いいぞ、新田!新田高校!




もうすでに多くの人たちが見ていると思うが、愛媛の新田高校がブログを公開している。
そしてフォトブログランキングにも参加している。
まだ見ていない人はぜひ一度覗いて欲しい。
そこには清々しい感動がある。


PTAの活動報告、学校行事の報告、校内の風景、部活動の様子、どれをとっても僕にはとても新鮮で、ウキウキ、ニコニコしながら見てしまう。
しかし、その中でも特に絶品なのは『Memory in Nitta・・・卒業スライド』だろう。
僕はもう3回見てしまった。そして3回とも笑い、唸った。

『Memory in Nitta・・・卒業スライド』はちょっとセンチメンタルな桜と校舎の絵ではじまる。学校と言えばどうして桜なのだろう。このコンビネーションには有無を言わさぬ説得力がある。北海道旅行ではアイヌ村を見学し、ジンギスカンを皆で食べる。生徒さんたちの顔は皆、心が洗われるほど真っ直ぐだ。
そんな彼らの笑顔の写真の中に、曇り空にそびえる札幌テレビ塔というシュールな写真も混ざりムードを盛り上げる。この傾向はこのスライドショー全体を通して言えるのだが、一見卒業スライドとは関係のなさそうな、それでいてこの生徒さんたちの記録を引き立たせるのにとても大切であろうシュールな風景写真が抜群のセンスでこのスライドショーちりばめられている。ネガプリントからの複写ですら哀愁が漂っている。
どなたが撮った写真なのかはわからないが、プロっぽくない視線で、それでいて実に上手い写真の技術を持った方が、生徒さんたちととても近い関係で見事に切り取った絵の数々は見終わった後で1時間半の映画を見終えた気持ちにさせる。そして何枚かの写真が頭の中に忘れられないイメージとしてしっかりと定着してしまう。
徳永先生、能田先生の顔。白い帽子をかぶった先生の顔。羊蹄山(たぶん)の美しさ。
高校野球での黄色いチアガール、一列になって走り出す球児たち、「いいぞ、新田」のプラカード、球場を背景にした校旗のポートレイト。
極めつけは体育祭だ。僕はパソコンの前で何度も笑い転げた。この体育祭の写真を見たら、あなたもきっと実物を見てみたくなるはずだ。

これら一連の写真を見てこの学校の生徒さんや親御さんたちが羨ましく思った。
この学校はガラス張りだ。自分たちの日々の活動をこういうふうに公開できるのは正々堂々と胸を張って学校関係者たちが仕事をしている証拠だし、この生徒さんたちの顔を見ると、その姿勢に嘘がないことが充分に伝わる。
僕の高校時代はそうじゃなかったと思うし、学校内の様子を親ごさんたちが知る由もなかった。

今の時代、学校写真を一般に公開するのが難しくなってきている。
僕がオーストラリアでの学校写真をブログで公開しようと思えば写っている生徒さん全員の親御さんたちから承諾のサインをもらわなくてはいけないし、その中にはろくに写真を見もせず、自分の子どもをネット上に載せたくないという理由だけで掲載を拒否する親御さんが現れ、そういう人が現れると結局はほとんどの写真が使えなくなってしまう。
僕も子を持つ親だ、そういう気持ちはよく理解できる。
しかし、子どもたちの純粋な笑顔が写真の中から消え去ってしまう社会は冷たく他者を信頼しない社会だ。公開していいもの悪いものの区別は判断力がある親ならきちんとできるはずだ。

この新田高校のブログからは、教科書に書いてあること以外にもこの世の中には素晴らしいものがある、ということを生徒さんたちに伝えたいという学校の本物志向がうかがえる。
生きた顔は、生きた教育の中から生まれてくるものなのだろう。






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Bushy Park, Tasmania


写真はテキストとは無関係です。悪しからず。









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by somashiona | 2007-06-15 09:51 | B&W Print

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