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線路はつづくよ何処までも #2




列車を使った一人旅は物思いへの旅だ。
そんな時の心の動きをまっすぐ写真で表現できたらどんなに気持ちがいいだろう。
そういう写真を撮りたいのに、上手く出来ない自分にもどかしさを感じる。
これは技術の問題ではない。
たぶん写真に対して、自分の思いに対して、素直になりきれないのが問題なのだろう。


自分の感情と写真がリンクした時の快感を知った者はいつまでもそれを追い求めるに違いない。
本物の恋が喜びよりも苦しみめいているのに似ている。








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友人の50歳の男性とこんな会話をした。

「で、どう最近は。仕事も恋愛も上手くいってる?」と僕。
「彼女と暮らしてもう5年経つんだ。難しい僕の性格を受け入れてくれる女性で彼女がそばにいてくれて僕は本当に感謝しているんだ」と言って彼はエスプレッソを飲む。

「そうだよね。彼女と暮らすようになってから君は本当に明るくなったし、仕事も上向きになったよね」と言い僕はラテを飲んだ。

「そうなんだ、僕は幸せ者だ。でもね、マナブ、こんなに幸せなのに僕は心のどこかであの時の感覚を求めているんだ」

「あの時の感覚って?」と僕は彼を見つめる。

「昔ね、まだ30代だった頃僕はとんでもない女性に恋をしたんだ。我がままで、気持ちにムラがあって、いつも問題を抱えて、ほとんどビッチ(悪女)と言ってもいいくらの女だったのに、、、彼女、とんでもなくスイートだったよ」

「すごくセクシーだったでしょ、きっと?」と笑う僕。

「そりゃもう」と言って彼は続けた
「とにかくあの頃僕は彼女に振り回され続けた。朝から晩まで彼女のことばかりを考えていたよ。もちろん、仕事なんて手がつかずボスのオフィスに何度も呼ばれた。でも僕は彼女と離れたくなかった、、、いや、早く離れないと自分がダメになるといつも自分に言い聞かせていた。そしてある朝、いつも僕が先に起きるのに彼女がベッドにいないんだ。彼女の洋服もサムもいなくなってる」

「サムって誰?」と僕は口を挟んだ。

「ああ、彼女が可愛がっていた猫だよ。そしてそれっきり僕は彼女に会っていないんだ。今一緒に住んでいるSと出会うまで僕は抜け殻だった。あのビッチと違ってSはね、穏やかで、優しくて、いつも安定しているから、僕は何の心配もせず毎日暮らしていける。なのにね、自分の心がいつも何を求めているのか、僕は知っているんだ。あのビッチ、さんざん酷い目にあったけど、でもね、僕はあんなに誰かを愛したことがなかったんだよ。あんなに必死で誰かのために生きたのは初めてなんだ。僕はあの時の感覚が恋しくてたまらないのさ、、、。もちろんSのことだって愛している、これは本当だ。ああ、わかっている、僕は酷い奴だよね」

「そんなことないよ。誰だって少なからずそういう思いを抱えて今の連れ合いと生活していると思うよ」僕は他に言いようがない。

「それにしても、こういう思いを抱えながら人生を終えるのかなぁ。死ぬ前にもう一度、身を焦がす恋をしたいと思うのは罪なことなのかなぁ?実際にそんなチャンスが目の前に現れても、僕はそれに飛びつかないだろうけど、、、」彼は溜息をもらしてエスプレッソを飲み干した。







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小さいけれど、頭の片隅に張り付いて離れない思いを誰もが一つや二つ持っているだろう。
そういった些細で目立たない思いが実はその人の行動や人生に多大な影響を及ぼしていることがある。
ポートレイトを撮るため誰かと長い時間を一緒に過ごし、話が深いところに入っていくとその人を支配している小さな思いを発見することがある。
ほとんどの場合、その思いがどれだけその人を支配しているか当の本人はまったく気がついていない。

物思いの旅をしていると自分を支配している小さな思いに近づきそうになるが、その影を見たとたん、それは車窓から見る風景のようにあっという間にどこかへ飛んでいってしまう。

車内販売のワゴンに乗った缶コーヒーを一本買い、雨にぬれた景色を再び眺め続ける。







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by somashiona | 2008-11-30 09:13 | デジタル

線路はつづくよ何処までも #1




5週間の日本滞在、移動は全てJRを使った。
四国から僕の実家のある札幌まで寄り道をしながら北上し、札幌から東京へ再び南下した。
長い列車の旅、退屈するだろうか?という心配は駅弁を食べているうちにすぐに消えた。
まるで古い映画を見るように車窓から流れる風景を眺める。
ガラス越しの景色はもの凄い勢いで後方へと吹き飛ばされるが、忘れ去られた記憶の断片は目の前の風景と脈略なく次から次へと脳裏に浮かんだ。


何日間かをかけ車窓から見た色を長い巻物の紙の上で表せたのなら楽しいに違いない。
四国では何もかもが緑色に囲まれていた。
関西付近では赤茶けた色、関東に近づくに従ってシアン。
夜は紫からブルーブラックへと変化し、東北地方から北海道にかけてはライトグレーからチャコールグレーへと色は重みを増す。
実際の色だったのか、それとも僕の心の色だったのか今となっては定かでない。
車窓から見る風景はセンチメンタルでエモーショナルなのだ。


東北地方や北海道の道南の海岸線の風景を見つめていた時の僕は現実の時間の流れを飛び越え、深い記憶の谷底へ落下し続けている気分だった。
僕は高校時代を道南松前町で過ごした。
学校へ通うべく毎日海岸線を潮風を受けて自転車を走らせた。
夏の日のブルーの海、雨の日のグレーの海、夕暮れのオレンジの海。
土砂降りの日に学校をさぼって友人と泳いだときは空と海の境目が消えた。
大きなテトラポットの陰で大好きな子と何時間も過ごした。
夜、父親と大げんかをして家を飛び出したときはテトラポットの陰の僕の秘密の場所を知っている親友が早朝に差し入れを持ってきてくれた。
車窓から見える風景と遠い記憶が際限なくリンクし続ける。
まるで線路が何処までもつづくように。












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by somashiona | 2008-11-28 23:12 | デジタル

四万十川よ永遠に




僕の妹がお付き合いをしている男性は徳島の人だ。
今妹は彼とともに日本中を歩く旅をしている。
彼の家族は毎年夏に集合し、旅館やキャンプ場で楽しい時を過ごすらしく、今年のイベントは四万十川だった。
旅先から妹や彼も駆けつけるということで僕もそのイベントに参加させてもらった。
妹の彼とも、彼の家族とも初対面だったが移動中の車の中ですぐに打解け、彼らと一緒にいた時間は常に笑いが絶えなかった。

四万十川、この言葉の響きに思いを馳せる人は多いだろう。
僕も間違いなくその中の一人だ。
「日本最後の清流」といわれるこの川で久しぶりの日本の夏を過ごせたのはとても幸運だったと思う。
幸運だったことは他にもある。
僕たちが2日間を過ごした宿泊施設だ。
民家を改造したシンプルな宿泊施設はとても快適だったのだが、それにもましてここを切り盛りするお父さん、お母さんの真心込もったおもてなしが堪らなく良かった。
サービスというのは設備やコンテンツではなく心なんだよなぁ、としみじみ感じてしまった。

この民宿に荷物を預け、僕たちはすぐに川へ行き、四国なのになぜかジンギスカンを食べ、川で思う存分遊んだ。
川で泳ぐだなんて本当に久しぶりだった。

僕が小学生だった頃、夏休みになるとおじいちゃんとおばあちゃんが住む十勝へ行き、1週間ほど過ごした。
当時そこにはとてもとてもきれいな川があって、僕は毎日地元の子供たちと泳ぎにいった。
ある日「喉が渇いたから家に戻って飲み物をとりにいく」と僕が言うと「水ならここにたくさんあるよ」と地元の子供たちが川の水を指した。今考えるとその川の水が直接飲めるほどきれいだったとは言い切れないが、そのときの僕は泳ぎながらその川の水を飲むというのが驚愕に値するほど新鮮な考え方に思えた。
ゴーグルなんてしないで泳いでいた当時、太陽の光を受けて輝く茶色がかった川底の石が一つ一つ鮮明に裸眼で見えた。
(今は裸眼だと自分の指先もハッキリ見えない)
川の中で輝く石や揺れる藻、そしてちょろちょろ泳ぐ小魚を見つめながら恐る恐る川の水を飲み込んでみた。
泳ぐとき、いかに水を飲み込まないようにするか気を付けていた都会っこの僕は泳ぎながら水を飲むという行為にうっとりとした。
それを繰り返しているうちにまるで自分が水の中で暮らす魚になったような気分になった。水の中で息をしていないことさえ忘れてしまうのだ。ポ〜ニョ、ポニョ、魚の子、といったところだ。

そんな思い出にひたりながら四万十で泳いでいるうちに(水は飲まなかった)日が沈んでしまった。
暗くなると民宿のお父さんが僕たちに鮎をとる火振り漁を見せてくれた。
漁師さんが2人一組で小さな船に乗り、松明の明かりで網の中に鮎を追い込んでいくらしい。
残念ながらこの日はスピードライトも三脚も持っていなかったので火振り漁の写真をきちんと撮れなかったが、もし何艘もの船がこの漁を行なう様子を三脚とスローシャッターで写せたなら幻想的な絵が出来上がるだろう。
漁の後、網にかかった魚を捕る作業に大人も子供も大はしゃぎ。
捕れた魚に手を合わせる子供たちを見て、僕は軽いショックを受けた。
自分たちのために命を落としてくれた生き物たちに感謝する気持ち、僕の子供たちにはそういう観念がないと思う。
ソーマやシオナにもこの経験をさせてあげたかった。
民宿に戻ると五右衛門風呂に入り(初体験)、おいしい夕ご飯を食べ、女性陣と子供たちはすぐに眠りに落ちたが、男性陣は酒盛りタイムだ。
民宿のお父さんも一升瓶をもって登場し、話に花が咲いた。

翌日、素晴らしい朝食を食べた後、再び四万十川で泳いだ。
そして散歩をし、子供たちは馬に乗り、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

僕が日本に住んでいたときは日本という国の自然や風土そして文化をじっくりと味わう機会があまりなかった。
いや、機会がなかった訳ではない。
僕は日本中をオートバイで旅したし、仕事でも日本全国を飛び回っていた。
ただ日本という国の素晴らしさに目がいっていなかっただけだ。
「灯台下暗し」と言ってしまえばそれまでだが、興味がなかったのは知識と教養の低さにも関わってくる。
これから大いに反省し、もっと自分のルーツにも目を向けていきたいものだ。

今年僕が四万十川で味わったのと同じ体験を10年後もできるだろうか?
四万十は変わってしまった、という声を地元で何度も聞いた。
自分たちが持つ素晴らしい財産を守るにはそこに住む人たちへの教育が大切だと思う。
子供の時から身の回りの自然と対話し知識を身につけてゆけば自分たちが持つ財産を家族のように自然と愛するようになるのではないか。
海外から日本を見ているといまだに教育というものの背骨が見えてこない。
教育は子供たちを未来の経済戦士にするための武器ではない。
人間らしい幸せを手に入れるため、頭や身体の中に引き出しをたくさん作っていく体験であって欲しい。
勝つこと、優れた能力を身につけること、効率よく物事を処理していくことを教えられた人間が成長し、美しい自然をもつ地域が彼らに引き継がれる。
バランスを欠いた知識しか持たない人たちは目先のお金に目がくらみ、それを得るため自然を削る。
もちろんこれはどこの国でも起こっていることで、それらに反対するのはローカルの人たちでないことが多い。
国が決めたことだからしかたない、自分たちが何を叫ぼうと無駄だ、自然がどんなに豊かでもここに仕事がないと私たちは生きていけない、、、そうやって自然はどんどん削られていく。

次に四万十川で泳ぐ時は、泳ぎながら水を飲んじゃおうか、と思える川であって欲しい。










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by somashiona | 2008-11-27 06:58 | デジタル

最後の最後で一枚撮れた




2008年度、徳島市での阿波おどり開催期間は8月12日から15日までだった。
僕は初日と最終日の2日間を撮影にあてた。
会場は見ているだけで嬉しくなるような顔で溢れていた。
阿波おどりのコスチュームを身にまとった女性全てに恋をしてしまいそうだったが「阿波の女性は強いので下手に手を出さないように」と東京の写真家から事前にアドバイスを受けていたふにゃふにゃ北海道人の僕はビビってしまい、誰にも声をかけずじまいだった。
祭りに参加する男性は子供から老人までとても男らしく見える。
今の時代、男が男らしくあるなんて素敵じゃないか。
西洋じゃなかなかモテない日本人男性だが、祭りのコスチュームで日々の生活を送れば未来は明るいかもしれない。
でもタスマニアでこの格好はちょっと目立つよなぁ、、、。

阿波おどり最終日が後数時間で終わるというとき、一度撮影をやめてベンチに腰を下ろし、その日3本目のミネラルウォーターを飲みながら取り残している写真がないかもう一度良く考えてみた。
当たり前のことだが祭りが終われば後で後悔してももう欲しい絵は手に入らない。
ウェストバックの中に入っているデジタルヴォイスレコーダーのことを思い出した。
スライドショーを作成する時のために音声をとっておこうと思っていたのにすっかり忘れていた。
このレコーダーは数回しか使っていず、まだ操作がぎこちない。
この時はちょっとした思いつきだったが、後でこの録音がとても役だった。






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阿波おどりのイベントが終わった。
徳島市から40分ほどの場所に滞在していた僕は最終列車を逃す訳にいかない。
駅はうちわを持った人でごった返していた。
取材の時は出来るだけカメラバックを持たないようにしている。
腰のウェストバックにはボイスレコーダー、名刺、財布、メモ帳、筆記用具、地図、ペンライト、サングラスを入れ、肩からたすき掛けにした小型のバックには70−200mmf2.8や予備のフラッシュ、コンパクトフラッシュ、バッテリー、シャワーキャップ、輪ゴム、ビニール袋、ハンドタオル、そして両肩にはカメラ(Eos 30D、40D)をぶら下げている。
たいした装備ではないが仕事が終わると昼前から夜の11時まで歩き詰めだった身体にずっしりとくる。

この夜は駅にいてもまだ写真を撮るモードだった。
祭りを終えた人びとの姿が良かったからというより、2日目の撮影に手応えを感じなかったからだ。
たしかに撮ったことは撮ったが初日と同じような写真しか撮れなかったという思いが後に残った。
こういうふうに仕事を終えるのはどうもスッキリしない。
満員列車の中で写真を撮る訳にもいかず、しばらく悶々としていた。
乗客がどんどん下車する中、真っ白なサングラスに真っ白のタンクトップをきた青年が目に入った。
僕には彼の後ろに後光がさしているように見えた。
まだ車内には乗客が何人かいたが、これを撮り逃すと凄く後悔すると思い声をかけてみた。
「こんばんは、君さ、なんだかすごくいい感じのオーラを放っているよ。一枚写真とってもいいかな?」
「え、俺っすか?いいっすよ、べつに。どうしますか?なんかしたほうがいいっすか?」
「いや、そのままでいいんだよ。ホント、そのままで」
カシャ。
「オッケー、サンキュ」










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この写真、阿波おどりとは関係ないけれど、たぶんこの日一日で一番いい写真だったような気がする。
これでゆっくり寝れる。














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by somashiona | 2008-11-25 08:07 | デジタル

同じアホなら撮らなきゃそん、そん




写真の仕事をしているとイベントものを撮って欲しいという依頼が意外と多い。
イベントものといってもスポーツ、音楽、祭り、パーティ、結婚式、大規模、小規模、野外、屋内と色々だ。
依頼する側は簡単な仕事という認識を持っているようだが、僕はイベントものの写真はフォトグラファーのスキルがもろに出てしまうごまかしのきかない撮影だと思っている。
一発勝負、演出不可、撮影対象が多い、撮影場所が広い、自然光が当てに出来ない、ベストポジションを確保できない、などなど頭の痛い問題が山積みだ。
こういった問題をいかに瞬時に解決するか、このスキルがイベント撮影には求められる。
アマチュアの方々もお祭りや結婚式の撮影でそういうことは経験積みだと思う。
イベント撮影で最も大切なことは言うまでもなく事前に撮影の許可を取り、撮影のためのベストポジションを確保することだが、撮影許可証は必ずしもいい写真を撮るためのパスポートになるわけじゃない。
何度もこの阿波おどりを撮影しているベテランの人たちはベストな場所を熟知しているだろうが、同じ動きをすれば似たような写真になってしまう。
許可証を持っていても、いなくても、自分の撮りたいイメージを手に入れるためのポジションを確保することがイベント撮影のポイントだろう。

野外のお祭り系の撮影にフラッシュは欠かせない。
最近、デジタルカメラの性能が驚くほど向上し、ちょっと前じゃ信じられないISO(感度)を使った撮影が可能になっている。
でも、これはフラッシュの撮影が不必要になるということではない。
フラッシュを使った表現は動きや躍動感を表す表現に不可欠だ。
そしてこれがなかなか難しい。
野外で動く被写体を表現する時、フラッシュを効果的に使える環境は被写体にあたる場明かりが少なく、被写体を取り巻く環境の場明かりが出来るだけ明るい場所だ。
その環境ではフラッシュの光が被写体をしっかりとフリーズ(止める)させ、なおかつ周りの光が被写体を綺麗に取り囲んでくれる。
田舎町のお祭りの照明や街灯などがない環境で写真を撮るとき、日が沈んだ直後から真っ暗になる前がフラッシュを使うゴールデンタイムだろう。
阿波おどりが繰り広げられた徳島市内は予想以上に暗かった。
もちろん照明設備が整った会場はかなり明るいのだが、僕が撮りたかった阿波おどりはそういう場所で踊られるものではない。

先に言い訳をしておきたいのだが、阿波おどりのベストショットは仕事用なのでブログではお見せできない。
それでも今日お見せする写真で徳島の阿波おどりの雰囲気を少しは感じてもらえると思う。
阿波おどり、見ていると自然に身体が動く。
もしカメラを持っていなかったら、僕もフラフラになるまで踊っていたに違いない。
季節外れの阿波おどり写真、ちょっと枚数が多いけれど我慢して見てちょーだい。











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by somashiona | 2008-11-23 07:22 | デジタル

阿波おどりが近づく




阿波おどり会館へ行った日とは打って変り、2008年度の阿波おどりが行なわれる初日の徳島市は人でごった返していた。
街中に提灯がぶら下がり、観光バスがとまる。
浴衣姿の人びとの数が増えるにつれ、興奮がたかまってきた。
「落ち着け、冷静に」と自分に言い聞かすが、久しぶりに日本に帰国した僕の目に映る着物姿の人びとと都市のビル街とのコントラストは刺激が強すぎる。
うぅ〜ん、フォトジェニック〜。
阿波おどりの写真はもう撮らなくてもいいから、この不思議な光景だけたくさん撮って家に帰りたい気分だった。
「だめだ、仕事で来ているんだ、浮気はするな」と自分に言い聞かせてみるが、貴重なコンパクトフラッシュの容量をどんどんストリートショットで減らしてしまう。

それにしても、美しい着物姿にメキシコのタコスを彷彿とさせる被り物の(すみません、名前が分からなかったもので)女性たち、セクシーすぎる。
「落ち着け、冷静に」と自分に言い聞かすが、久しぶりに帰国した僕の口が「結婚してください」と勝手に動きそうで、そんな自分が少し怖くなった。
阿波おどりの写真はもう撮らなくてもいいから、できるだけたくさんの女性に声をかけ、その中から一人だけ選んで家に帰りたい気分だった。

通りに座る占い師に僕の揺れる心を読まれてしまわないか、と一瞬考えたが、書き入れ時にお客さんをどれだけ獲得できるか彼も頭が一杯のようで、心配ご無用だ。

そんなことを考えていると突然なんの前触れもなく、夏の日の雷のようにどこか遠くの方から太鼓と笛の音が聞こえてきた。
そして着物姿の人たちの身体にスイッチが入ったかのごとく、列になって行進しはじめた。


やっとさぁ〜、やっとさぁ〜。
ドン、ドン、ぴぃ〜ひょろろぉ〜。
やっとさぁ〜、やっとさぁ〜。
ドン、ドン、ぴぃ〜ひょろろぉ〜。
え〜らやっちゃ、え〜らやっちゃ、よぉ〜い、よい、よい、よい。
え〜らやっちゃ、え〜らやっちゃ、よぉ〜い、よい、よい、よい。
踊るあほうに見るあほう、同じアホなら踊らにゃそん、そぉ〜ん!


うひゃ〜っ、はじまっちゃったよぉ〜、、、。
えらやっちゃ、えらやっちゃ、興奮してお漏らししそぉ〜!










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by somashiona | 2008-11-20 23:11 | デジタル

阿波おどり会館でウォーミングアップ




5週間の日本の旅をブログで伝えようと思ったが、ふと気がついた。
2日間の愛媛県滞在の話を11回にわたってブログにアップしている、、、。
これはマズい、、、この調子で行くと「タスマニアで生きる人たち」とうたっておきながら、日本の写真が1年間続くことになる。


英語に「Less is More」という表現がある。
「短ければ短いほど効果的」ということだ。


先週、僕の撮った写真をパーティの会場の大きなスクリーンで見る機会があった。
撮影を依頼した組織がイベントを撮影したビデオの映像と僕の写真を混ぜ、次回のイベントのためのスポンサーを探すプロモーションビデオを制作したのだ。
この撮影のために僕はまるまる2日間シドニーで拘束され、300枚の写真を依頼主に収めた。
大勢の人たちがスクリーンに注目しているとき、僕は緊張した。
15分ほどのビデオで彼らが使った僕の写真は30枚ほどだったと思う。
300枚の中の30枚、僕が選ぶとしたらこれはかなり困難な作業だ。
どの写真にも思い入れがある、技術を駆使した玄人好みの写真もある。
でも、写真に携わらない第三者が客観的に選んだ写真は、言いたくないが、実に的を得ている。
音楽のリズムやビデオの映像と絶妙に写真を合わせ、最小限の写真で300枚分の内容をズバリと言い表していた。
仕事の写真というものは写真マニア向けの技術発表会じゃない。ピントが甘かろうが、ブレが激しかろうが、行間を読ませる構図じゃなかろうが、ストレートに見る人に伝わる写真を人は選ぶのだ。
もう皆さんはご存知だろうが、僕は写真も文章も短くまとめることが出来ない。
これは人生の中の他の部分とも大きく関わる。
「Less is More」ベッドの中でこれを言うと悲しい言い訳になるが、それ以外の場所では心がけたいことだ。


あれっ、前置きが長くなっちゃった、、、。
(どこがLess is Moreですか?!)


という訳で、やって来ました徳島県。
夏、徳島と言えば、鮎!
じゃなくて
すだち!
じゃなくて
やはり、阿波踊りでしょう。
僕は阿波踊りというものを一度も目の前で見たことがない。
徳島でお世話になるGさんに連れられ、阿波おどり会館という建物に入った。
立派な建物の中には阿波と阿波踊りに関するグッズが盛りだくさん。
ここでは阿波踊りのシーズン以外でも阿波踊りのデモンストレーションを見られるだけじゃなく、簡単なレクチャーを受けた後、実際に阿波踊りを踊らせてもらえるようになっている。
しかし!僕は踊らず写真に専念(押忍!)。






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いやぁ〜、ライティングに苦労しましたぁ、バックグランドの黄色いスポットライトが特にねぇ、、、あっ、失礼、これは会場のライティングです。


この日学んだことは、阿波踊りは寄りの構図が難しいということ。
手を上にあげて踊るので、顔を狙うと不安定な構図になってしまう。
それ以外はだいたい感じが掴めた。
本番が楽しみだ、、、にひひ。












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by somashiona | 2008-11-18 22:59 | デジタル

サヨナラ松山、また会う日まで




楽しかった愛媛県、松山にお別れする時間が来た。
Fさん夫妻にバス停まで送ってもらった。
ちょっと感傷的な気分で空を見上げる。
夕日に染まった入道雲が僕に手を振ってくれているようだ。


バスの窓から暗くなりつつある松山の街を眺める。
僕は旅の途中のおセンチ気分にひたっているが、この街の人たちにとって今日という日はいつもとなんら変わらない。忙しい一日が終わり、安堵とも疲労の後ともとれる表情を顔に浮かべ皆家路に向かう。
そう、これが日々の生活というものだ。
彼らは皆幸せなんだろうか?
いつもの質問が頭をよぎる。
幸せかどうか考えていない時が幸せだと知っているのに。
家路に向かう人たち全てが僕には輝いて見える。


バスのアナウンスが聞こえる。
子供の時から今に至るまでバスのアナウンスのあの女性の声は同じだ。
札幌国道36号線を走る中央バスの中から夕暮れの町並みを見るともなく眺めていた時の遠い記憶が、バス特有の匂いとこのアナウンスの女性の声とともに蘇る。
夕方から夜に変わる青みがかった空の色と車や街頭の光が窓に反射する光景はいつ見ても幻想的な絵画だ。
40年以上同じ女性がアナウンスを録音しているのだろうか?
そんなはずはない。

車内に取り付けられた小さなテレビ画面が僕の向かう場所を告げている。
Fさんご夫妻、ありがとう。
出会った人たち、ありがとう。
サヨナラ松山、サヨナラ愛媛、また会う日まで。










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by somashiona | 2008-11-17 06:55 | デジタル

いつかじっくり撮りたい、お遍路さん








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年老いた一人の女性が蒸し暑い夏の上り坂を腰を曲げ、歩行器を押しながらゆっくりと歩いて来る。
辛そうだが息づかいは聞こえない。
僕の前を通り過ぎた時、一瞬だがお線香の匂いが漂った。
僕は幻でも見ている気分でゆっくりと動くおばあさんの足取りをしばらく眺めていた。






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おばあさんの姿が見えなくなるのと入れ違いで一人の若い男性が同じ坂を降りて来た。
力強い足取りとこの日の暑さをまったく感じさせない涼しげな表情。
地面をつく杖の音がまるで神楽の拍子のように一定のリズムで聞こえてくる。
彼は先ほどのおばあさんと違い、あっという間に僕の前を通り過ぎたが、あのおばあさんと同じ線香の匂いを僕は嗅ぎ取った。






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一瞬生暖かい風が吹き、竹林のざわめきと共にその匂いはどこかへかき消されてしまった。
今嗅いだ青年の線香の匂いが本物だったのか、僕の想像の産物なのか、確信が持てなくなる。






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何が人々を信仰へ向かわせるのだろう。
心の安らぎを求める行為は、この一瞬にしてかき消される線香の匂いを嗅ぐようなものなのだろうか。






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お寺を取り巻く美しい環境に白い衣装をまとったお遍路さん、こんな素敵な絵を撮り逃す訳にはいかない、とお遍路さんを見る前までは思っていたが、無心に歩く彼らの姿を見てその考えはすぐにどこかへ飛んでいった。
これは通りすがりで撮るわけにはいかない被写体だ、と感じた。
八十八カ所巡りやお遍路さんのことをもっと知ってから撮るべきだと思った。
今回はスケッチ程度にとどめておこう。
いつの日かじっくりと時間をかけて撮るべき被写体に出会い、僕はとても嬉しかった。








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by somashiona | 2008-11-15 09:52 | デジタル

心頭滅却すれば火もまた涼し




僕は特に信仰を持っていないが聖域と呼ばれる場所を訪れるとやはり気持ちがすぅ〜と静まっていくのを感じる。
仏教徒の人もキリスト教の大聖堂などに入るとやはり同じ気持ちになるのではないだろうか。
しかし僕の場合、静まった気持ちは長く続かない。
聖域と呼ばれる場所はほとんどの場合フォトジェニックな場所だからだ。
もう何を見ても素敵に見えてどう撮っていいのか分からなくなる。
撮るべきものが見つからないとイライラし、撮るべきものが多すぎるとそわそわするのだ。
写真マニアは我がままでいけない。(僕だけ?)
こういう時はこれがもし仕事だったら自分はどうするだろうか、と趣味の撮影から故意に仕事モードへと変換する。
そうすると少しものが見えてくるのだが、写真から自由さと意外性という要素が減少し、こぢんまりとまとまった説明的に写真になってしまうという弱点を僕は持っている。
そういう弱点を打ち破っていかないと、自分が目指す次のステージへは登れない。
神社仏閣写真白帯の僕はナチュレアさんならこれをどう撮るだろうか、と時折考えながらファインダーを覗いてみる。
ふと我に返ると巨木の根元に跪き、首が折れそうな角度でファインダーを空に向けている自分に気がつき顔を赤らめる。
いけない!自分の目でものを見なければ、、、考えるな、、、感じろ、感じるんだ、マナブっち〜、、、。


こんな精神状態だったのでカメラを顔の前から下し、お地蔵さんの顔を眺めることにした。
そうしているうちに、心が静まりお地蔵さん一体、一体の顔が語る何かに心を奪われた。
このとき、暑さを忘れ、ヤブ蚊の攻撃も完全に忘れた。
それがまえにアップしたお地蔵さんの顔写真だ。
こういう状態を「心頭滅却すれば火もまた涼し」というのだろうか、、、と訳の分からないことを考え、むふふと一人笑ったあと、また写真を撮りはじめた。










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by somashiona | 2008-11-14 06:46 | デジタル

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