ソーマが泣いた



子どもたちと共に週末を過ごし、彼らを母親のもとへ送り届けた際は、彼らの母親、つまり僕の元妻とできるだけ話しをするように心がけている。
90%は子どもたちの話しだ。
彼らをしっかり育てることは今でも僕たちの共通の責任であり、共通の目標だ。

僕たちは差し向かいで優先順位が高いと思われる話題からかなり真剣に、また率直に話し合っていくのだが、このとき子どもたちはそわそわする。
特にソーマは僕や母親にベタベタとくっついて離れない。
僕といる時はベタベタしない子なので、いつもこんなふうか?と彼女に聞くと違うと言う。
自分の一番好きな人間が目の前で二人揃って話しをしているのだ。
考えてみると、興奮するのも無理ない。

僕と元妻がそんな話しをしているとき、ソーマは僕の膝の上に座って母親の方を向いていた。上機嫌だ。
その彼に肩越しから僕は、特に深い意味もなく、笑いながらこう言った。
「いいかい、ソーマ。今はこうしてマミーやダディにベタベタとくっついているけど、後3、4年もすると、マミーが買い物に誘っても、散歩に行こうと言っても、僕、忙しいんだから一人で行ってよ!なんて言うようになるんだよ」

ソーマの肩が震えはじめた。
顔を見ると彼はポロポロと涙を流している。

しまった!やっちゃった!
大人の視点で話しをしてしまった!

彼の母親も慌ててフォローしている。
「いいのよ、心配しなくても。ソーマはいつまでもマミーと一緒よ」

それを聞いて少し安心したのか、ソーマは無理に笑顔を作り、鼻をすすりながら僕たちに笑った。

大人になると、いつかは離れる、いずれ終わる、やがて忘れ去る、ということがあまりにも日常になり、子どもにとってそれが想像を絶する恐怖だということを忘れてしまう。
親と離れることの恐怖、そんな当たり前の感覚を僕は忘れていた。

ごめんよソーマ、いつまでもベタベタして欲しいのは、ダディのほうなんだ、、、。








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by somashiona | 2007-06-17 23:01 | ソーマとシオナ

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