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相原さん、フォトキナへの道 最終回




一連の撮影を終え、僕たちは再びブルームへ戻った。
いよいよ満月の夜だ。
まだ外が明るが月への階段を撮るためベストポジションを確保し、三脚3本に3台のカメラをセットし、暗くなるのを相原さんと僕はじっと待つ。
本格的なカメラを3台も海に向けて並べ、おまけに首からも数台のカメラをぶら下げている僕たちはハッキリ言って目立つ。
変わった人間を見ても驚かないオージーたちが、記者会見でもはじまるのでは、と僕たちの周りに集まってくる。
相原さんは本気モードに入っているので(金剛力士様)半径3メートル以内に近寄った多くのオージーたちは本能で危険を察知し、それ以上は距離を詰めないが、なかにはやはり空気の読めないおばさんなどがいて、大胆にも三脚の上のカメラに触り、ファインダーを覗こうとする。
すると相原さん思いっきり日本語で「だめだー、触らないで!」と吠える。
日本語の分からないおばさんには黒い顔をした国籍不明の大男が「ダァ〜ッ、ダダダー、デェー!!!」と吠えているようにしか聞こえないだろが、それでも恐ろしいには変わりなく、すぐに尻尾を巻いて逃げていく。
しかし、そんなふうに周りの人間を追い払っているのにも限界があった。
月への階段が海面に出来る時間になる頃にはこんな小さな街のどこから人が湧き出て来るのか、辺り一面が東京の朝の地下鉄ホーム並みの人だかりになった。
僕は周りの人がカメラや三脚に触れないよう人間ポプラ並木になっていたが、それでも防げない邪魔者もいる。
(人だらけの空間で3本も三脚を立て、怖い顔をしている僕と相原さんこそが周りの観光客にとってはたまらなく迷惑な邪魔者に違いないが、、、)
ティーンエイジャーの男子が撮影中の三脚に触りはじめた。
それに気づいた相原さんは今にもその子に殴り掛かりそうな勢いだったので、僕がその子にキツく注意した。
僕に何か言い返そうと思ったその男の子、相原さんの殺気に気づき、すぐに相原さんに背を向け、地面に体育の座り方で座った。
一人の少年が危なく一命を取りとめた瞬間だ。

人ごみの中で相原さんは美しい月への階段をものにした。
この瞬間、今回の撮影の95%は終了したと言っていいだろう。
ブルームのレンタカー屋で遅ればせながらランドクルーザーを手に入れ、(ニッサンを返す時は新車と思えるくらいピカピカに磨いた。もちろん舗装以外の道を走ったことがバレないように)さらに撮影を行い、再びパースへ戻った。
僕たちはパースから北へ250kmのピナクルズへ向かった。
ここが今回の撮影の最終地点。
ここも不思議な場所だった。
砂丘のような場所にニョキニョキと突き出た岩、と思ったらこれは木の化石らしい。
ここにUFOが着陸しても違和感のない風景だ。
僕は毎日宇宙人みたいな人と寝起きを共にしていたのでどんな生命体と遭遇してももう驚きはしなかったろうけど。

朝から晩まで2日間ここで撮影をした。
僕もここが最後だったので少しだけコンデジでピナクルズの風景を撮った。
太陽が完全に沈みきったとき、「これで撮影は全て終了です」と相原さんがいい僕たちは固く握手をした。
このとき、胸に込み上げるものがあったが、それは皆さんも理解してくれるだろう。
僕ですら全力を出し切ったと思えたのだから、このときの相原さんの気持ちはかなりの満足感があったのでは。
それとも、現像のあがりを見るまではやはり達成感のようなものは沸き上がらないのか?
このときはやり遂げたことがただ、ただ嬉しくて相原さんの立場でものを考える余裕はなかった。

写真を撮るにはもうわずかしか残されていない光で僕と相原さんは一緒に記念撮影をし、その夜は二人だけの打ち上げディナーということで豪勢にロブスターを食べた。
もちろん、僕たちにとってそれは格別の味だった。

この時の写真がたくさん使われたドイツでのフォトキナは大成功だった。
これが相原さんの写真家としてのキャリアに特別な意味をもたらしたのは間違いないだろう。
僕も貴重な経験をさせてもらった。
相原さんには心から感謝したい。

皆さん、こういうプロセスを経て相原写真は写真展で飾られ、写真集に収められるのです。
なので彼のプリントと対面する時は3回お辞儀してから見るようにしましょう。


今回の「相原さん、フォトキナへの道」シリーズをアップしたのは、どSの人たちからのアリソンの話を書けと脅されたからというのも理由の一つではあるが、僕としては相原さんの長年の夢が実現した写真絵本「ちいさないのち」に捧げるエントリーだ。
この本には僕の名前も記されていると相原さんに言われた。
嬉しい話だ。


5話からなる長い話に付き合ってくれてありがとう!
「タスマニアで生きる人たち」しばらくノンビリ更新に戻ります。
アリソンの顔は皆さん一人一人の想像力におまかせします。(笑)












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眼だけで敵を打ち倒すことが出るのは極真空手の創始者マス大山と相原さんだけ
押忍!








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インド洋の朝
海の色、空の色、光、空気、インド洋には全てにおいてうっすらとオブラートで包まれたような柔らかさがある








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写真だけ見せられて、ここは火星ですと言われたら、納得しちゃいそう








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僕は何も悪いことやってません、本当です、信じてください
悪いのは相原さんの人相です








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これが木だったって、どういうこと?
こんなふうに木が化石化して残るのはとても珍しいことらしい








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完全に入っちゃっている時の相原さん








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キムタクや渡辺謙が演技でする撮影のカッコよさとは次元が違うだろ!
どうだ、全世界の女性たちよ、男の本当のカッコよさに気づくのだ!
どうだ!








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撮っても、撮ってもキリがないほど被写体があるピナクルズだが、撮るべき時間帯は一日の中でもほんの数十分だ
もちろんその一番美味しい時間帯は必死で相原さんのアシストをしているので、僕は撮れないけど








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どうだ、惚れたか!どうだぁ〜〜〜〜!








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この夕日を見たとき、ああ、ついに全てが終わってしまうのか、と思った
身も心もヘロヘロだったが、写真を愛する僕にとって最高の現場にいつまでもどっぷりと漬かっていたいという気持ちが少し僕を切ない思いにさせた








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ピナクルズにさようなら、西オーストラリアにさようならだ








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打ち上げのディナーで食べた海の幸
第一話の飛行機から撮った写真が2006年7月9日
そしてこの写真が2006年7月24日
あっという間だった












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(冗談です。心の綺麗な方、真に受けないでください)

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by somashiona | 2009-11-10 15:22 | 人・ストーリー

相原さん、フォトキナへの道 第四話





この大撮影会についていこうと思った最大の理由は西オーストラリア北東部キンバリーにある地球最後の秘境バングル・バングルへ陸路で行けるからだ。
地球最後の秘境と呼ばれるのは1982年にはじめて西洋人がこの地に入り発見されたため。
27年前までアボリジニ以外の誰もこの地に足を踏み入れたことがないって、どんな場所さ?といつも憧れていた。
観光ならセスナやヘリで行くか、もしくはベテランのドライバーズガイド運転するが大きな4WDで連れて行ってもらうしか手はない。
自分たちで運転してそこまで行くのは本当にちょっとした冒険なのだ。


今までいろんな場所へ行ったがバングル・バングルのような不思議な場所には一度も行ったことがない。
ここはもう別の惑星だ。
蜂の巣のような横縞の線が入ったドーム型の山々が延々と続く。
ここでこの山の色と形をしたバングルバングル・ブラジャーを売ったら女性たちの間で人気が出るに違いないと真面目に相原さんに言ってみたが、軽く流された。
地面はまるでアントニ・ガウディが石膏を固めて作ったかのような不思議な灰色の波模様。
そこにはたくさんの溝があって、その深さは1メートルから深いところでは2メートルくらいあるだろうか。
もし落ちてしまったら大変なことになる。
機材は救出するだろうけど、僕は見殺しにされるにきまってる。
暑いし、体力使いたくないし。
地面がこんなふうになっているのは、実はここ、雨季には濁流が流れる川底だかららしい。
ガウディの力ではなく、水の力でこんな凄い川底になったのだ。
ということは、僕が歩いている今も、もし雨が降ったら、ここにいきなり濁流が押し寄せるのかと思い怖くなったが、乾季にそれはあり得ないと相原さんが僕を落ち着かせてくれた。
この猿の惑星のようなバングル・バングルを重い三脚や機材一式を背負って何時間も歩いていると脳みそが溶けていく。
早朝はまだいいが、昼頃にもなるとフライパンの上を歩いているようだ。
相原さんの写真の凄さは、普通こんなことまでして写真撮らないよなぁ〜ということをして、マシンガンのようにシャッターを切り、その中から選りすぐりの一枚を手に入れているところだ。
僕ならカメラ一台にズームレンズを付け、さらに三脚も軽めのものを選び、それでも現場に着いたら過酷な環境に尻込みし、ルックアウト(見晴らし台)から数枚撮って、さっさとエアコンの効いたホテルの部屋に戻るだろう。
これはやはり選ばれた者が行う儀式なのだ。


この旅のハイライトはたぶんヘリコプターからのバングル・バングル空撮だったにちがいない。
先日ヘリのパイロットと相原さんは綿密な打ち合わせをした。
いいパイロットに当たらないといい写真が撮れないらしい。
僕は生まれてはじめて乗るヘリコプターにもう子供のようにウキウキしていた。
空撮の日、僕たちは朝4時に起きた。
朝5時、まだ空が暗いうちから飛び、上空で日の出を撮るのだ。
なんて贅沢な話だろう。
贅沢といえば、空撮のためヘリをチャーターするコストはかなり贅沢。
マシンガンのように撮り、このコストに見合う写真をものにしなければいけない。
ただでさえも冷え込むアウトバックの朝、ヘリのドアから(開けっ放し)身体半分乗り出し撮影するとき思考能力はゼロだ。
ピントのリングが知らぬ間に動くことがないよう無限大にしたままテープで固定し、ペンタの645にフィルムを入れる僕もブロニー未使用フィルムと35mmフィルムを感度別にウェストバックへ入れ、露光したフィルムもすぐに別のウェストバックへ入れる。
冷たい強風が機内に巻き込むためフィルムが風で吹き飛ばされないよう確実にウェストバックの中へ入れないとダメなのだ。
パイロット、相原さんそして僕の3人がそれぞれ頭にヘッドフォンを付けている。
ヘリコプターがたてる凄まじいエンジン音と機内に吹き込む強風のなかでもお互いの会話が聞こえるように。
相原さんがパイロットに細かい指示を出す。
「3時の方向へいって」「あの山の少し上でホバリング(空中で停止すること)して」などと。
気持ちを落ち着かせるため僕は映画「地獄の黙示録」のヘリコプターのシーンで使われていたワーグナーのあの音楽を口づさむ。
するとパイロットは笑ったが相原さんの顔はマグネチュード8.3度級の金剛力士顔になっていた。
朝日が射してからのことはほとんど覚えていない。
僕はただただ必死だった。
大急ぎでフィルムを詰め込み、相原さんの手に渡し、露光したフィルムをウェストバックに入れ、その作業を何度も繰り返した。
相原さんがどのレベルの金剛力士顔をしていたかも全然覚えていない。
あれほど楽しみにしていたバングルバングルの上空からの景色も撮影が終わるまでほとんど見なかった。
アリソンのダイナマイトボディのこともさすがにこの時ばかりは頭をよぎらなかった。
















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バングルバングルといえばこの茶色の奇岩
浸食による3億6千万年の地層の顔
相原さんが撮るのはそのポートレイト








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こんな中を重い機材を背負って歩く
朝は指先がかじかむほど寒く、昼間はベーコン&エッグになりそうなくらい暑い
もちろん相原さんがベーコンで僕がエッグ








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バングルバングルといえば茶色の奇岩なのだけど、僕にはこの川底の記憶の方が強い
こんな地面の上を今まで歩いたことがなかったことと、重い機材を背負ってこの地面をジィ〜と見つめながら一日に何時間も歩き続けたからに違いない








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こんな凄い景色の中にいるのに、周りの景色を撮る気力もなく、ひたすら歩く時の自分の影を撮る








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インディージョーンズの映画に出てきそうな岩の隙間を歩いていくと半洞窟のような空間がある
こげそうなくらい暑い日中でもそこはエアコンが入っているようにひんやりと涼しい
昼寝には絶好の場所だ
ここには観光客が数人いた
人の大きさが分かるだろうか?








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誰だ、こんなところにコンクリートでオブジェを作った奴は、と思ったら犯人はアリだった
こんな蟻塚がいたるところにたくさんある








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頭が暑さのため朦朧とし、どちらが影でどちらが本物なのか見分けがつかない








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こんな草原の中をどうやってアボリジニたちは歩いてきたのだろう?
僕なら3日でお陀仏だ
綺麗だけど、こわい








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同じ場所でも時間によってその印象は刻一刻と変化する
自然が与える色の前ではフォトショップなど虚しくなるばかり
本当に美しいものを見たとき、それをいかにそのまま伝えれるかが最大の課題になる
自分が感じた感動をそのまま伝えること、簡単なようで難しい








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この写真、僕には自慢の一枚だ
何が自慢かって、この写真を撮った時何かイヤな予感がした
そして夢中で撮影ポジションを探す相原さんのところまで近寄ると、この位置から全くわからなかったが、相原さんが乗っている岩の2メートル後ろが断崖絶壁になっていたのだ
「相原さん危ないからさがらないで!」この旅で一番大きな声を僕は張り上げた
そう、相原作品を今後も見ることが出来るのは僕のおかげなの、わかる?
マナブッチ〜のくせに〜、とか言わないように








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いい写真が撮れているかどうか、それは相原さんの顔を見ていれば分かる
これ、という被写体、これはものになる、という獲物を見つけた時の相原さんはライオンが静かに獲物との距離を詰めているときの状態に近い
透明で静かな空気がそこに流れるのだ
金剛力士は求めているとき
見つけると仏陀








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さて、皆さんならこの場をどう切り取るか?








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そして、撮れた時の顔は、、、う〜ん、上手い言葉が見つからない、、、
この瞬間何を撮ったかは「ここ」を見てねぇ〜








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空撮の前日、パイロットと綿密な打ち合わせを行なう
英語力、世界で仕事をするには必須だ
もし日本人にもっと英語力があれば、世界中で日本の素晴らしい才能ともっと頻繁に巡り会うことが出来るだろう
特に音楽
ヴァージンレコードのリチャード・ブランソンの伝記で「どんなに素晴らしい音楽であっても、それが英語で唄われていなければ、世界では通用しない」というようなことが書かれていたのを思い出す








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ヘリコプターの上からコンデジで撮った唯一の写真










次はいよいよ最終回!
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by somashiona | 2009-11-09 07:24 | 人・ストーリー

相原さん、フォトキナへの道 第二話



満月まではまだ数日時間が残されている。
ブルームでランドクルーザーをレンタルし、いよいよアウトバック(Outback:オーストラリアの内陸部に広がる、砂漠を中心とする広大な人口希薄地帯を指す。オーストラリアの人口の90%は面積にして約5%の沿海地域に集中しており、内陸部地域の人口密度は1人km²以下である。ウィキペディアより)へくり出す。
が、しかしそこで問題発生!
予約してあったランドクルーザーが事故でレンタカー屋さんにない。
でもニッサンのXトレイルならあるからこれで旅をしてくれとレンタカー屋さんはいう。
結構見た目も大きく、荷物もたっぷり入りそうな4WDで僕はホッと一安心だったが相原さんは眼を吊り上げてまだお店のスタッフに噛み付いている。
日本なら当然レンタカー屋さんがこの問題をなんとか解決してくれるのを期待するところだが、ここはオーストラリア、しかも西の外れの小さな街、ないものはない、で終わってしまう。
他に数件あるレンタカー屋、その他全ての可能性を模索したが結局4WDらしい4WDはこのニッサンしか手に入らなかった。
アウトバックではランドクルーザーじゃなきゃダメなんだ、と相原さんはいつになく心配そうな顔。
契約書にサインする際、いや〜な一文を見つけてしまう。
シールドされたロードしか走っちゃダメ、、、。
それって舗装道路しか走っちゃダメって言うこと?とお店のスタッフに聞けば、そうだ、と答える。
何のための4WDだぁ〜〜〜!
道なき道を走り、最高の被写体を撮りにいくのが今回の任務なのに、、、。
舗装道路以外では何があってもレンタカー屋さんは一切責任を負わないという。
レッカーから修理、保険、すべて自己負担になる。
僕と相原さんは無言で顔を見合わせ、微かに頷いた。
良い子のままでは達成できないことが、世の中にはたくさんあるのだ。

今回の旅、僕は自分コニカのヘキサーRF(レンジファインダーのフィルムカメラ)とFuji FinePix F11しか持っていかなかった。
自分の一眼レフカメラを手にし、凄いものを目の前にしながらアシスタントの自分は撮れないという状況が拷問に匹敵すると分かっていたからだ。
今回はアシスタントに専念し、ちょい撮りのスナップだけにすべきだと思った。
この旅で僕が撮ったポジフィルムは引っ越しをした時にどこかの箱に入れたままで行方不明。(引っ越しの後、まだ開けていない段ボール箱が多数あり)
なので今回はコンデジのFinePixで撮った絵だけをブログに載せている。
このコンデジ、来週は息子のソーマ、10歳の誕生日プレゼントとして僕の元を去ることになっている。(涙)
ソーマはこのコンデジの動画機能を使って遊びたいそうだ。
おっと話が逸れた。


相原さんとの撮影の旅、毎日毎日、気の遠くなるような距離を車で移動した。
ちょっと次の街まで400km、と言うノリだ。
途中の街で見かけるアボリジニたちにはかなり衝撃を受けた。
アウトバックの強い太陽、建物や木の下には濃い影ができる。
その濃い影の中を眼をこらして見てみると必ず何かがうごめいている。
平日の真っ昼間、もの凄い数のアボリジニたちが何もせず空を見つめ、もしくはお酒を飲み酔っぱらっている。
アボリジニの土地に入ってきたオーストラリア人が引き起こした問題なのでオージーたちが面倒を見るのが当たり前だとしても、これは本当に深刻な問題だ。
こんな言い方をすると彼らに失礼だが、真っ昼間にうつろな眼をしてふらふらと歩き回るアボリジニたちは、まるでゾンビの群れのようだった。
僕がアメリカに住んでいたとき、LAのダウンタウンにホームレスたちが群れる一角があった。
カメラを持っていればどんな被写体にも近寄れる僕でも、あの一角は恐ろしくて近寄れなかったが、西オーストラリアで見たアボリジニたちはその雰囲気ととても良く似ている。
マルチカルチャーが根づいた健全な国オーストラリアでこんなことが起こっているとはまったく信じがたい。
新聞やテレビのニュースで彼らのことはしょっちゅう取り上げられているが、実際に自分の目で見ると根の深いこの国の問題を肌で感じることが出来る。
まさに百聞は一見に、だ。
彼らの写真を撮ることを個人的に楽しみにしていたが、彼らの姿を見て観光客気分で撮ってはいけない被写体だと感じ、結局一枚も撮らなかった。

アウトバックではひたすらバオバブの木を撮り続けていたような記憶がある。
撮影地を具体的に言うことはできないが相原さんがバオバブを集中的に撮った場所はバオバブの楽園のような場所だった。
大草原の中にニョキニョキと立つバオバブたちは意志を持った生き物のようだった。
そして、彼らが相原さんに「さあ、私を撮りなさぁ〜い」と囁きかけているようだ。
バカなことを言っているように聞こえるかもしれないが、テントの中で寝泊まりして、夜明けから日没まで大自然の中を彷徨っていると、相原さんがよく言う「被写体に呼ばれてシャッターを押した」というという境地に確かに達するのが分かる。
現代人が自然の波長と調和するまで、確かに時間はかかるが、一度チューニングが合うといろんな音や声が聞こえてくるのだ。
相原さんの写真展や写真集ではこの木が頻繁にそして魅力的に登場するはず。
バオバブの木は相原写真のアイコン的な被写体と言ってもいいだろう。
彼にしてみれば友達の写真を撮っているようなものだが。

相原さんと僕の朝は遅くても5時にはじまる。
砂漠気候なので昼間はうだるような暑さだが、夜や朝方はかなり冷え込む。
テントの中で暖かい服装に着替え、まだ真っ暗な外に出ると相原さんのテントからおはよ〜ございま〜す、と眠たそうな声が聞こえるか、僕がテントの中からそんな声を出すかのどちらかだ。
朝食はほとんど口にせず、すぐに機材やフィルムを車に運び込み、撮影の目的地へ向かう。
目的地はまだ真っ暗だが相原さんはどこへ行くべきか知っている。
くそ重い三脚2、3本、カメラのボディFujiのパノラマ2台、ニコンのF2を1台、ペンタ645を2台、S5のテスト機1台、僕のコンデジとヘキサー、相原さんのコンデジ、そしてそれらのボディに使用するであろう広角から望遠のレンズ多数、ブロニーと35mmフィルムを50〜60本(その日の撮影分)、こんな装備で真っ暗な茂みを延々と歩き、崖をよじ登り、木にぶら下がる。
もう随分昔のことなので細かい出来事は忘れてしまったが、人っ子一人いない暗闇の草原で相原さんのトレードマークの黄色いヘッドライトに照らされた光をたよりに歩くあの感覚は今でも夢に出てくる。
空気の冷たさでヒリヒリする頬、肩に食い込む機材の重さ、毒蛇を踏みませんようにと神様に願う心の声、身体の中をむずむずと這い回る虫の感覚、これを皆さんと共有できないのが残念でならない。
特に僕はネイチャーフォトが専門です、といっていつも道路脇から写真を撮る人と。
空が薄紫色になり、朝日が差し込む頃までは撮影の準備ができていないといけない。
カメラを三脚にセットし、日が射してきたら戦闘開始だ。
もはやこの地球上には僕と相原さんしか生存していないのではないか、という気分になるような人っ子一人いない大自然の中でシャッター音と相原さんが僕に告げるレンズのミリ数だけがこだまする。
これが昼少し前まで続き、昼は木の影や車の下や影で休憩。
簡単なランチを食べる。
この時間くらいから僕たちはまともな会話(下ネタを中心とした)をやっとはじめることが出来る。
昼過ぎからまた撮影地を移動し、重い機材と一緒にあちこち動き回り、お日様が地平線の下に隠れるまで延々と撮り続ける。
キャンプ場に戻るのが夜の9時、10時前後。
それから僕は撮ったフィルムの番記(撮った順番にフィルムに連番、日付、感度を記入すること)をし、翌日のフィルムの準備をする。
相原さんはその間に夕食の準備。
たき火の炎や満点の夜空の星を見つめながら夕ご飯を食べるときが唯一心が和む時だ。
相原さんはこの時に持参してあるワインを飲む。(僕はげこ)
この時間が相原さんの至福の時らしい。
一度、ワインのコルク抜きをなくしてしまい、砂漠のど真ん中でコルクを抜けないワインのボトルを抱きしめて、相原さん発狂しそうになったことがあった。
コルク抜きが売っている街までの数日間、ワインボトルを撫でながら、見ている僕がもらい泣きしそうになるくらい焚き火の前でしょんぼりしていた。
食事が済んで、おやすみなさいを言った後、各自のテントの中で毎晩僕たちがやっていたことはダニとの格闘だった。
もの凄く寒いテントの中で夜の11時、12時頃に素っ裸になり、洋服のチェックをする。
頭に付けたヘッドランプで下着の縫い目など眼を凝らしてみるとダニたちがしっかりと張り付いている。
もちろん僕のひきしまった(?)お腹やプリティなお尻にも張り付いてちゅーちゅー血を吸っている。
たくさんやられると体調を崩し、動けなくなるとの情報を薬局で入手し、それ以来毎晩テントの中でダニ退治をするハメになった。
うとうとする眼を擦りながら。

















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昔、白人たちは鎖でつながれたアボリジニたちをこのバオバブのなかに閉じ込めたらしい








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何日に一度かは朝のひとときを楽しんだ。








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朝食のクロワッサンを撮る相原さん
あまりに真剣だったので、これもフォトキナようの写真だと僕は信じて疑っていなかった








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写真好きの人はカメラに囲まれている時が一番幸せ
たくさんあればあるほど顔がニヤける








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この日から僕は相原さんを「歩くヨドバシカメラ」と敬意を表して呼んでいる








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大草原の中で食べる相原さん特製バオバブカルボナーラ
スパイスはヘッドランプの光につられパスタの上に落ちる虫たち
量の多さに注目








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僕たちの周りは果てしない闇
人の住んでいる場所までは何百キロも先
冷静に考えるとちょっと怖くなる
さらにもう少し考えると、こんな贅沢はない、と気がつく












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by somashiona | 2009-11-05 21:25 | 人・ストーリー

相原さん、フォトキナへの道 第一話



2006年の7月、アウトドアショップで買い物をしていると携帯電話が鳴った。
日本から相原さんがかけてきた電話だった。
この頃、相原さんとは友人の紹介で知り合ったばかり。
タスマニアで相原さんの撮影に一度だけ同行し、僕の親友ジャーナリストのギャビーが記事を書き地元の新聞で掲載したというくらいの間柄だったと思う。
「こんなことをプロのカメラマンにお願いするのは恐縮なんだけど、、、」という前置きで、西オーストラリアで行なう撮影のアシスタントを僕にやってもらえないかと国際電話で聞いてきたのだった。
何やら撮影に同行する予定だったアシスタントさんがパスポートの問題で急遽オーストラリアに行けなくなったらしい。
オーストラリアの極めつけの風景が見れる、普通の観光旅行じゃ絶対に経験できない体験ができる、ヘリコプターにも乗れる、レストランのある場所ではおいしいステーキを食べさせてくれる、etc、美味しい言葉がたくさん並んでいたので「いいですよ、行きます、行きます」と僕は安易に返事をしてしまった。

一週間後、西オーストラリア、パースの空港で相原さんと落ち合った。
あれ、僕が知っている彼の顔となんだかこの日は様子が違う?

パースからすぐに西オーストラリア北西部にあるブルームという街へ飛行機で飛んだ。
車で移動すれば2,172kmの距離。
飛行機でよかった。
ブルームへ向かう機内で今回の撮影の説明を相原さんはしてくれた。

極秘任務1:この時はまだ市場に出ていなかったPROVIA 400X(リバーサルフィルム)を使かいドイツのフォトキナで富士フィルムさんのために出展する作品を撮りおろす

極秘任務2:この時はまだ完全に完成していなかった富士フィルムの一眼レフカメラ、Fuji S5を使いフォトキナで富士フィルムさんのために出展する作品を撮りおろす


フォトキナ、写真に携わる仕事をしている僕ももちろん知っている。
2年に一度ドイツで行なわれる映像関連業界の総合見本市、まさに映像業界のワールドカップだ。
ここで世界各国の業者に自社の製品をアピールできれば売り上げに大きく貢献するだろう。

「マナブさん、今回は撮影ではなく、戦争なので、そのつもりで仕事をしてください」と言った相原さんの瞳の中には巨人の星に登場する星飛雄馬のように(体型的には伴宙太、いや最近は左門豊作、おっと失礼!僕はもちろん花形満)メラメラと戦いの炎が燃えたぎっていた。
やばい、これは大変なことに巻き込まれてしまった、、、とエアコンの効いた機内で冷や汗をかきはじめた頃ブルームに到着した。
空が、雲が、空気が、匂いがタスマニアと全然違う〜、と僕がウキウキしていると、ニコリともしない相原さんがブルームの小さな空港ロビーで荷物到着を待っていた。
到着した荷物の量を見て、僕もの顔からもニコニコは消えた。
映画の撮影ですか?と聞きたくなるような荷物の量。
これ一体誰が運ぶの?しかも撮影の70%近くが過酷な土地でのキャンプなのに、、、?

ブルームでの撮影は大きく2つのポイントがあった。
一つは富士フィルムの特性をたっぷりと引き出してくれるであろう被写体、真っ赤な岩が印象的なガンシューポイント、そしてもうひとつは海面に写る月光がまるで月にかかった階段のように見える、月への階段。
フォトキナで写真を見る人たちは皆映像のプロだ。
彼らを唸らせる写真を撮るためには被写体自体に圧倒的パワーがなければいけない。
限られた時間内でパワーのある被写体を確実にモノにするには、どこに行けば何があるのかを事前に知っている必要がある。
しかもそれが一般の人たちにはなかなかお目にかかれないようなものでなければ人びとを驚かすことが出来ない。
これこそが相原さんの力だ。
今までオートバイやランドクルーザーでオーストラリアの辺境の地をキャンプ生活を送りながら何万キロも旅をした相原さんの頭の中には彼しか知らない特別な場所がたくさんある。
長年のオーストラリアの旅で得た選りすぐりの被写体を短期間のうちに最高の光でフィルムに定着させるのが今回の任務だ。

月への階段、今回の旅で満月の日はたった一日。
一晩で確実に決めなければいけない。
そこで素朴な疑問が僕の頭に浮かんだ。

「ねえ、相原さん、満月の日が雨降りだったらどうするの?」と僕。

「西オーストラリア、乾季の間は雨は降らない」と相原さん断言。

「でも、曇りでも階段見えなくなるでしょ?」とまだ素朴な疑問が消えない僕。

「絶対撮れるともう富士フィルムには言ってある」相原さん、口が真一文字。

ガンシュームポイントでは順調にいい写真が撮れていた。
それはアシスタントをしている僕でも感じることが出来る。
僕は慣れないペンタックス645のフィルムホルダーにブロニーフィルムをいかに早く入れるようになれるかで四苦八苦し、相原さんがカメラに付けているレンズの画角に自分が入らぬよう、影が出来ぬよう、それでいてレンズ交換の時にすぐレンズが渡せるよう、つかず離れずの距離を保ち相原さんが撮影に集中できるよう気を配る。
僕にしては珍しい集中力、真っ赤な岩のガンシュームポイントが岩朱ポイントだと日本語で思い込んでいたのも無理もないことだ。

















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メルボルからパースへ向かう機内からのショット
まだこの時ははじめて訪れる西オーストラリアのことで心はルンルンランラン








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撮影のとき以外はいつもニコニコの相原さんだが、この時は空港からすでに半金剛力士状態(そんな言葉はないが)だった








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この荷物はほんの一部








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3メートル以内に近づけるのはアシスタントだけ
レンズを渡す時は命がけ








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明るいのにどうしてナショナルのヘッドランプを頭に付けいてるのか?
その理由は相原さんの講演会の時にどなたか聞いてみてください
(ヘッドギアとプロテクターを忘れずに)








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仕事をしている時のプロの顔はかっこいい








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シルエットだけでもかっこいい








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PROVIA 400Xにぴったりの被写体













つづく













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by somashiona | 2009-11-04 20:09 | 人・ストーリー

愛される写真オタクを目指す



これは僕だけじゃないと思うが、僕たち写真オタクはいつでもどこでもカメラを持ち歩るき、身近な友人たちはそのターゲットにされやすい。
写真オタクは何か集まりがあるとすぐにパチパチと写真を撮り始める。
人がどう思おうが気にしない。
まったくもって無神経な人種だ。
レンズを向けられた友人たちも、やれやれと思いながら一応ポーズをつけたりする。
撮られたくないのに無理矢理笑顔を作る人もいれば、写真を撮られることに敏感な人は僕がカメラを持っている限りカメラを意識し続け、会話の内容に頭がついていかない。
それでも彼らがこの状況に耐えてくれるのは、撮られた写真がいつか自分の手元に届くかもしれない、と思っているからだとすれば、これはとてもマズいことだ。
僕たち写真オタクはたくさん撮るけど、撮ったものを人にあげない。
これは写真がデジタル化してから特に顕著だ。
僕の場合、「これで人様からお金を貰っているんで、、、」という言い訳が少しは成り立つが、そうじゃなくてもきっと人にはあげない。
写真オタクはケチ臭いという訳ではなく、あまりにも多くの人を撮っているので、撮った写真をいちいち人にあげていてはきりがないのだ。
しかし、写真オタクの名誉を挽回しなければいけない時もある。



先週、僕の友人の誕生パーティがあった。
人にプレゼントを渡す時はいつも悩む。
相手が親しい人であれば僕は基本的に自分の好きなもの、自分の大切にしている物をあげるようにしている。
それは何かと言えば、僕の場合、写真だ。
自分の自信作をプレゼントするという手もあるのだが、相手の立場で考えれば僕のへなちょこ写真より、僕がその人を撮った写真の方がいいに決まっている。
そんな訳で、外付けハードドライブの中にうごめくファイル、過去3年分に 彼や彼の家族が写っている写真がないか目星を付けながら調べ始めた。
それほど頻繁に会うことの出来る相手ではないのだが、それでも20枚くらいは何かあるだろうと僕は考えていた。
結果、驚いたことに100枚以上発見。
やはり意識せずとも撮っているんだなぁ、としばし感慨に耽る。
たった3年前なのに彼や彼の子供たちの顔は今と違っている。
はやり、写真は記録なのだ。美しい記録だ。
そう、ワインと写真は時が経つほど価値がでる。
デジタルだからセピア色にこそ変色しないが、それでも時間のたった写真は味がある。
彼の写真を探すためたくさんのファイルを開けていると、完全に忘れ去られた、当時見向きもしなかったいい感じの写真をたくさん見つけてしまった。
今の駄作、未来も駄作とは限らない!
同じ作者でも時間が経てば本人の評価が変わる。
それは本人のモノの見方、考え方が変化しているからだろう。
フィルム時代は駄作も消し去ることなく残ったが、デジタルの今、気に入らない写真はすぐに削除してしまう傾向がある。
写真は記録だ、残しておいた方がいい。
仕事の写真は特に良くないカットでも残すようにしている。
5年後にクライアントから、あのときあんなショットをとっていたよね?今ある?などと聞かれる場合があるからだ。




クリントン元アメリカ大統領とモニカルインスキーの不倫騒動が持ち上がったとき、マスコミの誰もがクリントンとモニカが一緒にいる写真を掲載したがった。
しかし、それはどこにもない。
パパラッチたちは先を争い二人のツーショットを手に入れようとしたが、噂の渦中の二人が接触するはずもない。
そんな時、あるベテランフォトグラファーはモニカの顔写真を見て思った。
「見覚えがあるぞ、、、」
政治の報道を担当することの多い彼は過去に撮ったクリントンに関係する全てのネガを何日もかけルーペでしらみつぶしに調べた。
そして、見つけた、遊説中のクリントンが大勢の彼の支持者の中にいるモニカと抱擁しているワンカットを。
35mmのネガの中央に小さく写し出された二人の姿はトリミングされ、雑誌の表紙を飾った。
世界中の人々は「不適切な関係」の信憑性を語り 、メディア関係者は悔し涙を流した。
このスキャンダルの何年も後、伝説になったこのフォトグラファーがドキュメンタリー番組でこのときのことを話すのを観た。
インタヴューの中で、写真の記録性とデジタル写真の危険性を真剣に語る彼が強く印象に残った。



写真オタクの皆さん、たまには友人たちに関わる過去の写真を整理し、それを彼らにプレゼントすることによって世界各地で繁殖する写真オタクの存在価値を高めよう!
愛される写真オタクを目指そぉ〜!






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Hobart, Tasmania








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by somashiona | 2008-05-06 14:19 | デジタル

祝、驚きの一周年!



携帯電話のSMS(テキストメッセージ)を開けると ‘Congratulations on the first anniversary of your blog. Well done!!’とあった。
「おめでとう、、、ブログの一周年、、、よくやった、、、???」何のことだろう、と容量の少ない僕の頭の中のハードディスクはカシャ、カシャと音を立てて動いた。
あれっ!そうだ!昨日でブログをはじめてから一年たったんだ!
まったく忘れていたぁ〜!
驚いたぁ〜!
うわぁ〜〜〜、凄いぞ、凄い、よくやったぁ〜!
偉いぞぉ〜、自分!
(はしゃぎ過ぎ、おとなげない)

皆さん、一年間僕のブログにつきあってくれてありがとう!
見てくれている、考えてくれている、応えてくれる、ポチッ、これらの要素があったからこそ続けられたような気がする。
ありがとぉ〜、皆さん!
いつやめても、もう悔いはない。
それでは皆さん、さようならぁ〜!


じゃなくて、
まだやめない。まだ続ける。
ブログ生活、これからもっと面白くなっていく予感がしている。
田舎に暮らす僕の写真が世界に向けて発信される快感。
テキストを書く時間もブログをはじめたときの1/3以下に短縮された。(もともと書くのが遅い)
カリスマブログじいちゃんの愛のムチも何度か頂いた。
メールを交わすまだ見ぬ友人もできた。
ブログ経由での仕事の依頼も来るようになった。
フラストレーションのはけ口にもなっている。
新しいアイディアの源泉でもある。
一度、ブログ依存症になりかけたが、仕事と健康に影響が出るとすぐに悟り、距離を置くことも覚えた。
そう、圧倒的に良いことの方が多いのだ。
これからも続けるぞぉ〜!
うぉ〜、うぉ〜、うぉ〜〜〜!!!(雄叫び)

興奮状態が続いているため、今日はこの辺で。
一周年を記念して、次回は僕のお宝写真を出すつもり。
お楽しみに!











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子供たちとブッシーパークをおしゃべりしながら歩いていると、前方から一人の男がこちらに向かってやってきた。
といっても、僕たちに用事がある訳ではなく、むしろ僕たちのことも、その他全てのことさえも眼中にない、という感じだった。
すれ違いざま、彼が口に何かをくわえているのが目に入った。
な、なんと銃だ!
彼と目が合った!
とっさに手にしていたコンデジのシャッターを切った。
もちろん、ノーファインダーだ!
危険人物の恐れもあるので、それ以上目を合わさず、その場から少しでも遠くへ離れようと子供たちの手を引っ張り、歩みを早めた。
家に帰って写真を確認してみると、やはり彼は口に銃をくわえていた。
僕の見間違いではなかった。
この日はこの小さな村でお祭りがあった日だ。
彼が口にくわえていたのが出店で売っている玩具の銃であったと信じたい。
自分のブログが一周年だったということに驚いたので、驚いてシャッターを切った写真を今日はアップした。











テキストメッセージを送ってくれたMさん、ありがとう!
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by somashiona | 2008-03-18 15:18 | デジタル

撮った写真をどうするか?



今頃こんな話題もなんだが、昨日やっと『an in convenient truth』(不都合な真実)を子供たちとDVDで観た。
とっくの昔に観た方も多いと思うが、地球温暖化問題に取り組むアメリカ元副大統領アル・ゴア氏のドキュメンタリーだ。

6歳の汐夏は映画開始から10分後にお絵描きを始め、気象と地学に異常なまでの好奇心を示す8歳の壮真は理解できない話が多いなりに最後まで頑張って観ていた。

僕は映画の内容そのものよりも、映画の中で繰り広げられるプレゼンテーションの技術に感動してしまった。



どんなに素晴らしいメッセージもそれが相手に伝わらなければ意味がない。
西欧文化で暮らす人たちはこの伝える能力というものにとても長けていると思う。
地球温暖化という問題を正しく理解し、どう取り組むべきかという、ともすると科学者の出すデータ染まる退屈になりがちなテーマを写真や映像 、データやグラフ 、そして思わず笑ってしまうアニメーションをふんだんに使い、あの手この手で分かりやすく説明し、理解させ、自分の意志で考えさせようとする。
映画の中で巧みに ゴア氏の 個人的エピソードを交える。
これによって映画を観る者は、この問題を語るゴア氏の信念の根拠に信頼を寄せてしまう。




話は全く変わるのだが、僕が取り組む写真という分野の中で、今一番関心を持っている表現方法は写真と共に音声、音楽、ナレーション、サブタイトル、データなどを使い、一つのパッケージとしてまとめるスライドショーだ。


基本的には写真の最終的完成品はプリントだと思っている。
なので自分の理想とするプリントを作るために一番よい機材や方法論で写真を撮るべきというのが、今のところ僕のスタンスだ。
デジタルの方が自由にコントロールできて好きだ、というのであればデジタルを使えばいいし、フィルムからのプリントのあの質感がどうしても必要なのだ、と思うのであればフィルムカメラを使うべきだと思う。


しかし、デジタルを使うようになってから写真の見せ方の可能性が今まで以上に広がったという気持ちは正直言ってする。


海外のメジャーな新聞社のウェブサイトを見ると写真だけで淡々とテーマを語っていくという方法はもはやとっていない。
ドキュメンタリーの中に出てくる被写体が実際に語る声が写真とともに流れ、戦争なら機関銃の音、悲鳴、戦車の走る音など周囲の緊迫した状況がリアルに伝わり、時には美しい音楽が写真の中で語られる物語の純度を高める。
僕たちはこういう素晴らしいドキュメンタリーをインターネットなどのメディアをとおして簡単に見ることができるようになった。

MediaStorm(メディアストーム)などはそのいい例だと思う。

写真展で写真を見るにはサイズに限りがあるだろう。
しかし写真をクオリティーの高いプロジェクターにかけ、映画館の大画面で鑑賞できるとしたらその写真の持つインパクトはかなり違ってくるはずだ。
紙の中では表現しきれないことを巨大なスクリーンで表現できるのだ。
夜のビルディングの壁に映写に映写し、大勢の人が鑑賞するのもいい。

こういう方法で写真を見るとき、人々はハイライトが飛びすぎているとか、暗部の描写が甘い、などという議論はしない。
ズバリ、何を映しているか、写真の中に映されたものが何をどれだけ語っているのか、ということを厳しく見る。
これは心像写真ですから、というタイプの作品を20枚も見せられるとお客さんは家に帰ってしまう。
写真のスライドショーだけでそれを見る多くの人を飽きさせず、最後まで引きずり込むためにはテーマや写真の良さは勿論、プレゼンテーションのセンスと能力がものをいうはずだ。

ホバートにハリウッド映画ではない世界各国の名画を上映する硬派な映画館がある。
最近この映画館を貸し切りにできることを知った。
以前、ブログで紹介した写真仲間マッシューやピーターとこの映画館を貸し切りにし、ドキュメンタリー作品を上映するのが目下僕の夢だ。
近い将来実現可能な夢だと思っている。

しかし、多くの人に見せることができる大作を作る前に、小さなテーマの音声付きスライドショーをできるだけ多く作り、プレゼンテーションの力をつける必要がある。
さらに、そういう活動をする僕の存在を知ってもらい、賛同、協力してくれる人たちも必要だ。

このプログの更新も写真をどのように見せ、何を語るか、という訓練に大いに役立っている。

「撮った写真をどうするのか?」
これがクリアーであるほど前に進みやすい。







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今日もコンデジスナップ
タスマニア、ブッシーパークより







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by somashiona | 2008-03-17 18:50 | デジタル

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