オージーの音楽センス



僕がはじめてオーストラリアという国を意識したのは、たぶんオリビア・ニュートン=ジョンの『ジョリーン』を聞いてからだろう。
こう言うと、今この時点で「誰それ?」と思っている人と、「クスッ」と笑っている人の二つのグループに分かれているに違いない。
今日のテキストは「誰それ?」派の人にはかなりつまらない話しだと思う。
「クスッ」と笑った人は1970年から1980年頃のあなたの記憶をたどって欲しい。

オリビア・ニュートン=ジョンはオーストラリア出身の歌手だ。
はじめて彼女が歌う『ジョリーン』を聞いた時はとても新鮮だった。
その後の『そよ風の誘惑』ではその美しい歌声に完全に恋をしてしまった。
カントリーソングの名曲『カントリーロード』は雑誌『平凡』『明星』に付録でついてくる歌の本のカタカナ表記をみて、なんとかいちばんまでは歌えるようになった。
カントリーロード、テイクミホーム、トゥ〜ザプレイス、アイビローン、あっ、うるさい?歌うな、って?
彼女の写真をはじめて見たとき、「うわぁ〜、オーストラリアの女の人ってみんなこんなにキレイなんだぁ、、、」と間違った幻想を抱いてしまった。(今ならよく分かる)子供だったのでしかたない。でも、まだカンガルーはアフリカの動物で、エアーズロック(ウルル)は火星にあると思っていた時だったし。
彼女はアメリカの映画産業でも大成功を収めた。当時まだお腹の出ていないジョン・トラボルタと映画『グリース』で共演した時、僕はかなり嫉妬した。タランティーノの映画『パルプフィクション』でトラボルタが再び脚光を浴びるまで、長く映画界から忘れられていたのは、実は僕の呪いのためだ。
オリビアはその後も『ザナドゥ』や『フィジカル』とうの大ヒットを連発し、結婚を期に歌の活動からしばらく距離を置いたようだ。この国に来てから彼女をはじめてテレビで観た時は感動した。もうかなりの年齢だと思うが、本当に昔のままの綺麗さなのだ。ホントだ。彼女は自然保護活動家としてこの国の人から尊敬されている。国が守りきれない自然は自分の持つ財力を使って広大な土地を買い占め、保護するというストレートな方法をとっている。

話しは音楽にまた戻る。
前置きがながくなったが、今日のテーマは僕のオリビアではなく音楽のセンスだ。

オーストラリアのロックバンドや歌手といえばどんな名前が頭に浮かぶだろうか?
AC/DC、メン・アット・ワーク、エア・サプライ、ビージーズ、今頭の中が「?????」状態の人、カイリー・ミノーグなら知っているのではないか?、、、、、、、知らない?

パーティなどはじめて会う人たちが集まる中、スポーツ、アウトドア、本、映画、音楽、これらは国籍、性別、年齢(これは話題による)を問わず盛り上がれる話題だ。

6、7人の集まりで「はじめて自分のお小遣いでかったレコードは何?」というような話題は必ず盛り上がる。
皆が口にする懐かしのバンドや歌手の名前を聞いては、そういえばそういうバンドあったよなぁ、とニコニコする。
僕の順番が来て「ベイ・シティ・ローラーズ!」と答えると一瞬その場は静まり返り、大爆笑の渦に巻き込まれた。
ベイ・シティ・ローラーズを知っているだろうか?イギリス、エジンバラ出身のアイドルグループでタータンチェックがトレードマークだった。日本でも当時の若い女性たちを虜にした。小学校3年のとき従姉妹のオネエちゃんから彼らのLPレコードを聞かせてもらったときは衝撃だった。今まで聞いたことのない種類の音楽だ。その後、僕は海外の音楽ばかり聞いていた。キッス、エアロスミス、チープトリップ、ディープ・パープル、レインボー、だんだんと柄が悪くなっていく。

中学の頃、ソニーのカセットテープレコーダのテレビコマーシャルだったと思うが、ビリー・ジョエルの『ストレンジャー』を聞いた時も衝撃だった。ビリー・ジョエルは何度も何度も繰り返し聞いている僕のお気に入りだ。彼のアルバムのタイトルでもあるニューヨーク52番街に一人立った時は心から感動したし、ハドソンリバー沿いを運転した時はカセットテープから流れる『ニューヨークの想い』を何度も歌い、胸が一杯だった。
しかし、オーストラリア人にビリー・ジョエルが好きだというと、90%以上の確率で「ご冗談を!」といわれるか、初めてのデートでとんでもなくカッコ悪いファッションで現れた男を見る時に女性がする、あの居心地の悪い目で顔をまじまじと見られる。オーストラリア人にとってビリー・ジョエルはださい、時代遅れ、オヤジ、悪趣味、その手の言葉の代名詞なのだ。そんなこと日本人の僕に分かるはずがない。アメリカでも今はそうなのだろうか?ロシアではまだ人気があるのだけど、、、。ちなみに英語でビリー・ジョエルはビリー・ジョーといわないと通じない。ジャッキー・チェンがジャッキー・チャンと言わないと通じないのと同じだ。

「そんなこと言うけどさ、じゃあ君は誰が好きなの?」って聞くとABBA(アバ)と答える女性がたまにいる。それこそ僕は笑ってしまうけど、オーストラリアでABBAはいまだに絶大な人気を誇る。世界中でもABBAの人気がまた復活していると最近聞いた。

テレビ番組であなたの一番好きな曲は?というのをやっていたが、それによると第一位に輝いたのはザ・ナックの『マイ・シャローナ』で、一番ながく聞き続けているロックバンドはピンクフロイドだった。
ビートルズがクール(カッコいい)と思っている人もまだ多い。
これがオージーの趣味だ。
もちろん一般論だけど。

オーストラリアのミュージシャンで僕が今一番気に入っているのはジョン・バトラー率いるThe John Butler Trioだ。
どんなジャンルの音楽かとても説明し難いが、ある意味、ジャンルを超えた音楽だし、アウトドアに彼の音楽がよく合うのは彼自身も環境保護活動に力を入れているからだろうか?
彼の3rdアルバム『サンライズ・オーヴァー・シー』が一番お勧めだ。
ビリー・ジョエルが好き、といった時の反応と大違いで、ジョン・バトラーが好きだと言うと、さりげない大人のファッションで決めた年上の彼を見つめる乙女の目で僕を見てくれる。
オージーと音楽の話しをする時は、ぜひこの手を使って欲しい。




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ピップホップのDJを目指すアリは今年生まれ育ったタスマニアを離れた。
かならず世界で活躍してやる、と目を輝かせていた。









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by somashiona | 2007-07-06 20:44 | デジタル

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