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ライティング101









写真の分野にもよるが、新聞や雑誌などエディトリアルな仕事をする人間にとってスピードライト(フラッシュ)(クリップオンタイプのストロボ)を使いこなせるかどうかは死活問題だ。
特に近年、デジタルカメラ高感度のクオリティ向上やスピードライトのパワーアップにともなって、以前ならスタジオで使うような重いストロボを持ち込んで仕事をしなければならなかったようなシチュエーションでも、スピードライトを使って素早い仕事ができるようになり、フォトグラファーに求められるスピードライトのテクニックは高まってきている気がする。
スピードライトの使いこなしは実に奥が深い。
フィルム時代、スピードライトをオフカメラ(カメラから離して)で使う仕事はいつだってあがり(ポジフィルムが現像され出来上がること)を見るまでは胃の痛くなる種類の仕事だった。
実際、大切なカットがオーバーだったり、アンダーだったりで、何度悔し涙を流したか分からない。
スタジオ写真のように入射式の露出計でいちいち露出を測ってシャッターを切ることなど許されない仕事がほとんどだったので、スピードライトを使った光がどうなるのかは普段の練習と勘だけがたよりだった。

スタジオでストロボを使ったライティングの本はたくさん世の中に出ているが、スピードライトの使い方に関する本で実用的なものはほとんどない。
海外でもプロが集まって写真の話で盛り上がる時、スピードライトのテクニックは人気No.1の話題だ。
頻繁に活用し、かつ、その度ごとに悩みの種になるからだろう。
そんなプロやアマたちがとても頼りにしているウェブサイトがある。
すでに僕のブログで何度か紹介しているが、「STROBIST」  というサイトだ。
プロたちが実際のアサイメント(仕事)でどんなライティングをし、どういう写真を撮ったのか、そのメイキングを図や写真や動画を使って解説してくれる。
このウェブサイトの話題は全てライティング、特にスピードライトに関わることだ。
このウェブサイトの中でライティング101というセクションがある。
英語圏で101(ワンオーワン)と言えば初心者向けの教室やコースを意味する。
さすがにプロとして仕事をしている人たちにとってこのライティング101の内容は当たり前のものだが、まだスピードライトを使いこなしていない人、スピードライトの効果的活用法が分からない人にとっては眼から鱗だろう。

ちなみに、スピードライトに関して僕が質問を受けると必ずこのSTROBISTというウェブサイト、そしてその中のライティング101を紹介するが、僕のとっておきの情報を教えた後で、ためになったとか、感動したといった感想を一度も聞いたことがない。
ためにならなかったのか?
いいや、そうじゃない。
いかにも僕らしく、自分勝手に考えると理由は2つだ。
一つはテクニックを知りたい、知りたいといいながら、心底知りたいという情熱がないこと。(ほとんどの人たちの知りたいという情熱はその程度のものだ)
二つ目の理由はそれが英語で書かれていることだろう。
確かに、日本人にとって英語の壁は厚い。
ネットで調べることが出来るほとんどの事柄は圧倒的に英語のほうが情報量が多い。
何か一つ単語を入れてみて、日本語で100しかヒットしないものでも、英語では軽く1万はいく。
世界の情報をいつでも、どこでも手に入れる環境が整った現代でも、やはり日本人は日本語の中でしか動き回らないようだ。
まあ、たとえ英語で書かれていようとも、本当に知りたければ辞書を引きながら読み進めるだろうが。

話はいつものように横道にそれたが、今日の本題はこのストロビスト(STROBIST)のライティング101日本語訳ヴァージョンを見つけたことだ。
flickrで「東京ストロビスト」というのを偶然見つけた。(僕はflickrをやっていない)
そしてその中に「日本語版ストロビストライティング101」を発見。(PDFファイルをダウンロードする)
これを読んで撮影テクニックをワンランクアップしよう!













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スピードライトの話なのに、スピードライトを使わず、地明かりで撮っちゃったトニーの写真。
カメラにスピートライトが付いていても、その場の雰囲気を壊しちゃ意味がない。
何が最適なのか、頭を素早く回転させる。
















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by somashiona | 2010-04-27 18:40 | デジタル

ANZAC DAY(アンザック デイ)




今日4月25日はオーストラリア人にとってとても大切な日だ。
ANZAC DAY(アンザック デイ)という戦争記念日なのだ。
第一次世界大戦中の1914年、4月25日、オーストラリアとニュージーランドの兵隊がトルコで戦い多くの若者の命を失った。
当時オーストラリアはイギリスから独立(1901年)したばかりで、まだオーストラリア人としての自覚が薄かったが、この戦争を機に国としての結束が固まったそうだ。

オーストラリアに住み7年も経つが実は僕は一度もアンザックデイのパレードや式典を見たことがない。
今日が初めての体験だ。
アンザックデイのパレードではオーストラリアのソルジャーとして国のために死んでいった人たちだけではなく、過去に国のために働いた人、そして今現役で働いている人たちへ追悼と感謝の気持ちを送る大イベントになっている。

今日は子供たちと一緒だったのでベテラン(退役軍人)の人たちに声をかけ写真を撮りながら胸で輝く勲章の話を子供たちにしてもらった。
第二次世界大戦、ベトナム戦争、朝鮮戦争、湾岸戦争、、、一つ一つの勲章を手に取り孫たちの名前でも言うように教えてくれる。

戦争を経験しているとは一体どういうことなんだろう。
僕の知り合いの若く優秀なオージーはイラクへ行った。
数年後、彼が現地で機関銃を持った写真をFacebookで見た。
ティーンエイジャー特有の落ち着きのない彼の顔は、すっかり一人前の男の顔になっていた。

年老いたベテランたちが戦友と手に手を取り合って歩く姿を目にする。
家のソファから立ち上がるのがやっとのベテランも、この日だけは胸に勲章を付け、背筋をしゃきっと伸ばし立ち上がる。
どんな記憶が彼らをここへ寄せ付けるのだろう。
戦死した軍人の家族もパレードに参加する。
退役した父の車いすを押す、現役軍人の息子。
軍人たちに手を振る一般市民たちは「Thank you」という言葉を何度も、何度も投げかける。

アンザックデイ、日本人は家でじっとしているべきだ、という言葉を聞いたことがある。
僕たちはもろ敵国だったからだ。
僕たち日本人に父や愛する恋人を殺された人だっている。
僕は今この国のお世話になっている。
この国に住む人間の一人として、この国のために戦ってくれた人たちに僕も「Thank you」といいたい。

日本にも僕たち日本人のために必死で戦い、空や海や雪の中やジャングルで死んで行った戦士たちがたくさんいる。
どうして日本では国をあげて彼らに感謝する日がないのだろう。
僕たちは彼らのことなど忘れてしまったのか?

将来のソルジャー予備軍たちがニキビだらけの顔で行進する。
どの顔にも緊張の色が見える。
彼らの見つめる退役軍人たちの顔を僕はどう表現していいのか分からない。
できれば戦場に行くことのない人生を送って欲しい、と思っているのではないか。
それとも、若者よ、君たちがこの国をしっかり守るのだ、と思っているのか。

日本は今、米軍の基地をどこに作るかで大騒ぎのようだが、なんだか根本的に国に対する思いがズレている様な気がしてしかたがない。











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by somashiona | 2010-04-25 23:33 | デジタル

直子さんのトークイベントと妹&フミさんのスライドショー



さて、本日はお知らせです。



まずはじめは、僕の心の師匠トラベルジャーナリストの寺田直子さんが参加するトークイベントのお知らせです。
情報誌、タイムアウト東京が「旅」をテーマにTSUTAYA TOKYO ROPPONGIでフェアを開催し、その中のトークイベントで寺田直子さんが「LGBT」について熱く語るそうです。
LGBTって何か知ってる?
L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダーの頭文字をとったもの。
詳しい内容は直子さんのブログ、ハッピー・トラベルデイズを見て欲しいのですが、このトークイベントでは僕が撮影した『シドニー・ゲイ&レズビアン・マルディグラ』の写真を使ってくれるそうなのです。
僕も何度か「タスマニアで生きる人たち」で紹介していますが、マルディグラは本当に感動的なイベント。
人間が差別や偏見を越えて一つになろうとする時に生まれる超ポジティブなパワーは、僕たちが生きる世界の素晴らしさを再確認させてくれます。
直子さんからはじめて受け取ったメールがこのマルディグラの取材の依頼でした。
自分で言うのもなんですが、マルディグラのはじける魅力をしっかりと写し撮ることが出来ました。
お時間のある方はぜひ足を運んでください。
本当は僕も行きたいんです。



タイムアウト東京フェア・トークイベント『LGBTツーリズム』
会場:TSUTAYA TOKYO ROPPONGI
日時:4月24日(土)20時00分から21時00分まで(約1時間のトークイベントを予定)
料金:無料
ゲスト:東田真樹(コチ株式会社) 、寺田直子(トラベル・ジャーナリスト)、よしひろまさみち(ライター)
MC:透海零(元LGBTマガジン「yes」編集長、タイムアウト東京・LGBTセクション)
協力:ニューヨーク市観光局





もう一つは、僕の妹あゆみと彼女のパートナーフミさんのスライドショーのお知らせ。
徳島滞在中にテレビやラジオに出演し旅の魅力を語っている二人なのですが、ここのところ学校や企業内でのスライドショーの依頼も増えているらしい。
妹たちの旅は寺田さんの旅とはまったくの対極にある旅だ。
乗り物は一切使わず、ただただてくてくと歩く。
宿はテントか旅先で知り合いになった人々の家。
全国各地名産のおいしい食べ物を横目に飯ごうでコメを炊き、醤油をかけて食べるケチケチの旅。
でも、そういう旅でなければ味わえないことがある。
世の中の激しい流れに乗らない彼らのケチケチ旅はある意味贅沢だ。
その視点で何が見え、余裕のある心で何を感じたか、僕もぜひ話を聞いてみたい。
というより、僕もカメラを持ってそういう旅をしたい。
彼らがうらやましくてしかたがない。
そんな旅をしながらファインダーを覗いたらいったいどんなものが見えるのだろう。
どれくらい多くの出会いがあって、どれくらいの人たちの人生の一コマを写真に収めることができるのだろう。
あ〜、うらやまし。
同行できないかなぁ、、、。
四国にお住まいの方は(四国と一口に言っても広いのでしょうが)ぜひ足を運んでください。
詳しい情報はこちらの方で。
ただ歩いてゆく旅
フミさんのブログはこちら
歩き人ふみの徒歩世界旅行 日本・台湾編

妹とフミさんのブログを訪れた際はポチッとしてあげてください。



「歩き人ふみの地球を歩く旅~徒歩は旅を楽しむ最高の道~」

・日時;4月23日金曜日 午後19時~20時30分
・場所;ベンチャーゲノム事務所 
    高松市塩上町1-1-23佐藤ビル2F
・参加費(全額旅費カンパ) 1000円
 *お菓子・お茶など、私のほうでお接待します~
 *懇親会も考えているので、ぜひどうぞ!!
・お申し込み info@venturenogeme.com まで












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by somashiona | 2010-04-21 22:19 | 仕事

ナショナル・ペニー・ファージング・チャンピオンシップ




先日、ある方にタスマニアのアンティークショップについてのメールを書いていて、エバンデールという町のことを思い出した。
エバンデールはタスマニアの北の都、ロンセストン空港の近くにある。
通りに並ぶ建物の多くは1800年代のジョージアン様式、小さいがとても美しい町だ。
アートに力を入れている町で、年に一度行われるアートコンテスト、グローバープライズはタスマニアだけでなくオーストラリア中のシリアスなアーティストが獲りたい賞の一つ。
レストラン、アンティークショップもこんな田舎町に不釣り合いなほどハイセンスだ。
しかし、エバンデールの名物はなんと言ってもこの自転車。








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誰しも一度はテレビや雑誌などで見たことがあるだろうこの古い自転車、名前をご存知だろうか?
正直言って、僕はこの町を訪れるまで知らなかった。
ペニー・ファージングというのだ。








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こんなレトロな小さい町で、美しい女性がひらひらとこのペニー・ファージングに乗っていると、どこまでもそのあとを追いかけ、この町に骨を埋めようかとしまいには考えてしまいそうだが、この町の名物、「ナショナル・ペニー・ファージング・チャンピオンシップ」は決してそんな懐古主義的でユーモラスな催し物ではない。
老いも若きもこのレースに参加するものたち、皆半端じゃなく真剣なのだ。








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このペニー・ファージング、フレームは鉄製なのでかなりの重量、しかもサドルの位置はビビってしまうほど高い。
そして、決定的なのは、、、ブレーキがないこと。
なので、このレースを見るまではきっとそんなにはスピードが出ないものと思っていた。
しかし、、、








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参加した選手たちはもの凄いスピードで通りを突っ走る。
一瞬、ツールドフランスを見ているのかと勘違いしたが、この自転車を見て我にかえった。
アポイントメント無しで取材を申し込み、快くプレスパスをいただいた。(これが田舎のいいところ)
コースの脇にあるヘイ(干し草)の前でカメラを構えていると係の人たちが「危ないぞ、危ないぞ」とさかんに言っていたのを鼻で笑っていたが、僕は目の前を走り去るペニー・ファージングを見て、自分の態度を深く反省した。
これは、本当に危ないのだ。
この手のスポーツ写真は僕の分野ではないが、シャッタースピードを遅くして動きを表現することくらいは最低限しなければならない。
しかし、この表現に固執してしまうと気づいたときには同じような写真のオンパレードになってしまう可能性もある。
そういうときはその場から離れ、まったくタイプの違うものを撮るよう心がける。
そうすると町の人たちがレトロな衣装で歩いていることに気がついた。
この町、なかなかやるじゃないか。
好きになっちゃいそう。








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レースは様々なカテゴリーで行われる。
スプリント、障害物競走、団体戦、ファミリーレース、スラローム、年長者の部、少年少女の部、レースに参加する者も応援する者も皆本気だ。
いったい何が僕にそう思わせるのか、どんな種目をみても、どんな出し物を見ても、どの人の顔を見ても、清々しい気持ちにさせられる。








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激しいバトルの末、結局個人総合優勝をしたのは南オーストラリアから参加した24歳の青年だった。








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ナショナル・ペニー・ファージング・チャンピオンシップは毎年2月に行われる。
いつか、日本男児や大和撫子が着物を着て走る姿も見てみたい。








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雑誌オーストラリアン・サイクリストより
雑誌のテキストはギャビー












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by somashiona | 2010-04-19 23:52 | 仕事

好きな時間






「何をしている時間が好き?」とギャビーに聞いたことがある。

彼女は少し考えてから嬉しそうに笑って「外で洗濯物を干す時間」と答えた。

そういえば、彼女が洗濯物を干す場面に何度か出くわしたことがあるけれど、キラキラ輝くお日様の下、ギャビーはいきいきと嬉しそうだ。

物干竿がある緑の庭では、白いシーツやタオルが時折吹く風にはためき、清潔な洗剤の匂いがほのかに漂う。

ラウルが生まれてから洗濯物を干す回数がますます増えているらしい。

彼女の幸福も、その回数に比例するかのように日々、膨らんでいる。












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by somashiona | 2010-04-18 07:55 | 人・ストーリー

マジック









最近のシオナのマイブームはマジック。

「ダディ、ダディ、私のマジック見たい?」

「え、マジックなんて出来るの?」

「ちょっと待って」と言って口の中にあったチュッパチャップスのスティックを取り出し、自分の太ももに文字を書く、"Shiona" と。
「ダディ、ここにね、私の名前が書いてあるでしょ。でね、ちょっとあっち向いててくれる?」と言うので僕が後ろを向くと、その間に彼女は訳の分からない呪文を唱える。

「こっち見ていいわよ、ジャジャ~ン!」

足の文字が消えている。
僕が後ろを向いている間に自分の肌に唾をつけ文字を消す、僕も子供の頃にそうやって遊んだ。

「すごいね~シオナ、どうして消えたの?」と一応目を丸くしてみる。

「ふ、ふ~ん、教えな~い!」と言ってシオナは嬉しそうに笑う。

この日、彼女の体は文字だらけ、顔からつま先までヨダレだらけ。
こんど寝る前に「耳なし芳一」の話でもしみようか。














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by somashiona | 2010-04-16 21:29 | ソーマとシオナ

オーストラリア散髪事情




誰しも生理的に受け付けられないことが一つや二つあると思う。
例えば代表的なところでは、黒板に爪を立ててキィ〜ッと引っ掻くあの音や、マジックペンで何か書く時のあのキュ、キュという音を聞くと山海塾のダンサーのように身をくねらせてしまうという人。
タートルネックのセーター、マフラー、麦わら帽子の紐、恋人の唇など、どんなものでも首筋にまつわるものは苦手という人。
鉛筆、ナイフ、針、アイスピッカーなど鋭利なものの先端を見ると縮みあがる人。
鶏の皮にある毛穴を見ると貧血を起こす人。
人それぞれ弱点がある。
ここだけの話だが、僕の弱点はチョコレートに付いたままの銀紙を噛み締めてしまった時のあの感覚、お弁当の中のおかず仕切ったアルミホイルを噛み締めてしまった時のあの感覚、それが耐えられない。
考えただけでも体をくねくねさせてしまう。
そしてもう一つ、子供の頃から超苦手なのが髪を切るときスプレーでシュ、シュと髪に水を吹きかけられることだ。
その水が耳の後ろやもみあげの横を流れて、首筋に達したときにはもう白目をむきそうになる。
雨の日など髪の毛が濡れ、その滴が額や首にポタポタと流れるのもやはり嫌だ。
シャワーの後、着替えを済ませたシオナの長い髪がTシャツに触れて濡れているのを見ると背中がざわざわする。
とにかく、服を着ている状態で髪が濡れているという状況にめっぽう弱いのだ。
同じ弱点を持つ者を探し出そうと色々な人に聞いてみるのだが、まだ出会ったことがなく、残念ながら僕の苦しみを理解してくれる人はいない。

髪と言えば、床屋さんや美容室で髪を切った後、それが首筋や服の中に入ってチクチクするもかなり苦手だ。
この悩みはオーストラリアに来てからいっそう深刻になった。
オーストラリアでは一般的に髪を切った後、ブラシで首の周りや額に付いた髪をサッ、サッと落とし、鏡で仕上がりを見せられ、それでおしまいだ。
耳の中にも眉毛にもまつ毛にも、首の周りにもチクチクする髪の破片(そういう言い方するか?)でいっぱいだ。
散髪のあと、仕事中でも、食事中でも髪の中に埋もれている切った髪の短い破片が笑ったり、頷いたりするたびにパラパラと落ちてくる。
家に帰り、シャワーを浴びずベッドにもぐり込めば枕元はチクチク髪地獄になる。
どうして髪を切った後、頭を洗ってくれないのだろう?
っていうか、ひょっとして、洗わないのが普通なのか?
そういえば、アメリカでも洗ってくれなかった気がする。

床屋や美容室といえば、オーストラリアに来てまだ馴染めないのは、男子の髪を切るときハサミを使わないところが多いことだ。
あの道具をなんと言っていいのか分からないが、ブラウンやフィリップスの電気シェーバーのようなもので髪を切るのだ。
髪を切るとき必ず聞かれるのが「何番にする?」という質問だ。
はじめはその質問の意味が分からず「I have no idea」と答えると髪を切る人もかなり困った顔になった。
何番というのは電気シェーバーの刃の長さのことなのだ。
長い刃で切れば長い髪、短い刃で切れば短い髪。
最初の何回かは僕のイメージとはかなりかけ離れた番号を言ってしまったため、髪を切った後鏡で見せられた自分の顔が少年野球の補欠選手のようなスポーツ刈りでひどく驚くということが度々あった。
だいたいからして、あんなシェーバーで髪を切るのに技術も何もないだろう。
髪を切るたび、その雑な仕事に必ずガッカリさせられた。
何軒ものお店をまわり、やっとハサミできちんと切ってくれる美容師さんと出会った。
髪を切る時の集中力も、その技術も、明らかに今までの人たちと違った。
後で知ったのだが、彼は毎年行われる全豪ヘアコンテストでタスマニア州の業界を代表して審査員を務めている人だった。
彼の仕事は気に入っているのだが、問題がないわけでもない。
「今日はどんなヘアスタイルにする?」と彼が聞くと、僕は慌てて「どこにでもある、きわめてコンサバティブ(保守的)なスタイルでお願いします」と答える。
全豪ヘアコンテストの審査員でゲイの彼は40代の僕の髪をヒップホップのアーティストのような最新の、流行の先端のスタイルに仕上げたくてうずうずしているのだ。
彼にとっては自分を抑えたかなり大人しめのヘアスタイルで僕の髪を仕上げるのだが、それでもジェルをふんだんに使い、髪のあちこちを故意に立たせた彼の作品を鏡で見せられると、なんだか僕は自分が鉄腕アトムになったような気分になる。
それでも「いい仕事をしてくれてありがとう」と笑顔でお礼をいい、お店を出て彼の視界が届かないところまで歩くと、僕は前もって準備していた帽子を慌てて被り、鉄腕アトムヘアを知っている人に見られないようにする。
彼に髪を切ってもらう日はその後2時間は他の予定を入れず、そのまま家に直行し、ジェルを塗りたくり、丹念に作り上げてくれたアトム頭をシャワーの水で洗い流す。
いつもの自分に戻り、僕の苦手な髪の破片のちくちくもなくなったところで、僕はやっと安心する。

髪を切るだけなのに、こんなに苦労するこの国のシステムに、どうもまだ馴染めない。












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ウェディングのためのヘアメイクをする女性。
プロが仕事をしている姿は美しい。
ヘアピンを口にくわえる彼女の視線に心奪われ、少しの間、この日の主役が花嫁さんから彼女に入れ替わった。

写真の美容師はテキストと無関係です。








あ、そうだ!どうしても耐えられないこと、もう一つ。
ベタベタするもの。
ソフトクリームが手に流れベタベタ、テーブルの上がベタベタ、車のハンドルがベタベタ、誰かの子供の口元がキャンディーやアイスクリームでベタベタになっているのを見ただけで地面を転げ回りたくなる。
ベタベタしてくる女性は別です。
















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by somashiona | 2010-04-14 22:05 | デジタル

職人さんは早起き




どうしても終わらせなければいけない仕事が朝の4時にやっと終わった。
這いずるようにベッドに潜り込んだとたん深い眠りに落ちる。
ノンレム睡眠からレム睡眠に移行する、まさに一番幸福な時間、100枚くらい重ねたフライパンが一気にキッチンのタイルに落ち、そこら中に散らばるような音で僕がベッドから跳ね起きた。
泥棒が入ったのだと思い、僕はベッドの周りに何か武器になるものがないか探した。写真のライトに使うライトスタンドがベッドルームに一本立っている。
そのスタンドの先にはベースボールキャップが冗談のように掛かっている。
ベッドからそっと抜け出し、ライトスタンドを両手に握って静かに、静かにキッチンへと向かった。
そしてトイレの横を通り過ぎようとしたとき、バン!バン!バン!ともの凄い音がして僕は不意にしっぽを踏まれた猫のようにギャーと悲鳴を上げて飛び上がった。
次の瞬間天井から男たちの笑い声が聞こえた。
僕は何がなんだか分からず裸足のまま家の外へ飛び出した。
屋根の上にはショートパンツをはいた筋肉ムキムキの男たちが3人しゃがみ込み、金槌を持ってなぜだか笑いあっている。

「エクスキューズ ミー!あんたたちいったい僕んちの屋根の上で何やってんだ!?」
僕はかなり怒っていた。

するとトイ・ストーリーのバス・ライトイヤーのような顔をした男がゆっくりとした動作で立ち上がり、やはりバス・ライトイヤーがやるように両手の拳を腰に当て「グッドモーニング サー、今日もいい天気だねぇ」と片方の眉毛をつり上げ自信たっぷりの表情で言ったが、背中に翼はなかった。

「僕は天気のことなんて聞いてないよ!そこでいったい何をやってるのかって聞いてるんだ!」僕が明らかに怒った声を張り上げていたので他の二人も立ち上がった。
テンガロンハットを被っていなかったがもう一人の男はまるでトイ・ストーリーのウッディのようで、一番年上に見える残りの一人はミスターポテトヘッドに似ていなくもなかった。
ポテトヘッドのおじさんがグローブをはいたままの手で口ひげを触りながら僕に言った「あんたんところ天井から雨漏りしてたろ。今日から屋根を全て張り替えるんだよ。大家から聞いていなかったのかい?」

「なんだよそれ、ぜんぜん聞いていないよ、そんなこと!で、あんたたち、そのばんばん屋根を叩く作業は何時間くらい続くのさ?」どもう怒りが収まらない。
後で食べようと冷蔵庫の中に残しておいたケーキを誰かに食べられてしまった時と、安らかな睡眠の途中で起こされた人は、それがたとえダライ・ラマであっても不機嫌になるだろう。

「何時間じゃないよ、あんた。3日は続くよ、天気にもよるけどね」バス・ライトイヤーがまた腰に拳を当て僕に言った。
僕は彼の背中から電池を抜いてやりたい気持ちでいっぱいになった。

怒ったままキッチンに行き、水道水をコップ一杯飲んだ。
キッチンテーブルの時計は朝7時半を指していた。
ベッドに入ってから10分か15分くらいだと思っていたのにもう3時間以上寝ていたのだ。
それにしてもまだ7時半、寝ている人は僕以外にもいるだろう。

この話を友人たちにすると皆笑ってこう言った。
「オーストラリアではね、外で働く人たち、例えば大工さんとか、庭師とか、窓の掃除をする人職人さんたちのことだけど、だいたい朝の7時半くらいから仕事を始めるのが普通なんだよ。そして午後4時くらいにその日の仕事を終え、パブに行ってビールをいっぱい引っ掛けてから家に帰るんだ」

「朝の7時半から物音を立てたら周りの人たちの迷惑でしょう?」どもう納得がいかない僕。

「いや、それがこっちでは普通だから誰も文句なんて言わないさ」と友人。

結局屋根の修理は5日間続き、あまりの勢いで屋根を叩くものだから僕の家の中は天井の塗装がはがれ落ち家中ざらざら。
家の周りは引き抜いた古い釘、手元から転げ落ちた新しい釘、修理の材料が入っていたであろうビニール袋や段ボール箱、タバコの吸い殻、そして彼らが飲んだコーラの缶が散乱していた。
いつになっても彼らがその残骸を回収する気配はなく、同じ建物に住む隣近所の人にこれをどうするのかと聞くと、彼らは不思議そうな顔をして「どうするって、私たちが掃除するのよ」と答える。
タスマニアでは職人さんたちはとても忙しく、彼らに何か文句を言うとまともな仕事をしてもらえないので仕事を頼む方は職人さんを怒らせないように気を配る。
オーストラリアに住んでからもう7年以上経つが、こういう感覚にはまだどうしてもなじめない。










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写真は僕の部屋の窓から見えた職人さん。
僕の眠りをぶち壊したトイ・ストーリーの一味ではありません。








本日の登場人物




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バス・ライトイヤー氏(左)とウッディ氏(右)








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ミスターポテトヘッド氏








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by somashiona | 2010-04-11 23:06 | デジタル

定点観測







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一日に一度必ず考えることがある。
どうして精一杯生きられないのかと。
きっともっといろんなことが出来るはずなのに、どうして精一杯やらないのかと。
もし今僕が突然死んでしまったら、僕はきっともの凄く後悔するだろう。








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今のフラットに移ってから僕は何かと窓の外の景色を撮る。
リビングルームにパソコンを置いてあるので家の中で仕事をしなければいけないときはほとんどの時間をリビングで過ごす。
やっていることが煮詰まっているとき、ふと部屋の壁に強いオレンジや淡い紫の光が差し込んでいることに気づき、いつも手元に置いてあるカメラを持って窓の外にレンズを向ける。
いい写真を撮ろうだなんて気持ちはさらさらない、ただシャッターを切ればそれで気が済むのだ。








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朝起きてカーテンを開けると力強い太陽の光が窓の外に見える。
早朝の太陽が上がるあの瞬間ほど美しいものが他にあるだろうか。
一日の中で一番好きな瞬間だ。
朝の時点では僕の未来、つまり今日一日は希望に満ちている。
そして、たいしたお金にもならないのにやらなくてはいけない多くのことに取り組むうち、僕の一日の希望が消えていく。
劇的に何かが変わることなんてあり得ない。
満足を得たいのなら少しずつでも前に進むしかない。
いつもの場所から違う場所へと動かなければ何も起こらないことは知っている。
自分の人生を変えれるのは自分だけだ。








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ソルトアンドペッパーは相変わらずいつもの場所に留まっている。
家のリンゴの木から一つだけリンゴをむしり取りテーブルに置いた。








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いつも一緒のソルトアンドペッパーからソルトだけ引き離してみた。
何かに意地悪しないと均衡を保てない時もある。








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毎日毎日何かを作っては食べ、時間や温度を気にしながら、電球が切れれば取り替え、出来るだけ物事を整理しては、たまったものを外へ吐き出す。
心はそれを欲している訳じゃないけれど、その繰り返しがなければ生きていけない。








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窓から見る景色はいつも同じなのに一日として同じ光はない。
霧が立ちこめ先がハッキリと見えない朝、鉛色の雲から光が差し込み、虹の階段が希望を与え、真っ赤に燃えた空が明日はきっと今日よりいい日だよと微笑み、夜空に浮かぶ月は今日はもう何も考えなくていいからゆっくり寝なさいと囁いてくれていることに気づく。

自分の人生もこんなふうに定点観測が出来ればいいのに。








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定点観測の場所をマウントウェリントンから見たい方はこの写真やあの写真を!
















ちなみに、窓の外を見るとき僕は背筋を伸ばしまっすぐに立ち、両腕を体の前に垂らす。
こんな具合に、、、












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やれやれ、せっかくヒュー・ジャックマンで通してきたのに(誰も同意してくれなかった)突然ミーアキャットに(どういうわけか僕を知る多くの人が頷いている)降格されちゃった。涙
誰だー、言い出しっぺはー!怒
















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by somashiona | 2010-04-09 23:11 | デジタル

他人の写真にアドバイスするときの心理




写真についてのアドバイスをよく求められる。
人の写真をどうこう言う暇があるのなら自分の写真をなんとかしろ!というのが僕の現状なのだが、いかんせん写真が好きなので意見を求められるとついついそれに答えてしまう。
ただ答えるのではない。
自分で言うのもなんだがまるで何かがのり移ったかのように全身全霊で語りはじめ、勢いはどんどん増し、写真のアドバイスという範疇を遥かに超え、酷いときには人の生き方の話になる。
あまりに熱く語るためか意見を聞いている相手がどんな気持ちになっているかということにまったく気がつかない。
ほとんどの場合、酷い言葉のオンパレードに相手はかなり落ち込み、僕は「またやってしまった、、、」と猛烈に反省するのだが時すでに遅しだ。

いつも思う、写真の話になるとどうしてこんなに常軌を逸してしまうのだろうかと。
ちなみに写真に関して語りはじめるとき我を忘れる人を僕は今まで何人も見ている。
写真について批評をするとき人間の体内にはサディスティックな熱い血が流れるのではないか。
普通の人はSに、SのひとはドSにと言葉巧みに相手の写真を地の底に引きづりおろす。
写真の表現だけでなく、好きな写真家、フィルムの魅力、レンズの魅力、画像処理のテクニック、暗室のテクニック、フィルターワークなどなど、その人の得意分野のツボにはまる質問を一つでもしようものなら150くらいは間違いなく答えがかえってくるだろう。
語りだしたら最後、誰しもその分野のオーソリティになる。
ためしにライカをぶら下げているおじさんに「初めてのライカを手に入れるのならどれがいいですかね?」と聞いてみるといい。
最低30分はその場に縛り付けられるので、時間のあるときに試すべきだ。

僕のツボは写真家の話と仕事写真(特にエディトリアル)についての表現とテクニックという分野だろう。
特に仕事写真のアドバイスを求められたらいきなり星一徹に豹変する。
ギブスして写真を撮るべきだなどと言いかねない。(古いか)

写真のアドバイスも趣味としての写真や個人的作品に関するものにはあまり語るべきことがない。
それは何をどう表現しようと作り手の自由だからだ。

でも仕事の写真は違う。
仕事の写真にはハッキリとした目的がある。
その人の持つテイストは別として、プロとしてクリアしなくてはいけない最低限のラインというものがある。
そのラインが何なのかどこにもハッキリと明記したものはないが、その世界で仕事をする人なら誰でも分かるであろうハッキリとした線というものが確かにあるのだ。

写真学校時代はもちろんプロになってからも、必死になって撮った写真、自分では最高だと思っている写真を先生、同僚、仕事相手から手厳しく、徹底的に悪い点を指摘され、しょんぼりと肩を落とし何度家に帰ったことだろう。
幸運にもそれらの経験はとても役立っているが。
(虐待にあった人、イジメにあった人が後に虐待やイジメをするようになるのと同じ構造か?)
そういうことを言ってくれる人がいなくなると、次は自分の写真に対し心の中で徹底的に突っ込みを入るようにしなければならない。
自分の写真だけではなく、目にする写真全てに対して、何がいいのか、何が足りないのか、どうすれば良かったのか、他に何が出来たのかを普段から考えるようになる。
性格が悪くなるのも無理はない。
フリーランスで生きていると日々そういうことを自問自答しているので、生け贄が罠にかかると普段の自問自答を思いっきり爆発させてしまうのだ。
結局、写真についてのアドバイスは自分に対して発せられている言葉なのだ。
普段、自分にははっきりと言えない反省点、自分でやろうとしても思うように出来ないことを他人というスケープゴートを利用して思う存分爆発させているに違いない。
とても嫌な性格だ。

皆さん、プロのフォトグラファーにアドバイスを求めるときはくれぐれもご注意を!
僕にアドバイスを求めてしまった方、酷いこと言ってごめんよ〜!














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by somashiona | 2010-04-04 18:08 | デジタル

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