まるで日本の若い子がなんでも「かわいいぃ〜」というような感じだ。
こういった言葉は残念ながら、外国人の僕にも感染しやすい。
覚えようとしなくてもこういう単語を使ったフレーズは自然と口から出るようになる。

努力しなくても一度で覚えるのは性に関する単語だ。
僕にはどう頑張ってもピーナッツにしか聞こえない「Penis」(ペニス)。
ヴァジャイナ、この音を聞くとジャングルの中にある原色のフルーツを想像してしまうのだが実際には「Vagina」(ワギナ)。
Tits(ティッツ)、この言葉を聞くと小ぶりなモノを想像してしまうが巨乳でもティッツはオッパイ。
バカバカしいことを言うとDickhead(デッックヘッド)(バカ、マヌケ)とすぐに言われるが、直訳するとおチンチン頭。この言葉を聞くたび、僕は一瞬そんな頭を、それこそ頭に思い描いてしまう。

しかし、すぐに覚えてしまうからといって僕が彼らのようにこの言葉を使ってもいいのかというと、それはちょっと違う気がする。
ろくに日本語を話せない外国人がこう言った類いの下品な言葉を使うのを聞くと、僕は正直言って不快感を持つ。
以前僕の友人が冗談でManabu san ha totemo Hentai(変態) desu.と言った。
僕がYou are real pervert(変質者).と言い返すと彼の顔色が変わった。
マナブはヒドいことを言う、と彼は僕に言ったが君も同じことを僕に言ったんだ、というと彼は驚いていた。
深く理解している言葉は心臓を貫くのだ。

単にある単語を知っているということと、生活の中で実感を伴ってその単語の意味が分かるということはまったく意味が違う。
海外から日本のニュースを見ていると日本人の言動がとても浮いて見えることがある。情報社会の日本、世界中の出来事を知っているはずだ。
でも、本当に分かっている人が少ないのはやはり外に出ていく人間の数がまだ足りないからだろう。

「差別」「戦争」「飢餓」「拷問」そして「自由」ということすら、ひょっとして僕たち日本人はその単語を、知っている、という理解の枠を出ていないのかもしれない。



ファック、いったい僕は何が言いたいんだ!
あっ、Excuse my French!
疲れていて頭が回らない、ウィ。

それにしても、品の悪い言葉の話しをしたとき、どんな写真をアップすればいいのか、、、?
ハノーヴァー朝の血をひく僕に品のない写真など撮れるはずがないし、、、。
に、ひ、ひっ。






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写真解説:笑わせようと、ついつい言ってしまった一言が命取りになった一例。






コメントの返事遅れてごめんなさい。
もう少々お待ちを!
僕に睡眠時間を!


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(あ、ティックって、チェックマーク✓のことです、、、ドツボ)汗








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by somashiona | 2007-12-17 19:11 | デジタル

“So What photos”




“So What photos”という言葉を知っているだろうか?
知らないかもしれない。
なぜならこれは僕の周りにいるプロのフォトグラファーがよく使う言葉であって、きっと造語に違いないからだ。
でも、僕たちはこの言葉をとても恐れている。


多くのカットの中から一番いいと思える一枚を選ぶ。
完璧な露出。
ピントも問題なし。
構図もしっかりしている。
光りも悪くない。
「で、それがどうしたの?」(So What?)


経験は十分に積んだ。
写真の知識は一通りある。
クライアントの要求はいつだってきちんと満たす。
そういう時期に入ると撮る写真はほとんど安定している。
しかし、何かが足りない、何かが、、、。
So what?


経験を積めば積むほど、このSo What?に悩む。
撮った写真を見れば見るほど「で、だから何だって言うんだ、、、?」という思いにかられる。

ピンも甘いし、露出も不安定、構図はメチャクチャだが心を掴む写真がある。
一度見たら頭にこびり付いて離れないようなやつだ。
そういうものを見た時、そこに何があるのかよく考えてみるべきだと思う。
レンズのデータやフォトショップのテクニックに時間をかけるのではなく、いい写真とは何かを考えるべきだ。
そして身の回りを観察する。
よぉ〜く見てみる。

ある瞬間を封じ込んだ平凡な一枚。
しかし見る者によっては写真に写されているもの以上の想像力をかき立てられる。
写真が勝手に語りだす。
写真を見た後に「で、どうしたの?」ととても言えないような写真。


プロのフォトグラファーたちは声をひそめて言う。
「別にさ、資格がある訳じゃないし、ある程度の資質さえあればプロにはなれるんだよね。でもさ、So What?と言わせない写真を常に撮れるかどうかは、経験や訓練じゃなくて、きっと才能なんだよ、、、。ダメな人はどんなに努力したってダメなんだ、、、」

まっ、待てぇ〜君たち!
そんなこと言っちゃいけない!
修行だ、修行!
突き詰めれば撮れるようになるんだ、
きっと、、、。
たぶん、、、。
ひょっとすると、、、。
えっ、だから何が言いたいのって?
So what?






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注)
この写真とテキストは無関係です。(逃げ腰)
鍵コメにSo what?と書いて送らないでください。(小心者)
泣きます。(根性なし)
とくにブラジルさん。(笑)








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by somashiona | 2007-12-11 17:21 | ソーマとシオナ

カナとイアン、そしてサム




写真をやっていてラッキーなことは、誰かの人生の大切な時間を共有できることだ。
その人とのお付き合いが長く続き、ことあるごとに撮影を頼まれたなら、僕はその人の人生の生き証人ということになる。

運命の出会いがあって、
デートを重ね、
結婚する。
子供ができ、
犬を飼い、
憧れのマイホームを手に入れる。
やがて成長した子供たちが家を出て、
再び夫婦二人きりになり、
連合いのどちらかがいなくなる。
思い出の我が家を出て、
老人ホームに入り、
そして最後にはその人そのものがこの世から姿を消す。

もし僕が一人の人間の人生に、証拠写真付きでお付き合いできたらどんなに素敵だろうか。
でも、よく考えてみると家庭のアルバムにはそれがぎっしり詰まっているのだ。
家庭のアルバムほど素敵な写真集はないだろう。
写真は人生を写す。
その時、どんなに幸せでも、辛い状況でも、アルバムの中の50年前の姿はせつなく、素敵なものに違いない。
若さ、思い出、情熱、純粋さ、50年前の自分の姿に、その当時自分では気がつかなかったかけがえのないものをハッキリと確認できるだろう。
過ぎ去ってしまったものは全て美しいのだ。

誰かの写真を撮っている時、その人の人生にとってかけがえのない一枚に関わっているのだということを考えるようにしている。
50年後に見るかもしれないそういう一枚は作りすぎない素直な写真であって欲しい。


タスマニアではじめてウェディングの写真を撮ったのはこのカナとイアンのときだろう。
白いドレスを着たカナはとても綺麗だった。
結婚式当日に僕が結婚を申し込みたくなったほど。
撮影が終了した後、カナにお礼のチューをもらった。
結婚式の撮影で花嫁さんにチューされたのはこれがはじめて。
それを横で見ていたイアンが大笑いして、僕とカナのチュー写真を撮ってくれた。

十代の頃から日本に住んでいたイアンはかなりの日本通だ。
彼の流暢な日本語は少し東北弁のイントネーションがあり、それが彼を一層個性的な男にする。
彼は日本という国を日本人の目でも、オーストラリア人の目でも見ることが出来る。僕らはよくいろんな事について議論するのだが、頭のいい彼ならではの鋭い意見に僕は度々唸ってしまう。

美しいカナ、実はかなりのアドベンチャーガールだ。
あの細い身体でとてつもない重さのバックパックを背負い、自由気ままな旅をする。
インドやアフリカの奥地で危険な目にあったとしても、家に戻ると次の冒険を夢見てしまう、そんな粋な女性だ。
僕にいつも手作りの美味しい料理を御馳走してくれる。

僕のように永住権をもってこの地に住む者はお付き合いする日本人も永住権を持つ者が多くなる。一時的にこの地に住む者と永住権を持つ者は生きるための気構えのようなものがどこか少し違う気がする。永住権を持ちタスマニアに住む日本人は2007年度、182人らしい。
こんな地球の裏側の小さな島にどうしてこんなにたくさん日本人がいるのだろう?
皆、何をしにこんな世界の果てにきたのか?
永住権を持つ日本人はオーストラリア人男性と結婚した日本人女性が圧倒的に多いはずだ。
彼らが子供たちを産み、世界から人種の壁がだんだんとなくなっていく。
この子たちにとってオーストラリアでの出来事も、遠い日本での出来事も、まったく他人事ではないのだ。
僕の子供たちはテレビやラジオでジャパンという音を聞くとすぐに遊びの手を止めて反応する。
日本は彼らにとって憧れの国だ。


カナとイアンの結婚式から数年後、待望の子供が生まれた。
サムだ。
素敵な二人に育てられ、強く優く賢い男の子に成長するのは間違いないだろう。
彼らが作り上げていく家族の歴史に、僕も写真と共に、末永くお付き合いさせていただきたい。






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by somashiona | 2007-12-07 22:43 | 人・ストーリー

写真モードに変身!




僕の場合、写真を撮るときは写真撮るモードに変身する必要がある。

会計帳簿をつけながら、どうして今月は残高がこれだけなの?と首をひねっているとき、キャンプの前日にソファーに寝転がって明日の天気予報を見ているとき、子供たちに包丁の使い方を教えているとき、どれも真剣で集中しているのだが、写真モードのときの僕とはまったく違う。

本郷タケシや一文字隼人がショッカーと戦う前は、周りに誰もいなくても「変身っ!」と声に出して言い、それから腕を回して飛び上がるように、僕も「違う人」になる必要があるのだ。
(何の話しか分からない人、一番古い「仮面ライダー」を観てください)

僕の知り合いの素晴らしい写心をとる写真家はいつも頭にオレンジのヘッドランプを付けて撮影している。きっとあのランプが彼にとって写真モードに変身する為の道具なのだろうし、有名な風景写真家の方が撮影の時にはいつもバンダナをしているのも、もしかするとそれがその人にとっての写真モードの証なのかもしれない。
奈良で鹿の着ぐるみを着て撮影しているあの人は、もう完全に変身してしまっている。







午前3時30分、ベッドから抜け出し、熱いシャワーを浴びる。
写真機材と入れたてのエスプレッソを車に詰込み、闇の中へと走らせる。
車内では音楽をかけず、ラジオのスウィッチもオフだ。
昨夜からの雨がまだ続いている。
フロントガラスに当たる雨の音がBGMだ。
おおざっぱな方向だけを決め、あとはヘッドライトが照らし出す路面をひたすら凝視する。

しばらくすると、空にだんだんと青味が差してくる。
周りの景色がうっすらと見えてくると、途端に写真モード用のアンテナが動き出す。この日の朝日がどんなものかはまだ分からないが、朝のほんの短いゴージャスな瞬間に心がときめく何かをファインダーの中から覗いていたい。

車をゆっくりと走らせながら辺りの様子をうかがっているとき、たくさんの言葉やストーリーが頭の中を駆け巡る。その駆け巡ったものが感動的であったとき、僕ははじめて写真モードに変身できる。


変身しても見た目は同じなのだが、頭の中と、僕の目はまったく前と違う。
一度変身してしまうと、見るもの全てが感動的に見えるのだ。
とくに見慣れた、何の変哲もない日常的なものが突然光って見える。
これを僕は「感動フィルター」と呼ぶのだが、このフィルターを通してものを見ると足下の石ころ、雑草、頭上の電線、道路標識、もう全てが僕の撮る写真の中になくてはならない大切なキャストのように思える。
肉体的精神的にも顕著な変化が現れる。
体温が上がり、脈拍も上がる。
寒がりな僕だが、この時は寒さなど感じず、恐がりな僕だが、この時はどんなものにも向かっていける。
同時に精神的にはかなりエモーショナルになり、涙腺はゆるゆるだ。
シャッターを切る瞬間がある種のオーガズムだと思ってもらってもいいだろう。(あっ、失礼!)
たぶんある種のドラッグを体内で自己生産している状態なのかも知れない。
子供の頃、具合が悪くなって母親と病院に行くと、きまって「うぅ〜ん、自家中毒ですねぇ、、、」とお医者さんに言われたものだが、これもある意味、大人の自家中毒かもしれない。






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雨上がりの、もう何十回も車を走らせ一度も止まったことのない道路の路肩に車を寄せ、路面に反射する朝日に目を潤ませる。
眩しいからじゃない。
まるで生まれてはじめて朝日を見た人のように、「美しい、、、」と呟きながらシャッターを切る。






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そうかと思えば道端のフェンスからしたたる雨の滴を見て、なぜだか「もののあはれ」を感じてしまう。
「Oh, what a wonderful world、、、」頭の中はルイ・アームストロングだ。
「素晴らしい、、、」と呟きながらシャッターを切る。






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サッカーグラントにひっそりと立つサッカーゴールなどを見た時には、もう人ごととは思えない。「君はいつだって、そんなふうに一人で立ち続けているんだね、、、」と自分にまつわるあらゆる状況を無理矢理サッカーゴールにオーバーラップさせ「いいんだよ、それで、、、」と呟きながらシャッターを切る。


写真モードと感動フィルターさえあれば、被写体を選ばない。
ただ大切なことは一人で行動すること。
このトリップ状態を身近な人が見てしまうと、もう二度と会ってくれない可能性がある。

「こいつ、バカなこと言ってやがる」と思っているあなた。
あなたにも写真モードが必ずあるはず。
いい写真が撮れたときの精神状態をよぉ〜く思い出してみてほしい。
その状態を撮影のたびに、意図的に作れるようになれば、それはもう、写真モード!
さあ、声に出して言ってみよう「へぇ〜んしん、とぉ〜っ!」


(どてっ!)








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by somashiona | 2007-12-04 16:55

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