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我が家の定番、インディアン・カリー







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めんどくさい時に作る僕の定番量はカレーライスだ。
いや、正確に言えばなんちゃってインディアン・カリー。
「今日はカリー(カレー)だよ」と子供たちに言えば、彼らの頭に浮かぶのはこのインディアン・カリーであって、タイ・カリーでも日本のカレーでもない。
彼らは日本のルーで作るあのカレーをジャパニーズ・カリーと呼び、たぶんモスバーガーが好きなアメリカ人が「たしかに美味しいし、バーガーなんだけど、でも僕のバーガーの定義からは外れるよなぁ、、、」と思うのと似た感覚を持っているのかもしれない。
インディアン・カリーやタイ・カリーは彼らの家、友人宅、ホバートのレストランなどで何時でも食べれるが、ジャパニーズ・カリーは彼らにとって異国情緒たっぷりの特別な一品なのだ。






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話は逸れるが、大学生の頃、札幌の円山にある本格派イタリアンレストランではじめてトマトソースのパスタを食べたとき、それまでゲームが置いてある喫茶店や大学の学食で食べていたミートソーススパゲティやナポリタンとまったく味が違って驚いた経験がある。
一緒にいたガールフレンドに「これって美味しいけど普通のスパゲティと味が全然違うよね」と言うと、高級レストランに行き慣れていた彼女が不思議そうな顔をして僕を見つめた記憶がいつまでも鮮明だ。
僕にとってカレーといえば、やはりスキー場の食堂で蒸れたスキー靴を引きずって食券を買って食べる、あの「カレールーで作りました。別に特別なことは何もしていません」的なやつなのだが、残念なことにオーストラリアでは(タスマニアでは)スパイスで作るインディアン・カレーの方が日本のカレーライスより遥かに安上がりなのだ。






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インド人に会うたび「君の家ではどうやってカレーを作るの?」と必ず聞いてみる。
殆どの人はかなり熱を込めて彼らの家庭の味(彼らのおふくろの味)インディアン・カリーの作り方を教えてくれる。
彼らは本当に毎日カリーを食べているのだ。
ジンジャー、ガーリック、ターマリック、コリアンダーパウダー、ソルト、トマト(ホールトマトの缶)、カレーパウダー、ホットチリパウダー、オニオン、これさえあればあとはどうにでもなる。
肉があればチキンでもビーフでもラムでもよし、野菜と豆類だけでもよし、なんでもござれだ。
僕はサフランライスを使わず、オーストラリア産のミディアムグレインホワイトライス(標準的な白米)かブラウンライス(玄米)にカリーをかけ、プレインヨーグルトも添えて食べる。
一度つくると、ついつい食べ過ぎてしまう危険な食べ物だ。
子供たちがいないときは、翌日もカレーが続き、心なしか肌が黄色っぽくなっている気がする。
フライパンや鍋の周りが毎回見事に汚れてしまうのも困りものだ。
とくにターマリックは一度こびり付くとなかなかあの黄色い色がとれない。






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by somashiona | 2011-05-24 20:01 | デジタル

MONA、今タスマニアで一番クールな場所



昨年末から今年にかけて、人が集まればかならずMONAの噂話で花が咲いていた。
僕はちょうどその頃、多忙な毎日が続いていて、新聞もテレビもラジオにも接することがなかったせいか、タスマニアでMONAがどれほど大きな話題になっていたのか人々の話を聞いても実感が湧かなかった。

MONA、Museum of Old and New Artの略、そう、これは美術館だ。
タスマニアに住む、オーストラリアの大富豪、デイヴィッド・ウォルシュ氏が自らのアートコレクションを展示するために作った個人の美術館だ。
このデイヴィッド・ウォルシュという人物、様々な噂がいつでも巷を駆け巡り、どこまでが本当の話なのか、僕にはまったく分からない。
彼はプロのギャンブラー、ポーカーで稼ぎに稼ぎ、巨額の富を手に入れた。
一説によると彼は自閉症を持っていて、この病気を持つ人の何パーセントかに見られる特有の記憶力を持っているらしい。
ポーカーの最中、配られるカードを次から次へと記憶し、自分に有利な予測を立て、ゲームを進めるのだ。
皆さんは「レインマン」という映画を観たことがあるだろうか?
ダスティン・ホフマンとトム・クルーズ主演の素晴らしい映画だ。
あの映画の中で、お金に困ったトム・クルーズと兄である自閉症のダスティン・ホフマンはカジノへ行き、ポーカーで大勝ちする。
デイヴィッド・ウォルシュはまさにそういう人らしいのだ。

この美術館のオープニングパーティもなにかと話題になった。
通常、こういう式典のテープカットなどは政治家や著名人たちが、この舞台を逃すものかという顔をして目立った席にしゃしゃり出るが、このオープニングではそういった人たちは一般人と一緒にもみくちゃにされていたらしい。
100%私財を使って完成させたこの美術館、彼には何のしがらみもない。
政治家たちや有名人たちにしっぽを振る必要など無いのだ。
こういう時に使えるお金の力というのは、ある意味、クールだと思う。
式典では彼はスピーチを拒んだ。
その代わり、その時彼が着ていたTシャツには ""F○○k the art, let's rock'n'roll.''とプリントされていたらしい。
この美術館を訪れた人たちのほとんどは「アメイジング!」「オーサム!」「クール!」(素晴らしい)など感嘆していたが、「グロス!」(気持ち悪い)「ジャスト ポルノ」(ただのポルノでしょ)「キャント テイク マイ チルドレン ゼア」(私の子供は連れていけないわ)という声もかなり耳にした。










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2月になって時間がとれた僕は、遅ればせながらMONAを訪れた。
MONAはデイヴィッド・ウォルシュが持つワイナリー(ワインを作る場所)、モリラエステイトの敷地内にある。
車を駐車場に停めた後、青空の下に広がるぶどう畑の間を美術館に向かって歩いていく。
とにかく、表示や案内のようなものがほとんどなく、敷地内に入っても「美術館はどこ?」建物前に立っても「入り口はどこ?」と田舎から上京したおのぼりさん状態だった。ここは田舎なのに。
壁なのか、ドアなのかわからないアーティスティックな入口を入ると、マイケルジャクソンのバックで踊っているようなイデタチの人たちがたくさんいて、彼らが僕にiPod Touchとヘッドフォンを渡す。
「館内には表示が一切ありません。あなたが歩く周辺の作品、アーティストの情報は常にiPod Touchで表示されます。さらに詳しい情報が知りたければ、音声でアーティストのインタヴューや関連作品など様々な情報を得ることが出来ます。ところで、iPodの使い方はわかりますよね?」
恥ずかしがり屋の僕は、よくわかりません、と言えなかった、、、。










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この美術館は地下3階建てだ。
個人のコレクションを展示する、個人の美術館なのだから、大きさは知れているだろうと思っていたが、期待は大きく裏切られた。いい意味で。
中はもう別世界。
砂岩を利用した壁に囲まれた空間。
はじめてロスアンゼルスのユニバーサル・スタジオに行ったときのバックドラフトがテーマのあの空間で感じたような、いつ何が起こるのかわからない未知の緊張感みたいなものに包まれ、感性のアンテナがグルグルと回った。
展示作品がまた面白い。










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まさにNewとOldの混合なのだが、とくに新しいアートが光る。
国が持つ美術館のキュレーターなら絶対こういうチョイスはしないだろう、というデイヴィッド・ウォルシュの個人の好みが100%反映されている。
ミリオネアの彼がどれほどセックスと死の強迫観念に囚われているのかが痛いほどわかる。
この美術館の中には「子どもに見せるなら、親の責任のもとで」というエリアがあり、今回僕が一人でここへ来たのも子どもたちをつれてくる前に自分で確認しておきたかったからだ。
実際、そういうエリアの作品を見ると、僕的には十分面白いのだけど、子供にはもう少し大きくなってからかなぁ、と思えるものが数多くあった。
ある意味、ショッキングな作品がたくさんあるのだ。
もちろん、こういう作品はブログでも見せられないが(この美術館、フラッシュを焚かなければ写真撮影OK)、それは十分見る価値のあるものだった。
というか、こういう作品はなかなか他の美術館じゃお目にかかれないと思う。










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この美術館の中にはもちろん写真のプリントも作品として何枚か展示されている。
いつも思うのだが、こういうアート作品の中で写真というのはなんだかパッとしない存在だ。
日本では人気のロック歌手が海外の音楽祭で大物アーティストに囲まれたとき、その輝きが失せて見えるのと、何だか似ている。
こういう作品たちと張り合える写真とは、いったいどういうものだんだろう?
ジョエル=ピーター・ウィトキンの写真ならMONAできっと十分に張り合えただろう。


彼はこの美術館を「大人のディズニーランド」と呼んでいるらしいが、これは彼の桃源郷だろう。
2度目は子供たちを連れてきた。
アダルトなエリアには近づかないよう気をつけて歩いていたのだが、僕たちが歩く通路に白い帆立貝の貝殻のようなものがたくさん並んでいるのに気づき、よく見てみるとそれは全て石膏で型をとった様々な女性の本物の女性器だった。
「あれっ、ソーマ、シオナ、あっちを見てごらんよ!あそこに何か面白そうなものがあるよ!」と彼らの視線が違う方へ向くように、冷や汗ものでその場を切り抜けた。(どうして美術館でそんな苦労を、、、)
もう一度一人で来て、白い石膏の中からお気に入りを見つけることにしょう。

とにかく、いろいろと言われているがデイヴィッド・ウォルシュ、実に素晴らしい物をタスマニアに作ってくれたと思う。
入場料は無料。
僕が訪れたときはまだ建設中だった美術館の中の美術書専門のライブラリーも完成したらしい。
快適な空間で、快適なソファーに座りながら、心ゆくまであらゆる美術書を眺められるなんて、夢のような話ではないか。

タスマニアを訪れる機会があったら、ぜひMONAに立ち寄ってほしい。
ここは間違いなくタスマニアで一番クールな場所だ。










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by somashiona | 2011-05-19 18:04 | デジタル

The TED Prize 2011 winner

オージーのフォトグラファーから絶対に見なさい、とおすすめ動画のアドレスが送られてきた。
数時間前に見てみて、あまりにも感動したので、皆さんにもぜひ見て欲しい。

前にも一度ブログで書いたが、何年か前から自分の写真の表現方法はフレームに入れて、壁に飾るタイプではないと考え続けている。
もっと多くの人が体験できるような写真の見せ方ができないものだろうか、と考えている。
この動画を見て、やられた!と思った。
写真には写真にしか出来ないことが、まだまだたくさんあると思った。

かなり雑で強引な訳だが、動画の中の話を全て日本語に訳してみたので参考にして欲しい。











2011 TED Prize Winner : JR



























ジェーアール、彼の28ミリプロジェクトについてのインタヴュー

こんにちは ジェーアール

やあ、こんにちは

ちゃんと聞こえるかい?

なんとかね

オーケー、君は今大きなプロジェクトを進めている最中だよね
その「28ミリプロジェクト」っていうのがどうやってはじまったのか、聞かせてくれるかな?

2004年、パリの郊外にあるClichy Montfermeilってところに行ったんだ。そこに住む移民たちを写した大きな写真をのりで貼り付けるためにね

その一年後の2005年、そこから暴動がはじまって、その暴動で最初に燃やされた車が僕が貼りつけたあの写真の前だったんだ。そんなカタチで僕のアートが突然にメディアで注目をあびることになったんだよ

それから、2006年に僕はカメラに28ミリをつけてまたあのパリの郊外へ出向いたんだ、彼らと信頼関係を築いた上で写真を撮るためにね

そこで移民たちにパリの人たちが彼らに抱いているイメージを少し大袈裟に演じてもらって、そのポートレイトを撮ったんだ

それから、僕はそれらの写真をパリの東部や、パリでブルジョア的人達が住むエリアに貼り付けはじめた

それからは次第に、メディアでよく見かけるけど自分の生活とは無縁の移民たちが、僕たちの家を訪れて、ドアをノックするような身近な人たちに感じ始めるようになったのさ だって、彼らの顔が写っている写真には名前、年齢、そして住所さえのっているんだもの

移民たちの暴動が報じられた同じメディアを見ていると、毎日、毎日中東の紛争が報じられているんだ

それで、友人のマルコと、そこでいったい何が起きているのか、自分たちの目で確認しに行こうじゃないか、という話になった

僕たちが持つフランスのパスポートではイスラエルとパレスチナの両方へ実に簡単に行けて、そうこうしているうちに、僕たちこそ、イスラエルとパレスチナに住む人達を写真に収めて、その人達の顔を両国の壁にのりで貼り付けるべき人間なんだっていう気に気がついたんだ

イスラエル人だけとか、パレスチナ人だけではこのプロジェクトは決して成し得なかった

イスラエル人の教師を撮れば、パレスチナ人の教師も撮り、タクシーの運転手、学生たちも同じように撮影した

イスラエル人には彼らがメディアで目にするパレスチナ人のイメージを、パレスチナ人にはその逆をそれぞれ表現してもらい、僕たちは一人ひとりを写真に収めた

それから僕たちはその写真を相手の国の壁に貼り付けたんだ。許可もなくね

正直言って、僕たちは誘拐されたり、警察に捕まったり、国外退去という事態に追い込まれるんじゃないかと思ったけど、結局しっかりと日焼けまでして家に帰って来れた

ラマラ(パレスチナ自治政府の事実上の首都)に住む男がイスラエル人の顔の写真を彼の家や表のドアに貼り付けるなんて、ちょっと想像できないでしょ?だって、毎日彼はどうしてそんなことを受け入れたのかたくさんの人に説明せざるを得なくなるだろうし

本当のヒーローって、どこか特別のところじゃなくて、彼らはすぐそこの通りの、意外にもあなたの身の回りにいるもんなんです

中東では美術館などというものが自分たちの周りにまったく無い人達の前に自分の作品が晒されていることに気がついた

シエラレオネ、リベリア、スーダン、もしくはケニアだったかもしれないけど、アフリカでプロジェクトをはじめようとしたとき、街の通りを男達が牛耳っていて、それが僕には問題になるだろうってことが分った

だって、へたすれば彼らが僕の作品展のキュレーターになることだってあり得るんだから

それで、僕は被写体として女性を選ぶことにした。なぜって、女性はその社会の状態そのものを表しているでしょう

僕は通りでそんなポートレイトの被写体になるべく人たちに出会いたかった

僕はそんな日常のヒーローになり得るたくさんの女性たちを探しはじめた。そして写真に撮り、彼らの住む街に貼り付け、被写体のそれぞれの物語を解き放った

僕は被写体が持つ彼らが知らない別の一面を彼ら自身に見せたかったんだ

それから僕は他の国へ行き、同じような方法で被写体を見つけ、彼女たちを引き立たせた

ケニアでは写真の素材をビニールシートにして屋根に貼り付けてみた。そうすることによって彼らの家を雨から守れるから

僕のプロジェクトが行われた様々な場所で、人々はそれぞれの興味や関心を発見したようだ

ケニアやブラジルのような国での人々との出会いや経験はとても強烈で、またこの国に戻ってきて、この人達と繋がり続けたいという気持ちにさせられた

また戻ってきてプロジェクトを継続させたいと思わせる国はもっとたくさんある、なぜって、このプロジェクトが立てた波の余波がプロジェクトを終えた後でもまだ寄せ続けているのがわかるから

僕が貼りつけた写真って、時間が経てばやがて朽ちていく紙切れだけど、でもそのイメージはいつだってみんなの記憶に残っているんだ

世界を変えようっていうわけじゃなくて、ただブラジルやカンボジアのスラム街に住む人達の笑顔を見るとき、なんだか、自分の目標が達成できたような気分になるんだよ












ここでJRさんのスピーチが見れます。
JRのTED Prize wish:アートを通して世界をひっくり返す










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by somashiona | 2011-05-12 21:34 | 写真家

27枚の写真


写真を失ってしまったフォトグラファーの話を過去に何度も聞いた。
一番多く聞くのが火災や自然災害だ。
タスマニアで最も有名な写真家のピーター・ドンブロンスキーもタスマニアの歴史上最悪のブッシュファイアー(山火事)で多くのネガを失った。
デジタル時代に入ってからはやはりミスや故障によるデータの喪失が多いだろう。
この手の話は身近なところで腐るほどあるが、殆どの場合、「バカだよなぁ、もっと気を付けていればよかったのに。まあ、僕にはそんなこと起こらないけど」と思ってすぐに忘れるだろう。 
それは写真家がもっとも恐れることであるが、一方で写真を失ってから心も体も軽くなったというフォトグラファーも決して少なくない。
自分が積みあげてきた写真たちにがんじがらめに縛られ、それが未来のより良い写真のための大きなネックになっていることに気がついていないフォトグラファーが意外に多い。
より良い写真を撮りたい、とう強迫観念にも似た思いにとり憑かれ、過去に撮った全てのネガをハサミで切り刻んでしまった話。
写真たちは写真家にとって日記のようなものでもある。自分が死んだ後、それをかってにいじくられ、知らない人間にプリントされ、写真集などにされることには耐えられない、と全てのネガを暖炉に突っ込み燃やしてしまった有名な写真家もいる。
モノをつくる人間にとって、一番情熱を注ぐ対象は、いま取り組んでいる作品だ。
どんなに過去に素晴らしいものをつくろうが、つくり手にとっては、それは単なる過去でしかない。
しかし、写真の特性は過去を積み重ねることでもある。
過去の積み重ねが自分の設定したラインを越え、まとめられ、その行き先やカタチが決まったところで、はじめて写真たちは意味を持ち、待ちかねたように羽ばたく。
未来と過去のバランス、どちらに重きをおくのかは写真家次第だ。
僕は、未来に重きを置かざるをえない。

写真を失ってから沢山に人たちに「なるほどな」と唸ってしまうような言葉を頂いた。
また、面白いエピソードも色々と教えてもらった。

「人生、死ぬこと以外は、すべてカスリ傷」(千鶴ちゃん)

「デジタルを使いはじめてから2008年まで、君は昏睡状態だったんだ。ほんの6,7年の話じゃないか。これからその時間を取り戻せばいい」(ピーター)

「家族の思い出は写真を無くしても心に残るが、未発表の自分の作品が思い出に残ってもしょうがない」(相原さん)

うん、それぞれキャラクターが表れている。

データを失ったとき、「想定外だった」という言葉が頭に浮かんだが、そんなことはやはり言ってはいけない。
東電の社長さんも。
かたちあるものは全てなくなることなど、誰もが知っている。

とにかく、こんなこと、今回の地震で大切なものをなくした人たちと比べれば、屁でもないだろう。
そう、屁でもない。(、、、号泣)































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by somashiona | 2011-05-09 20:20 | デジタル

写真たちよ、さようなら



ついにやってしまった。
2008年より過去のデジタル写真をほとんど失ってしまった。
フォトグラファー失格だ。

未来の写真展のために何年もかけて撮りためていた未発表の写真たち。
プロジェクトとして多くの人の協力を得て、積み上げてきた写真たち。
子供たちの成長の記録。
家族、友人たちとの楽しかった時間。
何気ない日常の一コマ。
すべて永久に帰らない。
再び君たちを見ることができない。                                                 
僕の大切な写真たち、僕の可愛い写真たち、さようなら。
僕のハートには大きな穴がポッカリと空いてしまったけれど、まだ死ぬまでに失ってしまった以上の写真が撮れるだろう。

しばらくはこのことについて愚痴るテキストが続きそうな気がする。
愚痴っているうちに傷口はかさぶたになり、しまいにそれがどこにあったのか見えなくなるかもしれない。
それまで、僕の泣き言に付き合ってくれるとうれしい。

かろうじて残っていたjpegの写真で顔をテーマにスライドショーを作ってみた。
これからは、撮った写真を放っておかず、こまめにまとめるマメな男になろう。
そういえば、高校時代の友人にとってもマメなマメ夫くんという男がいたな。
もちろんあだ名なんだけど、もう本名はすっかり忘れてしまったし、顔もなんとなくしか思い出せない。色んなものが削ぎ落とされて、結局残ったのがマメ夫くんというあだ名だけ。
僕の手元に今残っている写真も、きっとマメ夫くんと同じようなものなんだと思う。

























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by somashiona | 2011-05-07 00:32 | デジタル

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