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映画観て、泣いてしまったオヤジ



あんなに大好きだった映画、オーストラリアに移住してから全然楽しめない。
どんな映画も観終わった後は「ああ、時間の無駄だったなぁ」という気持ちになる。
死ぬほど映画を観た20代はゴダールやフェリーニ、ジム・ジャームッシュやレオス・カラックスなどちょっと???的な作品が好きだった。
此処へ来てから映画を楽しめないのは、思うに、英語がしっかりと理解出来ないからなのだという気がしている。認めたくないが。
ここオーストラリアにおいて、僕はすべての会話を「大意」として捉え、言葉のはしはしに隠されたニュアンスやジョーク、皮肉などはつかんでないのだと思う。
要するに、そこまで聞き取れる英語力がないのだ。
その点、本はいい。
分かるまで、納得がいくまで、何度でも繰り返し読み、考えられる。
よくいろいろな人から僕のブログの英語版もやればいいのに、と言われる。
あんなシンプルで、ストレートな言葉を綴った僕のブログの文章ですら、英語でしっかりと言い表す自信はない。
たとえ出来たとしても、今の5,6倍の時間は間違いなくかかると思う。

結局、映画を観て面白かったと思えるのは、かなしいかな分かりやすい作品に限られてくる。



で、本題に入るが、最近「We bought a zoo」(邦題は幸せへのキセキ)という、マット・デイモンとスカーレット・ヨハンソンの映画を観て大泣きしてしまった。

主役のマット・デイモンの子供たちへの態度、生きていく姿勢にすっかりとやられてしまった。
そんなことを言うと「何て単純な男なんでしょう」と思われそうだが、子供たちへの態度は自分の生きる姿勢であり、生きる姿勢というのは、結局とても単純なものなのだという気がする。
子供たちにはとにかく姿勢を見せていこう、と常日頃思っている僕、ぴったりチューニングが合ってしまった。
オヤジになると忘れてしまうとても単純なことに「勇気を持って行動を起こすこと」があると思う。

この映画で最も輝いていたのは、父親役のマット・デイモンが息子に対していう言葉だ。

“All you need is 20 seconds of insane courage and I promise you something great will come of it”

(20秒間の馬鹿げた勇気を持つこと、必要なのはそれだけなんだ。いいかい、約束するよ、そうすれば必ず凄いことが起こるって)

いいオヤジがそんな言葉を信じるの?と言われれば、「もちろん」と答えるし、子供たちにもそういう方向性のことを言い続けたい。



この映画、登場人物たちが実に魅力的。
スカーレット・ヨハンソン、とろけるように素敵な女性だ。
彼女に言い寄られたら、僕はなんの躊躇もせず愛の奴隷になります。
(言い寄らない、言い寄らない、、、)
マット・デイモンの娘役、ロージーと呼ばれていた女の子がとてもいい味出していて、可愛らしかった。

ところで、このマット・デイモンという役者、特にハンサムというわけでもなく、オーストラリアなどでは本当にそのへんを歩いていそうなタイプの男性。
以前、インタビュー記事か何かで彼はこんなようなことを言っていた。

「同じくらい稼いでいるブラッド・ピットは一歩外に出るとパパラッチの標的になるけど、僕が野球帽とTシャツ、サングラスなしで歩いていても誰も気づかないんだ。ホント、ラッキーだよ」

「グッド・ウィル・ハンティング」という映画で僕は彼が好きになった。
「オーシャンズ11」でジョージ・クルーニーやブラッド・ピットにまったく引けを取らず、「ボーン・アイデンティティ」では意外とアクション映画でもカッコイイということが判明した。
どうして一見普通に見える彼がカッコいいのか、、、たぶん、彼の目には強い知性が感じられるからだと思う。
これは見た目がパッとしないオトコたちには、目指すべき朗報だろう。笑
男は顔じゃない、知性だ!(マットくんがこれを聞いたら怒るだろうか、、、)


「We bought a zoo」(邦題は幸せへのキセキ)(どうして邦題はこうなっちゃうの?)、機会があったら観てください。
ハンカチ、ティッシュペーパーは忘れずに!














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本日の一枚はサンディ・ベイの誰かの家




















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マット・デイモン










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スカーレット・ヨハンソン (ああ、なんて美しい、、、)










We bought a zoo
















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by somashiona | 2012-04-24 17:16 | デジタル

セントクレア湖国立公園で修行を(後篇)







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恐らく、足がつって夜中に何度も目覚めるだろう、という予想はいい意味で裏切られ、朝の6時半までぐっすりと眠った。
夜中から朝にかけて、外の温度は7度前後だったはずだが、寒さはまったく感じなかった。
僕が目を覚ましたとき、子供たちはもうすでにテントの中でクスクスと笑い声を上げ、完全にお目覚モード。






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さっそく、まだ少し薄暗いテントの外に出て、朝食の準備をする。
湖の水を汲んでくるのはシオナの仕事。
水の中に落ちたりしないよう、念の為に僕もついていく。
僕は見損なったが、子供たちはこの湖でカモノハシを目撃したようだ。
湖の水に手を入れると、痛いくらいに冷たい。
3分間沸騰させてから、飲み水や調理用の水として使う。
この朝、ソーマは料理係。
といっても、粉末のスープ、バナナ、ミューズリーバー、昨夜同様オリエンタルライス、フルーツミックスサラダ、ホットチョコレート&コンデンスミルク、インスタント・カプチーノというメニューなのだが。






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昨日の歩きは2時間半の予定が結局5時間かかった。
今日の歩きは2時間の予定、ということは4時間くらいかかる可能性がある。
たくさん食べて、できるだけ体力を保存し、同時にたくさん食べて、できるだけ荷物を軽くしたいところだ。






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昨日は修行のような歩きで、楽しむどころではなかったので、この日、帰り道を歩く前にバックパックなしで歩きを楽しもうということになった。
目指すはリトル・ヒューゲルという1275mの山。
シオナは楽しみにしていたスケッチブックと鉛筆を、そしてソーマはカメラを、、、とここで問題発生。
カメラのバッテリーを2本準備したソーマだったが、フル充電したにもかかわらず、カメラに入れたとたん電気切れになる。
古いバッテリーだからだ。
こんなに苦労してここまでカメラを持ってきたのに、写真が撮れないなんて、、、。
ソーマ、かなり凹む。
どんな高価なカメラもレンズも電池切れならただの重たい箱と筒。
この経験、もちろん僕にもある。
電池、コンパクトフラッシュは絶対に余裕を持って撮影地に向かわなくてはならない。
重たい荷物を背負ってここまで来たソーマはかなりガッカリしていたが、彼がとてもいい経験を早い時期にできて、僕はとても良かったと思った。
シャドー湖沿いをリトル・ヒューゲルに向けて歩く。
天気良し、重たい荷物も無し、足元はボードウォークが続き快適このうえない。
昨日とは打って変わって、僕たち3人はスキップをするように笑顔で歩く。
(僕はすでにひどい筋肉痛だったが)
楽しい会話がずっと続く。






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「ダディ、あのね、今朝茂みの中でウンチしたでしょ。する前はね、お尻に草とかがチクチクしたり、蛇やハチがくるんじゃないかと思ってちょっとイヤなんだけど、でもね、大きいウンチをした後はとっても気持ちが良くて、なんだかね、自分もこの森に住む動物になったような気持ちになるの。自然の中ってすっごく気持ちいいよね」とシオナ。

「そりゃそうさ、トイレに行きたくなることを”ネイチャー イズ コーリング(Nature is calling)”っていうくらいだからね。で、ウンチはそんなに大きかったの?」と僕。

「ダディ、ブッシュウォーキングで一番気持ちがいいことはね、森の中の空気と匂いがいつもとぜんぜん違うことなの。これが身体にたくさん入って来れば来るほど、とっても気持ちが良くなるの」とシオナ。

この感覚、まったく僕も同感だ。
シオナの年でもそういうふうに感じるなんて、ちょっと意外だった。






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シャドー湖を通りすぎると、次はフォーゴットン湖。忘れ去られた湖という意味か?
この湖も小ぶりだが綺麗だった。






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ソーマは写真を撮りたい衝動を抑えきれず、自分のスマートフォン(アンドロイド)で写真を撮りはじめる。
シオナは相変わらず色とりどりの木の実を集め、アートしている。






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途中、綺麗な小川のせせらぎを見つけ、僕たち3人は手ですくいその水を飲む。
冷たくて、たまらなく美味しい。
「どんな味?」と聞かれたら、「自然の味がする、タスマニアの味がする」としか言いようがない。
一つだけ持ってきた水筒に、さっそく水を補給する。






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ソーマは完全に写真撮影モード。
シオナは完全に専属モデル。






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ボードウォークが終わると、あたりの植生が変わり、苔むした森にパンダニが出現する。
木々の枝には真っ白な綿状のフサフサしたものが垂れ下がる。
これはオールドマンズビアード(年寄りの髭)と呼ばれるもの、と子供たちに教えると、さっそくシオナ、ロード・オブ・ザ・リングのガンダルフ。






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秋のタスマニア、黄色に染まった綺麗な落葉樹を所々で目にするが、実はそれらはほとんどが外来植物だ。
例外はファガスだけ。
南極ブナと呼ばれるこのファガスの小さな黄色い落ち葉が所々で足元を埋め尽くしていた。
パンダニが生息する苔むした森の中、時々自分たちが正しいトラックを歩いているのか、それともただの獣道なのかわからなくなる時がある。
頼みの綱は、時々木々に貼り付けられている黄色い三角の矢印だ。
これがなくなると、本当に心細くなる。
「大丈夫、ダディ、私には地面にちゃんと矢印があるのが見えるもん」とシオナが得意顔でいう。
まったくアテにならない、、、。






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1時間半歩いたところで休憩し、軽くスナックを食べる。
まだ頂上までしばらくかかりそうなので、ここでテントに引き返すことにした。
テントまでの時間もきっちりと1時間半、合計3時間のウォーキングをしたことになる。






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テントに戻った僕たちは、少し遅目の昼食をとる。
カップラーメン、味付きツナ缶、昨夜の残りのカバナ、これで食料はかなり減った。
荷物がかなり軽くなったということだ。
キャンプの撤収にかかる。
僕たちに素晴らしい時間を与えてくれた自然に対して出来ること、それはたったひとつのゴミも残さないで帰ること。
バナナの皮一枚も残してはいけない。
昨日、今日とこの時点で8時間歩いたが、唯一見つけたゴミは誰かが間違ってポケットから落としたであろうミューズリーバーの小さな袋だけ。
これを見つけたシオナが自分のポケットにいれ、キャンプ撤収時に僕たちのゴミ袋へ収めた。
キャンプ撤収時に意外と骨が折れるのが寝袋やテントをケースに収納すること。
これ、もっと簡単にできるよう、誰か発明してくれないだろうか、、、。
バックパックへ荷物を詰め込むときは、軽いものが下、重いものをなるべく上へ。
雨具や行動食、地図や帽子はすぐに取り出せるポケットへ。
帰りの水は2リットルだけ持ち歩くことにした。






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帰り道、子供たち二人の歩くペースはとても早かった。
僕は彼らに置いて行かれないよう、必死でついていく。
ソーマとシオナはクイズを出し合い、笑いながら前へ前へと進んでいく。
ソーマのバックパックは確かに軽くなったが、シオナは昨日とあまり重さが変わらないはず。
今朝、彼女の両肩にアザが出来ているのを見たから、彼女もそれなりに辛いはずなのだが、、、。






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昨日の辛い5時間のウォーキングはある意味、僕の計画のミスだ。
重たい荷物を持って歩くことが、こんなにも負担になるとは夢にも思わなかった。
もし僕が学校の先生で、大勢の生徒たちを引き連れて同じことをしていたら、大変なことになっていただろう。
なのに、僕は子供たちに厳しい態度をとった。
子供の人生はある意味で、親の言いなりの人生。親が右と言えば、右を向くしかない。
親がひどいことをしても、ティーンエイジャーになる前の子供のうちは、反発できない。
親である自分のやっていることが、本当に正しいのか、時々疑ってしまう時がある。
信念に基づいてやっているとはいえ、人々からはちょっと変わった人、変な人、と思われがちなぼくの信念、曲がりに曲がっている可能性が十分ある。
僕は本当に子供たちにいいことをしているのか、僕の前を歩く彼らの背中を見つめながら何度も考えたが、はっきりとした答えなど出るわけがない。






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昔観た、タイトルすら覚えていないイタリア映画の中で主人公の少年がこうつぶやく。
「ぼくの家ではイエス様が一番偉くて、次にお父さん、それからお母さんが力を握っていて、そのつぎがお兄ちゃん、お姉ちゃんは僕に優しくしてくれるけど、僕はやっぱりお姉ちゃんの言う事には逆らえない。結局、僕がどうあがいても、この家にいる限り、一番下っ端であることは変わらないんだ、、、」
子どもに対する自分の姿勢を考えるとき、この映画のこのフレーズがいつも頭に浮かぶ。
この少年もいつか一家の主になり、家族を引っ張っていくだろう。
その時、自分が一番下っ端であった経験がとても効いてくるはずだと思う。
嫌でも従わなくてはならない、という経験は子供のうちにたくさんするべきだ。






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子供たちは15分間隔でトレッキングコースの途中で止まり、僕が彼らに追いつくのを待つ。
「ダディ、ブッシュウォーキングはね、歩くリズムが大切なんだよ。僕たちはダディを待つために、こうやって時々止まるけど、ダディはね、自分のリズムを崩さないように歩き続けたほうがいいよ」と真面目な顔で僕にアドバイスするソーマ。
こいつ、昨日は辛い、辛いって泣いてたじゃないか!
今日はダディが泣きたい、、、。

結局、帰りはテントからビジターセンターまで予定通り2時間で辿りつけた。
一日目5時間、2日目5時間、合計2日間で10時間歩いたことになる。
この日も、ビジターセンターにはオーバーランドトラックを終えた人たちのバックパックがたくさん並んでいた。
出発の時とは打って変わって、僕たちもまるでオーバーランドトラックを終えたかのように、疲れてはいたが、清々しい気持ちだった。
アイスクリームを買って、僕たち3人はお互いの健闘を讃え合い、彼らは母親に無事に山から降りてきたことを電話で告げた。






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ほとんど棒になった足から登山靴を剥ぎ取ると、片足のソックスが血で真っ赤に染まっていた。
絞ったら滴るほどの血の量だ。
靴擦れのような痛みは何もなかったので、僕は狐につままれたように驚いてソックスを見つめた。
すぐにソックスを脱げなかったのは、どうなっているのか見るのが怖かったから。(小心者)
そんな僕を見て、子供たちは笑い始める。
「ダディ、それって、きっとリーチだよ!キャンプしているとき何度か見たもん」と笑いながらソーマがいう。
リーチ、、、あ、ヒルだ、、、。
靴下を剥ぎ取ると、真っ黒なヒルの死骸が地面に転がった。
こ、こいつめ、、、。






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まったく最後まで気の抜けない2日間のブッシュウォーキングだった。


おわり


























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by somashiona | 2012-04-19 17:14 | ソーマとシオナ

セントクレア湖国立公園で修行を(前篇)









これからは、子どもたちと一緒にバックパック(大きなザック、リュック)を背負い、本格的なブッシュウォーキング(トレッキング)をするぞ、とかなり前から計画を進めていた。
必要な道具もほぼ揃えた。
しかし、実行せぬまま夏が過ぎてしまった。
山の上は夏でも時々雪が降るタスマニア、このまま冬に突入してしまうと「口だけ男」になってしまう。
先週末、久しぶりに安定した天候なるということで、ついに子供たちとテントで一泊予定のブッシュウォーキングを決行することになった。







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目的地はセントクレア湖国立公園内にあるシャドー湖だ。
ホバートからセントクレア湖国立公園のビジターセンターまで車で約2時間半。
セントクレア湖のビジターセンターには素敵な日本人女性のレンジャーがいて、懇切丁寧に沢山のアドバイスをしてくれた。
ビジターセンターからシャドー湖までのウォーキング、時計回りで約2時間半。
そこでテントを張り一泊し、翌日は違うルートを約2時間歩いてビジターセンターに戻る。
これならはじめての泊まりのブッシュウォーキングでも無理なく楽しめるだろう、と僕も、子供たちも気軽に考え、ウキウキワクワク盛り上がっていた。
バックパックの中には、フリースx3、ダウンジャケットx3、レインウェアx3、寝袋x3、マットx3、ハット(帽子)x3、雪や寒さに備えて毛糸の帽子x3、手袋x3、替えのソックスx3、ヘッドライトx3、スペアの電池9本、テント(3人用)、ストーブ、ホワイトガソリン、コッヘルセット(鍋、フライパン)、一日目の昼、夜、翌日の朝、昼、そして歩いているときに補給する食料と念のための予備の食料、果物、ホットチョコレート、コーヒー、コンデンスミルク、調味料、水8リットル、ファーストエイドキット、ナッツやミューズリーバーなどの行動食、その他、細々とした物を揃えると、僕のバックパックは約23kg、ソーマは約16kg、そしてシオナのバックパックは約10kgになってしまった。
重たすぎて自分でバックパックを上手く背負えないので、背負うときはお互いに協力しあう。
泊まりのブッシュウォーキングをするとき、バックパックの重さは体重の1/3までといわれているが、僕の友人たちは女性でも30kgのバックパックを背負い歩くことを知っている。
なので、今回の僕たちのバックパックの重さについては、確かに重たいには違いないが、特に問題ないと僕は思っていた。
セントクレア湖のビジターセンターはタスマニアで最も人気のあるトレッキングコースのひとつ、全長65kmのオーバーランドトラックの終点だ。
約6日間を歩ききった人たちがバックパックをおろし、疲労困憊で帰りのバスを待つ。







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僕たち親子はまだ10分も歩いていないのに、すでに彼らと同じ表情だ。
特にソーマ、重たいバックパックを背負うと分かっていたが、実際に背負い歩いてみるとその重たさは予想以上だったようで、見る見るうちに表情が変わる。
目が潤んできた彼に「どうしたんだ?」と訊ねると、「実は昨日足首をひねって、、、」とか「あまり寝てなくて体調が良くない、、、」などとうつむきがちに言い出す。
彼の顔をしばらく見つめ、「よし、わかった、家に帰るぞ」と僕は言い、先ほど出発したばかりのビジターセンターに向かって歩き出す。
ソーマが泣きながら僕を追いかけ「いやだ、帰るのはいやだ」と叫ぶ。
秋晴れの真っ青な空と美しい自然に囲まれた僕たち、なんてざまだ、、、。
楽しいはずのブッシュウォーキングが、出だしから一転して山岳宗教を信奉する修行僧の一行のような様相ではないか、、、。
僕は本気モードで撮影中の相原さんを超えるくらい金剛力士像の顔で「いいか、一度やると決めたことだ。やり終えるまで泣き言をいうな」とソーマに怒鳴りつけ、シャドー湖へのトラックを再びムッツリ顔で歩きはじめた。
ソーマは肩を震わせしゃくりあげ、シオナは心配そうに僕とソーマの顔色を交互に見る。







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実を言うと、歩きはじめて5分もたたないうちに、「こんな重いものを背負って、どうやって2時間半も歩くっていうんだ、、、これはまずいぞ、、、」と僕も内心思っていた。
だからと言って、「ソーマ、気持ちは分かるよ」などと言うわけにはいかない。
ここは、鬼にならなければいけない場面だ。
ソーマは僕とシオナから常に4、5メートル離れてついてくる。
今回のブッシュウォーキング、ソーマにとってどんなものになるのか、僕にもソーマにもこのときは分からなかった。







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昼の12時に歩きはじめ、1時半に昼ごはんを食べることにした。
ソーマの頭の中はまだ「重い、痛い、辛い、、嫌だ、嫌だ」が渦巻いていて、ほとんど話もせず、食べはしているが元気ゼロ。







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しかし、食べるということは人を前向きにするようで、昼食後、再び歩きはじめると、うつむいてばかりいたソーマが顔を上げ、写真を撮りはじめる。
写真好きは写真を撮りはじめると肉体的苦痛をしばし忘れる。







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トラックは登りの傾斜が少しづつきつくなっている。
シオナのバックパックも彼女にとっては重たいはずだが、彼女はひと言も愚痴をこぼさない。
歌を唄い、笑い声を上げ、一人で楽しんでいる。







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僕もソーマ同様首にカメラをぶら下げているのだが、あまりの辛さにほとんど足元を見つめている始末。
ときどき思い出したように子供たちの後ろ姿を撮っては、また額から汗を流し、肩に食い込むバックパックの重みに耐える。
なんとか子供たちに話しかけてみるが、息が切れ、話が続かない。
まったく、情けない。
父親は一歩外に出れば、頼もしく、タフで、どんな逆境からも子供たちを守る存在であるべきなのに、、、。







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上り坂がどんどんきつくなり、僕の太ももやふくらはぎの筋肉がつりはじめる。
シャドー湖到着予定の2時間半はもうとっくに過ぎているのに、ゴールの気配はまったくない。
ソーマがまたしくしくと泣きながら歩いているのに気がつくと、また僕は金剛力士像に変身する。

「ソーマ、もし辛くて泣きそうになったら自分でほっぺたを叩け、そして怒るんだ、自分に怒るんだよ!出来る、絶対できる、負けるもんか、って自分に言い続けるんだ!」

こういう言葉、結局、半分は自分自身に言っているようなもの。
僕は時々自分の弱さに情けなくなる時がある。
子供の頃から自分は弱い人間だと思い続けてきた。
ソーマにはそうなって欲しくない。
親のエゴ?そうかもしれない。
でも、ソーマには強い男になってほしい。
ソーマは今のところ、なんでも出来る子どもだ。
勉強、スポーツ、友達関係、上手くいかない人の気持が分からない。
いつもまわりから褒められ、すこしうぬぼれ屋さんになっている。
親の僕にできること、それは彼に試練を与えることだと思っている。
辛いこと、苦手なこと、やりたくないこと、思うようにいかないこと、そういうことを敢えて彼に与えて、それを克服すること、たとえできなくても努力し続けること、諦めないこと、その経験値をつませることが僕の役目だ。
まだ僕の言うことを聞くうちに。

「いいか、今度泣きながら歩いているのを見たら、何時であろうと直ちに引き返すぞ!わかったな!」








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もう泣かないと約束してから、ソーマの歩く速度が早くなった。
僕はといえば、足のつりが継続的に続き、もはやちょっとした段差や木の根を乗り越えるだけでも痛みが襲い、役立たずの二本の足を引きずりながら、子供たちに置いて行かれないよう必死だ。
結局、僕が自分の頬を叩き、自分に怒りながら歩くはめになっている。
時間はすでに午後4時、太陽の光が傾き始め、空気が冷えてきている。
今頃はテントの設営も終わり、シオナは楽しみにしていたスケッチをし、僕とソーマは重たいバックパックを置いて撮影を楽しんでいるはずだったのに、、、。







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シオナの性格が辛い時間を和らげてくれる。
「ダディ、見て見て、あの真っ赤なマッシュルーム。あれ食べたらどうなるかな?唇があんなふうに真っ赤になるかな?」「木に付いてるあの真ん丸な苔、たぶんポッサムの枕だよね」「ここに落ちた木の実たち、羊の毛みたいにフワフワなカーペットの上で気持よさそうね」。







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湖へのトラックは一本で迷うはずがない。
しかし、2時間半の予定がすでに4時間歩いている。
僕も子供たちも心配で何度も地図を確認した。
その時、小さな子どもを背負った一人の女性が前方からやって来た。
このトラックでこの日はじめて出会った人だった。
彼女と話をして、湖へのトラックが正しいことを確認でき、僕たちは安心した。
それだけではない、湖まで後もう少しだということもわかった。







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森の中から抜けると、突然視界が広がった。
遙か前方を歩く子供たちが「レイク、レイク!」と声高らかに叫びはじめたので、「どこに湖があるんだ?」と僕も彼らに向かって叫び返すと、「もうすぐレイク、レイク!」とフレーズが変わった。







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ついに、湖が目の前に姿を現したとき、僕たち親子は抱き合って喜んだ。
午後5時、一日の最後の光が湖に斜めから降り注いでいる。
湖畔に腰を下ろして、そのきれいな光景をゆっくりと眺めたいところだが、あと30分もすればあたりは暗くなってしまう。
その前にテントを張れる場所を見つけ、食事の準備にとりかからないといけない。

今回はモンベルのステラリッジ3型という新品テントの筆おろしだ。
テントはどうしてこんなに、僕たちに楽しい夢を見させてくれるのだろう。
テントという言葉を聞いただけで、僕は胸がときめく。
子供たちと3人であっという間にテントの設営はできた。
サーマレストのマットとモンベルの寝袋ひとつも今回の新品だ。
調理のためのストーブはMSRひとつだけ。これはホワイトガソリンを使う。
火力が強く、お湯などはあっという間に沸くのだが、火加減を調整できないのがネックだ。
この日の夕食はお湯で溶かすだけのクリームポテトスープ、お湯を入れて炊くだけのオリエンタルライス、カバナ(フランクフルトのようなソーセージ)、カマンベールチーズ、フィグペイスト(いちじくのジャムのようなもの)とウォータークラッカー、ホットチョコレート&コンデンスミルク、インスタントのカプチーノ。
さらにポテトチップスを一袋平らげ、僕たちはお腹いっぱい。
キャンプといえば焚き火だが、あいにくここは国立公園、焚き火は禁止だ。

空にはこぼれ落ちそうなくらいたくさんの星がキラキラと輝やき、あたり一面の木々が風に揺られ波の音のように寄せては返す。
この湖の周辺には、僕たち親子3人と訪れたポッサム以外誰もいない。
あんなに辛い5時間だったのに、僕たち親子の顔は晴れ晴れし、ニコニコだ。
そう、ソーマもとても幸せそうだ。

夜の8時半には早々と寝袋の中にもぐりこんだ。
テントの外には食料はもちろん、バックパックも置くべきではない。
動物たちにやられてしまうからだ。
テントの中は僕たち3人とバックパックや食料などでぎゅうぎゅう詰め。
それでも何故か楽しい。
「ダディ、何か怖い話をしてよ」とせがまれたが、疲労困憊の僕には話をするためのイマジネーションが湧き上がる余地などもう無い。
ソーマ、テントの中で興奮気味、話が止まらない。
僕は寝袋の中で突然足がつり、テントの中をのたうちまわった。
子供たちはのたうちまわる僕の真似をして大笑い。
僕はテントの外に出て、しばらく歩きまわり、足のストレッチをする。
一度寝袋の中でぬくぬくした身体に夜の冷たい空気は容赦なく突き刺さる。
「ダディ、イビキかかないでよね」と言って笑っていた子供たち、テントに戻ると小さなイビキをかいて眠りに落ちていた。

つづく

























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by somashiona | 2012-04-18 18:47 | ソーマとシオナ

写真家サム・エイベルの一枚がすごい理由



久しぶりに写真の話をしたいと思う。
といっても、極めて個人的な見解なので「馬鹿言ってんじゃねーよ」と思う人は聞き流してほしい。


ナショナルジオグラフィックマガジンを代表するフォトグラファーの一人、サム・エイベルの写真について語りたい。

彼は静かな写真を撮るフォトグラファーとして世界中のトップフォトグラファーから一目置かれている。
フォトグラファーというより、詩人といったほうが近いかもしれない。
彼は自分の写真にほとんどスピードライト等の人工光をまったく使わない。
多くの人は気づかないかもしれないが、ナショジオの写真の殆どはとても巧妙にスピードライトが当てられた写真だし、フォトジャーナリズムの仕事でスピードライトを使わないのはかなり勇気のいることなので、これには少し驚く。
彼は2台のカメラに28mmと90mmの単レンズ付け、すべての仕事をこなす。(これも勇気がいる)
フィルムは常に一種類しか持っていなかったそうだ。(信じられない。例えばこれがもしデジカメなら、僕はISO400のjpeg以外は使いません、と言っているようなもの)
撮影方法を限り無くシンプルに切り詰め、ひたすら最高の一瞬を待つ。










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彼の作品の中で最も繰り返し雑誌等に登場するのは、洋ナシとカーテンを前景に配したこのクレムリン宮殿の写真だろう。
僕もこの写真は大好きだ。
これを特集記事の中で使うナショジオの編集者たちも偉い。目がある。写真を分かっている。
しかし、アレックス・ウェブウィリアム・アルバート・アラードなどのナショジオやマグナムのエリートフォトグラファーたちが最も評価するのは、サム・エイベルがカウボーイを撮った一枚なのだ。
彼自身もこれはかなりお気に入りの一枚らしい。


とにかく、じっくりと見て欲しい。










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この一枚、確かに素晴らしい写真だが、写真を愛する多くの人には???かもしれない。
なぜこの一枚が世界のエリートフォトグラファーの心を掴むのか?
それはこの写真の中には単独でも十分成立する素晴らしい間合いとドラマを持った3つの物語がレイヤーとなって重なりつつも、なおかつ一枚の写真として深く、奥行きがあり、調和のとれた美しい作品として成立しているからだ。
サム・エイベル本人がこの写真を撮ったときの意識や思考を順番に説明している。
まず最初に緑のきれいな地平線とその上にのしかかる雲が彼の目を捉えたらしい。
そして口に何かをくわえた赤いシャツの男、写真として絵になる絶好の被写体が現れた。
左横のデニムのジャケットを着た男をフレームに入れることで、赤シャツの男の存在感を際立たせる。
と、普通なら、ここでカシャリとシャッターを切って満足するところだが、彼は違う。
2番目のレイヤーとなるカウボーイたちがフレームに飛び込む。
メインの被写体の二人の間に上手く入ったところでカシャリ、といきたいところだが、天才はまだ待つ。
そして、きたー!マルボロのコマーシャルに出てくるような男が馬に乗って現れた!
普通なら、ここで興奮のあまり手ぶれしそうなくらいの勢いでシャッターをきるところだが、彼はここでカメラのアングルを少し下に傾け、馬の顔やカウボーイが地平線の上に出るようにするのだ。
そうすることによって、この馬に乗ったカウボーイが全体の絵の中に滲み込まず、はっきりと存在感を主張し、絵としてのバランスもより良いものにしてくれる。
最後にサムさんが悩んだのはフレーム右横にある赤いバケツをどうするかということだった。
彼は敢えてこの赤いバケツを入れることにした。
なぜなら、そういう一見余分なものに思えるような偶然が逆に写真にリアリティをもたせ、写真がなおさら写真らしくなるからだ。
こうやって、一枚のコンプレックス・レイヤー・ディープ・フォトグラフィーが生まれるのだ。

「んな訳ないじゃん!全部タダの偶然に決まってるじゃん!そんな能書き、あとで考えたんだよ!」と思ったあなた、それは完全に間違い。
人を撮るフォトグラファー、とくにフォトジャーナリズムとして被写体を追いかけるフォトグラファーは実に多くのことを一瞬で考え、恐ろしく多くのことを一瞬で見ている。
僕のような無名フォトグラファーのレベルでも、そういうことはかなり訓練させられたし、意識して撮っている。
そして、そういう事を意識して撮っているフォトグラファー、そこまで気を配って撮っているフォトグラファーの写真は見ればすぐに分かる。
最初に上げたアレックス・ウェブやウィリアム・アルバート・アラードもそういうフォトグラファーの代表格だ。
身近なところ、僕の友人の中で、そういう目で写真を撮り、いつも僕を唸らせてくれるフォトグラファーはブログ「愛すべきパリの人々」のdauphineさん。
彼女と一緒に写真を撮りながら歩いたことがあるが、体中に目が付いているような人だった。
(なぜか、ずっと男性だと信じ込んでいたので、目の前に現れたdauphineさんが女性だったときの驚きは言葉で表現できません)


と、今日は久しぶりに写真の話。
最近、どこもかしこもフォトショップでねじ上げ、丸め込んでしまったような写真ばかり。
厚化粧をすればするほどリアリティがなくなり、撮影者がそこに立ち、感動したであろう気持ちが共有できなくなるばかりなのに。
ポートレイトの修正ソフトの広告を最近良く目にする。
修正前と後の写真を見せているのだが、ほとんど冗談のようだ。
修正後、肌がすべすべになり、顔の輪郭がシャープになり、唇や目が鮮やかな色になる。
そんな半分アニメーションのようなポートレイトをどうして欲しいと思うのだろう、、、?
ソーシャルネットワークが便利になればなるほど、本当のコミュニケーションの意味を忘れてしまう人がいるように、最近は写真も、どんどん写真の持つ本当の良さから離れてしまっているような気がする。
サム・エイベルの写真のように、ものごと、じっくりと、何層もレイヤーを重ね、深く、細かな部分までじっくりと見ていきたいものだ。


あ、こんな凄い写真の後に、僕の写真は恥ずかしくて載せられません、、、。




あ、そうそう、以前僕のブログで紹介した日本中のお城と銅像を撮る友人のブログ、かなりハイペース更新しています。
内容も僕的にはかなり面白いと思うので、まだ見ていない方、ぜひ覗いてみてください。
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by somashiona | 2012-04-12 20:38 | 写真家

最近のシオナ



昨日、BBCのPodcast(ポッドキャスト)、World Book Clubで僕の大好きな作家ジョン・アーヴィングの公開インタビューを見つけた。
ジョン・アーヴィングといえば「ガープの世界」「サイダーハウス・ルール」「ホテルニューハンプシャー」「オウエンのために祈りを」など映画化されている作品も多いので、このブログを見てくれている人たちの中でも彼のことを知っている人は多いと思う。
世の中には「成功するための7つの法則」「人に愛される話し方」「心の悩みはこう解決しろ」みたいなHow to本が繰り返し繰り返し出版されているが、そういった類の本が自分の人生を支える力になってくれたという経験が僕には一度もない。
いつまでも心に残る言葉、生き方、考え方、迷ったときのアドバイス、未来への暗示を与えてくれるのは、いつだって大好きな本に出てきた登場人物たちだ。
本を読んでいて、「ああ、この人の生き方はなんて力強くて、素敵なんだろう」と思える登場人物、もしくは「ああ、そうか、善良な人ですら、こうやって間違いを犯すのか」というよな登場人物に本の中で出会えたとき、その人たちの思考パターン、言動は何にも代えがたい人生のお手本になってくれる。


インタビューは彼の代表作「ガープの世界」を中心に進んだ。
そのなかで、彼は、「もしも、愛する二人の子供たちを失ってしまったら、、、」という恐怖に当時常にかられていたことを告白していた。
この恐怖、僕も常に考える。
僕が思い描ける不幸や恐怖の中で、自分の子どもを失ってしまうことは最大級、最上級なので、ジョン・アーヴィングのこの告白に僕はとても共感した。
そして、その後に彼が語ったことに僕は新鮮な驚きを覚えた。
「物語を紡ぐことを仕事とする自分は敢えてその恐怖を登場人物に反映させるのです。一番起こってほしくないこと、それを敢えて登場人物に与えるのです」と彼はいった。
彼の長編小説に出てくる人物たちの一人ひとりの過程(誕生、可愛らしい子供としての成長、青年になり恋をし、大人になり、出会いや別れを経験し、そして老いて、死んでいく姿)は詳細に描かれているので、その登場人物が物語の中で死んでしまうと、まるで自分の家族の誰かを失ってしまったような深い喪失感に襲われる。
架空の出来事と分かっているにもかかわらず、立ち直るのにかなり時間がかかるのだが、最終的にその死を受け入れ、さらに前向きになれるのは、ジョン・アーヴィングが生や死を通して僕たちに生きることの素晴らしさを書いているからだろう。
彼の小説を読んで、毎回悲しみと喪失感を味わうのは、インタビューを通して、それが彼の狙いだったことを初めて知り、「うん、まんまとやられた」と思ったが、彼の物語の中で、人は最も大切だと感じている人や物を失っても、それでも星は輝き、太陽は昇り、生きている人は与えられた生を淡々と生きて行く、ということを何度も経験できたので感謝するしかない。
もし仮に、自分の身に不幸が起ったとき、現実は容赦なく僕を打ちのめすだろうが、それでも、苦しい時に小説の中で苦しみと戦った彼らのことを思い出すかもしれない。



ものすごく若い時に観たメリル・ストリープ主演の映画「ソフィーの選択」のあるシーンを僕はことあるごとに思い出し、そして考える。
アウシュビッツ収容所へ向かう列車から降りたソフィーは息子と娘をしっかりと抱きしめユダヤ人たちの長い列に続く。
焼却炉への死の列だ。
ソフィーがユダヤ人ではなくポーランド人だと知った酔ったドイツ人軍医がソフィーにこう言う。
「お前ともう一人だけ助けてやる。息子か娘、どちらか一人選べ」と。
ソフィーは泣く泣く息子を選び、くまのぬいぐるみを抱えた幼い娘を焼却炉への列に押しやった。
究極の選択、、、。
僕の疑問は、どうしてソフィーは息子を選んだのか、ということだ。
タスマニアのツアーガイドの仕事をしていたとき、とてもインテリジェンスな高齢のご夫婦と3日間を共にし、ガイドの仕事は殆ど忘れ、ありとあらゆる分野の話で車中盛り上がりっぱなしだった。
その話の中で、子供への愛に順位を付けられるかという話題になり、あの映画「ソフィーの選択」のシーンを僕は持ち出した。
このご夫婦にはもう成人になった息子さんと娘さんがいる。
奥様はあっさりとこう言った。
「たぶん、多くの場合、究極の選択を迫られたとき、母は息子、父は娘を選ぶわ」と。
「結局、オトコとオンナという異性間の関係、その強さは親子といえども否定出来ないのよ。男は女が好きで、女は男を愛するのよ」と彼女は笑った。
では、息子を選ぶ父、娘を選ぶ母には根底にゲイの要素があるのか?と突っ込みを入れそうになったが、確かにギリシャ神話など読むと、親子の間でも相手を異性として意識する強い感覚が常に匂ってくるので、この奥様の意見を一概に否定できず、「ソフィーの選択」のメリル・ストリープのとった行動の心理的理由が少し理解できた気がした。


自分ならどうか?
もしかすると、将来このブログを読む可能性がある子供たちのために、僕はハッキリとここに記しておく。

「子供たちよ、ダディは一人だけを選べない。もし焼却炉行きの選択を迫られたら、、、許して子供たち、僕たちは共に行く。三人一緒だ。」



とはいえ、身長も足も手も遥かに僕より大きくなり、最近声も少し変わってきたソーマ、もうおやすみのキスも素直にさせてくれない。
っていうか、大きくて、口の周りの産毛が少し濃くなってきた彼にキスをするのもなんか変な感じだな、と親の僕も不自然さを感じ始めている。
手をつないで歩けないので代わりに肩を組み、ハグさせてくれないのでレスリングで取っ組み合う。
その点、シオナはいくらキスしても、ハグしてもなんの不自然さも感じない。
黙っていてもシオナから手をつないでくるし、本を読んでいると後ろから抱きしめてくれる。
ああ、これが親子でも異性だと違うという意味か?


だけど、念の為にもう一度言っておく。
子供たちよ、ダディは二人のどちらも、同じだけ愛している。
その愛は ∞ インフィニティ(無限)だ。








ソーマの話が続いていたので、今日は最近のシオナの写真。






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シオナが心から愛するもの、もちろん愛犬のアプリコット。
ちなみに、彼女の家ではもう随分前からアプリコットと呼ばなくなっている。
コディ、これがアプリコットの愛称だ。












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「一番好きなことは何?」とシオナに聞けば、「絵を描くこと」という答えが返ってくるだろう。
最近は母親の仕事道具を使ってアニメーションを作っている。












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僕のiPhone 4s、予想通り音声認識機能のSiriが子供たちのハートを捉えた。
特にシオナ、一日中、Siriに話しかけていた。
「Siri、友達はいるの?」
「Siri、スティーブ・ジョブズと会ったことある?」
「Siri、どこで生まれたの?」
「Siri、オナラとかウンチする?」
気の毒なSiriだ、、、。












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子供たち、今やもうパソコンとの生活は切り離せないようだ。
どういう訳か、二人とも快適なデスクの上ではなく、カーペットの上、ソファの下、テーブルの下などでパソコンと時間を過ごしたがる。
心理学的にも机の下にもぐりこむと人間は安心するそうなのだが、そういうことなんだろうか?
PC(ウィンドウズのパソコン)、Mac、彼らは何の違和感もなく両方を使いこなす。












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ビーチに寝転んで太陽の陽を浴びるシオナを見ていると、ああ、もうすぐに子供じゃなくなるんだな、と思ってしまう。
サンクリームで顔を作ってしまう感性は、いつまでも持ち続けて欲しい。












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ソーマとシオナ、とにかく仲がいい。
ティーンエージャーになっても、そのまま仲良しでいて欲しい。












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日常の何気ないシーン、例えば歯を磨いているシオナなど、ダディにはたまらなく可愛らしく映る。
はい、親ばかです。












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ソーマもシオナも本を読むのがとても好きな子供たちだ。
二人とも物語より科学や体の不思議やクイズといった類の本が好きなようだ。
ソーマは最近、「ホビット」のトールキンや「タイム・マシン」のH.G.ウェルズといった古い時代の長編小説にハマっている。
シオナは女子が通る道、星座占いに今夢中なようだ。












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週末、ダディの家に泊まるとき、シオナは時々僕の洋服を着て目の前に登場する。
僕が普段好んで着る服を注意深く選び、僕の歩き方、僕の話し方、僕の癖を真似て見せる。
中でもお気に入りなのが、僕が写真を撮るときの格好だ。
でも、悪いけどシオナ、ダディはもうメガネをかけていないから、変装するときの特徴がひとつ無くなってしまったね。












こうやってシオナも、少しずつ大人へと成長しています。












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by somashiona | 2012-04-09 15:51 | ソーマとシオナ

は〜あ、キャンプしたい、、、。



イースターホリデー、善良なオーストラリア国民のほとんどは、昨日のグッドフライデーから来週の月曜日イースターマンデーまで休日だ。
イースターホリデーはオーストラリアのカレンダーの中では最大の連休で、ちょうど日本のゴールデンウィークと似ている。
違うのは、イースターホリデーの最中、多くの人がウサギちゃんやタマゴの形をしたチョコレートを食べ過ぎて具合が悪くなってうまう点だろう。
僕の住むタスマニアではこのイースターホリデーの後からグッと気温が下がり、本格的な秋・冬モードに突入してしまうので、このホリデー中に最後のキャンプを楽しむ人がとても多い。
知り合いたちにイースターホリデーの予定を聞くと、キャンプをするという答えがほとんど。
昨日の地元新聞の第一面の写真はブルーニーアイランドへキャンプに向かう車の渋滞に巻き込まれた家族の写真だった。
通勤では渋滞などないのに、ホリデーで渋滞になってしまうところがタスマニアらしくていい。

僕と子供たち、毎年キャンプでいい思い出を作るが、今年は一度もやっていない。
タスマニアの多くの人が感じるように、キャンプをせずに夏を終えるのは、スイカを一度も食べずに夏が終わってしまったようで(ぜんぜん例えになっていない)なにか物足りない。
自分たちの部屋にテントを張ってしばらく寝ていたくらい、キャンプ好きな子供たち。
今年、彼らのために新しいテントや寝袋、マットなど買ってきたときはあれほど盛り上がっていたのに、、、。
しかし、このイースター、僕が仕事をしないのは月曜だけ。
ああ、無理、無理、今はまだキャンプへ行けない、、、。
この調子だと、今年は子供たちと冬のキャンプを経験することになるのか、、、?
植村直己の本でも読んで、気持ちだけは盛り上げておこう。












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by somashiona | 2012-04-07 09:32 | ソーマとシオナ

ソーマ、レッスンの結果







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ソーマが使っているシグマ17-70mmズームレンズ、値段の割にはとてもよくできたレンズだが、このレンズもオートフォーカスを使うときマニュアルフォーカスを併用できない。(新しいものはわからない)
なので、僕はこのレンズをマニュアルフォーカスで使うことが多かった。
ソーマ、自分のカメラをAI SERVOにセットし、シグマのレンズで走りまわる犬たちを追う。
気合が入れば入るほど、顔をファインダーに強く押し付けるので、カメラから顔を離すと目の周りにファインダーの跡が残る。うん、それでいい。
しばし犬たちを追いかけたあと、彼が撮った写真を一緒に確認する。
僕のピンぼけ写真をコケにしたソーマ、まあ、30%くらいの確率でピントが来ていれば合格だろう、と僕は内心思っていたのだが、なんと、80%以上の確率でピントが来ていたし、カメラから至近距離で動く被写体もしっかりとフレームの中に収まっていた。
なぬ〜っ、こんなハズじゃ、、、と驚く僕を見て、ソーマはドヤ顔。

「ソーマ、ダディが使っているレンズはね、君のレンズが生まれる何十年も前に作られたレンズで、その時代、ダディはオートフォーカスなど使っていなかったんだよ、、、だからね、ダディの写真のピントが、、、」あ、聞いてない?

まあいい、そうやって若者たちはテクノロジーを使いこなして写真を撮っていくのだ、、、。














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ダディ作












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ダディ作












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僕が写真をはじめたとき、友達や妹をたくさん写した。
当時、「写真 イコール ポートレイト」で人を撮ることにしか関心がなかったし、日々の実験台として友達や妹は絶好の被写体だったからだ。
突然知らない人を被写体として撮り始める前に、お互いに心を許せる人をじっくりと撮りまくるほうがポートレイトは上手くなると思う。
そのときは、さっさ、さっさと撮るのではなく、数センチ単位で構図を変えたり、立ち位置やカメラアングルをあれこれと変えたり、とにかく、もっともいい一枚を撮るために可能な限りの手を尽くすのだ。
普通はそんな事をしていると被写体はすぐに嫌になり、いい表情やいい瞬間など彼方へ飛んでしまうが、だからこそ友人や家族を実験台にして、とことん撮りまくるのだ。
ポートレイトの本番撮影では絶対に時間をかけてはいけない。
僕の好きな写真家たちも写真をはじめたときは母や姉妹たちにもっぱらレンズを向けていたようだ。
彼らの回顧展などの初期の写真には必ずと言っていいほどそういう写真が出てくる。
彼らの写真歴を振り返るとき、そういった友人や家族の写真がいかに重要だったかがうかがえる。
ソーマの筆頭モデルはもちろん妹のシオナ。
兄が妹を撮るその姿は、親の僕から見ると何にもまして微笑ましく、愛や絆を感じずにはいられない絵だ。
もしソーマが将来この調子で写真を撮り続けたとしたら、20歳になる頃には恋人やより刺激的な被写体にもっぱらレンズを向け、妹をあらためて撮るなどもうしないかもしれない。
親の僕の役割は、こういう時期を大切に撮りためておくこと。
ソーマ曰く、この日のベストショットは宙を舞うシオナの写真だったらしい。














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動く被写体という意味では、波の動きもソーマの心を捉えたようで、たくさんシャッターを切っていた。
しかし、とくに波も何も無い平凡な場所をソーマとシオナがしげしげと眺め、シャッターを切っているのを僕は不思議に思っていた。












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この写真はソーマのこの日の2番目にお気に入りの写真だったらしい。
タイトルは「海の中で静かに眠るソックス」
はい、わかりました。それが君のアートなのね。














その他、この日彼が撮った写真を思い出としてブログに残しておくことにする。
本日、ダディ作の2枚以外はすべてソーマの写真です。












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さて、いよいよイースター(復活祭)。今日はキリストが十字架にかけられた日、グッド・フライデー。え、なんでグッド(good)なの?それはこの日からすべての人が救われるから。今日は国民の休日、これもグッド。ランキングが上がればもっとグッド、僕も救われます。あ、今日は肉を食べちゃダメ。魚だけよ。



私も子供にカメラを持たせ、一緒に思い出を作ろう、と思った人はポチッとよろしく!









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by somashiona | 2012-04-06 10:03 | ソーマとシオナ

AI SERVOのレッスン、しかし、、。




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ソーマ、カメラを持つと動くものにレンズを向ける傾向がある。
確かに、ハイシャッタースピードで動いている被写体をフリーズさせたときの水しぶきや波打つ髪、弾ける砂埃や宙を舞う人体をじっくりと静止画で見るのは新鮮な驚きがある。
彼が使っているEOS 30D、親指フォーカスといって、シャッターボタンでピントを合わせるのではなく、カメラボディの背面にある小さなボタンでオートフォーカスを使いたい時だけこのボタンを押す設定になっている。
僕の友人たちのプロフェッショナルなフォトグラファーは、僕の知る限り、すべてこの親指フォーカス設定だ。
次にフォーカスの設定に関してEOS 30Dは3つの選択ができる。
ONE SHOT、AI FOCUS、そしてAI SERVOだ。
僕の友人たちのプロフェッショナルなフォトグラファー(くどい?)の90%は常にAI SERVOにカメラを設定している。
AI SERVOというのは被写体の動体予測をする機能で、とくに自分(カメラから)に向かって真っ直ぐに動く被写体、もしくは自分(カメラから)から真っ直ぐに遠ざかる被写体にピントを合わせ続けてくれる。
実は、僕はこのAI SERVOという機能を普段あまり使わない。
この話をすると友人たちは驚く。
驚くくらいAI SERVOを使うというのが彼らにとって当たり前なのだ。
僕は普段ONE SHOTにカメラを設定している。
理由はただ一つ、ピントが合うとファインダーの中のフォーカスの照合マークが点灯し、フォーカスが合わなければシャッターが切れないようになっているからだ。
(実際はこの照合マークが点灯して撮ったにもかかわらず、ピンぼけということもよくある)
AI SERVOはピントが合っていなくてもシャッターが切れるが、僕にとってそれほど怖いものはない。
だが、AI SERVOの方がONE SHOTよりもフォーカスの精度が高いともいわれている。
動く被写体を撮るときは置きピンとマニュアルフォーカスを併用することのほうが多い。
ちなみに、ファインダーの中から様々なフォーカスポイントを選ぶことができるが、僕の友人たちのプロフェッショナルなフォトグラファー(だから、くどいって?)はみな中央の一点しか使わない。
これは僕もそうだ。
この一点が一番フォーカスの精度が高く、スピードも早いから。
え、AI FOCUSは?
この存在は忘れていいです。はい。










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話は戻って、
動く被写体が好きなソーマのカメラも親指フォーカス&ONE SHOTという設定になっていたが、この日は彼にAI SERVOの使い方を教えた。
たまたまそこに水の中を駆けまわる犬たち、AI SERVOのレッスンに最適な被写体がいたからだ。
いや、最適とは言いがたい。
最適なのはレールの上を自分に向かってくる電車や運動会などで決めれれたコースを走ってくる子供たちだろう。
彼が使っているレンズはシグマの17-70mmズーム。
できるだけ70mm側を使い、被写体を大きく捉えるようにする。
犬たちはソーマの近くから遠くの方まで、めまぐるしく走りまわり、飛び跳ねる。
まっすぐに、斜めに、時には突然方向を変え、ソーマのレンズは常に動き続ける。
なかなか思うように撮れない。
では、ダディーが見本を見せてあげよう、と僕のカメラをAI SERVOにセットした。
レンズは最近ほとんど付けっぱなしにしているキャノン35mmf2.0。
絞りはf2.8にセット、プロレス、格闘技を撮っていたときはいつもこの絞りだった。
このレンズ、オートフォーカスを使うとき、ピントのリングを手動で動かすことが出来ない。
オートフォーカスでだいたいの当たりをつけ、マニュアルフォーカスでピントの調整をする僕のいつもの使い方ができないのだ。
キャノンの50mmとこの35mmレンズは、僕が東京でプロレスや格闘技を撮っていた時代のメインレンズだったが、その時代はすべてマニュアルフォーカスで撮っていたので、このレンズを使ってAI SERVOで撮るのは、どうもしっくりこない。
ダディの威厳と共に、ソーマの目の前で撮った見本の写真をさっそくモニターで見せる。










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「お〜、ダディ、いいね〜、犬の顔を拡大して見せてよ」
ず、ずぅ〜、拡大、あれっ、ピントが来てない、、、おかしいなぁ、、、?
じゃ、次の写真、ず、ずぅ~、拡大、あれ、これもダメ、、、、。
あら、次も、また次も、、、。
ソーマ、僕の横で大笑い。
笑うな、バシッ!と小突いても、笑いが止まらず、「ダディ、たしかスポーツ写真でお金稼いでたって言ってたよね?」ときつい言葉。
ああ、ダディの面目丸つぶれ、、、。
このレンズ(35mmf2.0)、AI SERVOを使うと微妙にフォーカスが後ピンになると判明。
こいつはやはり、マニュアルフォーカスでつかってあげよう。










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AI SERVOのレッスン、もう一つ大切な事を伝授。
撮影の時、メインとなる被写体を追いかけているとき、その好対照となる被写体も探すこと。
遠くを撮っているときに足元のもの、大笑いしている人のそばの悲しげな顔、のっぽとオチビさん、このときは猛スピードで走りまわる2頭の犬にどうしてもついていけない、白い犬の存在がそれに当たる。
この白い犬のしょんぼりした顔を見ているだけで、僕はこの時間を大いに楽しむことができた。










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by somashiona | 2012-04-05 11:04 | ソーマとシオナ

観覧席



相原さんと西オーストラリアの荒野でキャンプをしているときに教えてもらったジョーク。


豪華客船が今にも沈没しかけている。
残された救命ボートはわずか。
船長は女性、子供、老人たちを優先的に救命ボートに乗せたいが、誰もが我先にと状況はパニック状態。
船長は大声で叫ぶ。

「イギリス人諸君、もし君たちが本当のジェントルマンなら、どうか今は甲板に残ってほしい」
イギリス人男性たちは静かに甲板に引き返す。

「アメリカ人諸君、いま甲板に戻れば、君たちはヒーローになれます!」
アメリカ人はどや顔で甲板に戻る。

「ドイツ人諸君、これは規則なので、どうかすみやかに甲板に戻ってほしい!」
規則を破るなど、彼らの概念にはない。

「日本人諸君、さあ、よ〜く見てください、みんなが甲板に戻ってますよ!」
慌てて戻る日本人たち。




先日、この話を数人のオーストラリア人たちにしてみると、大いにウケた。
で、オーストラリア人たちを甲板に戻すには、船長は何て言えばいいんだ?と聞いてみると、「そんなの簡単さ」と彼は答えた。


「ヘイ、マイト、船室のテレビでいまフットボールとクリケット両方の試合が流れているよ。あ、そうそう、冷たいビールとバーベキューも用意されているらしいぜ!」


さすが、オージー、説得力がある。





僕はもう10年間もオーストラリアに住んでいるが、フットボールやクリケットというものに、どうしても夢中になれない。
まあ、日本にいても野球やサッカーに夢中になれないのだけど。
でも、誰もいないフットボールやクリケットのグランドへ出かけるのは、割と好きだ。
天気のいい日に、広々としたグランドにある、がらんとした観覧席に腰を下ろして本など読むと、最高に気持ちがいい。
これから秋が深まって、少し寒くなったとしても、マフラーやブランケット、それにポッドの中の熱いコーヒーやビスケットがあれば気分はいっそう高まるだろう。
フットボールのグランドを独り占めにしたこういう楽しみ方を、オージーたちは理解できないかもしれないが。










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by somashiona | 2012-04-03 10:16 | デジタル

ありがとー、写真!



数ヶ月前、知らない女性から突然電話がかかってきた。
僕は電話が苦手で、非通知の電話は出ないし、知り合いからかかってきて僕が電話に出られなかったときも、用件がメッセージに残っていなければ、僕からは絶対に電話をかけ直さないほどのへそ曲がりだ。
このときはある友人から電話がかかってくる予定で、電話が鳴ったとき、反射的に通話ボタンを押してしまった。

電話をかけてきた女性は自分の名前を告げ、僕がほんの少しだけ知っている人物から僕の携帯番号を教えてもらい、こうして僕に今電話をかけているのだと言った。
名前から察するに、アジアの国の女性だが、英語力から判断すると、十分に大人になってからこの国へ移住し、たぶんまだ10年くらいしかオーストラリア生活を経験していないだろう、とみた。
彼女は1年前から写真を始め、今はもう、寝ても覚めても写真のことが頭から離れられないくらいのめり込んでいるのだと言った。
僕は「なるほど、写真は楽しいですからね、夢中になる気持ちはよくわかります」というようなことを言い、このまま放っておいても話が見えないと思ったので「で、Sさん、用件は?」と率直に聞いた。
受話器の向こうで3、4秒沈黙が続き、その沈黙をかき消すかのように少し大きな声でSさんはこう言った「あの、今日電話したのは、つまり、、、友達になってください!」。
あまりにあっけらかんとストレートだったので、僕は失礼だと思ったが、笑ってしまった。
そして、「もちろん、いいですよ」と応えた。

Sさんに僕の電話番号を教えた人の年齢から察すると、Sさんもおそらく50歳前後の女性だろうと思った。
40歳から50歳くらいの年齢で、第二の自我みたいなものに目覚めてしまった女性に時々出会うことがある。
第二の自我という言い方がピッタリかというと、ちょっと違う。
どう説明すればいいのだろう?
人生の長い期間を子育てや旦那、家のことに捧げ、自分というものを真っすぐに見つめるチャンスがなかった女性が、あるときを境に、それは子供の手が離れたとか、離婚したとか、人によって色々な理由があるのだが、これからは好きなように、自分らしく生きていこうと、まるで神の啓示でも受けたかのように決心する。
これは中年男性によくあるミドルエイジクライシスの真逆ヴァージョンみたいなもの。
ティーンエイジが思春期なら、ミドルエイジは思秋期だ。
思秋期、若かりし頃をもう一度思い出し、これからの人生を改めて考え直す時期。
多くの男性がミドルエイジクライシスなどで自暴自棄になったり、引きこもったりと困った問題に直面するが、女性はやはり強い、開き直り、残された人生を精一杯楽しもうとする。
女性のこういう時期の心のあり方、僕が勝手につけた「第二の自我の目覚め」ではなく、正式な名前があるのだろうか?

とにかく、Sさんは予想通り50歳くらいで、自分のビジネスをバリバリとこなす人だった。
早朝、仕事の前に写真を撮り、夕方移動中でもチャンスがあればシャッターを切り、週末は必ず写真を撮るためにどこかへ出かける。
ネイチャーフォトが中心で使っている機材は7D, 5DMarkll、16mm~200mmをカバーするLレンズ3本、ジッツオの三脚、そしてLightroom4と1年間でどれだけ写真にのめり込んだのかがよぉ~くわかる。
撮っている写真もなかなか構図が安定していて、華やかな色使いの作品たちだ。
アドバイスを求められても、僕には何も言うことがない。
僕はきれいでまとまった写真というものを全く求めていないので、ナショナルジオグラフィックのコンテストのネイチャーフォト部門を狙うような人にアドバイスを求められると本気で困る。
そういう写真はもちろん素晴らしい、でも、僕が写真に求めるものはそこには全くない。
「じゃあ、どんな写真が見たいの?」と聞かれたとき、「あなたの目にしか写らないものを、しっかりと捉えた写真」と応えると、彼女はますます困惑してしまった。
どんなに機材が揃っても、そういう話をするのは、もっと後なんだろうな思った。
ちょっと上から目線で恐縮だが。

食事に招待されたとき、(まだ2度しか会ったことがなかったのだが)彼女は写真にのめり込んだ経緯を話してくれた。
子供たちが家を出た後、離婚をし、外国で一人ぼっち、毎日泣いて暮らしていたらしい。(とてもそんなタイプの人には見えないが)
暗いトンネルから抜け出す方法を必死で模索した。
離婚とともに家族ぐるみの付き合いだった人たちとは疎遠になった。
仕事以外は家から一歩も外に出たくなかった。
このままでは本当に自分が壊れてしまうと、恐怖を感じた。
外に出るきっかけを作るために、オリンパスのPEN2を買った。
それまで写真などまともに撮ったことがなかった。
撮った写真を見ると、心が癒された。
癒されるために、もっと撮りたいと思った。
きれいなものを撮れば撮るほど心は癒され、きれいなものを撮るために山へ海へとカメラを持って出かけるたびに、傷はだんだん癒えていった。
もっときれいに撮るために、カメラが増え、レンズが増えた。
写真が好きだという人には、片っ端から会い、どんどん知識を吸収した。
知らないうちに、友達が増えた。
元旦那とも、子供たちとも、まったく繋がりがない、自分だけの友達だ。
今後の夢は、一所懸命仕事をしてある時点でビジネスを売り、まとまったお金を持って何年間が撮影の旅を続けること。
そして、写真集を作りたいと。
写真は文字通り自分を救ってくれた、本当に感謝している、と彼女は言った。

こんな素敵な話を聞けて、本当にうれしかった。
僕も写真に関わる人間でいれて、よかったと思った。
僕にとっても写真は常に生きる原動力で、未来に向けていつも夢を見させてくれるものだ。
ありがとー、写真!










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昨日行われたNew Norfolk Autumn Fest (ニューノーフォーク・オータムフェスティバル)。
毎年、これが終わると、ああ、いよいよ秋だなぁ、と思ってしまう。
「秋はオータム(Autumn)(秋)、木の葉がフォール(Fall)(秋、落ちる)」と中学の時に英語の先生に教えられた呪文のような英単語の覚え方が頭の中を流れる。




















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おっ、まだ3位にギリギリしがみついている。秋になってもランキングはFallしないよう頑張ろ。



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by somashiona | 2012-04-02 23:01 | デジタル

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