昨日の朝の会話



「ヘイ、ソーマ、見てごらんよ。霜が降りて辺り一面真っ白だよ。ニューノーフォークは毎朝こんなに寒いのかい?」
「ダディ、今日なんてまだマシだよ。先週はマイナス5度まで下がったんだよ。今年一番の寒さを記録したってニュースで言ってたよ」

毎週土曜の朝9時にどこもたちを迎えにいく。
ホバートから子どもたちの住むニューノーフォークまでは車で片道約40分だ。
山に囲まれたこの町は、夏、暑く、冬、冷え込む。
僕はニューノーフォークの冬の朝が好きだ。
霧に覆われることの多い冬の朝は、この町の煩わしい現実を一時的とはいえ消し去ってくれるし、毛穴を塞いでしまうような冷たい空気は、意味のないおしゃべりでひと時の美しさをぶち壊してしまうたぐいの人々を家の中に閉じ込める大切な役割を担ってくれる。

「ダディ、どうしてここで車を止めるの?今朝はここで遊ぶの?」
「いいや、シオナ、ここでは遊ばないよ。シオナ、君の横にダディのカバンがあるでしょ、その中にカメラが入っていると思うんだけど、見てくれるかい?」
「ダディ、こんな小さなカバンにカメラなんて入るわけないじゃない!」
「小さいカバンには、小さいカメラが入っているんだよ、シオナ」
「えっ、ええっ〜、ダディ、今から写真撮りはじめるのぉ〜?ボク、お腹ぺこぺこなんだよぉ〜」
「ぺこぺこって、まだ9時だよ、ソーマ?」
「だって起きたの5時なんだもん。今朝は起きてすぐに食べたんだ!」
「ねえ、ねえ、ダディ、どこを写真に撮るの?」
「シオナ、どこが一番きれいだと思う?」
「うぅ〜ん、ワタシ、あそこの木がきれいだと思う」
「どうして?」
「だってなんだかキラキラしてるもん」
「シオナはマミーと同じでアーティストだね。きれいなところを見つける天才だ!」
「ダディ、ボクたち車で待ってるから早く行ってよ!あのさ、言っとくけど3枚だけだよ!写真がはじまるといつも長いんだから、ダディは。3枚だよ!ダディ。プロミス?!」
「オーケー、オーケー、プロミス。でも、ワンシーンで3カットっていう意味だからね!大丈夫、5分で戻るよ。心配すんなって!」
「あっ、ダディ、ずるいよ!そうやってまた一杯撮るんでしょ!あっ、待ってよダディ、ダディってば!」


昨日の朝の会話でした。




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by somashiona | 2007-06-24 20:32 | デジタル

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