<   2008年 05月 ( 16 )   > この月の画像一覧

秘密の花園 #2



秘密の花園には僕とギャビーの他にも何人かのゲストが来ていた。
このガーデン、毎年初夏に一般公開しているらしい。
ガーデンの中では自家製のスコーンやクッキー、そして美味しい紅茶を楽しめる。
愛する草花に囲まれ、美味しい紅茶とクッキーを楽しむ。
たぶんガーデンマニアには至福のときなのだろう。
そこに何でも語り合える友人や人生を共に歩く愛する人がいればその幸せも倍増する事だろう。




東京に住んでいたとき会社の社長を引退したばかりの男性と親しくなった。
彼の情熱は株だった。
僕とはまったく違うタイプの人だったのでいつも楽しく彼の話を聞かせてもらっていたが、会うたびに「今日は一億損した」とか「3分間で5000万増えたよ」と一喜一憂する彼を見ていると僕は違う年のとり方をしたいと心から思ったものだ。




社会心理学などを学ぶとマズローの欲求段階説というものを耳にする。

……………………………………………………………………………
マズローは、人間の基本的欲求を低次から
1. 生理的欲求
生命維持のための食欲・性欲・睡眠欲等の本能的・根源的な欲求
2. 安全の欲求
衣類・住居など、安定・安全な状態を得ようとする欲求
3. 親和(所属愛)の欲求
他人と関わりたい、他者と同じようにしたいなどの集団帰属の欲求
4. 自我(自尊)の欲求
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める認知欲求 
5. 自己実現の欲求
自分の能力・可能性を発揮し、創作的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求の5段階に分類した。このことから「階層説」とも呼ばれる。また、「生理的欲求」から「自我(自尊)の欲求」までの4階層に動機付けられた欲求を「欠乏欲求」とし、「自己実現の欲求」に動機付けられた欲求を「成長欲求」としている。
人間は満たされない欲求があると、それを充足しようと行動(欲求満足化行動)するとした。その上で、欲求には優先度があり、低次の欲求が充足されると、より高次の欲求へと段階的に移行するものとした。また、最高次の自己実現欲求のみ、一度充足したとしてもより強く充足させようと志向し、行動するとした。

ウィキペディア(Wikipedia)より抜粋
……………………………………………………………………………

別に難しい話をするつもりはないが、昔から僕は「今自分はどの段階にいるのだろう?」と考えてしまうことがよくある。
考えれば考えるほど「生理的欲求」や「安全の欲求」辺りをいつもうろついている気がしてならない。
その段階にいる人間には草花に囲まれ紅茶を楽しむ余裕はさすがにない。
どんな人間になっていくのか。
この年齢になっても僕にはまだまったく見えてこない。
ただ、深みのある穏やかな顔で幸せに微笑む人生の大先輩たちをみると、具体的に言葉では表せないが「こんなふうな顔であったらいいのになぁ、、、」と心の中で呟いてしまう。



この秘密の花園でまさにそんな顔の人生の先輩たちがいい時間を過ごしていた。






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「おい、スケさんや例の件、どうなってるんじゃ?」






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「カクさん、あんたあの件の話してるのかのぉ?それがじゃなぁ、、、うっ、ヒッ、ヒッ、、」

「なんじゃスケさん、わしに隠し事はいかんよ!いったい何年間の付き合いだと思ってるんじゃ!」






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「だってなぁ、カクさん、おまえさんの喜びそうな話がたくさんあるんじゃよ、、、ウッ、シッ、シッ、、、」
「なんじゃ、スケさん、喜びそうなって、またあの手の話かい!あんたもまぁ、スケベな男じゃなぁ!」






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「で、カクさん、聞きたいかのぉ?ウッ、ヒッ、ヒッ!」
「早く話さんかい!待ちきれんわ、ウッ、ハッ、ハッ!」
「な、泣けるねぇ、カクさん、、、ウッ、ヒッ、ヒッ〜!」
「まったくじゃ、スケさん、ウッ、ハッ、ハッ〜!」








本日の登場人物。


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スケさん






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カクさん






(注)この会話は全てフィクションです。写真の人物とは関係ありません。
ごめんなちゃい、スケさん、カクさん!






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by somashiona | 2008-05-31 15:14 | デジタル

秘密の花園 #1


ブログを更新しようとパソコンを開いてみるが、何を書くべきかまったく頭に浮かばない。
こういう日は時々ある。
で、何をするかというと、過去に撮った写真が放り込まれている数々のフォルダーへ旅をするのだ。
今日は2005年のフォルダーを旅してみた。
予想通りコンパクトフラッシュからパソコンに取り込んだまま開いた形跡のない写真が出てくる、出てくる。


親友のギャビーはほぼ毎週、不動産を紹介する記事と写真をタスマニアの新聞に寄稿している。
タスマニアには魅力的な家がたくさんある。
彼女は面白そうな家を発見するたび、写真を撮って記事を書くのだ。
家やガーデンマニアが多いタスマニアの人たちにとても人気のあるページだ。
この仕事、彼女は書くことよりも写真を撮る部分がたいそう気に入っているらしい。
構図の中のライン(線)を敏感に感じ取り、それをまとめる優れた能力が彼女にはあるし、普段から植物の写真をよく撮っているので、ガーデン写真などを撮らせると、ものスゴくいいショットをモノにする。
新聞の中で別冊のように綴じ込まれているこの不動産のページ、「自分の写真が表紙で使われると、とっても気分がいいのよ」と彼女は笑う。






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彼女のこの不動産の取材に僕も何度か連れて行ってもらったことがある。
今日の写真はヒューオンヴィルという町にある個人の庭を彼女が取材した時のものだ。
庭はもの凄く大きいだけでなく、ゴージャスだった。
個人でこんな大きな庭を管理するのは大変だろうなぁ、、、などと思いながら、僕もカシャ、カシャと写真を撮り始める。






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しかし、15分もこれを続けると、もうすぐに手持ちぶさたになってしまう。
美しいガーデンの花や木たち、僕はどうしても感情移入が出来ない。
ダメなのだ。
これらの植物たちがお尻をプリプリ振ってくれない限り意欲が出ないのだ。
要するに、僕にはそういう写真を撮る才能がまったくないということなのだが、、、。
ギャビーは少なくても後1時間、間違いなくここで取材を続ける、、、さて、どうしよう、、、。






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そんな困り果てた僕の顔を見ていたのか、頭上からクスクスと笑い声が聞こえてきた。
見上げるとモンキーガールたちが高い木の上で僕を見て笑っている。
どうやって登ったのだろう?本当に高い木だ。

「君のお家?」と僕が尋ねると「ちがう、おばあちゃんの」と赤いスウェットパーカーを着た少女がはにかみながら答える。
「でも、この庭のことなら何でも知っているのよ。秘密の遊び場を教えてあげる。誰にも言っちゃダメよ」と僕を庭の隅々に案内してくれた。








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彼女をカシャ、カシャと撮っていると時間はあっという間に過ぎた。
草花の名前をたくさん教えてくれたけど、僕はひとつも覚えていない。


彼女、いつの日か好きな人が出来たとき、やはりこうやって草花の名前をボーイフレンドに教えることだろう。
でもそのとき、彼が真剣に見ているのは草花に熱い視線を投げ掛ける彼女の大きな瞳と、聞き慣れない綴りが甘く漏れる彼女の唇にちがいない。






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皆さん、朗報です!
我らがヒーローブラジルのPombo_Brasilさんがエキサイト
『今週のピックアップブロガー』に選ばれました!
おめでとぉ〜!
ばんざぁ〜い!
いいぞぉ〜、色男ぉ〜!
愛されるカメラオタクぅ〜!






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by somashiona | 2008-05-29 13:35 | デジタル

青い壁に囲まれたサラのポートレイト




「ああ、ポートレイトが撮りたい」という強烈な思いにかられていた。
一対一で、真っすぐに、飾り気がなく、それでいてえぐりとるような。



僕の場合、この思いがいつも突然に沸々と沸き上がる。
被写体と自分だけのガチンコ。
一度この奇妙な快楽を味わうと、そのあと、何度も何度も身体がそれを欲する。
ある意味、性的欲求と似ているのかもしれない。



サラは僕が今実験的に作ろうとしているドキュメンタリーに出てくる登場人物の一人だ。
今まで複数の人たちの中の一人として彼女をとったことは何度かあるが、1対1で撮るのはこの日が初めてだった。
僕は彼女のことをまったく知らないし、彼女も僕のことを何も知らない。



教えられた住所に時間通りにつく。
彼女の住む家だ。
オーストラリア本土に住む母親の持ち家らしい。
この日、僕は2つのことをやりたかった。
1つは撮影で、2つめはインタヴュー。
このインタヴューは彼女の胸の中に仕舞い込んでいるものをどれだけ引き出せるか、ドキュメンタリーの方向性を決めていくものだけに、僕にはとても重要だった。
撮影が先か、それともインタヴューか?
インタヴューを先に行なえば話の中で彼女という人間の輪郭が見え、何を撮るべきかがはっきりする。
しかし、人間関係がまだ出来ていないうちに彼女のきわめて個人的な話を聞き出す自信が僕にはなかった。
ゆっくりと時間をかけて撮影をしながら人間関係を築いていくことに決めた。



僕は人物を撮影するときできるだけその人の情報を集める。
その人の人間性が出る写真を撮りたいからではない。
自分のイメージを固めるためだ。
僕はどんなに洞察力がいい人でも写真で被写体を語れるとは思っていない。
僕が出来ることはいつだって、僕がどう思ったかを表現する、という範疇を出ないのだ。
その点、写真は事実を写しているようで、実は写し手の都合のいい作り話だ。
どうせ作り話なら、僕は自分の心の世界を被写体を使ってとことん表現してみたいと考える。



サラと向き合った。
いつものようによく笑い、よく話す。
でも彼女の目は僕の目を真っすぐに捉えていない。
心に傷のある人は誰かを前にすると本来のその人以上に明るく振る舞おうとする傾向がある。
沈黙を怖がることがある。
彼女の笑顔の中に僕が見たい彼女はいなかった。
「サラ、今日僕は君のことを一所懸命撮るよ。僕に気を使わなくてもいいからね。ただ君らしくいてくれればそれでいいんだよ」
彼女は突然笑うのをやめた。
そして「私、本を読むのが好きなの」と言った。



その日、僕たちはお互いに秘密を打ち明けあうように、静かに淡々と撮影を続けた。
青い壁に囲まれて、撮られた写真たちだけが、その秘密を知っている。








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ranking bannerマナブさん、ポートレイトのときはマジなんですね、と思った人はポチッといっつもマジよぉ〜〜〜!







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by somashiona | 2008-05-26 16:34 | 人・ストーリー

シオナと二人きり







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先週の日曜日、空手をはじめたソーマにとって初めての昇級試験があった。
白帯から黄色帯に挑戦だ。
彼のお気に入りの遊びであるウルトラマンファイトをするときのキックやパンチが最近かなり鋭くなっていると感じてはいたが、やはり彼、着々と腕を上げているのだ。
もうそろそろウルトラマンファイトを封印しないと僕の身が危ないかもしれない。






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昇級試験の最中は親がジム(道場)に立ち入るのは許されない。
なのでソーマや他の生徒が昇級試験を行う約3時間半をシオナと二人で過ごすことになった。







考えてみると、シオナと二人きりの時間を過ごすことなどほとんどない。
いつもはソーマとワーワーキャーキャー騒がしいシオナだが、この日はとてもおとなしい。
まるで借りてきた猫みたいだ。(猫を借りてきたことなどないけれど)
で、そういう僕も何かぎこちない。
子供たちとの遊びはいつだってソーマ寄りの男の子的なもの、6歳の女の子と何をして遊べばいいのか今ひとつピンとこないのだ。
僕とシオナ、お互いにはにかみながら向き合い、「じゃあ、今日はひとつお願いします」と挨拶をするように二人の時間がはじまった。







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結局、自転車に乗ってどこまで遠くへいけるか挑戦しよう、という話にまとまった。(やはり男の子的遊び)
「でもダディ、ひとつだけお願いがあるの。ソーマを迎えにいく前に、シオナのお気に入りのカフェでダディと一緒にホットチョコレートを飲みたいの。いってもいい?」

やはり、特別な日には特別なことをやらないと。






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彼女の母親から自転車を借りて、彼らが住む秋晴れのニューノーフォークをシオナと二人で走った。
空は青く澄んでいたが、空気はとても冷たい。
シオナが僕の先を走り、僕はひたすら彼女についていった。
かなりきつい登り坂もたくさんあったが、彼女はぐいぐいと前に進む。
時折、彼女がファイブ、セブンと数を数えているのが聞こえる。
先を走る彼女に追いついて、何を数えているのか聞いてみた。
彼女は道ばたで死んでいるワラビーやポッサムの数をニコニコしながら数えていた。
タスマニアに来ると車にひかれている動物の死体の数に多くに人が驚く。
子供たちにとって、それはもう完全に日常の光景だ。






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僕は自転車を運転しながら何度もシオナを撮った。
人の後ろ姿を撮るのは好きではないが、この日に限ってはいつまでも彼女の小さな背中を撮っていたかった。
いつまでも彼女の背中を見続けていたかった。






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途中、一度だけ路肩に自転車を止めて水を飲み、デイパックの中に入れておいたお菓子を食べた。






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約一時間半走った地点に公園があったのでそこを折り返し地点にしようと決めた。
10分ほどブランコなどで遊び、すぐに帰り道を急いだ。
来た時と同じだけ時間がかかったとしたら往復3時間、約束のカフェの時間がなくなってしまう。






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しかし、前半登り坂が多かった分、帰りは早かった。
太陽の光はオレンジ色を増し、陰が濃くなった。
下り坂が多いと、身体が冷える。
シオナの手と頬は冷たい風で真っ赤になっているが、顔はハッピーだ。






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彼女のお気に入りのカフェは日曜で閉まっていたが、その隣のパン屋さんのカフェに入ってシオナはホットチョコレート、僕はラテを飲んだ。
「なにか食べるものを注文してもいい?」と彼女が聞くので「もちろん、いいよ」と答えると、「クロワッサンをひとつください」と彼女は店員さんにいった。
彼女は相変わらずおとなしかったけれど、顔はにこやかだった。
「自転車、大変だった?」と聞くと「すこしだけ」とクロワッサンの表面が床に落ちるのを気にしながら彼女は答えた。
お店を出るとき、シオナは僕の袖を引っ張り、僕を真っすぐ見てこう言った。
「ダディ、今日は本当にどうもありがとう。ホットチョコレートとクロワッサンおいしかった」
僕は彼女と視線が同じになるよう膝を床について「マイプレジャー(どういたしまして)、シオナ」とちょっとよそ行きの言葉を使い、彼女を抱きしめた。







ソーマを迎えにいくと彼は満面の笑みで黄色帯と賞状を手にしていた。
そしてシオナは僕の耳元で「ツゥウェンティスリー(23)」と囁いた。
「え、何が?」と僕が聞くと「デッドアニマル(動物の死体)」といって微笑んだ。













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3時間の自転車走行で体力を使い果たしました、、、。








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by somashiona | 2008-05-24 10:17 | ソーマとシオナ

愛しあう木たち



タスマニアの森に入り写真を撮っているとあっという間に時間が過ぎる。
ファインダーの中に表示される露出が極端にアンダーになっていると気づいたとき、森はすでに夜の顔へと化粧直しをはじめている。
つい先ほどまで木々の間から差し込むコントラストの高い光に悩まされていたにもかかわらず。


日が沈むと、森は突然冷気に包まれる。
カメラを持つ手がかじかみ、身体が震えだした頃、頭の中はようやく現実を取り戻す。
いったい僕はどの辺りまで来たのだろうか?
この場を引き返し、森を抜け、自分の車に戻るまでどれくらい時間がかかるのだろうか?


写欲から解放されるのもこの瞬間だ。
そして薄暗くなった森の中で木々たちが自分を見つめていると気がつくのも写欲から解放された後。
おかしなもので、写欲から解放されたとたん見えてくるものがある。
撮影のときはテクニカル的なことを考えないよう心がけるが、それでも心と重なりきれない煩悩が見るべきものを見えなくしてしまっているらしい。
自分が森たちの世界に勝手に上がり込み、礼儀知らずに辺り構わずレンズを向けていたことに気がつき、少し後ろめたさすら感じる。


薄暗くなった森を気持ちを新たに、もう一度見渡してみる。
あんなに騒々しかった虫の音も鳥の鳴き声ももはや聞こえない。
微かな風に葉や枝がうごめき、囁きあう声が聞こえるだけだ。
森の木々は僕に言う、「さあ、子供たちはもう静かにする時間ですよ」。
永い時を生きてきた彼らにすれば僕など子供同然だ。
もう大人の時間、子供たちはさっさとベッドにもぐり込まないといけない。
湿った地面を踏みしめる足音が、いつの間にか妖艶なタンゴのリズムに変わっていた。
僕の目の前では、愛し合う木たちが情熱のダンスを踊る。












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(注)この写真はイメージです。
  「まだ日は沈んでないじゃん!」という突っ込みはなしよ。






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by somashiona | 2008-05-21 13:24 | デジタル

ごめんね、モーラッグの絵をもう一度!



だだ今、僕はピーターの家にいる。
なぜだかピーターは落ち込んでいた。
ピーターに理由を聞いてみた。
「マナブ、このあいだね、、、間違ってモーラッグの未完成の絵の写真を送くっちゃったんだ、、、」
「えぇぇ〜〜、ピーター、あの絵は未完成だったのぉ〜?それってまずいよねぇ、、、」
「うん、とってもまずい、、、ねえ、ねえ、マナブ、もう一度彼女の完成した絵をブログにのせてくれる?」
「もちろんだよ、ピーター!」

ということで、皆さんもう一度彼女の完成した絵を見てちょーだい!
ごめんね、皆さん。








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謝っておきながらお願いしちゃだめだけど、許してくれた人はポチッとよろしく。
あ、今日はランキングのバナーがないんだ、、、。











by somashiona | 2008-05-20 17:40 | 人・ストーリー

ピーターとモーラッグの作品展 #3



さあ、いよいよピーターの写真。
彼の写真について語りたいことはたくさんあるけど、今はゴクッと全てを飲み込むことにする。

ああ、やっぱり少し話したいなぁ、、、だって自分の写真の次に普段一番良く見ているのが彼の写真なのだから。
僕にピーターの写真を語らせたら右に出るものはいないはず。


彼は仕事以外では個人の作品をつくるためにわざわざどこかへ出かけたりはしない人。
でも、どこへ行くにもコンパクトか一眼レフを必ず持っている。
そして、さらりと懐からカメラを出し、さらりと撮ってしまう。
今回の写真も散歩の途中や、仕事の帰り道に、もちろん三脚など使わず、さらりと撮った写真ばかり。
RAWファイルを見せてもらったけれど、今回の作品展で出したものとほとんど違いはなかった。
彼の写真を見ているとまるで彼の心を見ているようだ。
彼はとても繊細な人。
仕事でない写真はできるだけ計算したくない、と彼はよく言うが、さらりと撮られたこれらの作品を見ると彼の頭が撮ったのではなく、ハートが反応したから撮れちゃった、という感じの印象を受ける。
彼のパソコンのフォルダを見ると、とてつもない数のこういう写真が埋もれている。
ピーター、せめてブログで出そうよ、ねっ?

あ、まずい!語らないと言ったのに、語りだしている、、、。
よし、口は出さずに、写真を出そう!











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ピーターの写真をもっと見たい人は
ここをクリック!


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by somashiona | 2008-05-18 19:49 | デジタル

ピーターとモーラッグの作品展 #2







さあ、お待たせ、ピーターとモーラッグの作品展!
まずはモーラッグの絵から。
あなたもタスマニアの森に迷い込んでちょーだい。








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写真ブログで絵画鑑賞もたまにはいいでしょ。
日本語でも英語でも、ご意見、ご感想をよろしくね!




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by somashiona | 2008-05-17 18:55

ピーターとモーラッグの作品展 #1



報道の分野で長く写真を撮っている人は自分の写真を作品と見なさない傾向がある。
新聞記者が自分の書いた記事を作品と呼ばないのと同じだ。
勿論、写真が好きでたまらないからフォトグラファーをしているのだし、芸術作品として扱われる写真の良さを理解することもできれば、報道とは違った分野の素晴らしい写真を撮ることもできる。
しかしこの分野のフォトグラファーが仕事とは別に自分の写真を撮りためて写真展を開催することや、写真集の出版にこぎつける人はとても少ない。
仕事の写真でエネルギーを使い果たしてしまうことが理由の一つに上げられるが、それ以上にプライベートな作品を見せることへの恥じらいのようなものがそういった活動を妨げているような気がする。


アサイメントを与えられ、撮る写真はプレッシャーとの戦いだが、ある意味迷いのない写真だとも言える。
写真を撮る理由がはっきりとあり、どんな写真を撮るべきかというイメージも具体的にあり、そして何より撮った写真がどんな媒体で使われ、それがどんな影響を及ぼすか知っているということはシャッターを押すときのとても大きな後ろ盾になる。


個人の写真を撮るときはそうはいかない。
フィルム時代、モノクロで自分の写真を撮っていた僕はいつもこう思った。
「こんなに時間をかけて、こんなにお金をかけて、こんなに情熱を注いだ写真、これ、いったいどうするの?どこで、どう使うの?誰が見るの?」
この疑問は結果的にほぼ的中し、99%の写真は誰の目にも触れず、イルフォードやコダックの印画紙の箱の中に収まったままだ。
仮に写真展までこぎつけたとしても、それはそれで違った種類の不安に襲われる。
「このテーマ、とても面白いと思うんだよね、、、個人的には、、、。撮った写真、けっこうイケてるでしょ、、、まだ誰にもそういわれてないけど、、、」
人の意見や考え方を既に多くの人に支持されている媒体使って写真で代弁するのは自信を持ってできるが、自分だけの意見や視線を小さなギャラリーで披露するのは腰が引ける。
報道の仕事をしているフォトグラファーにはそういう心理がひょっとしたらあるのかもしれない。






昨年、とても嬉しかったことの一つは、ピーターと彼のパートナーであるモーラッグが作品展を行ったことだ。
ピーターと会話していていつも持ち上がる話題は、自分の作品をもっと撮り、それを外に出していく活動をしなければ、ということ。


ベテランフォトグラファーであるピーターの仕事は美しい。
彼も僕と同じ人を撮ることがメインのフォトグラファーだが、僕とはまったく正反対の写真、しっかりと計算された写真を撮る。
彼の仕事の写真は洗練され、落ち着きがあり、堂々としている。
しかし、彼が個人的に撮る写真はまったく違ったタイプのものであることを僕は知っているし、繊細なピーターの心が表れている彼の作品をもっと多くの人たちに見てほしいといつも僕は思っていた。


アートスクールで講師をするモーラッグの情熱はアニメーションだ。
自分の世界を表現する方法を様々なスタイルで追い続けた結果アニメーションが最もそれに近いと彼女は悟った。
アニメーションとリンクし、その表現の基盤となる絵はいつも描き続けている。
作品展では彼女の生まれ故郷であるタスマニアの森林を舞台に、彼女の心をキャンバスに描いた。


大好きな二人の作品を同じギャラリーで見ることができ、僕の喜びも2倍だった。
次回は彼らの作品を僕のブログでご披露したい。
お楽しみに!






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by somashiona | 2008-05-15 12:04 | 人・ストーリー

シャイな「ガイジン」さん




結婚していた女性がオーストラリア人だったせいか、日本に住んでいた時、外国人の友人が割と多かった。
いわゆる「ガイジンさん」だ。
日本に住んだ事のある外国人は皆、この「ガイジンさん」という言葉にとても敏感だ。
面白いと捉える人もいれば、悪い印象を持つ人もいる。
海外生活をしていて思う事はこの「ガイジンさん」というニュアンスで僕を見たり、扱ったりする人がここにはほとんどいないという事だ。
海外生活と言っても僕はアメリカ合衆国とオーストラリアしか経験がないのであまり多くを語れないが、とにかくこれらの国ではこの「ガイジンさん」に当てはまる言葉がないように思う。
もちろんForeignerやAlienという言葉はあるのだが、これは日本人のいう「ガイジン」とは少しニュアンスが違う。
日本でいう「ガイジンさん」は「あの人は私たちとは違う人」という響きに僕には聞こえてならないし、「ガイジン」さんはなおさらそれを肌で感じるようだ。
まあ、オーストラリアもアメリカ合衆国も隣近所はこの「ガイジンさん」たちの集まり。
「人は皆、私と違う」というのが人を見るときの出発点だ。
話を日本にいた時に戻す。
そんな「ガイジンさん」たち、日本人の僕からすると、一見アメリカ人もオーストラリア人もイギリス人もみな同じように見えるのだが、それでもステレオタイプ的お国柄というのがあるのだとだんだん分かるようになってきた。
ベースボールキャップをかぶって片手にペプシを持ち、スニーカーを履いてマシンガンのようにしゃべりまくるイギリス男児はそうそういないし、午後のひとときに紅茶にクッキーを浸しながら本を読んでいるアメリカ男児もあまり見かけない。
それぞれの国の人たちはそれぞれの国の人たちの特徴を真似てよくからかい合ったりしていたが、そんな中でもオージーの男たちはいつでも人気があった。
僕が日本にいたときのオージー男児のイメージはこうだ。
冬でもショートパンツ。
スニーカーよりサンダルを好む。
髪型はいつもショート。
片手にはいつもビール。
両手にはいつも日本人女性。
いつでもジョークを言って、周りの人たちを笑わせている。
笑うときは豪快、飲むときも豪快、食べるときも豪快、騒ぐときも豪快、だからオーストラリアを豪州という。(これはウソ)
でもお金使いは慎重。






ここに住み始め、そんなオーストラリア男児のイメージが少し変わった。
変わったといっても少しだが。
一番の発見は、彼らは意外とシャイだということ。
そしてなんと言ったらいいか上手く言葉が見つからないが、とても素朴だ。
いつも誠実さを内に秘めている。
自分の能力をひけらかす事を恥じる、そう、謙虚なのだ。
イメージ的には高倉健のガイジンヴァージョンみたいな人。(どんな人?)
女性に向かって上手く気持ちを伝えられない時「不器用ですから、、、」といってうつむきがちに頭を掻くような人。
そんな人がこちらには多い気がする。






僕の友人ピーターはその代表選手だ。
彼とビーチに行くと僕はよく驚かされる。
海を見つめながら話をしてると、突然彼は立ち上がり、「よし泳ぐぞ」と言うのだ。
「泳ぐって、、、海水パンツもってないし、タオルもないし、、、それよりなにより寒いでしょ、、、僕はイヤ、絶対にイヤ、、、。」
そうこうしているうちに彼はさっさと洋服を脱ぎ始める。
サーファーでもある彼は海を見ると自分を止められなくなるらしい。

「さあ、マナブ、ガッツを見せろ。カモォ〜ン!」
海では泳ぎたくないが、僕の目はもう完全に泳いでいる。
気を取り直しピーターを見つめ、僕はニヤリと笑う。
そしておもむろにレンズを彼に向けるのだ。






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「お、おぉ〜、ダメ、ダメ、撮らないで!撮っちゃいやぁ〜」
彼の手は身体の要所、要所を隠そうと必死。






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「う、は、は、はぁ〜、パパラッチだもんねぇ〜!」
カシャ、カシャ、カシャ。
追いかける僕。
「いやぁ〜、いやぁ〜、ダメ、ダメ、恥ずかちぃ〜、顔はダメぇ〜、ダメだってぇ〜!」
逃げるピーター。







ロスアンゼルスから帰国した僕。
仕事をしはじめたが、最初はなかなか日本人の社会に馴染めなかった。
皆と違う言動を繰り返す僕を周囲の人たちは「ガイジン」と呼び始めた。
こんなこてこての日本人顔の僕、どこがいったい「ガイジン」なのさ!
と文句を言うと「あのね、君のガイジンって漢字で書くと害人、勘違いしないでねぇ〜」と言われ、返す言葉がなかった。








I'm so sorry Peter,,, I just couldn't help it.







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by somashiona | 2008-05-13 16:41 | デジタル

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