続ファミリーポートレイトは愛のかたち



僕はスタジオ出身のフォトグラファーではないので、スタジオ撮影は決して得意ではない。
それでも東京で雑誌の仕事を中心にこなしていた時は随分とスタジオっぽい撮影をした。スタジオっぽいというのは、六本木で30万円もスタジオのレンタル代をかけるスタジオ撮影ではなく、オフィスの片隅や、体育館の脇でインスタントのなんちゃってスタジオを作り撮影するという意味だ。インタヴューもののページを依頼されることが多く、毎週、毎週、手を変え、品を変え、ワンパターンの表現にならないよう工夫したつもりだ。そんな訳で、東京時代にどんな場所でもそれなりに早く、カッコよく撮る訓練をたくさんさせてもらったと思う。僕は移動スタジオカメラマンだった。

僕はアシスタントを持ったことがないので、いつも一人でバックドロップ(背景の布)を設置したり、ライトのスタンドを立てたりと忙しく撮影の準備をするのだが、そういう時、モデルになってくれる人はよく一緒に手伝ってくれる。モデルになってくれる人が何人かいる場合は、撮影中ですら、レフ版(光りを反射されるためのもの)を持ってもらったり、ストロボのテスト発光ボタンを押してもらったりする。時には必要がなくても手伝ってもらうようにする。傍観者ではなく、一緒にモノを創る一員になってもらいたいからだ。
こういう時間に一種の連帯感が生まれる。意外と皆こういう作業を楽しんでくれる。特にレフ版で光りを上手く反射させた時などは皆、得意顔だ。
一般のご家庭でインスタントスタジオを作ると、子どもなどは目をキラキラさせて撮影の準備に見入っている。まるで自分の家にサーカスでもやって来たような気持ちなのだろう。そんなふうに様子を眺めるのは大人も同じだ。




アレン家の皆も、居間のソファーやテーブルの移動、ライトスタンドの設置、バックドロップをガムテープで固定する作業など、よく働いてくれた。(撮影代はしっかり請求するのだけど)






まずは今日も家長から登場してもらおう。




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「えっへん、皆さん昨日に引き続き、ワシがこの家の家長ロッドだよ。そう、ロッド・スチュアートのロッドじゃ。どことなく似とるじゃろ。なに、全然似とらん?四人の息子たちが悪ガキだった頃は毎日怒鳴ってたんでな、あのしわがれた声だけはそっくりだったんじゃよ。『I’m Sexy』が十八番でな。当時はワシもセクシーだったんじゃ。は、は、はっ」




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「お父さん、あんた何わけの分からないこと言ってんの!私がアレン家の母、クリスよ。今回のファミリーポートレイトはね、私の夢だったのよ。息子たちが自分たちの家庭を持ってからはね、なかなかこういう機会がなくてねぇ。だから私、かなり張り切ってるのよ、今日は。マナブにはケイト・モスみたいに撮ってくれないと承知しないからねっ!ってキツく言ってあるのよ。まあ、ニコール・キッドマンでもいいんだけどね。3日前に顎にねデキモノができちゃって、これ消してくれないとイヤよっ!ってマナブに言ったら、フォトショップがどうのこうのってブツブツ言ってたわ。最近の写真屋(フォトショップ)さんはなんでもしてくれるのねっ」




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ロッド「まあ、なんていうか、一人の時は威厳のあるワシだが、妻と一緒だとどうもその調子が出なくて、、、ご、誤解しないでほしいんじゃが、これが私たちの力関係を表している訳じゃないのだよ、、決して、、、」
クリス「さぁ〜あ、私たちの番だわ。あんた、張り切っていこうじゃないの!」
ロッド「わかってるよ、クリス、、、ふぅ〜っ」




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クリス「これよ、これが欲しかったのよ。皆私の自慢の息子たちよ!私が育てたんだから!末っ子のマークったら、まだマミーズボーイなのよ。さあ見てちょうだい、これが私の自慢の家族よ!これが愛の結晶よ!」




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「若いときはね、生活に追われ、しんどかったわ。この子たちも馬鹿ばっかりやっていつも私を困らせたものよ。でもね、今こうして息子たちと孫たちに囲まれて、これ以上の幸せはないわ!」








長男のクレイグとパートナーのキャシーの場合。




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「ねえ、あんたってば!いつまで新聞読んでんのよっ!」
「だって土曜の昼間だぜ。フットボールの結果が気になるだろ、そりゃー、、、」




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「さあ、さあ、愛あるポートレイトを撮るのよ!典型的な男女の愛あるポートレイトはやっぱり女性が男性の膝の上に乗ってね、二人でニッコリ微笑むのよっ!」
「あ、あの、ちょっと足が痛い、、、あっ、体重かけないで、、、あっ、いてて、、、」




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「典型的な愛ある男女のポートレイトはね、こうやって女性が後ろから抱きつくものなのよっ!そして二人、永遠とも思える微笑みを浮かべるの」
「うっ、う、うっ、ちょっと、ねえ、ちょっと、腕の力緩めて、、、苦しい、、、」








クレイグの娘メグと息子のウィルの場合。




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「ねえ、ねえ、オジさん、カッコよく撮ってくれないと、イヤだよ!ねえ、ねえ、オジさん、この写真芸能プロダクションに持っていったら、アイドルになれるかな?オーストラリアン・アイドルのオーディションにでれるかな?お姉ちゃん、マジメにポーズ決めてくれる?ねえ、ねえ、アイドルになれるかもよ」




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「そうさ、歌って踊れるアイドルを目指すのさ!ジャ〜ンプ!」








マーク叔父さんと甥っ子、姪っ子たち。




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僕「さぁ〜みんなぁ〜、いいかい、1、2、3、で撮るからねぇ〜。ワァ〜ン、ツゥ〜ウ、フォ〜、はぁ〜い、騙されちゃダメだよぉ〜」




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「よぉ〜し、次は僕の言う通りにするんだよぉ〜。ワァ〜ン、ツゥ〜、変な顔ぉしてぇ〜!」








全員集合!




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「これがワシの家族じゃ。みなさん、楽しんでくれたじゃろうか?明日の記事はキュートな女の子編らいしが、まだ飽きずに見てくれるじゃろうか?ワシは待ってるでな。スィーユーレイター、アリゲーター!(See you later, alligator!)




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by somashiona | 2007-06-12 23:23 | 仕事

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