我が家のシェフたち




ここ数年、オーストラリアでは料理番組の人気がうなぎ昇りだ。
たぶん、国の景気がいいからだろう。
食に対する人びとの関心、お金の使い方は僕がオーストラリアに移住した7年前とは格段の差。
日本人なら笑ってしまうかもしれないが、1993年から1999年までフジテレビで放送されていた「料理の鉄人」が今オーストラリアのSBSという局で放送されていて、これがまた人気。
ちなみにオーストラリアでのタイトルは「アイアンマン・シェフ」だ。(そのまんま)
「オーストラリアン・マスター・シェフ」という番組がしばらくの間オーストラリア人の注目の的だった。
オーストラリア中の腕に自信のあるアマチュアシェフたちが一同に集まり、毎日、毎日、様々な課題を与えられ、その中で料理の腕を競う。
彼らが作った料理は国内外の有名なシェフや料理評論家に採点され、合格点に達しなかった者たちがキッチンスタジアムを去ってゆくサバイバルゲーム形式の番組なのだ。
最終的に二人に絞られ、そのうちの一人がオーストラリアン・マスターシェフになる日の視聴率はもの凄かったらしい。
ちなみに優勝したのは日系のオーストラリア人、アダムだった。








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子供たちは毎日欠かさずこの番組を観ていて、誰がどんな料理を作って、だれが次に落とされそうなのか、僕に逐一情報を提供してくれた。(僕はこの番組を観ていなかった)
この番組が追い風となって、子供たちの料理熱はかなり上昇したようだ。
先週から「ジュニア・マスターシェフ・オーストラリア2010」という番組が始まった。
これは「オーストラリアン・マスターシェフ」の子供バージョン。
第一回目の放送を子供たちと一緒に観たが、8歳〜12歳くらいまでの子供たち、料理の腕はマジですごかった。
オーストラリアはいろいろな人種が混ざり合って生きているが、イタリア系の親を持つ子供はやはりイタリア料理、ギリシャ系ならグリークフードと食はやはり文化でアイデンティティだ。
ソーマに「もしこの番組に出たら何の料理で勝負する?」と聞くと、「う〜ん、鶏の唐揚げと、ざる蕎麦かなぁ」とソーマ。
「え、どうしてざる蕎麦さ?」と僕。
「だって、簡単だもん」
駄目だ、こりゃ!
ソーマとシオナ、今まで以上この番組に夢中になることだろう。








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毎週末、僕が料理を作るときは必ず子供たちも参加する。
彼らが手伝うたびに、小麦粉や砂糖やオリーブオイルがテーブルや床の上に散乱するので、最初は余計に時間がかかってしまって「やれやれ」と思っていたが、最近は彼らの包丁さばきもかなり上達して、ほんとうに助かっている。
ハンバーグ、コロッケ、餃子などを、ああでもない、こうでもないと言いながらテーブルを囲んで作る時間は僕には至福のひとときだ。
これがささやかな幸せというものだろう。
最近は日曜の朝、僕が少し遅めにベッドから起き上がると、子供たちが小麦粉やベーキングパウダーを計量器で測り、パンケーキ(ホットケーキ)を作っている。
ホットケーキ・サンデーの仕事は知らないうちにダディから子供たちへと移行しつつある。

今日は何もしなくていいから、と僕に言って、彼らがチキンとレッドカプシカン煮を作ってくれたときは、あまりの美味しさに驚き、そして次に目頭が熱くなった。
感情が昂ったせいで完成品の写真を撮るのを忘れてしまった。

ここ一年間、ほぼ毎週末子供たちのために作っている一品がある。
それは、かぼちゃの直煮だ。
海外に住むと日本の田舎料理が無性に恋しくなる。
かぼちゃの直煮なんて、日本に住んでいたときはこれっぽっちも好きじゃなかったのに、一度作ってみたら病みつきになった。
子供たちに食べされると、これがまた好評だ。
彼らに食べ物を出すと、すぐに実験がはじまる。
ざる蕎麦の汁にソーセージを浸して食べたり、巻き寿司にケチャップをかけてみたり、餃子にマヨネーズをつけてみたり、、、日本料理に関する常識的な組み合わせの概念が彼らにはないので、とんでもない組み合わせを試みるのだ。
せっかく作った僕としては「やれやれ」なのだが、まあ、こういう事は好きにやられておいたほうがいい。
そういえば、東京で、相原さんや東京下町、奈良、名古屋の濃いブロガーたちと中華料理屋に入ったとき、とてもおいしい餃子を出された。
お店のお母さんが「とりあえず、タレをつけずに味わってみてください」と言ったが、僕はお店のお母さんの目の前でタレをつけて餃子を食べた。
久しぶりの日本で、久しぶりの餃子、気持ち的には一刻も早くかぶりつきたかったのだ。
どう食べようが僕の勝手だ。
タレをつけるな、と言われたらつけたくなるじゃないか。
と、思ったのは僕だけで、この協調性のない行為を彼らはことあるごとに引き合いに出し、僕をいじめた。可愛らしく、憎らしく。笑
子供たちはこの遺伝子を受け継いでいると思う。
かぼちゃの直煮を僕は食後のデザートだと言って彼らに出した。
するとソーマはその上にバニラアイスクリームをかけ、シオナは生クリームをかけた。
僕は横で見ていて、おえぇ〜っと言ってみたが、味見してみると思いがけず美味しかった。
以来、かぼちゃの直煮とバニラアイスクリーム、もしくは生クリームの組み合わせは我が家の定番料理だ。
そして今、これを作るのはソーマの仕事になっている。








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by somashiona | 2010-09-15 20:27 | ソーマとシオナ

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