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ヒツジザンマイ 最終回







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羊といえば、この曲「メリーさんの羊」。



Mary had a little lamb
little lamb, little lamb,
Mary had a little lamb
Its fleece was white as snow

メリーの子羊 メエメエ子羊 
メリーの子羊 雪のように真っ白なフリース

And everywhere that Mary went
Mary went, Mary went
Everywhere that Mary went
The lamb was sure to go.

メリーの行くところにはどこでも どこでも どこだって 
メリーの行くところにはどこだって 必ずついていく

It followed her to school one day
school one day, school one day,
It followed her to school one day
That was against the rule

ある日、学校へいく日 子羊はついて来た 学校へ 学校へ
ある時、学校へついて来た でもそれは校則違反

It made the children laugh and play
laugh and play, laugh and play
It made the children laugh and play
To see a lamb at school.

生徒たちは大はしゃぎ うはは うははは〜
生徒たちは大はしゃぎ 学校へついて来た子羊を見て

And so the teacher turned it out,
Turned it out, turned it out,
And so the teacher turned it out,
But still it lingered near

そして先生は子羊を追いたてる 追いたてる 学校の外へ
そして先生は子羊を追いたてる でも子羊はまだその辺をうろうろ
 
And waited patiently about,
Patiently about, patiently about,
And waited patiently about
Till Mary did appear

子羊はじっと待った しんぼう強く じっと待っている
子羊はじっと待った メリーが現われるのを

“Why does the lamb love Mary so?
Mary so? Mary so ?
Why does the lamb love Mary so?”
The eager children cry

どうして子羊はメリーのことをそんなに好きなの?ねえねえ どうして?
なんでメリーのことがそんなに好きなの?生徒たちは声を上げる

Why, Mary loves the lamb, you know,

lamb, you know, lamb, you know,

Why, Mary loves the lamb, you know,
The teacher did reply.

なぜって、それはメリーはその子羊が大好きだからよ そう、大好きなのよ
なぜって、メリーはこの子羊が大好きだからよ 先生はそう答えた








日本人で「屋根より高い鯉のぼり〜」や「夕焼けこやけの赤とんぼ〜」を一度も口ずさまずに幼少期を過ごした人がいないように(今の時代はいるかも)、オーストラリアで「メリーさんの羊」を通らなかった人はいないだろう。
ソーマやシオナが小さい頃、この曲を何度も英語で歌うのを聞いて、なるほど、そういう歌詞だったのか、と妙に納得した記憶がある。
ここで書いた僕の訳詞はちょっとへんてこりんかもしれないが、、、。

世界で初めてレコードに録音されたのもこの曲だ。
なんと、トーマス・エジソンが自分で歌い、蓄音機に吹き込んだそうだ。
彼がこの曲を選んだのは”誰でも知っているから”というシンプルな理由だったらしい。

ちなみにこの「メリーさんの羊」は実話をもとに作られた曲で、後日談のようなものがある。
この子羊、ある日、ふらりと牛小屋に入り込み、牛の角に突かれて死んでしまった。
メリーにとっては、子羊が学校へふらりとついて行き、生徒たちに笑われ、先生に追い出されたときとは比べものにならないショックだったろう。
メリーの母親は死んだ子羊の羊毛を使って、メリーのためにタイツ(ストッキング?)を編んであげたそうだ。
これでしばらくの間、メリーの気持ちは癒されたかもしれない。
真っ白なタイツをはいている限り、メリーの気持ちは子羊と共にあったかもしれない。
タイツの膝に穴があいてしまっても、メリーはこのタイツをはき続けたかもしれない。

のどかな牧場で羊たちを眺めているとき、僕は真っ白なタイツをはいたメリーが牧草地を走り去る姿を想像してみた。

僕たちはニワトリを見て可愛いと思いながら、その首をはねて美味しいバターチキンカレーを食べる。
遠目では真っ白に見える羊も、吹きっ晒しの大地で間近にその姿を見ると、オイルをたっぷり含んだ汚らしいグレーの色をしている。
嫌がる彼らを犬で追い立て、引きずり、温かな毛を刈った後、寒い大地にまた放り込む。
彼ら羊が与えてくれる恵みで生活する人たちは、羊たちを追いかけ、引きずりだしたとしても、羊たちへのリスペクトは忘れない。
ウールのセーター、カーディガン、ソックス、マフラー、毛布、どれも僕のお気に入りだが、どれだけの羊や人間たちが、どんな工程を経たものなのかについて、正直言ってあまり考えたことがなかった。
今回はその一端を見ることが出来て、嬉しかったし、その経験や感触をブログを見てくれている人たちとシェアしたかった。




「ヒツジザンマイ」シリーズ、付き合ってくれてありがとう。
毎日が羊は、毎日が鹿ほど威力がないということがハッキリとしたが、それでも僕は羊が大好きだ。
何故なら、羊は僕だから。
次は羊同様タスマニアにうじゃうじゃいる牛シリーズでいこうかという考えが一瞬頭をよぎったが、そうするとこのブログ、本格的に支持されなくなりそうなのでやめておくことにした。
オーストラリアなので、「カンガルー日和」でいこうか、、、。
う〜ん、あの長い「1Q84」を一気に読み終えたばかりのなので、どうも頭の中が村上化している。




















The End








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by somashiona | 2012-06-17 16:37 | デジタル

羊たちは、僕たちか?




眠れないときの定番は「羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、、、羊が千二百、、、、」と羊の数を数えるという方法だが、なぜこれが効果的なのかということについては色々と説がある。

羊たちがいるのどかな風景を想像することでリラックス出来る。
単調なことを繰り返すことによって眠気を誘う。
Sheep(羊)とSleep(睡眠)の発音が似ているから。
などなど、たぶん探せばもっと出てくるだろう。

オーストラリアに住んでいると(特にタスマニア)羊は本当にそこらじゅうにいる動物で、多くの人にとっては目の前にいてもまったく目を引かず、退屈この上ない動物だ。
「好きな動物は?」と聞いて「羊です」と目を輝かせる人に、僕はまだ一度も会ったことがない。
羊と言われたら、僕の場合まずは一匹の姿を想像するだろうけど、オーストラリア人なら、いつも群れをなして行動し、一頭一頭というより塊(かたまり)として羊を想像する人のほうが多いかもしれない。
羊は英語でSheepだが、二匹以上の複数形でもSheepsにはならず、羊の複数形はSheepのままだ。
もう、語尾にSを付けるのでさえ、彼らにとっては面倒な動物なのだ。
そんな動物のことを考えるだけで、眠気に襲われるのも無理はない。
ちなみに、日本人が羊を数えるときは「Sheep」ではなく「羊が」とやるので、シープのスリープ効果は期待できない。
さらにいえば、世界の羊の家畜化の歴史は8千年前といわれているそうだが、日本に羊が本格的に入ってきたのはほんの明治以降のことで、しかも今では畜産としてほとんど採算がとれない家畜だ。ということは、日本において羊というのはかなりマイナーな動物で、退屈どころか物珍しいくらいだ。
日本の子供がライオンやキリンさんの絵を簡単に描けたとしても、羊の姿は頭に思い浮かばないかもしれない。
そんな日本人が羊を数えはじめると、想像力が頭の中を駆け巡り、眼が冴えて仕方ないだろう。












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今回、羊の毛刈りの撮影で、タップリと羊たちを観察できた。
僕は羊が好きだ。
パウロ・コエーリョの「アルケミスト」に出てくる主人公の少年は羊飼いで、羊を引き連れて旅をすることに僕は憧れをもった。
トマス・ハリスの「羊たちの沈黙」で主人公のFBI訓練生クラリス・スターリングが少女の頃、牧場で処理されそうな子羊の悲鳴を聞いて、一匹だけ抱き抱え必死で逃げるシーンは、まるで自分の記憶のように強烈に残っている。
村上春樹の初期三部作は羊三部作といわれるようだが、「羊をめぐる冒険」は羊マニアにはたまらない。

しかし、実際に羊たちを一日中見ていると、なんともいえない気持ちになる。
羊マニアのはずなのに、どこか悲しい気持ちになり、しまいには怒りさえ感じ始める。
こう言っちゃなんだが、彼らは食べることと、逃げることしか考えていないように見える。
顔は常に怯えた表情だ。
僕の姿を見つけると、ものすごく怯えた顔をし、一目散に逃げる。
シマウマだって、リスだって、逃げるときには、少しは考えや計算があって逃げようとする気持ちが顔に出るが、羊の場合、思考が見えない。とにかく逃げる。
羊たちは常に群れをなす。
そもそも、「群」をいう感じをよく見て欲しい。
そう、この漢字は羊たちの話をしているのだ。
動物の群れにはリーダーやボスが存在するものだが、羊の群れにはそういったものがない。
なので、だれかが動くと皆動く、誰かが逃げると皆逃げる、そこには思考も理由も何も無い、皆がそうするから私もそうする、自分の頭では考えないのだ。
群れをなすという彼らの生き方は、捕食の連鎖で底辺にある生き物が身を守る為の手段だ。
彼らは結局、人間と暮らすことで狼や他の猛獣から身を守る生き方を選んだのか?
その結果、日々の生活はむしゃむしゃと草を食べながら安定して送れるが、さて、これから寒い季節になるぞ、というときに突然犬に追いかけられて、暗く狭い小屋に閉じ込められ、怖いおじさんに引き摺り出され、身ぐるみ剥がされた上に、冷たい風が吹く大地にまた放り出されたりする。
彼らを一日中観察して、とてもい心地が悪くなるのは、そういう彼らの生き方がどことなく僕たち日本人を彷彿とさせるからだ。
渋谷のスターバックスからスクランブル交差点を眺めるとき、いつも羊の群れを思い出す。
もちろん、あそこを歩く人たち一人ひとりにはそれぞれ人生があって、生きる努力もしていて、仲間から、家族から尊敬もされ、沢山の愛に包まれているだろう。
羊も一匹、一匹を注意してみれば、たしかにハンサムな奴がいたり、可愛らしかったり、彼らもそれぞれ思うところがあるんだろう、とさえ感じる時がある。
でも、日本という国が進む方向、外交、世界の中の位置づけ、その独特な考え方、地震や原子力発電所をめぐる対処の仕方、政治家たちと彼らを選ぶ国民、そんな大きな事柄をひとまとまりに考えると、やはり「誰かが動くと皆動く」的な羊の群れを想像してしまうのだ。












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世界の国々(オーストラリア)では羊は退屈な生き物だという話をしたが、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教などでは、羊は良き物とされている。
聖書では、我々人間は迷える子羊であり、良き羊飼いに導かれるべきだと言っている。
もし僕たち日本人が迷える子羊なら、せめて良き羊飼いが現れて、僕たちの日本人の未来が光り輝く方へ向かっていけるよう、しっかりと導いて欲しいものだ。
タスマニアから生意気言うようですが、めぇぇ〜〜〜え。












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つづく(To be continued)














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by somashiona | 2012-06-13 21:03 | デジタル

チームの姿







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今回、僕に羊の毛刈りを見せてくれたのはウール・クラッサー(Wool Classer)(刈った羊の毛のランクを選別する羊毛評価鑑定者)であるデイビッドの率いるチームだ。
身体を使って仕事をする集団のリーダーには常に独特の存在感のようなものがある。
ほとんどの場合、たぶんこの人がリーダー(ボス)だろうな、と外見やムードから目星をつけた人に間違いない。
リーダーからは厳しさと包容力が混じり合ったようなもの、お父さんやお母さんが子供たちに対して見せる温かさのようなものがある。
これがある人がリーダーになるのか、それともリーダーになったからこういう力がつくのか、たぶん前者の方だろう。
デイビッドは時々、冗談を言って周囲を和ませ、また自分の仕事に対する集中力と厳しさを示すことで、メンバーたちの各々の仕事に対するモティベーションを自然なかたちで高める。
あの大きな手で羊毛の何ミクロンかの差を感じ取るその作業は、超一流の寿司職人がシャリを握る姿のように素早く、無駄がなく、そして正確だ。
どんな分野でも職人の仕事を見るのは楽しい。












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ある集団を取材(撮影)するとき、キーマン(リーダー)を素早く探し出すのと同様、注意すべき人物をできるだけ速く見つけることも大切だ。
注意すべき人物、曲者、変わり者、そういう人の気分を害してしまうと、取材そのものが難しくなってしまいかねない。
集団の中には必ずこういうタイプの人が混じっている。

写真の彼、決して曲者でも変わり者でもなく、正真正銘の良い人物であり、ネガティブな意味ではなく「注意すべき人」であった。
このチームの中のムードメーカーであったことは間違いない。
僕が被写体に集中してファインダーを覗いているとき、レンズの前にわざとパラパラと羊の毛を落としてみたり、「ワッ!」と突然大声を出して脅かしてみたり、予告なしで脇腹を突っついたりと。
僕は何度も飛び上がり、カメラを落としそうになった。
それでもめげずに彼にレンズを向ける僕に対して、睨んでみたり、危なく指を一本あげそうになったり、、、。
「どうして俺たちを撮るんだ?撮った写真を何に使うんだ?えっ、日本の人たちに俺達の仕事を紹介するだと?って事はお前、スパイか?」僕に向かって一番話しかけてくるのも彼だった。
撮った写真を早く彼に見せてあげたい。












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取材する人たちと一気に距離を縮めるチャンスは休み時間にある。
羊の毛刈りをする農場には作業をするシェアリング・シェッド(羊の毛刈りをするための専用の小屋)の他にシェアラーズ・ハウスという毛刈りをする人たちが寝泊まりし、短期間の生活が出来るような小さな家を用意している。
今でこそ、シェアラーたちは車に乗って仕事場である依頼主の牧場や農場にやって来るが、昔は馬や馬車で時間をかけてやって来た。
一日の仕事が終わった後、いちいち自分の家に帰ることなど出来なかったので、毛刈りの期間中はシェアラーズ・ハウスに寝泊まりすることになる。
寝室、キッチン、トイレ、バスルームなど生活のために最低限必要なスペースを備えた家(小屋)だ。
伝統的に仕事を依頼した農場主が腕によりをかけて美味しい食べものをシェアラーたちにご馳走する。
シェアラーたちは依頼主からとてもリスペクトされ、大切にされている。
今回、依頼主はジュリアンとチャシーなので、シェアラーたちは、それはそれは美味しいご馳走を朝、昼、晩と堪能したはずだ。
僕が訪れた日のラザニアやアップルパイも最高に美味しかった。
鬼のような顔で汗を垂らしながら羊たちの毛を刈っていたシェアラーたちに笑顔が戻り、とても和気あいあいなお昼休みだった。
彼らには珍しい日本人の僕はたくさんの質問を浴び、僕には珍しいシェアラーたちにもこのチャンスを逃すまいとたくさんの質問を浴びせた。
こうして僕たちはお互いを少しだけ知り、昼食の後は午前中よりも格段一歩前に突っ込んだ写真が撮れた。












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学生時代、測量や土方仕事をたくさんやった。
こういう肉体労働は昼休みの後、必ずといっていいほど昼寝をする。
山の中で測量の仕事をした時など、アリやクモがうじゃうじゃいる地面や草むらの中で昼食を食べ終えた労働者たちがヘルメットを枕に一斉に昼寝をはじめるのだ。
都会育ちのお坊ちゃんな僕は(自分で言うな)無理、無理、こんな場所で寝れっこない、と思うのだが、ちょっと横になったとたん、天国の雲の上に浮かんでいるような深い眠りに落ちる。
ほんの30~40分の仮眠に過ぎないのだが、この昼寝、恐ろしく気持ちがよく、病みつきになる。
資材置き場の片隅でも、道路の路肩でも、目をつぶればホテルニューオータニのベッドの上だ。
この習慣、海外の肉体労働者にも当てはまるようだ。
休憩中、最初は話をしているが、そのうち床の上やそこらじゅうで寝てしまう。
どこで寝ようが、肉体労働の後の昼寝は天国だが、働き者の娘さんが選んだ寝場所は100%正しい。
山積みになった刈りたての羊の毛のベッドだ。
いい夢みれるに違いない。












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この娘さん、休むことなく、常にものすごく真剣に働いていた。
まだ若いのに感心するな、と思って僕は見ていた。
昼休みの時に僕たちは少しだけ話をした。
幼い時からシェアラーである父親の仕事について行ったらしい。
そのうちに、見よう見まねで仕事を手伝うようになり、今ではチームの一員として立派にお金を稼ぐ。
「将来は君も女シェアラーとして活躍するんだろうね」と僕が言うと「私がやりたいことは、他にあるの」と彼女はキッパリ応えた。
「私はね、この後、学校でツーリズム(旅行産業)を学び、将来はタスマニアの素晴らしさを一人でも多くの人に体験してもらえる仕事をするの」
たしか彼女は16歳か17歳だったと思う。
幼い頃から父と共に仕事場で汗を流し、自分の学費や食費がどこからどうやって出てきたものかよく知っている彼女なら、なにをやってもきっと一所懸命に取り組み、自分の夢を叶えていくことだろう。

尊敬する父と愛する娘、仕事を終えた後の二人の顔は、まるで別人のように清々しかった。












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by somashiona | 2012-06-11 18:45 | デジタル

グレッグとシープドッグ#4







午後から大仕事が待ち受けていた。
羊たちの大移動。






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トラックの荷台の上のピップはもうすでに仕事モード。
羊たちがいる牧草地の方角に向かって、じっと目を凝らしている。






今回はピップの他、もう一匹のシープドッグが加わる。
名前はメグ、シャープな印象を与えるそのシープドッグもやはりピップのようによく働くのだろう。












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トラックが動き出すとメグも羊たちの待つ牧草地の方角をじっと見つめるが、なんだかピップほどの迫力は感じない。
どことなく口元も緩んでいる気が、、、。












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と思って、彼女をじっくりと観察していると、まるでディズニーランドへ向かう車の中の子供たちのように、これから起こる楽しいを考えると胸がわくわくして落ち着いてなんていられない、という笑顔を浮かべている。
メグ、本当に大丈夫なんだろうか、、、。












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牧草地というのは遠目で見るとのっぺり真平らだが、実際にそこを車で走るとかなりでこぼこで、運転するグレッグの横の席に座る僕は何度も頭が天井へ付くくらい跳ね上げられた。
まるでパリ・ダカで疾走するミツビシパジェロの中のナビゲーターといった気分だ。






牧草地に散らばり黙々と草を食べる羊たちの姿が見えた。
車を一瞬停めると、ピップとメグが放たれた弓矢のようにまっすぐ羊たちに向かって走り、いつそんな相談をしたのか分からないが、ピップとメグは突然ふた手に分かれ、羊たちを挟み撃ちにする。
逃げ場を奪われた羊たちはトラックに向かって猛スピードで走ってくる。
羊の大波がクラックを取り巻き、ひとしきり過ぎっていったところで、グレッグはゆっくりとトラックを発信させる。
ピップとメグが先導する羊たちのお尻を、僕は感心して車のフロントガラス越しに眺める。
と、ここであることに気がついた。
僕がトラックに乗っている限り、この後も羊たちのお尻しか見えないということを。












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セクシー美女たちのハート型のお尻なら、それでも構わないのだが、、、。
目的地のシープシェッドまではまだかなり距離があるし、羊たちの足取りもかなり早いが、ここは車から降りて彼らの先回りをしながら撮るしかないだろう。
トラックから飛び降り、羊たちの前へ回ろうと僕が走りだしたとたん、せっかくまとまっていた羊たちが、またバラバラに散ってしまった。
その時のピップとメグの表情を僕は見ていないが、たぶん「まったく素人はこれだから、、、」とため息をついていたかもしれない。
トラックを運転するグレッグに向かって僕は「ごめんなさい」を意味する合掌のゼスチャーをしたが、このゼスチャーの意味を果たしてオーストラリア人のファーマーが理解するのだろうか?












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走る、走る、息を切らせてとにかく走る。
羊たちの話ではない。
走っているのは僕だ。
自分たちの進む方向に僕が立っていると羊たちは歩みを止め、そして右左へと必ず散っていく。
くそっ、忌々しい奴らだ、君たちにはガッツってものがないのか、臆病者めが、、、とぶつぶつ言っても仕方がない。
羊たちの群れが散るたび、苦労するのはピップ、メグ、そしてグレッグなのだ。
彼らに迷惑をかけてはいけない。
首にEos 7D+15-85mm+スピードライト、左肩にEos 40D+70-200mm、右肩に小さなカメラバック+50mm+20mm+スピードライトのバッテリーパック+カメラのバッテリー4本+8GBのCF6枚、4GB2枚、16GB1枚、スピードライトのスペアバッテリー12本、ポケットには財布、iPhone、車の鍵、家の鍵、コンドーム(いや、これは冗談)、、、そんなモノを身にまといながら、とにかく走る、走る、そして羊たちが通ると絵になるだろう場所で待ち構え、そこで数枚撮ってはまた走りに走って羊たちが来るのを待つ。
せめて靴はブーツではなく、ランニングシューズにしておくべきだった。
最近深刻な問題になりつつある両膝がギシギシと痛むが、神経質な僕も写真を撮っているときだけはアドレナリンが出ているのか痛みも寒さも空腹も気にならない。
牧草地を羊たちが移動している分にはピップやメグもほとんど羊の群れを乱さずに綺麗な形を保っていたが、一度牧場の柵を超え、道路に出ると話は大きく変わる。












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舗装されていない道路を羊たちが移動するさまは、まるで氾濫した河川から溢れ出た新たな水流の上にまとまって浮かぶ白い流木たちのようだ。
こんなことさえ起こらなかったら、今日もいつものように暖かい太陽の下でのんびりとできたろうに。
川の水に押し流される流木くんたちが水路を外れそうになると、ピップとメグが飛んでくる。












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狭い道を歩き、












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坂を登り、












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扉を開けて、












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ブロックリーエステイトの庭にもお邪魔し












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坂を下っていく












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僕にはとても可愛らしいピップとメグだが、羊たちにとっては余程の脅威なのだろう。
ピップに睨まれた羊たちは思わず数メートル後ずさりし、蛇に睨まれた蛙のように身動きできなくなる。
アルプスの少女ハイジのセントバーナードもシープドッグだしフランダースの犬もシープドッグらしいが、ピップやメグは彼らの優しいイメージとちょっと違う。
純粋なワーキングドックなのだ。












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シープシェッドが近づき、地形が少し複雑になったり、越える柵が多くなってくるとさすがにグレッグもせっせと働き出す。
ピップやメグたちへの指示はよく響く口笛。












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口笛をぴ、ぴぃ~っと鳴らすとピップやメグは突然方向転換をしたり、群れから遠くはなれてしまった一頭を見つけ、すかさず次の行動へ移す。
部下をたくさん持つ管理職のお父さんたちがこれを見たら、こんなふうに口笛一つで部下たちが的確な仕事をしてくれたらどんなにいいだろうと願うだろう。
僕は口笛が吹けないが、、、。












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ようやくシープシェッドにたどり着き、後は柵の中に追い詰めるだけ。
最初は大丈夫なんだろうか、と思っていたメグも睨みをきかせて羊たちを追い詰める。












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すごいなぁ、メグ、と思ったら、、、どや顔された。












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仕事を終え、充実した様子のピップとメグ。












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「すごいねぇ、まったく」と心から感心した僕が彼に言うが、表情ひとつ変えないグレッグ。
「どうしたら犬たちがこんなにきちんと仕事をするようになるの?」とグレッグに聞くと、「俺が教え込めば、そうなる」とまたしてもまったく表情を変えず答えてくれた。
そして帰り際、「今日写真に撮った犬たちの写真だが、俺にも少しわけてくれんかな?」とまた表情を変えずに僕に言った。












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つづく(To be continued)












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by somashiona | 2012-06-08 21:03 | デジタル

グレッグとシープドッグ#3







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シープシェッド(羊小屋)に集められた羊をそれぞれのパーテーションに分ける仕事がグレッグとピップを待ち構えていた。












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薄暗く、羊たちで溢れ返った羊毛の海の中をかき分けながらグレッグは歩く。
犬の匂いとまったく違う、まさに家畜ならではの匂いでむせ返るような羊毛の波の上をピップは飛び跳ねながら移動する。
グレッグが歩きやすいよう、ピップが羊たちを右へ左へと揺さぶる。
背中の上を駆け巡るピップが余程怖いのか、ピップ軌道を追う羊たちの鳴き声がめぇぇ~~~っ、めぇぇ~~~っ、と波のように寄せては返す。












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一仕事終え、ひつじ小屋の柵の隅にグレッグは身体を預けた。
少し遅れて、ピップも自分の役割を終え、ゆっくりとグレッグに近寄る。
トラックの荷台の時とはまったく違う表情でグレッグの足元まで来ると、少し甘えたような顔で上を見上げた。
グレッグも自分の足元に立つピップに愛おしさのこもった視線を投げかけ、そして、ニッコリと微笑む。
これがこの日、僕がたった一度だけ見たシープドッグへ向けたグレッグの笑顔だった。
確かにたった一度だけだったが、ピップはこのうえなく満足だったことだろう。










つづく(To be continued)
















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by somashiona | 2012-06-06 19:39 | デジタル

グレッグとシープドッグ#2







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数分すると、、、あっ、たくさんの羊たちが、ものすごい勢いでトラックの方へと駆けて来るではないか!
まるで子供の頃に観たジョン・ウェインの西部劇に出てくるバッファローの群れのように。
砂埃こそ立っていないが、それでも、ものすごい迫力だ。
僕の姿を見て逃げる羊は今まで100回くらい見たことがあるが、こちらに向かって走って来る羊を見るのは初めかも?(感動)












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あっ、、、走る羊の群れの側面からピップが黒い弾丸のように飛んできた。
群れから外れそうになったり、群れの形が広がってくるとすぐに問題箇所に駆けつけ、軌道修正する。
群れの右側面、後ろ、左側面、それを一人で、あ、もとい、一匹でやるのだから常に猛スピード、ダッシュ状態だ。












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あれ、トラックが停まっている、、、と思ったら、グレッグが羊の群れの横を悠々と歩いている。












ピップは羊の群れを一箇所にまとめはじめている。












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羊、一頭一頭の様子を見て。












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羊、全体の様子を見て。












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納得ができなければすぐに問題箇所に駆けつける。
その一挙一動から感じられるのは、まさにレスポンスィビリティ(責任感)の一語に尽きる。
褒められたいから、ご褒美をもらいたいから、などということでななく、「これは私の仕事なの、私が全責任をもって羊たちを管理するの」という意志で溢れている。


そして、これだ、じゃ、じゃ~ん!












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まるで南大西洋の青い海の上にポッカリと浮かぶ小島のように、羊たちを見事にまとめているではないか!
群れから外れ、その完璧なフォームを崩そうとするものがいようものなら、すかさず、、、。












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僕は感動のあまり「すごいぞ、ピップ、えらいぞ、ピップ」と言いかけたが慌てて思いとどまった。
彼女の仕事の邪魔をしてはいけない。
仕事といえば、グレッグは、、、何処へ。












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トラックに寄りかかって、悠々と煙草を吸っている。
これこそ、ご主人様。












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仕事が終わるとピップは相変わらず声ひとつたてず、トラックの荷台に戻る。
あれだけ走り回ったのだから、さぞかし喉が乾いただろう、長い舌を垂らし身体全体を上下させハァハァと息をしている。
そこへグレッグが近寄ってくる。
疲れているにもかかわらず、ピップはすくっと立ち上がり、グレッグの方へと歩み寄る。
僕はこれからピップとグレッグの間で起こるだろう素晴らしいドラマの瞬間を逃すまいと露出や構図を確認する。
ソーマとシオナの愛犬であるアプリコットが投げたボールを走って取りに行き、戻ってきたり、お座りやお手がちゃんとできると「おぉ~っ、グッドガール、グッドガール」と何度も何度も言って頭が壊れそうになるくらい撫で回すのが常なので、これだけ大仕事を成し遂げたピップに対して滅多なことでは気持ちを表に出さないグレッグがどんな抱擁をするのか、僕的には殆どの人が見たことがないであろうグレッグの一面を切り撮る最高のシャッターチャンスだと思い、その瞬間を今か、今かと待ち受けていたのだ。












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グレッグはトラックに近づいたが、ピップの約1メートル先で、ピタリ、と歩を止めた。
そして、じっとピップを見つめる。
ピップもグレッグから目をそらさず、荒い息で身体を上下させながら、じっとグレッグを見つめる。
見つめ合う二人。
たぶん、ほんの5、6秒の短い時間だったと思う。
でも、二人は心で話をしていた。


「わたし、いい仕事をしたでしょ?」

「ああ、いつものようにな。でもよ、ピップ、仕事はまだ終わっちゃいないよ」













つづく(To be continued)
























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by somashiona | 2012-06-05 19:39 | デジタル

グレッグとシープドッグ#1



写真の仕事にはたびたび副産物が付いてくる。
料理撮影の後の試食だったり、個人ではなかなかいかない国やエリアへの旅だったり、または有名人が画面や紙面では決して見せない素顔だったりと。
今回、ブロックリーエステイトでの撮影で大きな収穫だったのは、ファームマネージャーであるグレックとの出会いだ。
僕が初対面ですぐに彼を撮ったとき、「それはまずいよ、、、」とジュリアンは思ったそうだ。
彼は写真に撮られることを喜ぶタイプの人間ではないと。
確かにそういうタイプの男ではない。
ファームの仕事一筋で生きてきた男グレッグは口数が少なく、滅多なことでは笑顔を見せない。












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僕のブログを見ている人の中には、将来仕事として人を撮っていきたいと思っている人もいるかもしれないので、僕が人を撮るときの心構えを少しだけ言っておく。
空気を読む、表情、服装や仕草からその人物の性格を推測し、撮っても良いか否かを判断する能力も大切だが、自分が心の底からその人が放つ魅力を写真に残したいと思ったとき、その人のことを直感的に大好きだと思ったとき、どんな強面の男でも、殆どの場合、受け入れられる。
しかし、自分の心のなかに「スティール」(盗む)という気持ちが少しでもあったとき、上手くいかないことがある。
誰かの一瞬を切り撮るということは、許可を得て撮っている場合でも、ある意味撮影者である自分の利益のために、頂いてしまう(スティールする)ことでもあるが、この気持が全面に出ると写真は違うものになる。
撮った写真は自分のためだけでなく、カメラの前にたってくれた被写体のためであってほしい。
最終的に被写体に撮ってもらってよかった、と思ってもらいたい。
なので、どうしてこの写真を撮るのか、撮った後、その写真をどう使うのか、それが明確でないと自分自身が胸を張ってシャッターをきるのは難しい。
何の根拠もないのだが、今まで90%以上の確率で、この感覚は当たっている。
写真を撮るということは、ある意味自分の心の中を撮ることなのかもしれない。
自分の写真に関しては、その心が何なのか的確に掴めないが、他人の写真に関してはかなり見通すことができる。
まるでマジックミラー越しに、こっそりと撮影者を見ているかのように、その人の状態が見える時がある。
僕の写真もそういうふうに誰かから見られているのかと思うと、正直言って怖い。


おっと、話がそれた。
グレッグはこの広大な敷地内の動物たちや農作物、雑草や柵の手入れなど、すべてを一人でみている。今回の羊の毛刈りのようなスペシャリストに依頼しないといけない仕事以外は、彼がすべて一人でやる。
と、いいたいところだが、彼には強力で忠実な相棒たちがいる、シープドッグだ。

グレッグのトラックに乗り込み、彼の仕事を見せてもらいながら、色々な話をする。












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1時間に3秒くらい笑顔を見せる時もある。












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「この仕事の魅力は?」と訊ねると、「すべて自分の思い通りに事を動かせること、自然には逆らえないと思い知ること」と答えてくれた。
この土地のすべてを知っているのは、自分しかいないと言って、彼はフロントガラス越しの大地を見つめた。
そんな彼にシープドッグの仕事を見せてもらえないかと訊ねてみると、意外にもあっさりと快諾してくれた。(僕の顔を見ないで)












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トラックの荷台に乗り込んだのはメス犬のピップ。
吠えも呻きもせず、素早い動きで荷台に飛び乗り、トラックの進む方向と運転するグレッグの横顔を静かに見つめている。
こんなおとなしい犬がどうやってたくさんの羊たちを誘導するのか、、、。












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グレッグが車から降り、牧場へのゲートを開けたとたん、ピップは弾丸のようにトラックから飛び降り、牧場の彼方へと駆け走り、すぐに姿が見えなくなった。
僕の目の前に広がる牧草地の上には、羊のひの字も見えない。
ピップ、いったい何処へ行ってしまったのだろう、、、。
心配する僕を横目に、グレッグは先ほどとまったく変わらぬ表情でトラックに乗り込むので、僕も慌てて助手席に滑り込んだ。












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つづく(To be continued)














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by somashiona | 2012-06-04 22:29 | デジタル

シェアラー#3




職人にはこだわりの道具がつきもの。
シェアラーたちの命は、ハンドピース(Handpiece)と呼ばれるバリカンだろう。
今回会ったシェアラーたちが使っていたハンドピースは約7~8万円くらいするそうだ。
シェアラーたちは暇さえあればこれにオイルをさす。
まとまった休憩時間があればハンドピースの刃を機械で一枚一枚丁寧にシャープニングする。
約20頭に一枚の割合でこの刃は交換するらしい。
切れ味の良さが仕事の生産性に直結するのだ。
毛刈りをするフロアーの壁には黒いレザーのバッグがぶら下がっているのだが、それぞれのポケットにこのハンドピースの刃がびっしりと入っていて、カバンは異常に重たい。
この刃一枚、1万円近くするというのだから、驚きだ。
ひょっとすると、この黒いレザーバックはプロのカメラバックの中身より高価かもしれない。
彼らの道具に対する愛着がフォトグラファーの僕にはひしひしと伝わる。
プロはやはり道具にこだわる。






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こだわるといえば、彼らの履いている靴もズボンもシェアラー専用だ。
ズボンはとてもスリムで裾がバタつかないようになっている。
ジーンズのデニムような生地で、膝から下は生地が2重になっている。
実用的&オシャレ、東京で履いていたらカッコイイと言われそうだ。
彼らの履いている靴もシェアラー用の特別な靴だ。
シェアラーモカシンと呼ばれる靴で、彼らや羊たちから滴り落ちる汗やオイルで滑る木の床をしっかりと拭き取ると同時に床をグリップし、羊の鋭い爪やハンドピースのシャープな刃から足をしっかりと守ってくれる。












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ユニクロさん、ライトダウンの次はシェアラーのズボンとモカシンでいかがです?
来年、シェアラーファッションが流行の最先端となったら、「むふふ、タスマニアだな」と思ってほしい。










つづく(To be continued)
















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by somashiona | 2012-06-02 22:56 | デジタル

シェアラー#2



シェアラーの体力を消耗させるのは毛を刈る作業だけではない。
一頭の毛を刈り終わると、すぐ横の木製の白いドアの中に入り、ドアの裏部屋で待ち構えている羊をまた一頭捕まえ、毛を刈るフロアーまで引き摺り出す。


毛を刈るフロアーのドアの向こうにある羊たちの部屋はとても効率よく出来ている。
一見無造作に見えるがそれぞれの年齢の羊たちが柵(パーテーション)で仕切られ、毛を刈られる順番を待っている。
僕が羊たちを見てもどれも同じ顔に見えるのだが、実は彼ら、きちんと年齢別に分けられている。
「メリーさん、お年はいくつ?」と聞いても「めぇぇ~~~っ」としか答えてくれない彼らの年齢は歯で判断する。
羊は下顎にしか歯がない。
1歳が乳歯、2歳で永久歯が下顎に2本生え、3歳で4本。4歳で6本になり8歳で8本、これで前歯は全部揃ったことになる。
奥歯も合わせ成熟した羊は32本の歯を持つらしい。


ドアを開け、羊の部屋に入ってくるシェアラーの姿を見ると、羊たちはもう怖くて、怖くてたまらず、必死で逃げ回ろうとする。
あんな大きな体の動物が必死で逃げ回ろうとするのだから、それを捕まえるのは容易でない。
羊を捕まえようとするシェアラーの姿は、まるでかつての桜庭とホイラー・グレーシーの対戦を見ているようだ。
(あっ、すんません、ちょっと大げさでした)
しかし、羊目線でこの状況を見ると、彼らの恐怖もよく理解できる。
オーストラリアのタフガイたちが、怖い顔をしていきなりドアを開け、暴れる仲間を羽交い締めにしたあと、ドアの向こうへ引き摺り出していくのだから。
ドアの向こうでは金属音がうぃ~ん、うぃ~んと唸りを上げ、引き摺り出された仲間は「嫌だー、止めてー、怖いよー」と叫び声をあげている。
次は自分の番かもしれない、と思うと居ても立ってもいられないだろう。
だからといって、シー・シェパードのように「動物虐待だー」と騒ぎ立ててはいけない。
こうやって僕たち人間はいつだって柔らかく温かなウールの恩恵を受けているのだから。
僕たち人間はこうやって生き物や植物や人間を取り巻くいかなるものも生きるために利用してきたのだから。
人間は生まれた時から、生きることと引き替えに何かを奪う罪を背負っている。
そうやって自然から何かを頂くのだから、それらをムダにすることなく、大切に使っていかなければならない。
羊と格闘するシェアラーにも、怖い思いをした羊たちにも感謝する気持ちを忘れてはいけない。


羊くんたち、君たちは本当に役立っているのです。
今年もまた、たくさん草を食べて、温かいウールを体いっぱいに生やしてください。













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つづく(To be continued)












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by somashiona | 2012-06-01 22:55 | デジタル

シェアラー#1




羊の毛刈りのイメージは、やはり毛を刈る職人であるシェアラーだ。
彼らの集中力には恐れいった。
どんなに仲間たちが楽しいジョークで笑っていても、この二人のシェアラーだけは決して会話に加わることなく、懇々とひたすら毛を刈る。
ハンドピースと呼ばれるバリカンのような機械が常に唸りを上げているため、彼らは耳栓をしている。
なので周りの会話など、まったく耳に入らないのであろう。
一頭の毛を刈るのに、ものの数分しかかからない。
じっと見ていると面白いほどスムースに毛が刈り取られていく。
この日は二人で約300頭の羊の毛を刈った。
実は最後の一頭の毛を僕に刈らせてくれた。
彼らがとても簡単そうに安々と毛を刈るのを見ていたので、僕もそのつもりでバリカンを手にしたのだが、羊は思ったよりも重く、しかも、嫌だ、嫌だと動きまわる。
モコモコした毛の中にバリカンを入れるが、どこまでが毛で、どこからが皮膚なのかまったく分からず、特にお腹の周りなどは毛の中に何が隠れているのかまったく検討もつかない。
羊の皮膚を切り裂いてしまいそうで、かなりの恐怖だ。
男子の羊の大切なところを切り落とそうものなら、一生恨まれるに違いない。
そんな僕にバリカンを当てられている羊くん、僕の何倍も怖かっただろう。
僕のへっぴり腰を見て、皆は大笑いし、ウール・ローラーの女性が僕のカメラでその様子を激写してくれた。(その写真をここに載せるわけにはいかないが、、、)
結局、一頭の毛の1/3を刈るのに何十分もかかってしまった。










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一日で200頭以上の羊の毛を刈ることの出来るシェアラーを「ガン・シェアラー」(gun shearer)というらしい。
僕は写真を撮るとき、たくさんシャッターをきるので、ガン・フォトグラファー。(あ、関係ない)
羊を足の間にはさみ、中腰で毛を刈る体勢は半端じゃなくキツイ。
腰の悪い僕なら30分で激痛に襲われ、1時間で翌日から歩けないだろう。
羊の毛を刈るフロアーには天井から鉄の輪のようなものがぶら下がっている。
決して休憩中にブランコにして遊ぶためのものではない。
鉄の輪にはエキスパンダーのバネ(エキスパンダー、知らないか?)のようなものが取り付けられ、輪の中に体重をかけた身体が上下に動くようになっている。
しかし、この輪に体を預けても、腰がキツイことには変りない。
一日中この輪にぶら下がり、羊と格闘する彼らの額からは絶え間なく汗が滴り落ちる。
久しぶりに本物の男を見たような気がした。










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by somashiona | 2012-05-31 22:42 | デジタル

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