<   2009年 09月 ( 11 )   > この月の画像一覧

アクンデックの生活




アクンデックのファミリーポートレイトを撮った後、彼女がどんな生活をしているのか興味を持った。
それでさっそく家にお邪魔することになった。



彼女の家が僕の家から歩いて10分以内の場所にあるとは全然知らなかった。
大きな公園の横にある彼女のフラットは2階建てのツーベッドルーム。
家の中に入ったとき、室内の暗さに少し驚いてしまった。
小さな窓から差し込むわずかな光のラインの中にはうっすらとインセンス(お香)の煙が漂っている。
薄暗さをかき消そうとするかのように部屋のあちらこちらを装飾する黄緑色のソファーカバーやテーブルクロス、そして色とりどりの造花とインセンスの匂いのせいか、まるでどこか違う国に迷い込んだような錯覚を覚える。
ここは彼女と旦那さん、子供、そしてお姉さんの4人暮らしだ。
大人三人が住むにはかなり狭いスペースだと思った。
しかし、ボバートの町の中心部まで徒歩10分ほどの生活するにはとても便利な場所なので、家賃もそれなりの金額はするだろう。
僕の知るかぎりこのエリアの2ベッドルームフラットの相場は週に250ドルから350ドルくらいだ。

僕が訪れたとき、坊やはソファーですやすや寝ていた。
アクンデックは彼を2回のベッドルームへ連れて行った後、僕にアルバムを見せながら彼女の家族のこと、友達のこと、学校のことなどを色々と話してくれた。
ファミリーポートレイトを撮った時、彼女は誇らしげで、全身に輝くオーラをまとっていた。
この日僕が見たアクンデックは青いドレスを着た彼女とは違ったが、僕にはスエットパンツ姿の彼女も青いドレスの彼女同様素敵に映った。
これが僕たちの愛おしい日常だ。
光の射さない日常を嘆く人は多い。
何も特別なことが起こらず、面倒な雑用に追われ、淡々と過ぎていく日常。


それこそが幸せじゃないか?


写真を撮るため誰かの家を初めて訪れる時、自分が何にフォーカスを当てるべきか僕のメモリー不足の脳みそはフル回転する。
話をしなくては、安心させてあげなくては、リラックスしなくては、という思いと、時間は限られている、さあ、何を撮るんだ、何がこの場で出来るんだ、ここは何が一番輝いているんだ、という思いがせめぎ合う。

初めて訪れるアクンデックの家で、僕が出来ることはあまりないなと思った。
彼女の飾らない普段の姿を撮れれば、それでいいと思った。
2歳の子供を持つ19歳の黒人移民女性の日常の一こま、それだけで十分だ。
家の中は本当に暗かったが、あまり良く知らない僕を家に招き入れ、少し緊張している彼女の前で無神経にカメラのフラッシュを焚きたくなかった。

欲張るな、ほんの少しだけ写真を撮れればそれでいい、と自分に言い聞かせた。
















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by somashiona | 2009-09-30 21:16 | 人・ストーリー

アクンデックのファミリーポートレイト







現在、オーストラリアの人口は50%が新生児、そして残りの50%は他の国からやって来る移民でまかなわれている。
とくに戦争などで難民となった人たちをオーストラリアは積極的に受け入れている。
鳩山総理が外国人にも参政権を与えるべきだと言い日本では非難の嵐だったようだが、ここオーストラリアでは他の国から文化も習慣も違う人たちを受け入れ、職場や政治に参加することをほとんどの国民たちは賛成し、誇りに思っている。
オーストラリアに移民してくる人たち、特に戦乱の中から逃げてくる人たちはアルファベッドのABCすら知らない人たちが大勢いる。
彼らがアルファベッドを覚え、英語でコミュニケーションをとり、過去にイヤになるほど見たナイフや斧、そして機関銃の代わりに教育という最も強烈な武器を身につけ社会に出るまでの間、国民の税金で彼らは生きていく。
国民一人一人が彼らを養っているのだ。








アクンデックは19歳。
13歳の時にアフリカのスーダンからやって来た。

「スーダンの北、それとも南出身?」

「ごめんなさい、どこで生まれたのか知らないの、、、」

「どうしてオーストラリアに来ることになったの?」

「ごめんなさい、私何も知らないの、、、スーダンからエジプトに逃げて、、、でも、お父さん、お母さんたちはスーダンに残っている兄弟たちを迎えにまたスーダンに戻って、、、で、私や弟はエジプトでとてもハッピーだったのに飛行機に乗せられて言葉も気候もまったく違うタスマニアに来たの。いきさつとかは何も分からないの」

こういう人たちを前にすると、何を聞いていいのか分からなくなる。
その過去がどれほど暗闇なのか、どんな楽しいひとときがあったのか、愛する人たちの死をどれほど目の当たりにし、どれほど引き裂かれてきたのか。
父の死や、離婚や、子供たちと離ればなれで暮らすことにシクシクしている僕の想像を絶する経験を彼らはしているのだ。
僕の話すことなど彼らにとっては何不自由なく育ってきたお坊ちゃんの戯言だろう。

アクンデックには2歳になる男の子がいる。
旦那さんは27歳、タスマニアの電力会社で働くエンジニアだ。

「旦那さんの趣味は何?」

「お勉強なの」と言って彼女はクスッと笑う。

「彼ってつまんないの。映画にいこうって言っても、ダンスに誘っても、たぶん明日ね、って言うんだけど絶対行かないのよ。いつでも勉強、勉強。今もね、仕事が終わったら大学に行ってるの。もっともっと知識を身につけたいんだって」と話す彼女は誇らしげだ。

「彼はね、スーダンで全て見てしまったの。人がどんなにひどいことをするのか、食べ物がなくて飢え死にすることがどんなに悲しいか、四六時中怯えていることがどんなに辛いかを。だから今、一所懸命勉強するんだって。あんな生活に2度と戻りたくないんだって。最低の暮らしに戻るのが怖くて、怖くてしかたないんだって。そして、いつかスーダンに帰って自分が得た知識を使って人びとを助けたいんだって」と話す彼女、眼を輝かせている。

「じゃあ、彼と一緒なら安心だね」と僕。

「そうよ、彼は真面目だから安心なのよ。他の女性に見向きもしないわ」と言って笑い出す。

「でも、スーダンに帰ったら一夫多妻制だろ?何人まで奥さんを持てるの?」と僕は少し意地悪をする。

「10人でも、20人でも好きなだけ持てるけど、嫌よ私、そんなの絶対イヤ!私の肌は黒いけど、考え方はオージーガールよ!」と今度は真顔。

「じゃあ、君の夢は何?」

「まずはね、介護の資格を取って老人たちの世話をするの。それでお金を貯めて大学に行ってから看護婦の資格を取る。絶対に取るの。しばらくオーストラリアの病院で働いて、いつかスーダンに帰って病気で苦しむ人を助けるわ。それが私の夢よ」








アクンデックのカレッジ卒業パーティの日、僕の家でファミリーポートレイトを撮った。

フラッシュの光が瞬くたび、2歳の坊やは泣き叫び、大雨だったこの日、天井から雨漏りがはじまり、持ち時間のほとんどを坊やの機嫌を取ることと、バックドロップに落ちる雨漏りの対応に費やし、撮影の集中力を欠いたが、この一枚が彼らの輝く将来の想い出になるよう、最善を尽くした。

















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by somashiona | 2009-09-28 19:06 | 仕事

ああ、懐かしのフォークソング




最初に断っておくが、今日は完全にオヤジの小言だ。
なので、多くの人にとってつまらない話だろう。


タスマニアに住みはじめてから7年になる。
アメリカ、LA時代を含めるともう10年も海外で生活していることになる。
そんな人生を送るとはまったく想像していなかった。

これが年齢のせいか、それとも長い海外生活のせいか定かではないが、最近無性に懐かしのフォークソングを聴きたくなる。
ボブ・ディランとかサイモン&ガーファンクルなどの海外ものではなく、それはもうこてこての和製フォークソング、かぐや姫、イルカ、さだまさし、松山千春といったタイプの曲だ。
前にも書いたかもしれないが、僕が音楽に目覚めたのは小学校3、4年の時、イギリスのアイドルバンド、ベイ・シティ・ローラーズだった。(赤面)
そのせいか物心ついた時から日本の曲にはほとんど興味がなかった。
中学校時代、北海道十勝の池田町に住んでいた。
その頃、はじめてエレキギターを買い、バンドを組んでレンボーやディープパープルといったロックにハマっていたが、隣町足寄町出身の松山千春が全盛期の時で、彼の曲をフォークギターで弾かなければ女の子にモテないという現実を知り、松山千春の曲もかなり聞き込んでいた。
同じ中学校同学年の隣のクラスにはドリカムの吉田美和ちゃんがいた。

中年のある時期になると思春期の頃にハマっていたもの、頑張っていたことに再び回帰する現象が起こると僕の友人が言っていた。
学生時代剣道部だったお父さんが当然重い木刀を買い、毎朝庭で素振りをはじめたり、思春期に読みあさったコミックブックをインターネットで収集したり、とんでもないスピードが出るオートバイを突然購入し、奥さんや子供たちからひんしゅくを買うお父さんたちが増えるという。

僕は無性に懐かしのフォークソングが聞きたくなった。
音楽の才能が悲しくなるほどゼロなので、あくまでも自分だけのためにそうするのだが、ホコリのかぶったオベーションのアコースティックギターをハードケースから取り出し、松山千春の曲の70%以上がそうであるEmを押さえれば、記憶の奥底に眠っていた歌が出てくる、出てくる、もう止めどなく出てくる。

そしていったん脳が懐かしのフォークソングモードになると、そんな曲なんで歌詞全部知ってるの?と自分で自分を疑ってしまうほど、口から歌が出てくる、出てくる。

♫あなたはも〜う、忘れたかしら〜♬
♬汽車を待つ君の横で僕は〜♫
♫あ〜なたに〜、さよ〜ならって〜、いえる〜のは〜♫
♬今はこ〜ん〜な〜に〜、かな〜しくて〜、涙も〜 枯れ〜果てて〜♫
♫とおく、と〜お〜く、どこまでも〜、とおく〜、な〜が〜れる、川で〜♬
♬つかの間の寂しさ〜うずめるた〜めに〜、君の歌声を〜きいていた〜♫
♫きょ〜ねんの、あ〜なたの、お〜もいでが〜♬
♬いつか〜、きみと行った〜、映画〜が、またくる〜♫
♫お前が〜去ってく〜 その〜前に〜、なぜに電話くれな〜かったか〜♬
(あ、まずいっ、書いていても、止まらない!)
そんな訳で一度懐かしのフォークソングをはじめると3時間くらいがあっという間に過ぎ、心の中が何とも言えない思いで満たされ、リラックスできることに気がついた。
久しぶりに弾くギターと錆びた弦のせいで指はもうヒリヒリだ。

普段聴く音楽といえば、今はジャズやクラッシックが圧倒的に多いし、僕がギターで弾ける数少ないレパートリーの中ではビートルズのブラックバードやトレーシーチャップマン、クラプトンの曲が好きなのだけど、それらの曲はこの懐かしのフォークソングほど身体の芯から僕を癒してくれない。
美味しいステーキやパスタは大好きだけど、海外で久しぶりに食べる美味しい冷や奴やきんぴらごぼうの、心にすぅ〜と染み渡るあの感覚に少し似ている。

もし僕が日本に住んでいて、同じ世代のオヤジがこういう曲をギター抱えて歌っていたら、「ヘ〜イ ギブミ〜 ア ブレ〜ク メ〜ン!頼むからヤメてくれよぉ〜!」と言っていたに違いない。
でも、タスマニアに住む僕と同世代の男性3人が集まって、こういう曲を聴き、いいよなぁ〜、この頃の曲って〜、あの頃日本人の心は美しかったよなぁ〜、などと言い合いながら、このなんとも言えない郷愁の思いを分かち合うとき、恥も外聞もなく、本物の幸せにひたってしまうことが出来るだ。

これって、海外に住んでいるからそう思うのかなぁ〜、とも思うけれど、そういえばNHKで「懐かしのフォークソング特集」などをよくやっていた気がするので、これはやっぱりオヤジ特有の怪奇現象、いや、もとい、回帰現象なのだろうか、と思ったりもする。

















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by somashiona | 2009-09-26 13:22 | ソーマとシオナ

お気に入りのFストップ





写真好きの人と一緒にいるとき、撮り方についての質問をよくされる。
残念ながら、僕は写真に関して技術を追求するタイプのフォトグラファーじゃないので、目から鱗が落ちるような話をしてあげられない。
僕が知っているようなことは、写真好きなら既にみんな知っているようなことばかりだし、僕自身、絞りとシャッタースピードの関係さえ分かれば写真は撮れると思っているタイプだからだ。
ただ、アマチュアのフォトグラファーたちや、時にはプロのフォトグラファーたちが写真を撮るのを見ていてよく気がつくことがある。
それは写真をとるその瞬間に、あれや、これやと色んなことをしすぎ、その結果、いい瞬間を撮り逃しているという点だ。

このブログを見ている人たちにこんな話をしても「はい、はい、そんなこと知ってます」と言われるだけかもしれないが、写真撮影は「Simple is best」。

毎回、毎回、違うレンズを使っているより、悲しいけどこれしか持ってないの、と言いながら同じレンズで撮っている人の方がいい写真を撮れる可能性が高いと思うし、それはレンズだけでなくカメラのボディも同じだと思う。

カメラをデジタルに変えてから僕が今まで仕事で使っているカメラはキャノンの10D、30D、40Dだ。
それらのカメラでスポーツ、ポートレイト、風景、物撮り、フードフォト、なんでも撮る。(田舎に住むフォトグラファーの宿命:何でも撮らないと生きていけない)
こんなカメラで仕事しているフォトグラファーはタスマニアといえどもあまりいない。(汗)
キャノン派のプロならやはり1D系か5Dだ。
それでも僕は大きさ、重さの点でフラグシップ機を持つ気になれない。(体力がない)
5DMarkllが欲しいという欲望はあるが、APS-Cサイズのフォーマットに慣れている僕がフルサイズのカメラを使うことは、特にAPS-Cサイズとフルサイズを一台ずつ持って仕事をすることは、有利な点より、とっさの時の判断が鈍る怖さの方が勝ってどうしても手が出ない。
そう考えると次のカメラは7Dになるだろう。(いつになるか分からないが)

僕は動いている被写体を撮るのが好きだ。
ポートレイトでも何かしらの動きが欲しいと思うタイプだ。
スポーツ写真を撮る仕事をしていた時に嫌というほど思い知らされたことは、オートフォーカスを信用するな、と言うことだった。
その時代の癖か、今でもオートフォーカスを全面的には使わない。
カメラの背面にあるフォーカスボタンを使い大まかなピントを掴み、あとはマニュアルファーカスで微調整する。
フォーカスポイント(AFセンサー)は中央一点しか信用していない。
目の前でとっさに動く被写体やストリートショットにはマニュアルファーカスのほうが断然有利だと思う。

新しく登場するカメラのフォーカスポイント(AFセンサー)はどんどん増えている。
7Dのフォーカスエリアは19点だ。(30D、40Dは9点)
ひょっとすると、自分の使っているフォーカステクニックはもう時代遅れで、フォーカスポイントを自由自在に変えながら右へ、左へと動き回る被写体を捉えられるようにならなければこれから出てくる新しいカメラに対応できなくなるかもしれないと思い、カメラボディの背面ではなく、シャッターボタンとAFセンサーを使ってフォーカスを合わせる練習をしばらくやってみた。

今週やったウェディングの仕事でさっそくこの新方式を試みた。
しかし、仕事開始15分で従来の方式に変えた。
練習では心に余裕があるだけでなく、撮り逃しても何が起こるという訳ではないのでAFセンサーを使い楽ちんフォーカスを楽しんだが、本番の仕事ではカメラの操作ではなく、被写体との会話、神聖な式の記録、美しい瞬間、感動の瞬間を捉えることに全神経を集中しているので、カメラの操作のことなど考える余裕はまったくない。
気がつけばいつもの癖で、親指で動かないフォーカスボタンを押し、あれれ、ピントが合わない、と慌てふためく始末だった。
一度身体が覚えてしまったやり方を変えるのは、とても難しい。




僕のまわりにいるプロのフォトグラファーたちに「お気に入りのFストップ(絞り値)は何?」と聞くとほとんど全員が即答してくれる。
皆それぞれ、自分が最も多用するFストップを持っている。
ちなみに、写真を撮る人は絞りで絵を作る人とシャッタースピードで絵を作るひとに分かれるだろう。
僕は完全に絞り派だ。
Fストップのだから「F派」と呼んで欲しい。
シャッタースピード派は「S派」だ。
かなりシャッタースピードにこだわる人は「ドS派」と呼ばれ、最近では「東京下町派」、もしくは「軽井沢派」とも呼ばれているようだ。

こんなことを言うと驚くかもしれないが、東京で雑誌の仕事をしていたとき、たぶん僕の撮る90%以上はf2.8かf4を使った写真だった。
後楽園ホール、東京ドーム、両国国技館、そういった会場でタングステンフィルムを使って撮るスポーツ写真はどんなレンズを使おうと絞りはf2.8、デイライトフィルムを使いフラッシュで撮る写真はf4と決まっていた。
これが僕の設定で(優秀な先輩フォトグラファーから教えられた)、これと違うことをやるということは、大切なシーンを逃す可能性が大きいことを意味していた。(優秀な先輩フォトグラファーたちは違うことをやってもしっかり撮れていた)
いつも同じ絞りを使っているので、撮った写真の善し悪しは別として、さすがに撮るスピードは早くなる。

その時代の癖が身に付いているせいか、今でも僕の撮る写真の50%がf4、30%がf2.8、15%がf8、そしてほんのわずかな残りのパーセンテージが他の絞り値だ。

僕にとってf4っていうのは、実に頼りになる奴なのだ。
f2.8のピントの不安から開放されるおかげで伸び伸びと写真が撮れ、望遠レンズだけでなく、広角でさえ距離を詰めればほどよいボケ味を得ることが出来る。
ピントのことだけでなく表現力という点でも、お隣のf5.6だとシャッターを切った後不安が残る撮影も、f4であれば、なぜかきっと大丈夫さ、という気になれる。
パンチのない表現をするf値だが、自然さが売りだ。
一目惚れする写真は撮れなくても、長い間付き合っていこう、と思える写真に仕上がる。
僕が持つレンズのほとんどは開放がf2.8なのでf4周辺はシャープで解像力も高い。
僕にとってf4はフィルムカメラの50mmレンズのような存在だ。
永遠のスタンダード、物事の標準、安定と落ち着きのオアシス、ああ、f4よ、君はなんて素敵なんだ。

「それでもお前はプロかぁ〜!」と怒られそうだが、カメラの操作は案外そういうもの。
ワンパターンな方法をとる分、露出や被写界深度のことであまり悩む必要はない。

例えば、天気の良い日の野外はいつもISO200に設定しているが、ストリートショットを撮ろうと思えばf8、シャッタースピード1/800、レンズはフィルム換算で28mmから50mm、ピントはマニュアルで1.5mか2mあたり、これで決まりだ。
このセッティングで街を闊歩すれば自分の目の前のちょうどいい距離で起こるできごとを自然な空気感と共にさくりと撮れる(晴天、順光で)。
ただただ、構図とタイミングだけ考え、シャッターを押すだけだ。
これが僕にとってもっとも自由な撮り方で、この大雑把な撮り方は仕事の写真でも多用する。
そして、この撮り方で撮った写真が新聞や雑誌などで使われる頻度がとても高い。

まばたきするように写真が撮れたらどんなにいいか。
そのためにはやはり「Simple is best」だろう。

あなたにもお気に入りのFストップがあるだろうか?

「f22です」と答える人は8x10カメラの使い手かもしれないし、「僕はf2だなぁ」と言う彼は女性のまつげのピントのシャープさに恍惚とするフォトグラファーかもしれない。

こんな話でここまで引っ張る僕も僕だが、「fストップ性格・相性判断」で盛り上がれる人は僕以外にも沢山いるだろう。むふふ。



















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写真はテキストと無関係、サーフィンの穴場として人気のある日曜のクリフトンビーチ。
サーファーたちの飼い犬がビーチで波と戯れるご主人様を待つ。
砂浜に転がっていた松ぼっくりを海に放り投げたのが運のつき。
「あしょんでぇ〜、あしょんでぇ〜、ぼぐだち退屈なのぉ〜」
ソーマとシオナ、たっぷり2時間犬たちと遊そんだ。
アプリコットがいたらよかったのに。














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by somashiona | 2009-09-24 23:53 | ソーマとシオナ

透明人間になる





写真をはじめた頃、僕はニコンFM2にモノクロフィルムを入れて毎日、毎日札幌のストリートショットを飽きずに撮っていた。
とにかく、一日最低一本と決めて、気が乗っても乗らなくてもシャッターを押した。
その頃の悩みはどうすれば自分が見たストリートの自然な空気、人びとの自然な表情を切り取れるか、ということだった。
カメラを持っている人が被写体のすぐ目の前にいるのに、それをまったく感じさせない写真、そういう写真を目指していた。

そんなとき見た写真集がドアノーだった。
1912年、パリで生まれ育ったロベール・ドアノーはフランスの日常を素晴らしい感性で切り取った人だが、そんな説明よりこの一枚を見れば皆「あぁ〜、これを撮った人ね」と言うだろう。








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この一枚はストリートショットの金字塔となる一枚であり、この写真に影響されたストリートフォトグラファーを量産しただけでなく、肖像権の問題を巡り、つい数年前もこの写真のモデルになったのは、僕だ、私だ、と言い出す者が現れるほど何かと物議を醸し出す一枚となった。

しかし、この写真はドアノーの素晴らしい写真たちの中のほんの一部でしかない。



彼のスナップショットの中には人間の物語がある。
何気ない一枚をよぉ〜く眺めれば、映画の一コマのようなストーリーを写真の中から読むことができる。








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そうかと思えば考えるまでもなく超シンプルに、そして超ストレートに僕たちに語りかける写真もある。








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こういう写真をパソコンのモニターで見ると、こんな小さなサイズでも、こんなクオリティのわるいモノクロの諧調でも(オリジナルプリントは美しいはず)そのことについて文句を言う気分にならない。
写っているものが確かなので、そんな技術的なことはどうでもよくなる。
デジタルカメラが進歩するにしたがって、そういう一枚がなぜか減っているような気がする。(だからフィルムの方が良いというつもりはまったくない)

彼の写真集を買ったとき、彼が写す子供たちの写真に心から憧れた。
子供が生き生きしていてドアノーが黒い箱を抱えて彼らを見ていることなどみじんも感じさせない。
このとき僕は本気で思った。

「透明人間になりたい」と。

ドアノーは透明人間だ、一体どうすればなれるんだ、、、。








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そんな悩みを繰り返しながら15年以上の時が過ぎた今、写真を撮るとき、透明人間になりたいとはもう考えなくなった。
なぜなら、透明人間にはなれないと分かったからだ。
これはやっぱりムリ。
それでも、僕の写真の中に感じる僕の存在は以前より何十倍も薄れていったと思う。
それは、ストリートのスナップショットは別として、特定の被写体を追いかけているとき、被写体と自分との距離が近づけば近づくほど僕の存在が薄れていくということが分かったからだ。
相手が僕を受け入れてくれれば受け入れてくれるほど、僕が被写体にレンズを向けているという行為はお日様の光が被写体に当たっているのと同じくらい自然なことになるのだ。

たぶんドアノーはそれを会った人たちに対し、瞬時にできる人だったのだろう。
人を撮るという写真の分野に置いて努力、研究しなくてはならないのは写真の技術よりむしろコミュニケーション能力だったりするのかもしれない。
いい写真を撮るために、もっと修行を積まなくては、、、。
















テキストとはまったく関係ないけど、子供つながりということで、久しぶりにミモちゃんの写真を!








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注)モノクロの写真はすべてロベール・ドアノー










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by somashiona | 2009-09-21 09:05 | 写真家

眺めのいい部屋





たしか大学生だった頃「眺めのいい部屋」という映画を観た。
しっとりしたとてもいい映画だった。
ストーリーや役者さんたちのことなど、詳しいことはあまり覚えていないが、鮮明に頭の中に残り続けたのはこのタイトル「眺めのいい部屋」だった。
何の変哲もないシンプルなものだけどこの「眺めのいい部屋」という言葉の響きが与えてくれる余韻みたいなものが僕はたまらなく好きなのだ。


タスマニアに住む7年の間、僕はホバートで5カ所の違う建物に住んだ。
東京のように窓を開けたら隣の家の壁に手が届く、みたいなことはないが、眺めのいい部屋に住んだことは一度もなかった。
今住む5カ所めのこのフラットにたどり着いて、僕はとうとう眺めのいい部屋を手に入れた。
このことにこだわってフラットを探していたわけではないが、実際に眺めのいい部屋に住むと心が穏やかになることを知った。
朝起きるとリヴィングルームにたくさんの光が差し込み、海が見え、山が見える。
気持ちのいい一日のはじまりだ。
雨が降っても綺麗だし、虹が出ようものなら日常の嫌なことも忘れてしまう。


しかし、最近これはオーストラリア政府の陰謀ではないか、と思いはじめている。
実は僕のベッドルーム、カーテンを開くといつでもオーストラリアの国旗がさわやかな風を受けてはためいている。
毎日、毎日、朝カーテンを開けるとまず最初に眼に飛び込んでくるのがオーストラリアの国旗なのだ。
僕はPR(パーマネントレジデンシー:永住権)をもってこの地で生きているが、オーストラリアのシチズンシップ(市民権、国籍)をとる気はない。
もしこれをとってしまうと日本国籍を失うからだ。
(多くの国では2重国籍を認めている。例えばイギリスで生まれ、オーストラリアに住む多くの人は両方の国籍を持っている。海外に住む者にとって国籍に縛られるのはとても不自由なことなのだ)


最近、目の前ではためくこの国旗を見ているとき、右手のこぶしを左胸の前においていることにふと気がつくことがある。
そして、時には心の中で「アドバンス・オーストラリア・フェア」や「ワルチング・マチルダ」を口づさんでいる時さえある。


日本では日の丸の問題がまだくすぶっているが、もし朝、僕のベッドルームのカーテンを開けると日の丸がはためいていたら、僕はきっと今よりも背筋を伸ばし、日本男児として今日一日を一所懸命生きようと思うかもしれない。


国旗の力、恐るべし。

















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本家本元オーストラリア国家。
君が代を歌えない人はかわりにこれを英語で歌って友達を唸らせよう!














国歌ではないのに、国歌以上の人気を誇り、子供から大人までこの歌をうたう時は目を輝かせ、穏やかな顔になってしまう一曲。
オージーのガールフレンドをモノにしたけりゃ、この曲を彼女の前で英語で歌おう!















オーストラリアに住んで以来このカンタス(英語圏の人間の前でこう発音してはいけません)航空のテレビコマーシャルを超える美しいCMを見たことがない。
このCMを見ると自分が住むこのオーストラリアの土地を誇りに思い、感極まって涙ぐんでしまう。
(大袈裟じゃなくて)





















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by somashiona | 2009-09-18 11:02 | デジタル

子供は外で遊ぶべし





新しいフラットに引っ越して、数日間は子供たちと地図を見ながら周辺を散歩した。
車で遠出する時、ソーマはいつもナビゲーター役をしているので地図は得意だが、シオナはこれからだ。
ベストセラーの本で「話を聞かない男、地図が読めない女」というのがあったがシオナには地図が読める女になって欲しい。


子供たちが僕のフラットに泊まりにくる週末、雨続きだった。
外が雨だとどうしても家の中での活動が多くなる。
僕の眼で見るソーマとシオナはどちらかと言えば家の中で遊ぶのを好むタイプだ。
いや、彼らに限らず、僕の知る子供たちのほとんどは家の中派じゃないだろうか。
僕が子供の頃はとにかく空が暗くなるまで外で遊んでいた。
夕食の時間に遅れて、またお母さんに怒られるなぁ、、、と思いながら家路を急いだ。
僕の時代は子供が一人で家から離れ遊んでいても(たぶん)問題はなかったが、残念ながら僕が今住む環境で子供たちがそうすることは許されない。
だからどうしても家の中での遊びが多くなるのだ。

僕の子供たちはプレイステーションやWiiといった類いのゲームを持っていない。
彼らの母親も僕も自分の子供たちにそういったゲームを与えることに反対している。
このことについては友人たちともよく議論になる。
いまじゃ僕の立場は完全にマイノリティーだ。
別にそれで遊ぶ人たちを非難するつもりはないが、自分の子供たちにはそうさせたくないだけだ。

週末の子供たちとの時間、もし僕の家にプレイステーションみたいなものがあったら、僕はどんなに楽だろう、と実は心の底で時々思うことがある。
特にしんどい仕事が続いていたり、体調が悪くてゆっくりと休みたい週末などは。
でも、遊ぶということはコミュニケーションをとることで、未知なる発見するすことで、作り出すことで、同じ経験を共有するということだと僕は思っているので、できるだけのことを子供たちと一緒にするよう心がける。
毎日一緒にいる親子じゃないのでなおさらだ。
子供を遊園地に連れて行ったのなら子供が乗り物に乗っている間ベンチに座ってビデオを撮っているのではなく、一緒にジェットコースターに乗って、子供と一緒に悲鳴を上げ、晩ご飯を食べている時にその話で盛り上がるべきだと思う。
子供だって心配事があり、悩みがあり、心が揺れたりするが、子供は大人以上にそういう気持ちを他人に打ち明けないものだ。
というより、人に話すことによって問題を解決するという術を知らないのだ。
だからきっと大人以上に苦しむだろう、あの小さな胸の中で。
子供たちと一緒に時間を過ごすことは、そういう小さな変化に気づいてあげる絶好のチャンスでもある。
そして何よりも、子供たちと一緒に何かをやり、経験を分ちあうことは、親である自分が何か大切なことを学ぶ時間であり、親であることの喜びを心から味わうことだ。

地図を眺めていたソーマが僕の住むフラットのすぐ近くにいい感じの林と散策道があるのを発見。
外は小雨模様だったがみんなで散歩にいこうということになったが、ソーマはあまり乗り気じゃない。
雨に濡れるのが嫌いだし、長引いた風邪のせいで体調もあまり良くなかったからだ。
彼の風邪は回復に向かっているし、子供の意見を100%受け入れるのは常に正しいという訳ではない。

ということで、強行軍!








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ソーマは機嫌が悪いけど








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シオナはまんざらでもない。








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人口約19万8千人のホバート。
知っているようで、まだ知らないところがたくさんある。
ウェストホバートから見下ろす町並みは僕の眼にとても新鮮に映った。








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そして家から10分も歩けばもう林の中。
そこには美しい自然がある。








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シオナがさくさくと前を歩きソーマは無言でついて行く。








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雨は上がり、雲の切れ間から光は射してきたが、ソーマの顔はまだ曇ったまま。








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シオナの顔は既に晴天。








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言葉少ないソーマの肩に腕を回し「ソーマ、この木、なんだかすごくセクシーだと思わない?」と話をふってみる。

「ダディ、どうしてこの木がセクシーなの?」

「いや、いいんだ、なんでもない、、、」

この話題で盛り上がるにはまだ少し若すぎるようだ、、、。








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次第にソーマがシオナの前を歩くようになり








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好奇心旺盛モードが点滅しはじめる。








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シオナもそんなソーマの雰囲気に気づいたのか木に登り、ジャンプし、活発モードのスイッチが入ったようだ。








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そうなると、もういつもの二人。








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フロッグポンド(カエルの池)という矢印を見つけ、その方向に歩いていくと、カエルの騒がしい鳴き声が聞こえてくる。
カエル発見合戦がはじまる。








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林の中を動物のように走り回り








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そしてまた、僕の住むフラットへ向かう。








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短い時間でたくさんのことを与えてくれる街ホバート、僕はこの街が本当に好きだ。
山と海に囲まれたこのコンパクトな街に住めて本当にラッキーだと思う。
この街は僕たちを幸せにしてくれる。








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ご覧の通り、ソーマの顔にもすっかり笑顔が戻った。








大人も子供も、家の中にいるより外に出て身体を動かすと、やっぱり何かいいことがあるようだ。
















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by somashiona | 2009-09-17 13:20 | ソーマとシオナ

夏の思い出、阿波の記憶 最終回






阿波と言えば、阿波おどり。
はじめて体験した。
阿波に住む人たちの遺伝子に阿波おどりは組み込まれている。
それをgreenさんの子供たちを見ていて強く感じた。
家の中でも、道路でも、河原でも、公園でも、子供たちはいつでも阿波おどりを踊っていた。
ちゃらちゃらと踊るのではない。
唇をしっかりと閉じ、視線は見えない他の踊り子たちに注ぎ、気合いを入れて踊るのだ。
阿波おどりの日が近づくにつれて、子供たちの胸が高鳴っていくのを感じる。
その高鳴りは一緒に過ごした僕にももの凄い勢いで感染し、おかげで予想以上の期待感とともに、阿波おどりの日を心待ちすることが出来た。

阿波踊り会館での観光客用の催し物で、見物している人たちに阿波踊りを踊ってもらい、上手く踊れた人に賞をあげる、というのがあった。
日頃の練習の成果を見せるべく、子供たちも踊りの輪に加わった。
一所懸命踊ったのに子供たちは賞をもらえず、お姉ちゃんは悔しさのあまり肩を震わせ泣いた。
デパートの食品売り場でアイスクリームを食べるまで泣いた。
このとき、この子たちはハンパじゃなく真剣なんだ、と思った。

ついに阿波おどりの日が来る。
徳島市が踊り手たちで溢れていると言っても大袈裟ではない。
何処もかしこも本当に踊り手だらけ。
見物人より踊り手の方が多いのでは?と思うくらいだ。

黙って立っているだけでも暑い日なのに街全体が熱狂する。
カメラを持って踊り手たちをしとめようとする僕も滝のような汗を流した。
ポカリスウェットがここで生まれたのも頷ける。

踊りをファインダーから見ていて、写真を撮るより自分も一緒に踊りたい、と思ったのはこの阿波おどりがはじめてだ。

「踊る阿呆に見る阿呆、おなじ阿呆なら踊らにゃそん、そん」

まったく同感だ。





夏の思い出、阿波の記憶の最終回はこの阿波おどりで締めたいと思う。
四国で撮った写真はまだまだ嫌になっちゃうくらいあるのだが、それらはまた別の機会にポツリ、ポツリと出すことにしよう。
ひょっとすると以前ブログにアップした写真もあるかもしれないが、今回は阿波おどりの写真を怒濤の勢いで、そして、もうやめてくれぇ〜と言われそうな枚数でアップしたいと思う。(86枚、最高新記録)


最後に、
greenさん、素晴らしい時間を本当にありがとう!

















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by somashiona | 2009-09-14 20:57 | 仕事

夏の思い出、阿波の記憶 #3









阿波では色々な人に出会ってたくさん感動をもらったが、一番インパクトがあったのはgreenさんのご両親だった。
お母さんは会ったその瞬間から僕に質問のマシンガンを浴びせ、10分後には僕の生い立ちから今の経済状況までだいたい把握していたと思う。
鋭い観察力と洞察力を備え、人生の荒波をくぐり抜けてきた貫禄がある。
お父さんは盆栽の職人さんだ。
盆栽を作るということは、1年365日しっかりそばにいてお世話をしてあげるということらしい。
その日の天候、枝葉の小さな変化を敏感に察し、水の量をコントロールし、丁寧に丁寧に育てる。
夕方、仕事が一段落すると釣り竿をもって吉野川に出かけ、鮎を釣る。
盆と正月以外この神聖な行為を欠かさないと言っていた。


僕がいつも恐れていることは同じ毎日を繰り返すこと。
仕事も、住む土地も、付き合う人たちも、同じことが繰り返されると感じた途端に息が出来なくなる。
そうやって僕は今まで転がり続けてきたし、たぶんこれからも見えない明日に向かって転がると思う。
それが僕の生き方で価値観だ。


けれども、greenさんのお父さん、お母さんに出会い、透明度100%の笑顔、仕事に打ち込む時の真剣な眼差し、鮎を食べる時の満足げな顔、盆栽の話をする時の確信のある顔を見て、僕は自分の価値観が揺らいだ。
お父さんに「どうしてそんなに幸せそうなんですか?」と思わず聞いてしまった。

「朝起きるだろ、一服して、美味い飯食って、コーヒーを飲むんだ。そしてまた一服して、それから盆栽やるわけよ。昼飯食って、コーヒー飲んで、一服して、また盆栽やるだろ、そしたら犬連れて散歩して、鮎釣りに行くんだ。家も土地も川も盆栽も母ちゃんも、何から何まで俺がよぉ〜く知っているものに囲まれて、よぉ〜く知っていることをいつものようにやるんだ。心の中には不安の欠片もないし、飯もタバコもコーヒーも美味いし、不幸せになれるわけないよなぁ」

「達観」というのはこのお父さんとお母さんのためにあるような言葉だ。
今更自分の人生を否定することはできないが、違う生き方の成功例を見るとなんだか羨ましくなる。
何処に住もうが、何で飯を食おうが、転がろうが転がるまいが、そんなことに関係なく、自分の行動に誇りを持って生きている人は、どこか揺るぎない強さと人を包み込む優しさがある。
その人が生きる空間、その人がいつも身に着けているもの、五右衛門風呂や歯ブラシ、飼い犬さえもが胸を張ってそこに存在している気さえする。
ロスやニューヨーク、シドニー、東京で住む人たちより、メキシコの田舎、ドバイのお店のおじさん、僕の住むタスマニアの農夫たちと話をしている時の方がそういう自分を信じて生きている人が持つ独特の強さと優しさを感じることが多い。
これは一体どういうことなんだろう?


僕は残念ながら、そういう強さや優しさを持ち合わせていないが、転がり続けることによって自分の価値観の外にいる人たちから学ぶチャンスは比較的多く持ち合わせている。
たぶんそのチャンスを生かして出来るだけ多くのそういう人たちと出会い、写真に収め、それをまた僕以外の誰かに伝えることが役立たずの自分が負っている役目のような気がする。

















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by somashiona | 2009-09-08 22:21 | 仕事

夏の思い出、阿波の記憶 #2



訪れた土地を知りたければそこに住む人びとを観察するといい。
阿波では人々の顔を見るたび言葉では言い表わせない安堵感に包まれる。
僕の前を通り過ぎる顔が高校の同級生ケンボーだったり、おばあちゃんの家の近くに住んでいた常幸おじさんだったり、子供の頃に通った駄菓子屋のおばちゃんだったりするからだ。
阿波には僕が子供の頃接した人たち、つまり今の日本ではなかなかお目にかかれない人たちがたくさんいる。
もちろん誰も彼も同じタイプの人だといっている訳ではない。
三角、四角、台形、菱形、かたちはそれぞれ違うけれど、なぜかみな角が丸いのだ。
昔マレーシアを旅したとき子供の頃に感じた、あの手放しの安堵感を味わったことがある。
その時と同じ安堵感を僕は阿波で感じた。
以前にもブログで書いたことがあるが、お年寄りが幸せそうな街はいい街だと思っている。
阿波ではお年寄りだけでなく、子供もヤンキーもデパートの食品売り場のお姉さんもお巡りさんも、みんな幸せに見えた。














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写真が多くてごめんよ〜。
絞りきれなかった〜。
まだまだたくさんあるんだけど、ど〜しよ〜!
















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by somashiona | 2009-09-02 21:08 | 仕事

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