タスマニアのゴルゴ13
午前9:30
K君(ホバート在住30代日本人男性)
「マナブさん、おはよぉ〜ス。あれ、あれ、なんだかあまり調子良さそうじゃないっすね。朝から背後霊が肩に乗っかってますよ!」
僕
「なんだよそれ、朝からイヤな奴だなぁ。いやね、昨日は3時間しか睡眠時間がとれなかったんだよね。この歳になると睡眠不足はこたえるのよ」
K君
「じゃあ今日はさっさと家に帰って寝たほうがいいっスよ。どうせ午後から暇なんでしょ?」
僕
「君ね、その、どうせ暇っていうのは何なの!?こう見えても僕はいつも忙しいんですよ!」
K君
「あれっ、なんかあるんスか?」
僕
「今週末の撮影のロケハンをしておかないといけないんだよ」
K君
「え、何撮るんスか?」
僕
「パーティの写真なんだよ。25人の集合写真、個別のグループ写真、あっそれとパーティの模様を伝えるスナップとかもね、、、」
K君
「それって雑誌や新聞の仕事と比べたら、簡単な仕事なんじゃないんすか?」
僕
「君ね、簡単な写真なんてないのよ。特にね、今回のように人数が多いと楽しい雰囲気をキープしつつ、素早く皆を配置に付かせ、たくさんのパターンを撮るのがね、結構大変なんだ。それと、ただの集合写真にならないよう、何かアクセントを考えなきゃいけないし。厳しいのは午後1時半の野外での撮影だっていうこと。晴天だったらすごく汚い写真になっちゃうんだよ。眼鏡かけている人、帽子かぶっている人、影がね、嫌なんだよね。露出も絞っている状態だから、晴天の中で日中シンクロしても25人をカバーするのはちょっと無理だし、、、。25人が入る日陰があるといいのだけどなぁ。」
K君
「そういうのって現場についてから考えるんスか?」
僕
「いや、いや、とんでもない。それが怖いからロケハンするのよ。写真はね、撮る前が大切なのよ」
K君
「なんだか仕事の準備をするゴルゴ13みたいでカッコいいじゃないっスか!ひょっとして体中に傷跡とかありません?」
僕
「もちろんあるよ。なんてったって僕、ゴルゴだからねぇ。えぇ〜と、、、盲腸の手術のあとでしょ、それから椎間板ヘルニアの手術のあとでしょう、、、」
K君
「ちょっと、ちょっと、おっちゃん、おっちゃん(彼は関西人)、身体の弱いゴルゴだなんて聞いたことないっスよ!」
僕
「まあさ、身体のことは許してよ。だけど僕は現場に髪の毛一本、指紋の一つも残さないほどの注意力でのぞむし、、、」
K君
「さあ、さあ、仕事しなくちゃ。じゃあね、マナブさん、また明日」
僕
「あ、あれ?ねえ、まだ僕のゴルゴの話し終わってないんだけど、、、」
翌日
K君
「マナブさん、おはよっす!今日はなんだか顔がスッキリしてるじゃないですか!で、どうでした、昨日は?」
僕
「え、どうって、、、何が?」
K君
「下見ですよ!ロケハン!行くって張り切ってたじゃないですか!」
僕
「あっ、あれね。それがさ、昨日あの後ね、1時間だけ仮眠しようと思ったら、夜まで爆睡しちゃってさ、、、」
K君
「え、えぇ〜〜?下見、寝過ごしちゃったんですかぁ〜?げぇ〜っ、カッコ悪ぃ〜っ、寝坊して仕事すっぽかすゴルゴなんてあり得ないっスよぉ〜っ!」
僕
「本番じゃなくって、下見なんだってば!」
K君
「同じですよ!カッコ悪いなぁ、まったく!だいたいアイスクリームが好きで、女の子を見るとすぐニコニコするゴルゴだなんて、怪しいと思ってたんだ、、、」
ぷるる〜、ぷるる〜。(僕の携帯電話の音)
僕
「ヘロー。イェス、スピーキング。ああ、マイケル、元気?調子はどう?えっ、ロケハン? う、うぅ〜ん、、、いい場所だったよ、、、。えっ、ミーティング?今日の1時半?い、いや、一時半はちょっと都合悪いなぁ、、、うん、うん、ノーウォリーメイト、ロケハンはもう終わってるからさ、大丈夫、、、」
K君
「うわぁ〜、ゴルゴさん、うろたえてるよぉ。目が泳いでるゴルゴなんて見たことないよ、まったく、、、カッコ悪ぅ〜〜〜」
Salamanca, Tasmania
(テキストと写真は無関係です。この人がタスマニアのゴルゴだと思わないでください)
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by somashiona | 2007-09-21 20:42 | B&W Print