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上を向いて歩こうよ



どうも最近ダメだ。
写欲も湧かなければ、ブログ欲も起きない。
何を思おうが、何を書こうが、心の中から聞こえてくる声は同じだ。

「おい、お前、今日作ったインドカレーが美味しかったとか、信号待ちの時前に立っていたお姉さんのお尻が見事な♡型だったとか、子供たちとビーチで過ごした時間に癒されたとか、ポートレイトが上手く撮れないとか、相変わらず頭痛に悩まされているとか、それがいったい何だって言うんだ!そんなこと、今あの地で苦しんでいる人たち、必死で戦っている人たちの状況と比べたら、全部どうだっていいことじゃないか!お前、そんな事今語って恥ずかしくないのか!」

認めたくないけれど、そういう声が心の片隅から常に聞こえてくるのを僕は知っているし、それをかき消す心の動きがどこか僕を消耗させ、ふさぎ込ませる。
でも、カレーが美味しかったとか、ハート型のお尻とか、そういう小さな幸せが日々の生活の中にあるから、僕たちは眠たくても朝ベッドから這い出て仕事に行くし、体調がすぐれなくても子供たちとの時間を作ろうと努力できるんじゃないだろうか。
そういう小さな幸せが、僕たちの生きる、大切なエネルギーになっているんじゃないか。

Keep your chin up! 英語で「がんばれよ!」とか「くよくよすんなよ!」みたいな意味合いのフレーズ。
直訳すると「顎を上げ続けろ」「うつむくな」だけど、まったくその通りだ。
誰だかの言葉で口の両側を3ミリくらい持ち上げる努力を日々するだけで、実際機嫌が良くなる、という話を聞いたことがあるが、これはまんざらウソじゃないと思う。
坂本九だって♫上を向いて歩こうよ〜♬って歌っていた。
ハッピーになりたければ自分で努力するしかない。
自分がハッピーじゃなきゃ、他人をハッピーになどできる訳がない。
ハッピーな状態はどれだけ持っているか、なにを達成したか、他よりもいいか、などといったことではなく、心の持ちようだ。
どんな状況でも「そうさ、僕はまったくハッピーな奴だよ」と自分で思えれば、それでいいのだ。
上を向いて歩こう、白い鳩に糞を落とされても、上を向いて歩こう。












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モデルはマリちゃん。
彼女は上を向いて歩く才能に恵まれた子。
















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by somashiona | 2011-04-17 22:24 | デジタル

写真はやっぱりプリントだ




高校生の頃、僕を含めたいい子ちゃんとは言えない仲間たちが、いつものように友人宅でたむろしていた。
部屋の中は煙でもんもん、床にはポテトチップスやとんがりコーンがばらまかれ、ある者はギターを弾き、ある者は雑誌スコラやGOROを読みふけっている。
しばらくたってからいつものメンバーの一人が部屋に入ってきた。
普段は明るい彼なのだが、部屋に入ってきた時の彼の表情はどんよりと重たかった。
ただ黙りこくったままタバコを吸うだけで、口を開こうとする様子はない。

「なんだよ、パッとしねえな、葬式の帰りかよ」仲間の一人が彼にいった。

「さっきさ、俺んちで火事があったんだ、、、」煙がフィルターのすぐ近くまでせまった指先のキャビンマイルドから目を離さず、彼はそう答えた。

5本の指先にとんがりコーンを取り付けるのに夢中だった彼も、モーリスのギターで長渕剛の「順子」を弾いていた彼も、GOROのグラビアでセクシーな水着姿で微笑みかける河合奈保子に釘付けになっていた彼も、皆が一斉に遅れて入ってきた彼を見つめ「マジかよ、、、」と小声で呟いた。

「オレ、全然気がつかないで寝てたんだ。そしたら兄貴に叩き起されてさ、馬鹿やろ火事だ、起きろって」彼は灰皿にフィルターだけになったキャビンマイルドを押し付けて、またすぐに箱から一本抜き出した。
「もうさ、部屋も煙だらけで、一階に降りたら火の塊が吹きあげてんだ。兄貴もおやじも外に出ろ、逃げろ、って言うんだけど、オレ、どうしても部屋に引きかえして取りに行きたいものがあって、、、それで一度外に逃げたんだけど、また部屋に引き返したんだ」

学校では先生の話など真剣に聞いたためしのない僕たち一同は黙って彼の話を聞いていた。

「火が轟々と上がってんのに、部屋に行って、何を取ってきたんだよ」ととんがりコーンの彼が魔女のような手を膝に広げて聞いた。

「写真、今までのオレの思い出がたくさん詰まっているアルバムだよ。貯金通帳とか、ギターとか、野球のグローブとか、頭に浮かばなかった。無くなったらすっげえ悔しいと思ったのはアルバムだけだった」

その時、彼の身体がたしかに煙臭くて、おまけに髪の毛の先がパンチパーマのように縮れていることに僕は気がついた。

彼の話を聞いて以来、非常時に持って逃げるリストに写真アルバムが加わった。
しかし、スコラやGOROや、河合奈保子や柏原芳恵が誰か知らない世代の人達が自分の周りに多くなる頃になると、僕は写真アルバムというものを持たなくなった。
僕の子供の頃、少年の頃、大学生の頃、そういった頃の写真はおそらく実家の押入れの中にあるはずだが、僕が自分で生活をはじめてからの写真、とくに子どもを持ってからの写真はほとんどいくつかのハードドライブの中に入っている。
僕のハードドライブの中の写真の数はたぶん何万枚にも及ぶだろう。
プレッシャーの中で、気合を込め、身を削って撮った写真もたくさんある。
でも、それらの何万枚もの写真の中でどうしても失いたくない写真といえば、それはやはり子供たちの成長を記録した写真、家族や友人たちが写っている写真じゃないかという気がする。

今回、東北大震災の模様を伝えるメディアの報道で、早い段階から瓦礫の中で泥をかぶった成人式の写真や七五三の写真などが報じられているのを目にした。
それを見るたび、ああ、あの泥の中にばらまかれた写真たちを救うことが出来ないのだろうか、と思っていた。
最近のニュースを見ると、そういう写真を集め、綺麗に洗い、願わくば持ち主のもとへ返す作業が進んでいると知って、僕は嬉しく思った。
もう何年も前から世の中はデジタル、デジタルと躍起になっているが、こういう時に生き残るのが薬局のワンアワーラボでプリントした一枚数十円の写真だったりするところを見ると、プリントの大切さを改めて考えさせられる。
暗室作業を経験したことがある人ならわかると思うが、印画紙というのは水に濡れても平気だ。というか、現像液、定着液、停止液を水でよく洗い落とし、プリントが完成するのだ。
ここ最近、僕の関心はカメラよりプリンターにあるのだが、どんなに性能が上がったインクジェットプリンタでプリントした作品も、水に濡ればアウトだ。
アーカイブという意味で、自分の大切な写真たちをプリントし、写真アルバムにしっかりと収める作業を早く進めなければならない。
30、40年後に僕が死んだ後、子供たちが僕のハードドライブを発見し、そこから懐かしいダディとのキャンプの写真を見つけるとは今のデジタルの進歩を考えると、ちょっと想像しがたい。

今年に入ってから地味に進めている「友だちでいてくれて、ありがとう」プロジェクト。
撮った写真は深く考えず、とにかくプリントする。
ちょっとしたフレーム(額)に写真を収めると、安いプリントの写真でも、グッと格が上がる。
そして、それらをプレゼントすると、かなり喜ばれる。
街の電気屋さんやスーパーでの6X4インチの一枚のプリント代は、安くて9セント、普通でも15セントくらい。
9セントなら10枚プリントしても90円くらいということだ。
冷静に考えると、これほど確実で安い写真の保存方法はないのでは?

皆さん、写真はやっぱりプリントです。













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by somashiona | 2011-04-12 15:54 | デジタル

ダブ、幸せを運ぶ白い鳩



今年に入ってから僕の住むフラット(アパート)に鳩が住みはじめた。
僕は全然気がついていなかったのだが、子供たちが発見したのだ。
鳩は英語で「pigeon」(ピジョン)というが、僕のフラットに住みついたのは、そんじょそこらの鳩じゃない。
幸せを呼ぶ白い鳩だ。
この手の鳩を英語ではピジョンとは呼ばない。
ダブ(dove)と呼ぶ。(厳密にはピジョンとは違う種類の鳩)
そうあのシャンプーや石鹸のダブだ。
お肌にやさしい、クリーミィな泡立ちのダブを僕はタスマニアに来てからずっと愛用していた。
この幸せを運んでくれる白い鳩が僕のフラットに住みはじめてからというもの、いつどんな幸せが突然やってくるのかと、僕は毎日どきどき、そわそわと胸をときめかせている。
例えば、仕事から帰ってくると玄関の前にピンクのリボンをつけた大きな箱が置いてあり、開けてみると黒い編み編みのタイツを履いたバニーガールが僕にニッコリと笑いかけるとか。
若いときはお茶に茶柱が立っていると言って喜ぶおじさんやおばさんを見るたび「バカじゃないの」と思っていたものだが、白い鳩でこんなに毎日をウキウキ過ごせる自分を客観的に見ると、かなしいかな、茶柱で喜ぶのも、どうやら時間の問題と思えてくる。
あまりのウキウキのせいで、時同じくして玄関の前の木々の隙間にできた蜂の巣がさほど気にならない。
家から出たり、入ったりするたびに狂ったように飛び回る蜂たちが僕の頬やおでこにぶつかるのだが、今のところまだ刺されていないので放ったらかしにしているのだ。
屋根の端っこや、壁の突起物で羽を休める幸せの白い鳩くんを見つけるたび、僕はしばらく足を止め、目を細めて彼を眺める。
もちろん、僕のまわりでは蜂がぶんぶん跳び回るが、彼らの羽音も僕の幸せを邪魔できない。
時々、僕の視線を感じるのか、遠くを見ていた鳩くんが突然僕を見つめることがある。
鳩くんと目と目が合う瞬間、この一瞬がたまらない。
そんなときは、僕はどうしようもなくニンマリして微笑み、すぐに誰もそんな僕を見てなかったか慌てて確認する。
子供たちは僕に「ダティ、どう、いいことあった?」と訊ね、「う〜ん、今のところこれといった進展はないなぁ」と答えると、「このフラットにはダディの他にも5家族が住んでいるから、きっと他の人のところに幸福が行ってしまったんじゃないかなぁ」と彼らはどういうわけか嬉しそうな顔をして言うので「そんな縁起でもないこと言わないでくれ。滅多にないチャンスなんだから」と真顔で僕は反論してしまう。

待ちに待った幸せを手に入れた人は、かなり多くの割合でその幸せから苦痛を見つけ出し、そんなはずじゃなかったのに、と思いはじめる。

待望の赤ちゃんを授かったものの、連日の寝不足で機嫌が悪いママ。
口説き続けた女性を手にいれたものの、今度は自由がなくなったと愚痴る若者。
やっと手に入れた我が家、でもローン地獄でタバコやお酒をやめざるを得ないお父さん。
僕に幸福を運んでくれるはずの白い鳩くんは最近屋根裏への秘密の通路を発見したらしい。
冬に向けて日々冷え込みが厳しくなるタスマニア、鳩くんにとっても屋根の上よりは屋根裏のほうが遥かに快適だろう。
しかし、この鳩くん、夜中に屋根裏を動きまわる。
かなり激しく動き回る。
ちょうど僕のベッドの上が彼のベッドなのか、僕がベッドに入る頃、彼は忙しくそうに活動を開始する。
僕は無視して手にした本の文字に意識を集中するのだが、がさごそ、がさごそ、ぽろろろろ〜、この音になんども恨めしそうな顔で天井を見つめることになる。
今までは鳩くんを目にするたび幸せな気分になったが、セクシーバニーガールがまったく来る気配がない最近では屋根裏に猫アサシンを送り込んではどうだろうか?などという考えさえ浮かぶようになってきた。
いや、待て、早まるな、信じよう、幸せを運んでくれる真っ白なダブくんを信じてダブでシャンプーしよう。
今にきっといいことがある。










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皆さんのもとにも、幸せを運ぶ白い鳩がやってきますように。











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by somashiona | 2011-04-06 21:03 | デジタル

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