ヨハンおじいさんの唄 – 1



3年前、壁画の街シェフィールドに訪れ、はじめてこの町の壁画フェスティバルを取材した。
写真を撮りながら僕は背中に誰かの視線を感じていた。
写真を撮っている時は金剛力士像とまではいかないが、奈良の大仏くらいは無愛想になっている僕なので、しばらくは背中の視線を放っておいて撮影に集中した。




f0137354_17325899.jpg






撮影が一段落して休んでいると、にこやかな顔をし、ニコンのカメラを大切に抱えた細身の老人が僕に近寄ってきた。
「失礼、あなたの撮り方はプロに違いないとお見受けしたが、、、」
これがヨハンおじいさんとの出会いだった。




f0137354_17345770.jpg





ヨハンおじいさんはこの町のボランティアのオフィシャル・フォトグラファーとしてここ数年シェフィールドの壁画フェスティバルを撮っているらしい。
おじいさんは彼の写真への愛を、穏やかで、紳士的に、なおかつとても楽しく僕に語ってくれた。







「どうかね、もしよかったらわしの家でお茶でも飲まんかね?」とヨハンおじいさんは僕を誘ってくれた。







後1時間足らずで夕暮れだ。
この日の早朝、この町に到着し朝日に輝くこの町のランドマーク、マウント・ローランドを撮影したが確かな手応えがなかった。




f0137354_17373668.jpg





翌日はこの町を去る予定だったので、西日に浮かぶこの山を撮影するチャンスは、これからはじまる夕暮れ時の一度だけだ。
しかし、ローカルの人の家に招かれ、ガイドブックに書いていない話を聞けるチャンスもそうそうない。
僕は迷ったあげく一日一回のゴールデンタイムをこのおじいさんの家でお茶をして過ごすことに決めた。




f0137354_17385826.jpg






僕はおじいさんの後をとぼとぼとついていった。
家には太ったおばあさんがいて、運が良ければ孫たちがにぎやかに庭を駆け回り、ラブラドールレトリーバがワンワン吠えながら、さらに孫たちを追いかけ回しているフォトジェニックな絵を想像しながら、ヨハンおじいさんが近道だと言う道を彼と一緒に歩いた。
大きな木の下でヨハンは立ち止まり、少し考え事をしたかと思うと、誰かの家の壊れた塀の隙間をくぐり、ほどなく彼の家についた。





f0137354_1741078.jpg






小さな町の中心部からさほど離れていない、ごく普通の、ありふれた一軒家だった。





「家の中に入る前にわしのワークショップ(作業場)を見せよう」




ヨハンおじいさんの目は先ほどより心なしかキラキラと輝いていた。
家の横から裏庭に抜ける途中、小屋というには立派すぎるかなり大きな建物が増築されていた。家よりも見るからに新しい。
中に入ると切られた木の匂いに僕は包まれ、そして正直いって、僕は驚いた。美術品のように綺麗に並べられた大小の刃物、電気工具、本格的な木工機械。
僕の母親がシリアスな木工作家なのでヨハンおじいさんの仕事場を見ただけで彼がただのサンデーアーティストじゃないことは一目で分かった。
タスマニアに来る前は人生のほとんどを家具職人としてシドニーで過ごしていたらしい。
退職し、この小さなシェフィールドに移り住んだ後も、彼のモノ造りへの情熱は冷めることなかった。
オーストラリア本土や海外から本格的な木工機械を注文し、少しずつ大きな工具を揃え、町の人たちに頼まれる物なら何でも木を使って作ってしまう、と少し自慢げに僕に教えてくれた。平日は朝から夕方までのほとんどの時間をここで過ごしていると言っていた。
そういえば、門には「午後7時前に訪れた人はワークショップのドアをノックしてください」と張り紙が貼ってあるのを見かけた。
僕はヨハンおじいさんが熱く語る家具作りへの情熱を約1時間このワークショップで聞き、記念写真を撮ってからここを出た。




f0137354_1744051.jpg





(つづく)


ranking banner ランキングに参加しています。応援のクリックをお願いします!



f0137354_1865120.jpg
「ヨハンおじいちゃんの唄」はしばらく続く予定さ!
えぇ〜、つまんなぁ〜い、とか言ったらお尻ペンペンしちゃうぞぉ!
最後まで付き合ってくれたら豪華プレゼントが待ってるかもよ!
え、何って?
そ〜だなぁ、、、不二子のお宝セクシーショットとか、、、
女性のためにはオレのダチのジョニー、ジョニーデップのヌードなんかどうかなぁ、、、
あらっ、ヌード載せたらまた怒られちゃうよって?
そっかぁ〜、残念だなぁ、、、。

ただ今インターポールの捜査が活発化していて、指名手配リストNo.1のオレはちょっとヤバいことになっているんだ。
コメントの返事をしちゃうとさ、なんていうのかなぁ、逆探知みたいなことされちゃって捕まる可能性があるから、コメント欄は少しの間だけ閉じさせてもらうよ!
いつもコメントしてくれるみんな、ごめんよ!
もうコメントなんてしてあげないからっ!なんて言っちゃダメよー!
こう見えても、オレって寂しがりやなんだぜ!
(うわぁ〜、いい歳して言うセリフじゃないよ!)







このブログへのご意見、ご感想がありましたらEメールにてtastas65*yahoo.co.jp
(*マークを@に変えてください)のアドレスにぜひお寄せください。
また、お仕事のご相談、依頼も大歓迎です!
ranking banner

by somashiona | 2007-07-11 18:13 | 人・ストーリー

<< previous page << ヨハンおじいさんの唄 – 2 | 凧揚げ >> next page >>