Finding Vivian Maier (ヴィヴィアン・マイヤーを探して)




先日、写真に関する素晴らしいドキュメンタリー映画を観た。
Finding Vivian Maier (ヴィヴィアン・マイヤーを探して)だ。
タスマニアの映画館では今公開中だが、日本で公開されているかどうかはわからない。
YouTubeで日本語の予告を探したが見当たらなかったところをみると、まだ未公開かもしれない。



若き青年がサイドビジネスで書いている歴史史書にそえる古い写真を手に入れるために主にリサイクル品などを扱うローカルのオークションに出かけた。
そこでダンボール一箱分の写真の露光済みネガフィルムを購入した。
スキャナーで写真をパソコンに取り込み、ざっと目を通したが彼の目的に叶いそうな写真が無かったのだが、それらの写真に彼は魅了された。
数ヶ月間、ネガの箱を部屋の隅へ放っておいたのだが、ウェブ上で写真を公開すると瞬く間に大反響を巻き起こした。
このネガの入った箱のなかから撮影者がヴィヴィアン・マイヤーという名も無きアマチュアの写真家だということが分かったが、彼女を突き止めようとしてすぐに彼女がつい先日亡くなったことを知った。
彼はvivianmaier.comというサイトを立ち上げ、彼女の写真をどう扱うべきか人々に問うた。
サイトはどんどんアクセス数を伸ばし、彼女の写真の評価は世界中で高まっていった。
彼はヴィヴィアン・マイヤーに代わり写真展を各地で開くのだが、それらは全て大盛況。
出版した写真集はアメリカで2012年、2013年と売り上げランキング1位に輝いた。



ヴィヴィアン・マイヤーの写真は1950年だいから1990年代にかけてのシカゴのストリートフォトとナニー(住み込みの家政婦、乳母)として働いた家族やその子供たちのスナップが中心だ。
ローライフレックスという6x6フォーマットの2眼レフカメラで10万枚以上にのぼる写真を残したが彼女はそれらの写真を誰にも見せなかった。
生涯独身を貫き、人との付き合いを極力避けていた彼女は謎に包まれた人物だった。
彼女の写真を見つけた青年がヴィヴィアン・マイヤーという女性の生涯を明らかにしていくという展開でこのドキュメンタリー映画は進んでいく。



さて、この映画、写真を撮る身の僕にとって考えさせられることの多い作品だった。
特に2つの点を僕は深く考えた。

1つ目。
内なる世界(自分に向けて)に向けて撮った写真は潔く、媚びず、純粋だということ。
彼女の写真はアマチュアの域をはるかに超えた素晴らしい作品だ。
あれだけの写真を撮っていれば自分でも撮った写真に十分な手応えを感じていたはず。
実際、母に宛てた手紙の中で彼女は自分はいい写真を撮っている、と言っている。
もしそうなら、次に起こる欲求は他者にそれを見せることだろう。
なぜ彼女はそうしなかったのか?
まるで日記を書くように、彼女は最後まで自分のためにシャッターを切ったのだろうか?
職業的な写真を撮る僕としては、他者の目や評価を気にせず、あくまでも自分の欲求や本能や、生理に従って撮る写真の強さにただただ打たれるばかりだった。


2つ目。
ストリートフォトの重要性と現代における肖像権の行き過ぎた被害妄想。
彼女が切り取ったシカゴのストリートフォトに世界中の人々が感動した。
殆どの写真が至近距離から被写体の許可無く撮った作品だ。
ストリートフォトを撮るものなら当たり前にわかることだが、どんなに魅力的な被写体もカメラの存在に気がついた瞬間、すべての魔法はとけてしまう。
魅力的だと思った被写体も声をかけた瞬間、ただのスナップショットに成り下がる。
世界中の人たちがヴィヴィアン・マイヤーのストリートフォトを見て感動したのは、それらが演出ゼロ、被写体の自意識ゼロの自然な一瞬だからだ。
これそこが時代を切り取ることであり、記録としての写真の真価を発揮するところだ。
昨今、こういったストリートフォトを撮るのが本当に難しくなった。
公衆を歩く人にレンズを向けると、それはほとんど犯罪者だ。
写真を撮ったのがバレたらとにかく逃げなさい、という人さえいる。
オートバイの出す音を全て騒音だと感じる人。
ヌード写真はすべてポルノだという人。
ストリートフォトは肖像権の侵害だという人。
こんな声に従っていたら、僕たちはものを自分の頭で判断する能力を失うし、なによりも未来の人たちに僕たち本当の生き様を残せなくなってしまう。
多くの人たち、特に写真や映像に関わる人は過敏な肖像権の問題と戦ってほしいものだ。


久しぶりに語りが熱くなって、長文になってしまいました。





























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最近の写真でストリートフォトを探したが、悲しいかな僕自身ほとんど撮っていない。
ストリートフォトには色々な撮り方があるが、この写真はこの空間に誰かが通るのを待ってシャッターを切ったもの。
絞りをF8にして、ピントは人が通るだろう場所に固定する。
後はそこにイメージに合う人が来た時に一瞬カメラを構え、シャッターを切るだけ。





















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ストリートフォトを撮っていて撮られた人や警察から苦情が来た場合、逃げてはいけないと思う。なぜその写真を撮る必要があるのかしっかりと説明し、それでも被写体が(警察ではない)不快に思うなら本人の前で写真を削除すべきだろう。ストリートフォトを撮るにはそれなりの気構えがいる。



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# by somashiona | 2014-11-18 20:47 | 写真家

ティーンエイジャー




今日の写真はホバート市が運営するティーンエイジャーの為のリクリエーション施設で撮影したものだ。
写真やビデオ等の映像設備、音楽やダンスのスタジオ、ゲーム、絵画、スポーツ、ビリヤード等、ティーンエイジャーがここに来れば彼らの興味関心をとことん追求できる場であり、市の職員が彼らのサポートをしている。
ここのティーンエイジャーたちは本当に恵まれていると思う。



何歳になったらティーンエイジャーと呼ぶのか?僕は漠然と15歳くらいからという感覚だったのだが、娘とその話をしていて、13歳からそう呼ばれるのだということを知った。
理由はいたって簡単、10(テン)、11(イレブン)、12(トゥエルブ)、13(サーティーン)、14(フォーティーン)、、、と13歳からティーンになるから。
今までこんなに長く英語圏に住んでいて、そんなことも知らなかったとは、、、。



もし「バックツーザフューチャー」のようにタイムマシーンに乗ってもう一度自分の人生をやり直せるなら、何歳の頃に戻りたいか?
ティーンの頃は辛い思い出ばかりで、当時は一刻も早く大人になりたかった、という話を今までかなり多くの人から聞いたが、僕のティーンの思い出は比較的楽しかったような気がする。
もしもう一度戻れるなら、中学生くらいからがいい。
中学生に戻ったら何をするか?
勉強をしたい。たくさん勉強をして、たくさん本を読みたい。
もちろん良い大学へ行くためなどではなく、とにかくできうる限り色々な知識を吸収したい。
写真にはまだ出会わなくてもいいし、女の子ともイチャイチャしなくていい。
タバコには手を付けず、部活動に参加しなくてもいいが、適度な運動はしたい。
もっと早い段階で外国の生活も体験したい。
ティーンの時に海外留学していたら、英語はもちろん、国際感覚も今とはまったく違ったものになっていただろう。



ティーンエイジャーを見ていると彼らの無限の可能性を羨ましく思うが、ひょっとすると70歳、80歳くらいの人たちが今の僕を見たときも同じようなことを思うのかもしれない。
何事も遅すぎるということはない。












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女の子とイチャつかなくてもいい、とは言ってみたが、ティーンエイジャーのあの身を焼くようなせつない恋もまた味わいたいかも。



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# by somashiona | 2014-11-16 20:18 | 人・ストーリー

病院の人たち




タスマニア10,000人プロジェクトでは病院の中の人たちをどうしても撮りたかった。
僕が撮影をする場所に来れない人たちも公平に扱いたかったからだ。
ロイヤル・ホバート・ホスピタルというホバートで一番大きな病院が協力してくれることになった。
本当は入院患者の部屋を一室ずつ訪問したかったのだが、プライバシー、安全、その他いろいろな制限があり、結局病院のロビーに僕のフォトボックスを設置することになった。
広報担当者が撮影の手伝いをしてくれる、と言われていたのだが、撮る人たちの制約を受ける可能性が出るのはちょっと嫌だな、と内心思っていた。
僕を手伝ってくれたのはとても綺麗なうら若き女性で、結局は何の制約を受けることなく楽しく撮影ができた。








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タスマニアは深刻な医者不足で世界中からドクターを集めている。
オーストラリア人のドクターに診てもらうより、訛りのある英語をしゃべる外国人のドクターのほうが圧倒的に多い気がする。ちなみに僕の主治医もヨーロッパ人女性だ。














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入院患者がロビーまで降りてくることがあまりないのは予想外だった。
点滴を受けている人物を撮るのが病院で撮影する際の僕の基本的なイメージだったが、実際に点滴を手に歩いている人を見かけたのはたった一人だった。
11,000人のポートレイトの中で点滴と一緒に写真を撮ったのはこの女性一人だけだ。














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病院といえば身体に何処か問題がある人が来る場所という先入観を持ってこの撮影に臨んだのは、僕自身がしょっちゅう病院のお世話になっているからだろう。
この赤ちゃんは生まれてからまだ48時間以内しかたっていない。
そう、病院は命が誕生する場所でもあるのだ。
ここでは出産後、通常2日後に退院し、赤ちゃんと一緒に家に帰っていく。














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顔中にワセリンを塗りたくったような男性が歩いてきた。
黒いスタジアムジャンパーを着ていた。
どうして病院にいるの?と聞くと、身体にやけどを負ったからだと言う。
ジャケットを脱いで写真を撮ってもかまわないかと聞くと、彼は人が行き交うロビーの中でジャケットを脱ぎ、何も言わず僕のレンズの前に立ってくれた。
いい写真が撮れたと思った。














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プロジェクトの写真は見せたいもの、語りたいものがありすぎる。一日5枚ずつ更新しても、2200回かかる、、、。



病院のロビーで入院患者の服を脱がせないでくださいっ、と思った人はポチッとよろしく!









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# by somashiona | 2014-11-14 21:52 | 人・ストーリー

衝動買いして良かったモノ




僕の悪い癖は値段もろくに見ず衝動買いをしてしまうことだ。
今年衝動買いしたもので、本当に買って良かったと思ったものが2つある。


一つはサラマンカマーケットで買った帽子。
僕は割りと帽子が好きなのだが、気に入る帽子にはなかなか出会わない。
見た目の形がどんなに良くても、被ってみるとどうもしっくりこないのだ。
サラマンカマーケットにはたくさん帽子の出店があるがこの20ドル前後の安い帽子がなぜか気に入って衝動買いしてしまった。
それいらいこの帽子の出番は多い。


帽子の下にあるライトブルーのマットはヨガマットだ。
iPhoneにヨガスタジオというアプリケーションを入れて以来、どういう訳かとても気に入ってしまい毎日最低でも30分のヨガをやるようになった。
たぶんメディテーションをやるようになったこととも関係があるのだろう。
呼吸に集中しながらゆっくりと体を動かすと、身体の緊張がほどけていくのがわかる。
ヨガの動画を見るとどんな人も必ずヨガマットの上で身体を動かしている。
なぜそんなものが必要なのだろう?と常々思っていたのだが、たまたまお店にあったのを見かけ、衝動買いしてしまった。
少し厚めのマットで確か70ドルくらいしたと思う。
さっそく家に帰って新品のマットの上でヨガをやってみると、ビックリするほど心地いい。
手足がしっかりとグリップされて、今まで不安定だったポーズも決まる。
なるほど、だから皆マットの上でやるのか、と深く納得してしまった。












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過去の衝動買いで、買ってよかったもののベスト1はマウンテンバイクだと思う。



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# by somashiona | 2014-11-12 19:00 | デジタル

ライカ100周年のCM




レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」、ムンクの「叫び」など全く絵画に精通していな僕でも知っているような絵は世界でもかなり有名なものなのだろう。
同じく写真史の中にも、写真にさほど興味がない人でも一度は必ず目にしているような有名な作品がある。
それらの写真は写真家の狙いを遥かに通り越し、その時代を象徴、反映する歴史的な写真だ。


先日、偶然にライカのCMをYouTubeで見て、僕は感心してしまった。
ライカが生まれてから今年で100周年になるらしく、僕が見たのは「Leica 100」というCMだった。
ライカは写真の歴史を変えたカメラだ。
それまで大判カメラを中心に写真は撮られ、圧倒的に大きいという物理的理由で撮影できる環境や被写体は圧倒的に広まった。
ライカが出来てからの100年の歴史的写真は殆どがライカで撮られた写真かもしれない。
「Leica 100」というCMではその歴史的写真が見事に演出され、動画の中で再現されている。
よくぞここまで本物の写真に似せて創りあげたものだ!
これらの写真は絵画で言えば「モナ・リザ」や「叫び」に匹敵するような超有名な写真ばかりだ。
あなたはどれくらいの写真を知っているだろうか?
写真を真剣にやっていて、この映像の中の写真を知らないという人には偉大な写真家たちが残してくれた優れた作品をじっくりと鑑賞し、写真とは何かを考えてみることをすすめる。




それにしても、今から100年後にライカが「Leica 200」というCMを作ったら、一体どんな写真たちが登場するのだろう?
まさかPhotoshopでいじり倒された写真群が連なるのでは、、、。
それはないとしても、そこに登場する写真たちの中でライカで撮られた作品は殆ど無いような気がする。























今日の僕の写真は霧が立ち込める早朝に朝焼けが差し込み、そこに出来た虹を撮った写真。
虹の背後にあるのはホバートのアイコン、マウント・ウェリントンだ。













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# by somashiona | 2014-11-11 16:49 | デジタル

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