今年心に残った写真
アメリカ同時多発テロ事件9/11からもう10年も経ってしまった。
あの事件は僕が東京での仕事を辞めることになった理由の一つになっている。
たぶん、あのまま東京でフリーランスの仕事を続けていたとしても、今年日本で起きた東日本大震災の後は同じように辞めていたに違いない。
病院の待合室に置かれていた雑誌の束から何気なくTime(タイムマガジン)Time(タイムマガジン)を手に取りページをくくってすぐに僕は大きな衝撃を受けた。
9/11の10周年の特集でモノクロのポートレイトが雑誌の80%くらいを占めていた。
「Portraits of Resilience」(たぶん「再起の肖像」みたいな感じ)という特集記事で、9/11と深く関わった40人以上の男女の口述歴史とポートレイトといういたってシンプルな構成なのだが、その力強さに圧倒される。
しかも80%を占めるポートレイトはマルコ・グロッブというタイムマガジンの契約フォトグラファーたった一人で撮られているのだ。
これはフォトグラファーにとって偉業だ。
モノクロのポートレイト一点、一点がまた素晴らしい。
ああ、写真ってこうだったんだ、人間の肖像はやはり力強く、見るものに何かを与えてくれるんだ、ということを思い出させてくれた。
この特集の冒頭で戦争写真家ジェームス・ナクトウェイ
の写真も大きく扱われている。
この一枚にも僕は衝撃を受けた。
青空、立ち上がる黒煙、崩れ落ちるワールドトレードセンター、アメリカの国旗、それらを背負い立っている十字架。
彼がこの時、この場に居合わせた(彼のオフィスはNY)事自体がすでに写真家としての資質のようなものだが、それにしてもこの瞬間をこんな絶妙な構図で撮れる(撮ってしまう)なんて映画のようにセットを組んだとしてもなかなか出来るものじゃない。
やはり、一流の写真家というものは技術や才能を超えた何か、天や宇宙が与えてくれた何かがあるんだと思わざるをえない一枚だった。
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by somashiona | 2011-12-13 09:36 | 写真家