後ろ姿は撮らない?







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小さな港にある桟橋を歩いていると親子が仲睦まじく釣りをしていた。
聞こえてくる会話から、二人がかなり真剣に、釣りに取り組んでいるのがわかる。
風になびくお父さんのポップなシャツにあるプリントの黄色、帽子の黄色、桟橋にペイントされた黄色、万が一に備えて着せられている子供のライフジャケットの赤、靴の赤、お父さんのショーツの赤、カバンの赤、そういったものが上手く揃っていると自然に目が引きつけられる。
子どもがいるのでお父さんに写真を撮る了解を得てから二人の表情を狙ったが、どう考えても最初に目に入った後ろ姿の印象の方が二人の表情より写真として勝る。










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人を撮ることをメインに写真をやってきた僕としては、後姿の写真というものに少し抵抗がある。
なにか被写体から逃げている気がするからだ。
顔を出せないがゆえ後ろ姿になったり、モザイクをかけなければいけない写真なら、僕は最初から撮らないことにしている。(僕の個人的信条だ)
しかし、世の中には後ろ姿だからこそ説得力のある写真もたくさん存在する。
たとえば写真史に残る後姿の写真の名作は?と問われれば僕はユージン・スミスの一枚と






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マーティン・ムンカッチの一枚がすぐに頭に浮かぶ。






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これらの写真の中の人物が正面を向いていたのなら、不朽の名作にはならなかっただろう。
人は写真の中に人物を見つけると、まずは表情に目が行く。
ポルノ雑誌の裸の写真ですら、読者はまず最初にモデルの顔をみるらしい。
写真の中に人物がいると、表情を見て、体の動きを見て、全体を見て、その写真の中の状況を理解しようと思うのだ。
表情のない後ろ姿の写真の魅力は、体の動きや置かれている環境からその人物の感情や置かれている状況を想像するところなのだろう。
ストーリーを読ませる写真というものをもっと積極的に撮りたい、とこの二人に出会ったときに思った。






















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by somashiona | 2012-02-09 08:46 | デジタル

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