<   2009年 05月 ( 19 )   > この月の画像一覧

愛の老練者









f0137354_1872868.jpg









友人の家に行くと彼のお父さんがダイニングテーブルで紅茶を飲んでいた。
白髪の気の良さそうなおじいちゃんだ。
ヨーロッパ旅行で2ヶ月ほど家を空ける間、大切に育てている植物に水をあげて欲しいと僕の友人である彼の息子にお願いし、この日は家の鍵を渡しに来たらしい。
「どこに行くのですか?」と訊ねると「スイスなんだ」と嬉しそうな顔で答える。
「奥さんと行くのですか?」と「いやパートナーと」といい彼はもっと嬉しそうな顔をした。
「スイスははじめてですか?」と聞くと「いやぁ、わしはスイスからの移民だよ。旅行中のオーストラリア娘に惚れてね。追いかけてこの国まで来ちまったんだよ」と言って彼は面白い話を僕に聞かせてくれた。






彼は奥さんを脳出血で亡くしている。
息子である僕の友人がまだ20歳そこそこの頃だ。
冬の夜、いつも通りの質素な夕食を済まし、いつも通りに彼はテレビのスイッチをつけてソファーに座り、いつも通り奥さんは編み物を持ってソファーの横に置いてあるロッキングチェアーに座った。
テレビの画面から流れているのは以前観た覚えがある古い映画だ。
彼はこのとき、ほとんど上の空で映画を眺めていた。
翌朝友人と一緒に行く釣りのことを考えていたのだ。
少し時間が過ぎてから「今夜は少し早めに寝ることにするよ」といって彼はソファーから立ち上がったが奥さんは何も言わない。
照明を落とした部屋の中、目を閉じた奥さんの顔はテレビ画面の光を受けて青や緑に染まっていた。
彼は奥さんを揺り動かしたが、その時はすでに昏睡状態だったらしい。
奥さんはその夜病院で息を引き取った。
奥さんの最後の言葉は「今夜は冷えるわね」だった。
彼は「お前を心から愛している」と最後に言えなかったことをとても残念に思った。






彼の心の暗闇は意外と早く消え去ったが、重い曇り空はしばらく続いた。
やがて素敵な女性と出会い再び健康的な青空が彼の心に広がった。
しかしタスマニアの天候のようにその青空は長くは続かなかった。
幸せの絶頂の中で新しい恋人は乳がんと診断され、二人の戦いが始まった。
今度は「お前を心から愛している」と何度も言うチャンスがあったが、それと同じくらい彼の隣でやっと眠りについた恋人に気づかれぬよう枕を顔に押し付けて何度も泣いた。
そして彼はまた愛する人を失った。






もうすぐ70歳になる彼は数ヶ月前に新しい恋を見つけた。
心機一転、二人で住む家を見つけ、新しい家具を買い、スイス旅行に行く。
「わしはね、今とても幸せなんだよ」とまるではじめて恋を知ったティーンエイジャーのような顔で僕に言う。
そして「なあ君、人生は一度きりさ、一人の人生より分かち合う人生の方が素晴らしいにきまってるさ。傷つくこと、失うことを恐れちゃ、本当の幸せなんて手に入らないのだよ」と古代ギリシャのアゴラで愛の真理を説く賢者の顔で僕に言う。








f0137354_1874580.jpg

















にほんブログ村写真ブログに参戦中。
もう傷つくのはまっぴらごめんだ!と言いつつ複数の出会い系サイトの会員になっている人もポチッとよろしく!

にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村









このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!

by somashiona | 2009-05-31 18:27 | 人・ストーリー

友人の子供って、たまらなく可愛い(後半)





2日目サイちゃん、シマちゃんのママを家に残してみんなでプールに行った。
ほとんど毎週僕の子供たちと一緒にプールで遊んでいたのでここは僕の得意分野。
帰国して以来ずっと泳ぎたい病にかかっていたので僕の身体もリフレッシュ。
ママと合流してお寿司屋さんに行き、その後みんなで銭湯(温泉?)につかり極楽気分。








f0137354_8324476.jpg









誰かの家に泊まると親と子供たちがどう接しているかがよく観察できる。
普段の生活の中からでないと見えないこの親子の関わりはどんな本よりためになる。
写真やスポーツに関しては少しでもレベルが上がるよう人は色々と努力するが、親としてのレベルを上げるよう何か別の切り口から努力する人は意外と少ない。
そういう僕も人のことは言えないのだが、人の家で長い時間を過ごすととてもいい勉強になり、普段の自分の努力不足を実感する。








f0137354_8341024.jpg









サイちゃんもシマちゃんもとろけるくらいいい子だが、それはもちろんママとパパが一所懸命頑張っているから、というごくごく当たり前の結論に達する。
サイちゃんとシマちゃんのママはとてもとてもしっかり者だ。
あのハチャメチャのLAに住んでいた時ですら日本の女性特有の美と強さを貫き通していたし、子供ができてママになった今もそれはまったく変わらない。
子供たちもパパも家に帰ればいつだって心から安心できる。
パパが子供とたくさん接している家庭は温かい。
東京で事件事故関係を取材するフォトグラファーを続けるのは心と神経をすり減らし続けることでもある。
それにへこたれず今日も機材を持って難しい現場に向かえるのは家族があるからだろう。
人間自分だけのために出来る努力には限りがあるものだ。
現場で悲惨な状況を見て辛い話を聞いた後でも、家では心に負った傷を顔に出さず、出来る限り家族の時間を作ろうとするパパ。
たとえ歯ブラシのたびにドラマになろうと、決してパパは諦めない。








f0137354_835123.jpg







f0137354_8353591.jpg







f0137354_836372.jpg







f0137354_8363144.jpg







f0137354_8365466.jpg









パパとママは子供たちにとって威厳に満ちた存在であり、時には何より楽しいオモチャにもなってくれる。








f0137354_8383967.jpg









そんなパパやママと一緒に暮らしているのだ、サイちゃんとシマちゃんの笑顔が透き通るように美しいにきまってる。

サイちゃん、シマちゃん、今度マナブちゃんが東京へ行ったら、また一緒に遊んでね。








f0137354_8393182.jpg















にほんブログ村写真ブログに参戦中。
「私は子供たちのために常に全力を尽くしている!」と内心自信をもって言えない人も、ポチッとよろしく!

にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村









このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!

by somashiona | 2009-05-29 08:44 | 人・ストーリー

友人の子供って、たまらなく可愛い(前半)




昨年日本へ帰国したときロスアンジェルスで一緒に写真を学んだ友人宅を訪れた。
あの時、写真を学んだ学友たちの中で今もプロとして頑張っているのは僕が知っている限り3人だけ。
彼は雑誌のフォトグラファーとして精神的にも肉体的にも難しい仕事を立派にこなしている。
彼には娘が二人いる。
お姉ちゃんのサイちゃんはシオナとほぼ同じ時期に同じ街で生まれたので自分の娘みたいな感じがしていたが、妹のシマちゃんのことはほとんど知らなかった。








彼の家にお邪魔したとき、知らないおじさんの様子を彼女たちは少し距離を置いて観察していたが








f0137354_7185792.jpg







5分も経つと、僕たちはもう大の仲良し。






マシンガンのように話かけてくる子供たちと接して一番強く思ったのは、自分の子供たちと日本語でこんなふうに話ができたらいいのに、ということだった。
僕は自分の子供たちが話していることを100%理解できないことがよくある。
(彼らはまったく日本語を話せない)
車を運転していて、突然何の脈略もなく自然や科学の難しい話がはじまったら(この手の話はソーマが好き)僕はもうお手上げだ。
会話に出る単語のほとんどが分からず「それってどういう意味?」と何度も僕が聞くので会話が進まない。
3度話しても僕が理解できないとソーマは「ネバーマインド」と言って話を打ち切ろうとする。
僕はこれが心から嫌いだ。
「イェス、オフコース アイ ドゥ マインド!ソーマ、誰かに対して一度メッセージを発したのなら、相手がどういう人であれその人がソーマの言いたいことを理解するまで諦めず説明するのが筋じゃないか!これはダディーの英語がダメだからじゃないよ。英語を話す人はもちろん、どこの国のどんな人に会ってもそういう努力を惜しんじゃダメだよ!」と力説する僕に、やれやれといった感じで「オーケー、ダディ、、、」とソーマは小さな声で答える。
友人の子供たちと一緒にいたとき、当たり前だが彼女たちが話す全てのことが理解でき、言葉の端はしに表れる微妙なニュアンスやいたずらまでもが分かることの深い満足感は僕を少し複雑な気持ちにさせた。
だがしかしだ、全てを手に入れることはできない。
自分たちの話す言語をすべて理解できない父親を持った僕の子供たちはきっとそれと引替えに何か特別なものを得ているだろう。
それはたぶん相手の言わんとすることを推測する力や自分の言わんとすることを分かりやすく説明できる力だったりするかもしれない。






友人の家で僕は当たり前のこととでもいうように写真をカシャカシャ撮った。
東京の下町での暮らしぶりが僕には新鮮だったし、なんといっても子供たちがたまらなくフォトジェニックだったからだ。
僕の子供たち同様、フォトグラファーの父を持つ彼女たち、写真を撮られるのには慣れているはず。






さっそくお茶の間モデル撮影会がはじまった。
お姉ちゃんのサイちゃん、ごそごそと帽子やハンドバックを持ってくる。








f0137354_724753.jpg









いくつかポーズをとった後、自分の部屋に戻った。








f0137354_7264780.jpg









そして水着に着替え、サイちゃんの今年の夏のセクシー水着コレクション。
これは決して僕のリクエストではない。








そういえばシマちゃんがおとなしいなぁ、、、と思ったら








f0137354_728150.jpg









水着にローラーブレード、そして帽子にバックというフル装備でやってきた。








f0137354_7291382.jpg

「シマちゃんは演技力で勝負しよう、いいね」という僕をきょとんとした顔で見ていたのもつかの間、、、。








f0137354_7295830.jpg









f0137354_7301457.jpg









f0137354_730306.jpg









やってくれます。








f0137354_7314990.jpg









こんどはお姉ちゃん、ギミックを持ち出した!








サイちゃんもギミックで何かやるのですか?








f0137354_7335052.jpg









f0137354_735031.jpg









おっ、いいよぉ〜、でもまだ照れがあるよぉ〜。








f0137354_7354343.jpg









おぉ〜いぇ〜っ、いい感じっす!








f0137354_7363710.jpg









お、おおっ〜と、ギターを回しはじめたぁ〜!








f0137354_7373595.jpg









な、なんとこれは〜っ!
ヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法じゃないですかぁ〜!








f0137354_7394820.jpg









お〜、いぇ〜っ、ベイベ〜、かも〜んベイベ〜!








つづく


















にほんブログ村写真ブログに参戦中。
日本語を話す自分の子供の話を理解できないことがある人も、愛のポチッをよろしくです!

にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村









このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!

by somashiona | 2009-05-28 07:48 | 人・ストーリー

悩みごと 2







シオナ、悩みごとがあるのなら


いつでもダディに打ちあけるんだよ


どんなことだってダディは驚かないからね










f0137354_824306.jpg











え、好きな人がいるの?


お願いだからそんな話をダディにするのはよしてね


その話は後でマミーから聞くことにするから
















にほんブログ村写真ブログに参戦中。
情けない父親だ、と思った人もポチッとよろしく!

にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村









このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!

by somashiona | 2009-05-27 08:27 | ソーマとシオナ

悩みごと








悩みごとがあるのなら






話してみてください










f0137354_061490.jpg











でも先に






僕の話を聞いてください











にほんブログ村写真ブログに参戦中。
悩みごとがある人も、ない人も、愛のポチッをよろしくです!

にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村









このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!

by somashiona | 2009-05-26 00:09 | デジタル

犬の散歩



アプリコットは生まれてからちょうど14週目くらいだと思う。
すくすくと育っている、、、というよりも毎週末彼女に会うたびとんでもなく大きくなっている。
この調子でいくと3ヶ月後にはセントバーナード犬になっているんじゃないか、と僕は少し心配している。
すくすくと成長しているのは身体だけでないらしい。








f0137354_23264411.jpg









最近子供たちの家のすぐ近くのグランドで毎週日曜日に行なわれているドッグトレーニングに参加しはじめた。
子供たちは週末僕と過ごしているのでアプリコットがドックトレーニングを受けているところを見たことがなかったのだが、先週末はじめてソーマがアプリコットと一緒に参加した。
近寄ると真面目にトレーニングを受けている犬たちの気が散るので僕とシオナは少し離れたところからその様子を眺めていた。
なんだか子供の参観日に訪れた父親の気分。
かなり真面目なトレーニングだが料金は一回3ドル。
トレーナーのおじさんはこれを10年以上続けているらしい。








f0137354_23295744.jpg









f0137354_23283967.jpg









そして今日土曜日は僕と子供たち、そしてアプリコットの3人と一匹がはじめて週末を一緒に過ごすことになった。
子供たちの母親から渡された何袋かのジプロックには何曜日の何時に食事を与えるという指示が書き込まれていた。
はじめてアプリコットと2日間フルに過ごすのははじめてなので僕は子供たち以上に興奮していたが、その反面赤ん坊だった子供たちをはじめて自分一人で面倒を見ることになったあの時のなんともいえない不安が再び蘇ってきた。








f0137354_2331193.jpg
 








f0137354_2332062.jpg
 








f0137354_23322410.jpg
 








f0137354_23324822.jpg
 








f0137354_2333101.jpg









外で少し遊ぶたびに足を洗ったり、食事の後おしっこやうんちをするのを気ながに待ったり、アプリコットの奴め、思った以上に世話がやける。
普段アプリコットが生活をしている子供たちの家ではかなり厳しい縦の関係をアプリコットに教え込んでいるらしい。
子供たちの母親が基本的にはボスだ。
食事を与え、しつけをし、こってり叱りつけ、思いっきり愛してあげる役らしい。
2番目に偉い人がソーマ。
3番目がシオナで、どうやら僕は彼らの家のカースト制度の中では一番下に属しているらしい。
ソーマがアプリコットを叱りつける時は僕がビビってしまうほど本気だ。
心の底で可哀想だ、と僕は思ってしまうがソーマ曰く心を鬼にするのはアプリコットがいい子になるため、僕はおじいちゃんおばあちゃんが孫にどうして甘いのか今日やっとわかった。
偉い人になれば責任という重い役割も同時に付いてくる。
アプリコットが床を汚したり、バスルームをビショビショにしたりするとソーマは一人で黙々と後片付けをしなければならない。
アプリコットを通して、どうやらソーマも大人の社会のルールを学びはじめているようだ。








f0137354_23364832.jpg









f0137354_23372082.jpg









アプリコットと過ごして今日とても楽しかったのは散歩だった。
「犬の散歩」と聞けばすぐにアメリカン・ヨーヨーを思い出してしまう世代だが、犬の散歩はかなり楽しい。
今まで一度も目に入ったことがなかったが、世の中には犬の散歩に関わる標識やサインが結構たくさんあることを知った。
犬を連れているというだけで歩けない場所がナショナルパーク以外にあるとは知らなかった。

カメラを持って一緒に歩くと色々なものが撮れる。
アプリコットの身体の大きさと子供たちの身体の大きさが余りにも違うのでバランスのいい写真を撮るのはとても難しいのだが、まだ子供で好奇心旺盛なアプリコットが海の水に喜び、様々な種類の犬たちから受ける挨拶に少し緊張し、でも散歩ってもう楽しくて、嬉しくて、たまんない、という気持ちがとても伝わってくるので写欲沸々と沸騰してしまう。

そんな訳で今日は本日撮り下しの犬の散歩写真。
だらだらとたくさん続くのは今もう眠たくて選ぶ能力がないから。
明日の朝は5時半くらいに子供たちが活動しはじめるので早く寝なくっちゃ!
(ってもう深夜を過ぎている、、、)
明日の朝はフレンチトースト、シオナがお手伝いをする予定だ。








f0137354_23402873.jpg









f0137354_23404693.jpg









f0137354_23411642.jpg









f0137354_23413989.jpg









f0137354_23415898.jpg









f0137354_23421698.jpg









f0137354_23424044.jpg









f0137354_23425912.jpg









f0137354_23432315.jpg









f0137354_23434337.jpg









f0137354_2344283.jpg









f0137354_23444577.jpg
















にほんブログ村写真ブログに参戦中。
アメリカンヨーヨーって何のことよ?、と思った人もポチッとよろしく!

にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村









このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!

by somashiona | 2009-05-23 23:54 | ソーマとシオナ

いつまで続くか誕生日の誓い





日本に住んでいた時、誕生日が来ると僕は自分のために眼鏡をプレゼントしていた。
毎年眼鏡が変わるのだ。
ただ眼鏡を変えるだけで一歳年齢が増えるごとに、まるで自分が生まれ変わるような気がした。
だがオーストラリアに来て以来、その習慣はすっかり無くなってしまった。
眼鏡を買うにはドクターの診断書みたいなものが必要だし、眼鏡そのものの値段が日本よりずっと高いから。

今年の誕生日、自分のためにランニングシューズを買った。
考えてみるとランニングシューズを買うのは生まれてはじめて。
僕の足は25.5cmと小さいにも関わらず、足の甲が高く、幅が広い。
おまけに扁平足ときているものだから靴選びにはいつも苦労するし、買った後満足する靴などなかなかない。

買ったランニングシューズはニューバランスの769というモデル。
ランニングシューズってこんなに軽いの?と驚いた。

僕は身体が弱く、体力もないので定期的に運動をしていないと大変なことになる。
水泳、マウンテンバイク、これらを中心にエクササイズをするのだがどうしても続かない。
仕事が入って1週間なり2週間なりそれに拘束されるといままで調子良く続いていたエクササイズがお休みになり、一度休むと再開が苦しい。
続かない理由を色々と考えてみたのだが(意志の弱さには触れないで欲しい)道具、施設、そういうものが必要なエクササイズをやっているから毎日続かないという結論に至った。
では最も手軽にできるエクササイズは何か?
たぶん歩くこと、走ることだろう。

僕は走ることが大の苦手。
喘息持ちなのですぐに呼吸困難に陥る。
2分も走ると膝、太ももが痛みだし、その後歩行すら困難になる。

しかし一番苦手なことに挑戦すること、それに意義があるような気がした。
そして走ってみたが、、、案の定2分で足が鉛のように重くなり、5分で身の危険を感じた。
「歳をとると膝にくるよ」という言葉をよく聞くが、これがビックリするくらい当てはまる。
スポーツを始めるとすぐにプロのような完成系を想像し、はじめから飛ばしてしまう僕だが、今回は長丁場で責めようと心に決めた。
まずは歩くこと、そうそれでいい。
家から早歩きで1時間30分、約7.8kmのコースだ。
コースの半分はアップダウンが多い山の中、車の心配もないし、空気もきれい。
このコース、走るようになれば50分くらいまで時間を縮めることが出来るだろう。
歩きはじめた最初の夜は足が吊って眠れなかった。
歩いているだけなのに足だけにとどまらず、体中が痛い。
子供たちと一緒に歩くとき、彼らは僕がやっていることを何の苦もなくこなす。
歩くこと、走ること、彼らにとっては呼吸をするくらいなんてことのない自然な行為なのだ。
ヨハンは言っていた「以前は普通に出来ていたことが出来なくなったとき、老いを感じる」と。
5分走っただけで身の危険を感じ、その後1週間は筋肉痛に苦しみなんて、これを老いと呼ばずして何と呼ぼう。
歩いていると60代、70代と思われる人たちが走っているのを良く見かける。
40代の僕が歩くだけでひぃ〜ひぃ〜言っているのにも関わらず、彼らは走っているのだ。(敬礼)
いつの日か出来ないことがたくさん出来て、それを受け入れなければならないのは知っている。
でもその日が来るまで、ひたすら闘ってやろうじゃないか。

週に4、5日このエクササイズを続け、3週間目にはじめて全コースを走ってみた。
いや、気持ちとフォームは走りなのだが、スピードは早歩きと変わらない。
「スイミングプールで白い肌の死体が浮いていてビックリしたけどよく見たらマナブさんが泳いでいるところでした」と言われたことがある。
そんな失礼なことを言うのは料理人のコージなのだが、実際、泳ぎもマウンテンバイクも、何をやっても僕はノロノロだ。
それでも本人は精一杯やっているのだが、、、。
そして、走りもしかり、、、。
それでも7.8kmを一度も歩かず、止まらず、走りきった時はひさびさの充実感に包まれた。
ひょっとするとそんな距離を走りきったのは高校生の部活動以来かもしれない。
いやいや、小さなことだが、かなり感動した。


「継続は力なり」これが大切。
この話をブログでする理由は他でもない他言実行型という環境に自分を追い込むためだ。
44歳にしてどこまでできるか?
経過は時々ブログで報告しよう。
この話がまったく出なくなったら「マナブさん、ランニングの話はどうなったの?」とか「やれやれ、自分の約束も守れないなんて情けないったらありゃしない」といったプレッシャーをかけて欲しい。

いつまで続くか、誕生日の誓い。












f0137354_934356.jpg









f0137354_93631100.jpg









f0137354_937377.jpg









f0137354_9372152.jpg









f0137354_9373973.jpg









f0137354_9375669.jpg










注1)タスマニアに住んでいる方へ
走っているのか歩いているのか区別がつかない東洋人を見かけても話しかけないでください。危険です。

注2)これを読んだあなた、人ごとだと思っているでしょ。
騙されたと思って走ってみてください。
弱くなった自分の身体に唖然とすること間違いなしです。

注3)あ、それとこれを読んだあなた。
にほんブログ村写真ブログに参戦中。
ポチッとするの忘れないでね!


にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村









このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!

by somashiona | 2009-05-22 10:01 | ソーマとシオナ

愛と物語は人を救う








f0137354_883044.jpg











f0137354_885444.jpg











シングルマザーとしてタスマニアで生きるミモちゃんのママ、毎日を頑張って過ごしているけど時にはやりきれないことだってある。










f0137354_810108.jpg











そんな彼女を救うもの、それは本だ。
良質の物語は彼女に生きる術を教える。
多くの登場人物に共感し、時に心の痛みを分かち合う。










f0137354_8111065.jpg











そして彼女を救う一番大切もの、それはミモちゃん。










f0137354_8122119.jpg











心を癒してくれるどころか、一日のうちに何度も心を鬼にしなくてはいけないけれど。










シングルマザーが自分を取り戻し、より強く成長し、愛の痛みから立ち直れるのは愛する子供たちがいるからだ。










f0137354_8132657.jpg











起こったママの気持ちは歯ブラシが歯の上を行ったり来たりするときの強さでミモちゃんにも十分伝わっている。








ママの身の上に何が起ころうと、ミモちゃんがその日どんなにたくさん泣こうと、一日の終わりにはママとミモちゃんが大好きな本が二人を待っている。








f0137354_8154017.jpg







f0137354_816098.jpg







f0137354_8162187.jpg







f0137354_8164798.jpg







f0137354_817888.jpg







f0137354_8172757.jpg







f0137354_8174818.jpg











ママの血を受け継いだミモちゃんは本の世界にすぐに入っていける。
登場人物が犬やネコやうさぎであってもかまわない。
そしてその日ちょっとイヤだなと思ったこと、ママの怒った顔は物語を聞いているうちにすぅ〜っと何処かに消えてしまう。










f0137354_8201018.jpg







f0137354_8203096.jpg







f0137354_8205272.jpg











本を読み終える頃にはこの世界中で誰よりも愛しているのが今となりにいるママであってミモちゃんであることを二人は心から感じあう。
そして明日もまた頑張って生きる力をこの時間にしっかりと補給する。










f0137354_8221329.jpg







f0137354_8223518.jpg











夢の中ではもっと楽しい二人の物語が待っている。










にほんブログ村写真ブログに参加しています。
今日から私も子供たちに本を読んであげよう、と思った人はポチッとよろしく!

にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村










このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!

by somashiona | 2009-05-19 08:32 | 人・ストーリー

オリビアを聞きながら




そう、私はここで生まれ育ったわ。
ここは自然に囲まれ素晴らしい場所だってみんな言うけど、それがなんなの。
ここには刺激的なことなんて何一つないじゃない。
いつも都会を夢見てた。
20代になってシドニーで暮らしはじめたわ。
もう最高、はちゃめちゃな毎日よ。
人生で最高の恋をして、あの子が生まれた。
でも私、結婚はしたくなかったの。
そして今、あの子と二人で暮らしている。
またここへ逆戻りよ。
こんな田舎街、私、大嫌いだわ、本当に。
でもあの子にはここが一番なの。
週末は父親と過ごすことが出来るし。
やりたいこと?
ねえ、あの子を育てるためにどれくらいの時間が必要か知ってる?
やりたいことより、やれることを聞いて欲しいわ。
夢はあるかって?
私の夢は昔からずっと同じよ。
ロックスターと恋におちること。












f0137354_21533452.jpg











f0137354_2154349.jpg











f0137354_21563826.jpg











f0137354_21565657.jpg













(報告)
人気ブログランキングからどうして姿を消したのかという問い合わせが最近多くなってきました。
実は皆さんの愛のポチッ!が知らぬ間にポイントに反映されなくなりました。
もちろんその操作は人気ブログランキングが行なっているでしょうから株式会社アットウィズさん問い合わせたのですがまったく反応がなく、いまだにハッキリとした理由は分かりません。
一度人気ブログランキングから僕のブログを削除し、もう一度登録し直そうと思ったのですがパスワードを忘れてしまいそれが出来ず、パスワードの確認をしようにも登録時に記入したメールアドレスをなくしてしまっている今、パスワードの確認も出来ない状態です。
3ヶ月間PING送信がないと自動的に人気ブログランキングの登録が削除されるそうなのでその方法をとるつもりです。
人気ブログランキングはブログを続けるにあたって、じいちゃんの言い方を借りれば、栄養源になっていたのでとても残念です。
どんな理由であったにせよ人気ブログランキングに参加している僕たちの楽しみを何の予告もなく奪い、問い合わせ先を知らせておきながら問い合わせに答えない株式会社アットウィズさんの態度にとてもがっかりしています。
ブログのランキングはその順位よりも、多くの人にブログを見てもらえるチャンスとして大切にしていました。
いったん人気ブログランキングから足を洗いますが、「タスマニアで生きる人たち」今後とも変わらぬご愛顧のほど何卒よろしくお願いします。
チュ♡

マナブ






本日からにほんブログ村写真ブログに参戦しました。
チュ♡をされたい人もされたくない人も、愛のポチッをよろしくです!

にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村












このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!






by somashiona | 2009-05-17 22:05 | 人・ストーリー

ワタナベさんのポートレイト 後編





プロらしからぬ行為とは分かっていたが僕はもう一度ワタナベさんに電話した。

「ワタナベさん、申し訳ないんですがあと15分だけ時間をもらえませんか?」

「どうしました?何か問題でもありましたか?」

「ワタナベさん、病気との戦いの痕跡は身体にたくさん残っていますか?」

「、、、たくさんなんてものじゃありません」

「ワタナベさん、服を脱いでくれますか?戦いの痕跡を撮らせてください」

「わかりました。すぐそちらに行きます」



僕はカメラバックの中から機材を引っ張りだし、ライトスタンドを立て、あわてて撮影の準備をした。



ワタナベさんが再び部屋のドアを開けたときの顔は先ほどここに来た時の顔とは違う。
僕もワタナベさんもこの時はやるべきことをお互いに認識していたので勝負する顔になっている。

ワタナベさんは服を脱ぎはじめた。
その身体は文字通り傷だらけだった。
目の前で生身の人間の傷だらけの裸を見ればきっと誰だってショックを受けるはずだ。
先ほど話を聞いて受けた衝撃とはまったく種類の違うショック。
「見ること」とはやはり「知ること」だ。
「そんなことがあったんです」という話からはまったく見えてこない次元のピュアーな何かが伝わってくる。

先ほどの撮影は会話をしながらだったが、この時はもう会話など必要なかった。
シャイなワタナベさんはレンズを真っすぐ見据える。
その迫力に僕は圧倒されそうになるが、ここは負けられない。
やっといつもの自分の感覚が戻ってきた。

撮影が終わったあとのワタナベさんはとびきりの笑顔を見せてくれた。
ワタナベさんの身体に刻み込まれた傷はワタナベさんの戦いの証であり、人生の足跡だった。
少年が大冒険をした結果負ってしまった傷を見せる時はいつだって自慢げだ。
それはその傷が自分の挑戦の証だからだ。
こんなことを言うと語弊があるかもしれないが、洋服を脱ぎ身体の傷を見せてくれたワタナベさんからも同じ匂いを感じた。
たしかに大変な目にはあっているが、どうだ見てくれ、俺はこれと真っ向から闘っているんだ、これが俺の人生なんだ、文句あるか!とでも言いたげなポジティブなオーラをワタナベさんは放っていた。

ワタナベさんと別れ、タスマニアに戻ってからも僕は彼のことをよく想った。
歯を磨きながら鏡に映る自分を見る時、子供たちの肩に手を置いて森の中を散歩するとき。
この子の胸や背中に大きな傷がついてしまったらこの子や僕たち親はどんなに苦しむだろう、と柔らかい彼らの身体に触れながら僕はワタナベさんを想った。
そして、(とても幼稚な考え方だが)例えばエクササイズなどでもう降参したい気分になっているとき。
ワタナベさんなら降参するどころかエクササイズができることを幸せに感じるだろう、というようなことをほとんど無意識に考えるようになっていた。

ワタナベさんのことをブログで紹介しようと考えていたとき写真を見たある友人は僕にこういった。
「でもさ、こういう人って、いやもっと大変な状況の人って世の中にはいっぱいいるからね」と。

もちろんだ。
それはわかっている。
でも僕がワタナベさんからもらった目には見えないけど大切なもの、もうイヤだと思ったとき背中をそっと押してくれるもの、それを誰かに伝えたいという気持ちを引き出しの隅に押し留めておくことはできない。

知っているということと、感じるということの間には大きな違いがある。


後日、ワタナベさんにお願いして彼の病歴やその時の感情をメールで送ってもらった。
その中から彼が書いた病歴を紹介したい。
皆さんにも何か感じて欲しい。

その前に一言。
ワタナベさん、いい写真を撮らせてくれてありがとう。
あなたからたくさんの勇気をもらいました。
長生きしてください。












f0137354_10513028.jpg













f0137354_10515913.jpg













f0137354_10522022.jpg













f0137354_10523984.jpg













f0137354_10525792.jpg













f0137354_10531728.jpg













f0137354_1053422.jpg













ーーーーーーーーーーー

小学4年生(1975年) 学校の尿検査で血尿あり
           旭川市立病院にて精密検査が原因判別できず
中学1年生(1978年) 腎臓の細胞検査にて慢性腎炎と判断される。
 
特に自覚症状もなく、以後、通院はせず
 
平成元年(1989年)23歳 大学卒業後、造園工のアルバイトをして就職浪人中
          8月15日 体調悪く(体が重く、微熱が続く)     
市立札幌病院へ  検査結果、ネフローゼ症候群と診断
          7か月の治療入院となる。
         ステロイド剤の投薬でさまざまな副作用に苦しむ。
平成2年(1990年)24歳 3月退院し札幌の自宅で療養。
         人に会うのが嫌になる。
平成3年(1991年)25歳 新薬(免疫抑制剤)を試すため再入院(4か月)
         が、効果なく退院。
         9月 ○○学院(学習塾の時間講師として勤務)
         指導者としてみっちり修業
平成5年(1993年)27歳 病状悪化、慢性腎不全となり、○○学院を退職
         紋別にいる父母の元へ引っ越し、旭川赤十字病院へ転院
平成6年(1994年)28歳 人工透析導入(腹膜透析)旭川へ引っ越し
平成7年(1995年)29歳 ○○進学センター入社(○○社長に拾われる)
平成10年(1998年)32歳 原因不明の難聴となる
平成12年(2000年)34歳 腹膜透析から血管透析へ
平成14年(2002年)36歳 9月 左腎臓に悪性腫瘍(ガン)発見、摘出手術。
平成16年(2004年)38歳 12月 札幌へ転勤
平成18年(2006年)40歳 4月 右腎臓切除手術(腎臓移植の準備のため)
             旭川へ転勤
             9月 腎臓移植(父親から),脾臓摘出
             10月  感染症のため、移植腎の摘出(移植失敗)
             12月 退院
平成19年(2007年)41歳 1月 背中の痛みで再入院(検査)
             2月 胸部加行大動脈穿孔(大動脈に穴があいてる)
                および心臓弁膜症の発症(即ICUへ)
             2月8日 ステントクラフト手術→失敗
             3月14日 胸部加行大動脈置換術(大動脈を人工血管に入れ替える)
             3月28日 呼吸不全のため、気管切開
                  一般病棟へ リハビリ開始(歩く練習)
             4月11日 胸水穿刺(肺の水を抜くため)
             5月19日 退院


ワタナベさんのメールから抜粋

人間は病気では死なないものだなあと思いました。
何か気持が切れて瞬間、いともあっさり死んでしまうのではないかと感じます。
いまだに自分がなぜ今も生きているのかわからずじまいです。
何かを為せというのか、それもなんだかみえなくなっています。
今の自分の有様をあきらめるように認めてしまう自分と、今もなお認めたくないと突っ張る自分がいつも葛藤しています。
 
自分一人ががんばってきたように書きましたが、家族や周囲の人間がいなければとっくに駄目になっていたと思います。
そこだけは感謝してもし足りない気持ちです。













ranking banner明日も一所懸命生きていこう!ポチッ!







このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!
ranking banner

by somashiona | 2009-05-14 11:15 | 人・ストーリー

<< previous page | next page >>